第90話 皆の修行
『ロア様、いったいあの者達は、何者なのでしょうか?』
『あら、どうしたの青い顔して?』
『えっ どうしたのよ汗だくじゃない』
『あの者の仕業ですよ、凄まじい殺気を叩きつけられました』
『そ そんな私には、全然感じなかったわよ?』
『おそらく、指向性を重視したのでしょう、恐ろしいほどの殺気でした、1人耐えきれず気絶してます』
『・・・・・そう、もうそんなに強くなったなんて、全く恐ろしいまでの才能ね、流石は、ベクター様』
『どういうことですか?』
『うふふ あの子は、ベクター様が友達になりたいと言った者なんですよ』
『あの子に比べたら、私は、凡人だとも言ってたわ』
『恐ろしい、私は、あの子が恐ろしい、とても友達になりたいとは、思えませんな』
『ふふふ ちょっかい掛けるからよ』
『一応ロア様の護衛ですので、ところであの者は、ベクター様に何を聞きに来たのですか?』
『ごめんなさい、言えないわ、うふふクオン君に殺されたくないもの、あはは』
『あはは 自分で言っといて可笑しいわ、でも本当に殺せそうね、あの連れの子ライカって言ったっけ』
『あの子も、飛んでもなく強いわよ、殺気なんて微塵も感じなかったけど間違いないわ』
『その事なんですが、本当にライカと言う者も部屋に居たのですね?』
『えっ ええ、何を言ってるの?』
『確かに声は、聞こえていましたが気配がありませんでした』
『なっ そうか私は、目の前に居たから分からなかっただけなのね』
『うふふ 何て楽しい人達、もう惚れちゃいそうよ♪』
『やれやれ、ロア様の病気が出ましたか』
『だって、あの子達、才能の宝庫なんだもん楽しいわ♪』
◇ ◇ ◇
『ところでリーダー、エリクサーの材料の方は、目途が付いてますの?』
『ああ、あることは、あるんだけど1つ足りないと思うんだ』
『やっかなことに、その1つが分からない、だからベクターさんにヒントだけでも聞きたいんだよ』
『なるほど、リーダーでも分からないってことは、余程のレア素材の可能性が高いですわね』
『でも、イメージは、掴んでるのでしょう?』
『うん、まず高い栄養価、高い回復効果、高濃度の魔力は確定だと思う』
『あと1つは、時空回帰の力を秘めたもの、もしくわ<創造>の力を秘めたもの』
『それって、私の潜在能力の力みたいな?』
『そうなんだよ、元へ戻すか、無から作り出すか』
『それって不可能に近いんじゃ・・・』
『全ては、ベクターさんに会ってからだね、それまでは<錬金術>のランクを上げるよ』
『じゃ私も、<アイテムBOX>のランク上げしますわ』
自宅へ戻り<マップ><サーチ><鑑定><錬金術>と様々なランク上げをしていると<神の声>が鳴り響く、どうやら皆も頑張っているようだ、さあ俺も頑張ろう。
<神の声>を聞いていると<合成>のランク上昇が聞こえてきた、んっ 誰か<合成>も上げてくれてるようだな、誰だろう。
錬金術のランク上げも<感知之極>を取得したせいか、もしくわ希少種の素材を使っているせいか順調に上がっていく。
<鑑定>も子細に情報を引き出すことを意識して<錬金術>に役立てていると、これも順調に上がっていった。
<マップ>については、より広くそして細かく出しっぱなしで放置するよりも格段にランク上昇が早くなった。
<サーチ>についても、今までのように平面だけではなく立体的に視野を広げることを意識すると上昇が早くなった。
ふ~ <マップ><サーチ>を繰り返しやってると頭が痛くなるな。
何か甘い物でも食べようかな、そうだついでに皆に差し入れしよう、俺は、オリオンの聖杯から聖水を作りホットラッチの果肉を搾りよく混ぜてホットラッチジュースを作った、それをキンキンに冷やしてコップへ入れ<アイテムBOX>の共有BOXに入れた。
<パーティトーク>ON
<皆頑張ってるね、ホットラッチジュースを作ったんだ飲んでくれ>
<<<<<リーダーありがとうー(ニャ)>>>>>
<ところで<合成>は誰が上げてくれてるのかな?>
<クフフ私ですわ>
<ライカだったのか、ありがとう>
<いえいえ、これ、やりだすと面白いですわ>
<へえ~ 確かガチャガチャみたいなやつだよね?>
<ガチャガチャって何か分かりませんが、薬草2つ<合成>したら魔石が出たり、魔石と毒消し草<合成>したら何かのフルーツが出ましたわ>
<<アイテムBOX>のランク上げにも役立ってますわ>
<なるほど、ありがとう>
そういえばガチャガチャって言っても分からないのも当然か、しかしまるっきりガチャガチャだな。
俺も錬金術の要らない素材でやってみるかな、その前にオーラと話するのを忘れていたんでオーラの所へ行こう。
えっと、オーラは下か、パーティメンバーの位置は大体分かるのは、便利だけどプライバシーが無くなるのは、どうかと思うな、皆仲が良いのでいっか。
『オーラ頑張ってるな、ちょっと良いか?』
『クオンか、良いぞ<空間操作>の話だろう?』
『あはは、そうなんだ』
『でっ どういう計画なんだ?』
『うん、計画自体は壮大すぎて、まだまだ先の話なんだけど今回のランク上げのついでにオーラには、ルームの練習をして欲しいんだよ』
『ルームとは?』
『<アイテムBOX>の中には人は、入れないじゃないか、今度は、人が入れる異空間を作るんだよ』
『ルーム、つまり異空間の入口を作る練習をしたら<空間操作>のランクも上がる筈だよ』
『ほほ~ 人も入れる異空間の入口か』
『ああ、最初は、小さくても良いから、とりあえず地面さえあれば良い』
『フハハ 何がしたいのか分からんが、クオンのことだ凄い計画なのだろうな』
『ああ、何れ完成したら驚くと思うよ』
『分かった、やっておく』
『ありがとうオーラ、じゃ<アイテムBOX>も頑張って』
それから俺は、<錬金術>のランク上げを夕食まで頑張り、夕食時ミュウにロアさんに会った事を伝えると、かなり羨ましがられた。
3日後ぐらいにロアさん経由でベクターさんに会うことを言うと、口をポカンと開いたまま驚いていた。
どういう訳か、その時は、全員で行くことになった、どうしてこうなった・・・
大錬金術師として、この世界で3本の指に入ることは当然の如く皆知っていたようで皆会いたいそうだ。
『とろこで、ロック調子は、どうかな?』
『えへへ 順調ですよ、もうすぐ冶金術でアダマンタイトのインゴットが出来そうな気がします』
『『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』』
『凄いですよ、<コンパスの聖火>の原初の炎、いくら温度を上げても、何も変わらなかったアダマンタイト鉱石が熔解しそうなんです』
『でも、原初の炎の扱いが難しくて、中々安定しませんムーアに手伝って貰ってるんですが・・・』
『そうニャ、あの<コンパスの聖火>飛んでもないニャ』
『<オリオンの聖杯>のように魔力を通したら火が点くんだけど安定しないんです』
『なるほど、ミュウ、火属性のランク上げも少しやって貰って良いか?』
『分かったわ、原初の炎っていっても、火だから、ランクが低いせいで安定しないのかもね』
『うん、安定しないってことは、制御が難しいのかもしれないから、直接は関係ないかもしれないけど、やって損はないと思う、俺も暇を見つけて上げておくよ』
『リーダーも1人でいっぱいランク上げしてるんだから、私に任せて』
『分かった、ありがとう』
『オーラはどうかな?』
『うむ、順調にいってるぞ、まだこの部屋ぐらいの大きさだがな』
『お~ まだ1日経ってないのに凄いじゃないか、それならランク次第で、かなりの大きさまで行けそうだな』
『ランクも、リーダーが言ってたとおり、順調に上がってきている』
オーラと話をしていたら、皆がジト目で見ているのに気づく・・・
『ど どうしたの?皆』
『そういえば、計画が、どうとか言ってたけど、何の計画なの?』
『わ ワシは、まだ何も聞いておらんぞ』
『『『『ジトーーーーーーーーーーーーーーー』』』』
『えっ いやあの、壮大な計画すぎて、まだ全然決まってないんだけど、只ランク上げするのも勿体ないから、ちょっと練習して貰ってるだけだよ』
『『『『『ジトーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』』』』』
『お オーラまで・・・本当に、まだまだだから方向が決まったら、ちゃんと言うよ』
『また、飛んでもない事考えているんでしょー』
『リーダーいつも、どれだけ先を考えてるニャ?』
『ルームだったか、あれを使って何をするのか・・・』
『ルームって、何ですか?』
『クフフ 楽しみですわ♪』
『ところで、ライカ<合成>ありがとうね、何か面白いの出来たかな?』
『『『『『また、誤魔化した(ニャ)!!!』』』』』
『ちゃんと形になったら、言うから今は、壮大すぎて全然なんだよ、ホントだよ』
『クフフ まあ楽しみにしておきましょうか、私の方は、殆ど同じような物ばかりですが、これなんか面白そうですわ<鑑定>してみますね』
【アンサー 強化草:様々な薬品の効能を約1.5倍にする効果がある。】
『へええ~ これ使ったら、ポーションの効果も1.5倍になりそうね、良いじゃない』
『なるほど、見た事ないから、結構レアな物かもね』
『後は、見た事ないフルーツですわ、<鑑定>してみますね』
【アンサー バナナの実:非常に栄養価が高く、甘く美味。】
う~ん黄色なんだが、丸いな・・・ミカンを黄色にしたような名前は、俺の記憶から付けられているのかな・・・分からないな。
『中々、色々な物が出るみたいだね、組み合わせが決まってたら量産出来そうだけど、ライカ、一応組み合わせは覚えてる?』
『一応覚えてますけど、同じ物が出るとは、限らないみたいですわ』
『なるほど、やっぱりね、まだ他に報告あるよね?』
『クフフ 何の事ですか?』
『も~ ライカまでリーダーに似てきたんじゃない?』
『それは、心外ですわ研究中の物はありますが、まだ内緒ですわ』
『俺は、別に秘密主義者じゃないぞ?』
うう・・・皆のジト目が痛い・・・
『まっいっか、ロックまだ、お預けだな』
『あはは 分かってますよ』
『あら、ロックも鼻が良いですわね』
『えへへ そりゃーもう』
『ワシには、何の事か、分からぬが楽しみにしておくか』