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第85話 クオン本気の料理!


俺は、リーバイ家から家に戻りシロの事を聞くと、どうやらムーアの部屋にシロの居場所を作ったそうだ。


シロの食事も、中庭に畑を作り魔草を埋めて育てる段取りが出来ていた、大量に青々とした魔草が出来ていたので不思議に思い聞いて見るとオリオンの聖杯から作った、聖水を掛けると見る見るうちに育ったそうだ。


なるほど、魔草は魔力を地中から吸い上げて育っているらしく、大量の魔力を含んだ聖水を上げるとこうなる訳だ。


皆と食事をしながら明日の段取りを伝え寝ることにする、シロも聖水で作った魔草が気に入ったのかモキュモキュと喜んでいる。


そして朝、起きてから俺は頑張った、そう1日料理していた、勿論、皆にも手伝って貰い出来てからすぐに<アイテムBOX>へ入れて冷めないようにした。


魔物の解体はカットナイフを使い、何でもスパスパ切れるので解体スキルもカンストした、コンロが足りなかったので庭に大きな釜を作りながら料理していたら<五感強化>で味覚も鋭くなったのか<料理術>のスキルも発生し料理が終わるころにはカンストした。


<アイテムBOX>も頻繁に出し入れしていたので<アイテムBOX+6><空間操作+2><時空操作+2>と1つずつ上がり嬉しい限りだ。


冷やして置くものは<アイスロック>で冷蔵庫を作り、お酒とフルーツ類を入れて十分冷えてから<アイテムBOX>に収納した。


今回は、生魚も用意したので寄生虫対策で完全に凍らせてからランクの上がってきた<鑑定>で徹底的に調べ上げた。


料理を<アイテムBOX>から随時出して行こうかと思っていたら見栄えが寂しいとミュウに進言されたため全部テーブルへ並べてから全員で<時空操作>を頑張りテーブルの上に置いた料理だけ時間を止めた。


食べる順番によって随時解除していく予定だ、ほぼ段取りが終わりミュウがローニアさんを呼びに行ってくれた。


テーブルは30人ほど座れるような大きさで円形の「C」の形に作った、その上に膨大な料理を並べたそれだけでは寂しいのでC型のテーブルの真ん中に丸いテーブルを置いて、そこにも高さのある料理を、これでもかと飾り立てた。


ワイングラス・ブランデーグラス・デキャンタ・氷入れも<錬金術>で作り各テーブルに並べてある。


後は、ローニアさんが来るのを待つばかりだ。



       ◇     ◇     ◇



私が、リーバイ家に辿り着き、様子を見てみると、なにやらバタバタと忙しそうにしているのが分かった。


しばらくすると執事のザルガさんが出迎えてくれた、呼びに来た事を伝えると家の中から侯爵家令嬢<リーバイ・カタ・ローニア>、侯爵家当主<リーバイ・カタ・ガデラス>、侯爵家夫人<リーバイ・カタ・ミレーナ>、メイド長<アーチカ>さんに続き、メイドさん達が続々と出て来てくれた。


私は、丁寧にお辞儀をした後、挨拶をする。



『本日は、急の招待にも関わらず起こし願える事、大変ありがとうございます』


『いやいや、当家全員を招待して頂き、ありがとう、しかし本当に良いのだろうか?』


『んふふ リーダーのクオンが張り切ってましたよ、あんなに全力で動いているのは私も初めて見ましたよ』


『まあ、初めまして私は、ミレーナと申します本日は、お招きありがとうございます』


『私は、パーティ「サークル」のメンバーでシャーリー・ミュウと言います、こちらこそありがとうございます』


『うふふ なんて可愛らしいお嬢さんだこと、本当に冒険者なのかしら?』


『んふふ お上手ですね、喜んじゃいますよ♪』


『さて、ミュウさんクオン殿の話では、当家に誰も入れないようにしてくれると言う話なのだが?』


『はい、もう誰も家の中には居ませんよね?』


『ええ、もう全員出てますわ鍵も閉めましたし』


『分かりました、少し離れていて下さいね』


『<ライトシールド>!!!』



私は、リーバイ家の全体を包むように<ライトシールド>を3重に掛けて1日ぐらい持つように魔力を込めた。



『なっ こ この半透明な物は、ひょっとして結界ですか?』


『んふふ そのような物です、どうぞ試してください入れますか?』



リーバイ家の皆さんが<ライトシールド>に触り感触を確かめ、執事のザルガさんがミスリルソードで突いてもビクともしなかった事に驚いていた。



『いやはや、君達には何度も驚かされるな、これでは私達でも入れないな』


『んふふ お帰りの際、解除致します、さあ参りましょうか馬車等もないので徒歩になりますが、ご容赦ください』


『なに、大した距離でもないのでお気にせず』



少し歩き、直ぐに辿り着くと既にクオン達が出迎えていた。



『こんばんわ、ガデラスさん今日は、起こし願えてありがとうございます』


『いやいや、こちらも大人数で招待して頂きありがとう』


『初めまして私は、ミレーナと申します本日は、お招きありがとうございます』


『ご丁寧にありがとうございます俺は、パーティ「サークル」のリーダーをしていますクオンと言います』


『うふふ とても冒険者に見えない貴族としても通る、感じの良い青年ですわね』


『俺は、見栄えが子供っぽいらしくて、よく笑われるんですが青年ですか、嬉しいですね』


『さあ、ローニアさんも入ってください』


『うふふ ありがとうお言葉に甘えますわ』


『アーチカさん、そしてメイドさん達も今日は、ありがとうございます、どうぞ入ってください』


『クオン様、今日は、私達までお招きに預かってありがとうございます』



メイドさん達が一斉に頭を下げて俺にお礼を言ってくれる。



『いつものお茶のお礼が、やっと出来ますね、さあ入ってください』


『では、失礼しますね』



アーチカさんは、微笑みながら門の中へ進んでくれた、他のメイドさん達も次々と入ってくれて最後の一人が入ってから俺は、門を閉めた。


門から入り庭を抜けて玄関を開き、今回用意した会場の前で集まって貰った。



『ガデラスさん、今日は、御無礼とは知りながら全員同じ料理、同じテーブルとしたことを、お許しください』


『く クオン様ひょっとして私達もでしょうか?』


『良い、アーチカ今日は、リーバイ家全員を招待くださったのだ無礼講で行こう、私は一向に構わぬ』


『だ 旦那様』


『うふふ、アーチカ良いのよ、今日は、対等の招待よ』


『奥様、ありがとうございます』


『ガデラスさん、やはり俺が思っていたとおり良い人ですね嬉しいです、今日は、全力で、おもてなししますね、さあどうぞ、お入りください』



俺は、今回用意した会場のドアを観音開きで開け中へ誘った、両脇にはメンバーに立って貰い各自の椅子へ誘導してもらう手はずだ。


リーバイ家の皆さんは、盛大に並べた料理を見て固まっていた、少し作りすぎたかな・・・



『な なんとクオン殿、私を王様かなにかと勘違いしてはいないか?』


『あはは 俺にとっては、王様以上ですよ、さあ案内しますね、お進みください』



俺は、上座なんて、この世界にはないので奥の方から順番に座って貰ったガデラスさんからメイドさんに至るまで一人ずつ椅子を引いて座って貰った。



       ◇     ◇     ◇


<メイド達の心の声>



『わ 私、旦那様と同じテーブルに座っちゃったわ、そして何?この見たこともないような料理の数々は昨日から何も食べてないけど、とても食べ切れないわ、どうしよう残したら駄目って言われたけど』


『な なんて量の料理なの・・・しかも、どれもこれもなんて美味しそう』


『飛んでもない物って、違う意味で飛んでもないわね・・・作法なんて分からないわよーーー』


『ううっ み 皆の視線が痛い・・・わ 私に視線を注がれても、どうしようもないわ死ぬ気で全部食べるのよ』


『アーチカ、覚悟を決めたような目をしてるわ、本気でこれ全部食べる気なの?死んじゃうわ』


『お腹は、ペコペコだけど、こんな量、想定してないわよーーー何なの目の前にある料理だけでも大量なのに真ん中のテーブルに乗ってる肉の塊は、百人前ぐらいあるんじゃないの?』



       ◇     ◇     ◇



俺は、全員が椅子に座ったのを確認してから声を掛けることにした。



『本日は、皆さんお越しいただきありがとうございます』


『恥ずかしい事ですが、俺達は冒険者なので作法も何も分かりません、どうか自由にお食べください料理を食べる順番だけは、俺達でお伝えしますね』



なにかメイドさん達がホッとしているようだ、やはり作法とか気にしていたのかな?そうなら先に言っておいて良かった。



『クオン殿この並んでいる食器類は、ひょっとして銀食器かね?』


『はい、俺達の家では、食器類もあまりないのでロックが今日作ってくれたんですよ』


『な なんと、今日作ったのか?こんなに緻密な模様まで入っている銀食器を、こんなに大量にか?』


『武器や防具に比べたら簡単でしたよ、でも褒められると嬉しいですね、えへへ』


『いやはや、この料理も見事だがこの食器類だけでも、どれほどの価値があるか・・・』


『うふふ お父様クオン様の規格外は、ご承知の筈でしょ?』


『いやはや、全く驚かされるばかりだ』


『じゃ、最初にワインをどうぞ』



俺達は、各自分かれてキンキンに凍らせたワイングラスの時間停止を解いて、ワインを注いでいく。


俺達が、コンパスのダンジョンで取ってきたフォグレプのワインだ、デカンタから注いだワインから芳醇な匂いが部屋を包み込む。



『一人、大樽1杯飲んでも無くならないぐらいの量があるので、気兼ねなく飲んで下さい、内には、メイドさんが居ないので、お代わり用に各自のテーブルにデカンタと言う入れ物にワインが入ってますので、ご自由にお飲みください』


『なんと芳醇な香り、そして何故グラスがこんなにも冷たいのか・・・まるで氷のようだ、では』


『な なんて美味さだ、こんなに美味しいワインなど私でも飲んだことがない・・・』


『美味しい、なんて美味しいの私は、あまりお酒は飲みませんが、こんなに美味しいワインは初めてですわ』


『まあ、お母さまが、そこまでワインを称賛されるなんて初めてですね、では私もいただきますわ』


『えっ こ これ本当にワインですの?』


『う~ん、俺達は、ワインだと思うのですが、どうですか?』


『ああ、間違いなくワインだ、しかし、こんなにも美味しいワインを私は、知らぬ』


『お父様まで絶賛するなんて、うふふ クオン様は不思議なお方ですね、アーチカ、貴方達も頂きなさい美味しいわよ』


『は はいお嬢様、では皆さん頂きましょう』


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