第92話 1ヶ月後
久しぶりに話をするベクターさんは、相変わらず良い人だった、皆は、緊張していたみたいだったけど会えたことが嬉しそうだった。
帰りには、ロアさんが見送ってくれた。
『うふふ クオン君と皆さん、また会いましょうね♪』
『今日は、ありがとうございましたロアさん、これベクターさんと飲んでください』
俺は、フォグレプのワインを1瓶ロアさんに渡した。
『まあ、ありがとう、うふふ良い匂いね♪』
『あはは、またお会いしましょう』
◇ ◇ ◇
『ベクター様、良い物貰いましたよ♪』
『ふむ、既に凄い置き土産を置いていったんだがね』
『しかし、あの子達本当にエリクサー作っちゃいそうですね』
『ああ、驚くべき成長速度だよ、私の予想を遥かに超えているほどに』
『コンッ コンッ ベクター様よろしいですか?』
『ああ、良いよ~』
『失礼します、途中から完全に音が消えましたね、魔法ですか?』
『うふふ、色々な事が出来そうね、あの子達は』
『・・・ロア様、ベクター様これだけは、お伝えしておきたいのですが、あの子達に命を狙われたら私達では、お守りする事は出来ません』
『うふふ クオン君、ライカちゃん、おそらくミュウちゃんも強いとは思ったけど、まさか6人共近い実力を持ってそうだったわね』
『はい、あの子達に敵意があれば、護衛の私達は、皆殺しになったでしょう』
『うふふ 気を使わなくて良いのよ、私も無理だわ・・・ベクター様だけは、お守りしたいけど、おそらく・・・』
『あはは その時は、皆で死のうか~』
『うふふ 光栄ですわ♪』
『・・・・・・・・・』
◇ ◇ ◇
俺達は、家に戻り本腰を入れて、ランク上げに没頭する。
ベクターさんの家へ行ってから3日後、ようやくロックがハサミを作り上げた。
『やりました、やりました出来ました、わーいわーい♪』
『『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』』
『ニャハハ ロックご機嫌ニャ』
『おめでとうロック頑張ったもんね』
『でっ でっ 見せて欲しいですわ』
『ワシも、早く見たいな』
『ロック見せてくれよ』
『えへへ では、お披露目です、ジャジャーン』
『『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』』
ロックが製作したアダマンタイト製のハサミは、不思議な力を感じるような青い色をした猫のような形をしたハサミだった。
『ニャハハ あたい専用のハサミニャ』
『あはは 猫ハサミか、でも名前をつけるなら「カットハサミ」かな』
『んふふ カットシリーズに肖ったのね』
『それで、アダマンタイトの成形は、どうだったの?』
『それがですね、スキルランクが上がった事と原初の炎に慣れて来た事もあり、問題なく出来るように成りました』
『とりあえず<鑑定>してみますので見て下さい』
【アンサー カットハサミ:アダマンタイトで作られた切断に特化したハサミ。<自動修復><硬度強化><切断特化><重量軽減【大】>。】
『お~ 流石にスキルも多く付けれるんだね』
『はい、実は、これもかなり苦労しました』
『<切断強化>とカットナイフの<解体切断>を付けようとしたら何故か<切断特化>になりました、形状のせいなのか分かりませんが性能は、格段に上がりました』
『なるほど、それでシロの魔糸試したんだろ?』
『ニャハハ 当然試したニャ、まるで魔法の様に気持ちよく切れるニャ、これでやっと製作に入れるニャ』
『僕も皆のお陰で、ようやく装備の製作に入れます、頑張りますよー』
『それとロックと相談した結果、洋服と胴防具の融合に挑戦することになったニャ』
『後は、出来てからのお楽しみですね』
『よーし、こっからスタートだな、俺も頑張るよ』
◇ ◇ ◇
<同時刻、アーチカ視点>
クオン様に食事を招待されてからリーバイ家では、全てが変わりました、私に至っては、まさに奇跡の一夜となりました。
まさか、1度の食事で人生が変わるなんて、ミュウ様に治していただいた母は、目が覚めてからビックリするほど元気になり、感激のあまり涙が止まりません、この御恩は一生かけても返せそうにありません。
クオン様の家を出てリーバイ家に帰ってから旦那様は、奥様、お嬢様、メイド達を全員集め、此度の食事に纏わる事全ての他言を厳しく禁止されました。
勿論、他言する気は毛頭ありませんでしたが、今回の事は、リーバイ家の存続にも関わる事で他言しクオン様に迷惑を掛けることになれば、その者は只では、すまないでしょう。
現在リーバイ家では、驚く事に全員で魔法の習得に努めています、掃除が<クリーン>ですぐ終わるため、各自の得意属性を伸ばす訓練をしています。
最近メイドの仕事をしていません・・・
旦那様は、仕事を休んで奥様と魔法の訓練をしています。
お嬢様も、キャーキャー言いながら私と魔法の訓練をしています、あれから1週間ほど立ったでしょうか驚くべき事にリーバイ家の庭に、外からは、絶対見えないような魔法の訓練場が出来ました。
どれぐらいの金額が掛かったのか凄く頑丈な建物です、訓練場の中には、各攻撃魔法用の的がいくつも立て掛けられています。
更に驚くべき事に、私達は、魔法を覚えただけと思ってました、そう、最初の異変に気付いたのはコップを握り潰してしまった事です。
小物が良く壊れるなと思ってました、でもそれは、私達の腕力が格段に上がっていた事が原因でした、物を壊さないように力の制御にも時間が掛かりました、旦那様は、その事もあり仕事を休んで訓練したそうです。
執事のザルガさんに至っては、元々剣の訓練もしていた事もあり格段に強くなったそうです。
今、リーバイ家に入る泥棒が居たら切り刻まれて消し炭になるかもしれません。
『アーチカ、アーチカちょっと来て』
『はい、お嬢様どうなされました?』
『うふふ 見ててね<ライトシールド>!!!』
『あっ それは、ミュウ様が屋敷に使っていた結界ですね』
『うふふ そうなの、やっと出来るようになったのよ』
『凄いです、お嬢様では、これもカチカチなんですね』
私は、硬度を確かめようと軽く<ライトシールド>を叩いてみた。
『パッリーーーーン!!!』
『あっ ・・・・・・・』
『アーチカ壊しちゃ駄目ーーーー』
『す すみませんお嬢様』
『でも、そうなのよ強度は、まだ全然ないの・・・』
『もう一度、ミュウ様にご指導願えないかしら』
『あっ そーだアーチカ』
『はい、お嬢様』
『うふふ 私達もザルガのように剣の訓練するわよ♪』
『えっ お お嬢様、私達とは?』
『も~ 何言ってるのよメイド達全員よ♪』
『せっかく力が強くなったんだから、剣も覚えないと勿体ないじゃない?』
『えっ い いや、あの、お嬢様、私達は、メイドなのですが?』
『うふふ 戦うメイドさんになりなさい!』
『は はい、お嬢様』
お母様、決して言えませんが、私は魔法使いになりました。
そして、これから戦うメイドさんになるかもしれません・・・
◇ ◇ ◇
俺達が訓練を始めてから、早1ヶ月が過ぎた。
<マップ+6><サーチ+6><鑑定+7><イクウィップクリエイター+4><エンハンス+4><合成><オールクリエイター><マジックハンター+9><アイテムBOX+6><空間操作+2><時空操作+2><錬金術+5><鍛冶師+4><付与術+4><裁縫術+3><幸運+7>が今回ランク上げで大幅に上昇した。
全員が集まり、1ヶ月の成果を確認する事にする。
<ステータスオープン>
ブンッ!!っと音を立て目の前にステータスウィンドウが出現する。
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【ステータス】
名前:クオン
LV:22
種族:ヒューマン
HP:1110/1110
攻撃MP:1115/1115
回復MP:1115/1115
攻撃:671
防御:664
敏捷:667
器用:673
魔力:678
精神:676
ユニークスキル:<+><〇>
潜在能力:<直感>
ユニークパーティスキル:<能力開眼><ウィンドウ><クリエイター><ハンター><スペースグラスプ><スペースタイム>
パーティスキル:<神の声><ステータス><マップ+10><サーチ+10><鑑定+10><パーティトーク><MP分割><統合><イクウィップクリエイター+10><エンハンス+10><合成+10><オールクリエイター+10><スキルハンター+10><マジックハンター+10><テイム+1><アイテムBOX+10><空間操作+8><時空操作+7>
戦闘スキル:<剣技+6><格闘+6>
特殊スキル:<錬金術+10><鍛冶師+10><付与術+10><裁縫術+10><料理術+10><罠師><身体強化+10><敏捷強化+10><腕力強化+10><打撃強化+10><切断強化+9><突強化+8><感知之極><自然回帰><激運><HP回復+10><MP回復+10><HP吸収+10><MP吸収+6><魔王の威圧><五感強化><縮地+7><解体+10>
耐性スキル:<状態異常無効><魔法耐性+10><物理耐性+10>
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俺は、魔法以外のスキルを表示するのに留めることにした。
『『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』』
『こうやって見ると、皆頑張ったね~』
『うむ、スキル欄も、もうカンストしてる方が多くなったな』
『僕は、この1ヶ月の経験は、一生忘れません』
『あたいもニャ、もう出し尽くしたニャ』
『クフフ 私は、ひたすら実験してましたわ』
『ワシも、ライカと似たようなもんだったな』
『んふふ 私も、満足のいく1ヶ月だったわ』
『魔法スキルは、表示しなかったけど火属性が3から8に上がってたよ、途中で言ったのに頑張ってくれて、ありがとう』
『んふふ 良いのよ実は、新魔法も幾つか作ったんだ♪後で発表するわね』
『ああ、メインはロックとムーアだな』
『えへへ じゃ僕とムーアの1ヶ月の集大成を発表しますね』