第89話 次なるステップ
家に戻りリビングに集まる、お茶を入れて今後の話をする。
まずは、俺からローニアさんとの商談内容を皆に伝えた、特に魔物素材の売却での事を伝え、各自獲得した素材から作れそうな武器・防具・アイテムがあれば相談しようと話し合う。
『とりあえず、俺の話は以上だが、続きはロックがした方が良いかな?』
『うん、僕から話すよ、皆に聞いて欲しいんだけど』
『今使ってる僕が作った武器は、そろそろ限界だと思うんだ』
『ニャー あたいのは、最高に調子良いニャ』
『私のムチも最高よ』
『うむ、ワシもだ』
『私のは、作って貰ったばかりだし、新しいですよ?』
『シンクロしても大丈夫だと思う?』
『『『『『あっ!!!』』』』』
『正直に言うと次に、シンクロエンチャットしたら壊れると思います』
『かといって同じ武器を作っても、耐えれるのは、精々1回いえ今の僕達なら持たないかも知れません』
『ならコンパスで採ってきたアダマンタイトがあるニャ、あれで作ったら大丈夫ニャ』
『今の僕では、あれは手に余る代物なんですよ、冶金術でインゴットにすることも出来ませんでした』
『『『『『・・・・・・・』』』』』
『でも僕は、やってみせますランクが足りないのか、何か方法があるのか分かりませんが、やってみせます、その為に時間が欲しいんです』
『ロックの言うことは分かった、次はミュウだろ?』
『あ~ びっくりした、も~ 何もかもお見通しなのね・・・』
『ええ、そうよ私も時間が欲しいわ、エリクサーに匹敵する回復魔法、皆にも手伝って貰ったけど、すぐには無理だったわ、でも効果は掴んだから、きっと作って見せるわ、その時間を頂戴』
『分かった、次は、ムーアかな?』
『ニャハハ バレてるニャ?』
『あたいも、時間が欲しいニャ、シロが作ってくれた魔糸が、これなんだけど見て欲しいニャ』
『うわ~ 綺麗な糸ね、それに色んな色があるのね』
『綺麗なだけじゃないニャ、信じられないほどの防御力ニャ、それに付加価値もありそうニャ』
『良い事だらけじゃないか?何が問題あるんだ?』
『防御力が高すぎるんニャ、つまり切れない切断出来ないニャ』
『あたいの全力の<瞬>でも切れなかったニャ、お手上げニャ』
『ふあ~ 飛んでもないわね・・・』
『あたいも方法を探してみるニャ』
『分かった、次はオーラ?』
『ワシは、<アイテムBOX>を広げようと思う』
『なるほど、後で俺と相談しようか、それは俺の計画の範疇でもあるんだよ』
『フハハ やはりな』
『じゃ、最後にライカは?』
『私は、リーダーのお手伝いしますわ、素材狩りとか、ありそうだし』
『あはは、何か怖いな』
『俺は、エリクサーを作ろうと思う、ライカの言う通り必要な素材を探さないと』
『これから、それぞれが自分の仕事を進めると思うんだけど1つだけアドバイスをしたい』
『皆が、別の事をしているようにも見えるけど実は、全部繋がってるんだ、最初の突破口はロックだ』
『えっ ぼ 僕ですか?』
『ああ、全てのスタートは、ロックから始まると思う』
『せ 責任重大ですね・・・』
『でも、ちゃんと道筋はあるんだコンパスのダンジョンで最後の最後で手に入れた<コンパスの聖火>だ』
『あっ あのリーダーが、すっごい喜んでいたアイテムですよね?』
『ああ、あれを鑑定したとき「原初の炎」ってあっただろ?』
『あれを見た時ロックの潜在能力を思い出したんだ』
『僕の、潜在能力<創造>ですか?』
『原初の炎があれば、ロックの潜在能力が更に開花すると思う』
『ロックが最初に目指す道具は、ハサミだ!』
『アダマンタイトのハサミ、そしてカットナイフの付与効果が合わさったとき、きっと魔糸も切れるはず』
『アダマンタイトの加工には、ムーアの<千里眼>も要る筈だ』
『ってことは、あたいが頑張らないとニャ?』
『そう、そしてミュウの<原理>もだ』
『わ 私も?』
『おそらくエリクサーを魔法で再現するのは、今の俺達では、不可能だと思う』
『そ そんな』
『まあ、慌てないで、でも近づけることは、出来ると思うんだ』
『エリクサーの効果は、全身しかも欠損された部位の復元まで出来る奇跡の様な効果だ』
『でも、もし1部分だけに限定したら?そうアーチカさんの母親の時のように肺限定なら出来るはず』
『でも、その力は、ほとんど<創造>レベルだ』
『そうか、そうなんだ分かったわ、私の<原理>ムーアの<千里眼>ロックの<創造>が高まったとき、ようやく道が開けるのね』』
『オーラの<空間>もだよ』
『ワシもか?』
『俺達の力では、まだまだ引き出せないと思うけど、<空間操作>の可能性は、凄まじいと思うよ』
『今回のハサミの作成でも、少しオーラの力が要る筈だ』
『ワシには、難しすぎて分からんな・・・』
『あはは、俺にも分からないよ、只そんな気がするだけだよ』
『勿論、俺のエリクサー作成にも、皆の力が必要だ、逆に俺の<直感>が皆の閃きを引き出してくれる筈』
『どお?全員繋がっていると思わない?』
『わ 私が入っていませんわ』
『あはは、残念ながらライカの<時空>は、まだまだ俺達には、早い特別なんだよ』
『俺達が、もっともっと力を付けていったら使えるかもしれない、使えないかもしれない、それほど特別なんだ』
『ふ~ 私が役立つ時は、先になりそうですわね』
『いやいや、飛んでもないライカも忙しくなると思うよ、全員やることは、とりあえずランク上げだ』
『ロックは、<イクウィップクリエイター><エンハンス><オールクリエイター><鍛冶師><付与術>』
『はい』
『ムーアは、<イクウィップクリエイター><エンハンス><オールクリエイター><裁縫術><付与術>』
『はいニャ』
『ミュウは、<マジックハンター><鑑定><オールクリエイター>』
『分かったわ』
『オーラは、<アイテムBOX><空間操作><時空操作>』
『おう』
『ライカも、<アイテムBOX><空間操作><時空操作>』
『分かりましたわ』
『俺は、<マップ><サーチ><鑑定><錬金術>』
『最後に<合成>だけは、今の俺にも良く分からないんだけど・・・色々試しておくよ』
『とりあえず期間は1ヶ月を目途に動こうか、連絡は<パーティトーク>で受け渡しは、<アイテムBOX>を通じてやろうか』
『『『『『了解!!!』』』』』
『んふふ なんやかんやで、私達とっても便利ね』
『クフフ 夢のようですわ』
『みんなー 頑張るニャーーーーー』
『『『『『おう!!!』』』』』
『あら、最後に持っていかれたような・・・』
『ニャハハ』
俺達は、早速やらなければならない事をやるために散開する。
さて、俺も動こうかな。
『リーダー私は、まず何をしたら良いのかしら?』
『ちょっと、人探しをしたいんだけどライカ着いてきて貰って良いかな?』
『分かりましたわ』
さてと、確か名前は、『<マップオープン>ベクターを<サーチ>!!!』
『り リーダー、ベクターって、あの大錬金術師のベクターですの?』
『えっ ライカ知ってるの?』
『当然知ってますわ、有名人ですよ』
『へええ~ そうなんだ、只者じゃないとは、思ってたけど』
『リーダー凄い知り合いが居たんですね、魔族にも有名なお方なのに』
『まあ、こちらが、一方的にお世話になっただけなんだけどね』
『う~ん、<サーチ>に引っ掛からないな・・・遠くに居るみたいだ』
『それで、どうしますの?』
『ちょっと待ってね、もう一人居るんだ』
『シャルル・ロアを<サーチ>』
『見つけた、良かった、この町に居るみたいだ』
『それで、その方は、どういった方ですの?』
『この人も、一方的にお世話になった人なんだけど、今から会いに行くよ』
『分かりましたわ』
俺は、家を出て<マップ>に示すシャルル・ロアさんの所へ向かう、どんどんと近づいて来たが、どうやら貴族街の方に居るらしい。
しばらく歩いていくと、ようやくシャルル・ロアさんが居る屋敷に着いたが、立派な門があり入れそうもない・・・
『う~ん、困ったな』
『勝手に入る訳にも、いきませんしね』
俺とライカは、しばらく立ち尽くして、どうするか迷っていたら門兵のような人に話掛けられた。
『なんだお前達、この屋敷に用があるのか?』
『すみません、少し人を探してるのですが、ここにシャルル・ロアさんって方が居ませんか?』
門兵の様な人が、シャルル・ロアさんの名前を出したとき僅かに反応があった。
まあ、<マップ><サーチ>のお陰で居るのは、わかっているんだが。
『・・・お前達が会えるような人じゃない、帰りな』
『ってことは、ここに居るんですね?』
『ええい、やかましい、とっとと帰れ叩きだすぞ』
門兵と口論になっていると、幸運にも、中からロアさんが顔を出してくれた。
『何を騒いでいるのよ?』
『失礼しました、ロア様、得体の知れない者達がロア様を探しているようで追い返そうとしているところです』
『あらっ 貴方は、以前馬車で会った・・・そう確か、クオン君?』
『あの時は、お世話になりました』
俺は、丁寧にお辞儀をして、あの時のお礼を言った。
『うふふ 良いのよ今日は、どうしたの?』
『はい、人を探しているのですがロアさんに聞こうと思いまして』
『・・・・ふ~ん、まあ良いわ、どうぞ中へ入って』
俺達は、ロアさんの案内に従って中へ進むが、門兵には睨まれっぱなしだ・・・
中へ入るとリーバイ家にも、勝るとも劣らない立派なリビングになっており豪華なソファーに勧められ、お茶まで出してくれた。
『ところでクオン君、綺麗なお姉さん連れちゃってミュウちゃんだっけ?怒られるわよ』
『えっ いやライカは、同じパーティメンバーで、そんなんじゃ』
『クフフ 綺麗って言われましたわ♪』
『ライカ喜んでないでフォローしてくれよ』
『クフフ 私は、構いませんわよ?』
『へええ~~~ クオン君ってモテるのね、クククッ』
『ろ ロアさん、からかわないで下さいよ』
『まあ良いわ、ところで誰を探しているのかしら?』
『はい、ベクターさんって人です、御存知ですか?』
『・・・どうして私がベクターって人を知ってると思ったの?』
『・・・あれっ そう言われればそうですね・・・何でだろ?』
『クフフ リーダーのいつもの感みたいですね』
『すみません、根拠はないのですが、知っているんじゃないかと思って』
『ふ~ん、じゃ次は、どうして私がここに居るのが、分かったのかしら?』
・・・困った、何気なく来てしまったけど<マップ><サーチ>なんて説明出来ない、どうしようかな・・・
『な 何となく探してたら、ここかな~って』
『ふ~ん、私今日は、外出してないんだけどー』
ロアさんが、すっごいジト目で、こちらを見てくる・・・困った、ど どう説明しよう。
『クフフ リーダーが、オロオロしてるの初めて見ましたわ、クククッ』
『ら ライカ助けてくれよ』
『私には、何も分かりませんわ、着いてきただけですし』
『まあ良いわ、感ってことに、してあげる』
ヤバい、ロアさんのジト目が、止まらない・・・いっそ逃げるか・・・
『でっ ベクター様に、何の用なのかしら?』
『あっ やっぱり知り合いなんですね』
『うふふ ちゃんと答えて?』
『う~んう~ん、仕方ないですね実は、<錬金術>の事で聞きたいことがあるんですよ』
『・・・この世界で3本の指に入るほどの大錬金術師のベクター様に飛び込みで行って、錬金術の事を教えてくれると思ったの?』
『はい、間違いなくベクターさんなら、教えてくれます』
『なっ ・・・・・・うふふ ふふふ あっはははは 面白い面白いわ貴方、仕方ないわね少しだけ教えて上げるわ』
『ベクター様は、今は居ないけど、2~3日したら、この町へ来ると思うわ』
『本当ですか、ありがとうございます』
『うふふ 良かったら、どんなことを聞きたいのか教えて貰って良いかな?』
『えっ いあ、あの、その 』
『ダメよ、私なんて、感だけってのを信じたのよ?』
『・・・・・絶対に、ベクターさん以外に言わないでくださいよ、信じますよ?信じますからね?』
『分かってるわよ、私も秘密だらけなのよー』
『・・・・・では、二人ほど聞いてるので、声に出しませんから口を読んでください』
『えっ ふふふ 怖い子ね、一応プロなんだけどね、良いわどうぞ』
『・・・・・・・・・・・』
『うふふ ふふふ あっはははははははは ちょっと本気なの?あはははは』
『もう、だから言いたくなかったんですよ、内緒ですからね』
『分かったわ、ベクター様が帰って来たら、家に連絡して上げるわ』
『あれっ 俺の家どこか言いましたっけ?』
『うふふ 感よ♪』
『あはは 信じない訳には、いきませんね』
『あっ そうだ、あの属性石とっても助かりました、ミュウが凄く喜んでましたよ』
『うふふ 良かったらミュウちゃんも連れて、遊びに来なさいな』
『はい、きっと喜ぶと思いますよ、では今日は、失礼しますね』
俺とライカは、ロアさんの家?を後にし、自宅に戻ることにする。
『クフフ あの方の前では、とっても幼く見えましたよ♪』
『ライカからかいすぎだぞ!でも、いったいどういった人なんだろう・・・恩人だから<鑑定>しなかったけど失敗したかな』
『私は、<鑑定>しましたけど普通の人でしたよ?』
『・・・なるほど、今の俺達でも<隠ぺい>出来るほどの人なのか、世界は広いな』
『クフフ そうですか、私は、見たつもりが見さされた訳ですね、少し興味が湧きましたわ』
『でも、敵には、ならないよ』
『リーダーが、そういうなら間違いないですわ』