プロローグ
それは突然の出来事だった。
僕は信号無視の車に引かれて宙をまった。
その後数刻経ったのち全身がひどく痛んだ。
それでも何とか体を動かそうとするがそこには力が入らない。
そして僕は意識を落とした。
「ああ、今日はなんて日なんだ……」
そんな事を最後思った。
そして僕は意識を取り戻した。
ここが死後の世界かなどと吞気に考えながらあたりを見渡す。
前世に未練が無かったかといわれれば未練たらたらでありまくりである。
彼女も作りたかったし、彼女も作りたかったし、彼女も作りたかったしと大事なので三度言っておく。
ああ、思い人に告っておくんだったなぁと後悔していると目の前に霧がかった何かが現れた。
僕は何故か霧がかった何かを人だと思ったんだ。
そう認識した途端に霧は形を変えそしてそれは人型になった。
「お、珍しいね、僕を認識できるなんて」
人型になったそいつは僕と会話し始める。
「ええ、まあ、そうですね、貴方最初から人でしたよね?」
僕がそう尋ねると相手はびっくりしたような顔を見せる。
「いやいや、それはないよ。見る人によって僕は違う形に見える筈さ」
見る人によって違う形?だとするとここは死後の世界でこの人は死んだ人間が来るたびにこうして現れてたりするのかな?
「見る人によってということは、他にも形があるんですか?」
僕は思った事を素直に聞いてみた。
「まあそうなるね」
とその人は答えた。
そして少し時が沈黙した。
気まずい、凄く気まずい。
この後僕どうすればいいの?ねえ、どうすればいいの?
などと考え、よしこうなったら羊を数えようと自分でもi★mi★hu★me★iな現実逃避をし、 羊が1匹、羊が二匹、羊が三匹、羊が4匹、羊が5匹、羊が……、羊が……羊が300匹と数えていると向こうから「そろそろ話してもいいかい?」と聞いてきたので僕もはいと答えた。
「まずは、そうだね自己紹介をしようじゃないか、僕は君たちがいうところの神様だよ」
「そうですか……」
「君、なんか反応うすくない?」
「ええ、まあ僕死んだんで多分そうじゃないかと思ってました」
「……」
「じゃ、次僕のほうですね」
「いやいや、いいよしなくても」
「え?」
「君さ、いちいち虫や動物の名前、んっと違うかなんて言うんだろ……例えばだけど全く同じ猿が100匹居たとするじゃない?それに愛称、付けたとしてそれがどの猿だか分かる?」
「……」
「僕から言わせればそういうこと、だから最初に霧状で現れて僕を認識できた人の前だけに現れるんだよね」
「何かの選別ってことですか?」
「そうそう大正解、僕を認識できた人だけに第二の人生をプレゼントっていうわけさ」
第二の人生……
それは凄く魅力的な話だった。
なんせもう一度やり直せるのだ。
恐らくだがここで神様を認識できないと第二の人生は歩めないと思う。
「でも、異世界でだけどね」
……
「異世界なんてあるわけないじゃないですか」
あれはあくまでもゲームや漫画などのファンタジーな世界だ。
そんなのが現実にあるわけがない
「君さ、今まさにありえないこの僕と会話してるじゃない」
そう言われて気が付いた
僕は今神様と会話している事実に
「……」
黙るしかなった。
異世界で第二の人生?
そんなの又すぐに死ぬに決まってるじゃないかとへこんでいると
「大丈夫、大丈夫、チート能力あげるからさ」
え!?
チート能力ってあのチート能力の事?
漫画とかアニメとかでよくあるやつのこと?
「っていっても僕自身君にどんな能力があげれるかわかんないんだけどね。テヘペロ」
テヘペロじゃねぇよ、そんなんじゃすぐ死ぬかもしれないじゃないか
「まあまあ、落ち着いてよ、すぐ死ぬ確率は8割だからさ」
異世界での生存確率は二割ぐらいしかないのかよ……
恐らくは自身のチート能力を知らずに死ぬんだろうなと理解した。
「そんじゃ第二の人生楽しんできてね」
こうして僕は何らかのチート能力と第二の人生を神様からプレゼントされた。