第73話 コンパスダンジョン攻略3 2度目の隠し部屋
次は、いよいよ隠し部屋のある地下16階だ、以前の作りからして移動しているとは考えにくいから、また同じ位置にあるはずだ、以前の記憶を思い出し近くの魔物を倒しながら進むと、やはりあった。
相変わらず外観を見てみると、それは石作りの建物で円形をしており半径20メートルほどの建物だ。
以前に入った入口に回り込むと前回と違い、罠が設置されている。
『ムーア頼む』
『分かってるニャ <罠解除>!!!』
【サークルが小爆発の罠解除に成功しました。】
『『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』』
『流石ムーアだ』
『ニャハハ 褒められると嬉しいニャ』
扉が開いて中へ入るとそこには、おびただしい数の罠が設置されていた。<罠感知>スキルが、どんどん上がっていく。
『うはー なんだこれは』
『ニャーいったい幾つの罠が、あるんニャ』
『これは、凄まじいな』
『これムーア1人で解除してたら、どれぐらい掛かるか分からないわね』
『えっ あ あの<罠感知>スキルがカンストしましたね・・・』
『僕も、やるよ』
『いや、ここは、全員でやろうムーア比較的簡単な罠を選んで<罠解除>を教えてくれるか?』
『分かったニャ、あたいが使ってる針を皆に配るニャ、針が無くても<罠解除>出来るけどイメージしやすくなるニャ、皆も<罠解除>スキルあるから大丈夫ニャ』
俺達は、しばらくムーアに<罠解除>を教えて貰い6人で<罠解除>に入る。もちろん落とし穴とか転移の罠はムーアに任せた。
1時間ほど立っただろうか、どんどん<罠解除>スキルが上がっていくが、まだまだ先は長そうだ。
『ふ~ 僕も、ようやく慣れて来ましたよ』
『うむ、ワシもスキルのお陰か、大体分かってきたムーアのような速度では出来んがな』
『んふふ まだまだ練習出来そうね』
更に1時間ほど立っただろうか<罠解除>スキルがとうとうカンストした。
『うわー <罠解除>スキルカンストしちゃったよ』
『ニャー これは大変ニャ、でも奥の方に何か見えてきたニャ』
『ちょっと、試したいんだけど<罠感知>と<罠解除>を<統合>してみるよ、ひょっとしたら耐性スキルのような恩恵があるかもしれないし』
『あー なるほど、そうね名案だわ』
『<状態異常無効>になった、あれですね』
『ああ、やってみる』
【<統合>スキルの発動が確認されました。<罠感知><罠解除>が<統合>され<罠師>を取得しました。】
『ふむ、<罠師>か、<鑑定>してみよう』
【アンサー <罠師>:罠に関する技術を極めたスキルであり、罠を設置することが出来るようになる。】
『なるほど、逆に設置出来るようになるのか、俺達にそれよりも「罠を極める」ってのが有用そうだな』
『ムーア、試してくれ』
『ニャハハ もう試してるけど息をするように簡単に解除出来るようになったニャ』
『よし、想像どおりだな、皆もう少し頑張ろうか、あの遠くに見えている台が目的地だ、そしておそらく、あれは』
『魔導書でしょ?』
『流石ミュウだね、ここからは見えないけど、そんな感がするよ』
『ってことは、間違いないってことね』
『んふふ ライカって飲み込み早いのね』
<罠師>を取得してから移動速度が格段に上がり、ようやく大きな魔法陣の中央に設置されている台に辿り着く。
『ふ~ 長かったニャ』
『おっと、ムーア気を抜いちゃ駄目だよ、ここからが本番だ』
『ニャハハ 分かってるニャ、台と魔導書に最後の罠があるニャ、しかも2重に・・・<罠師>なかったら危なかったかもニャ』
『でも、今なら<罠解除>!!!』
『終わったニャ、もう罠は、ないニャ』
『ありがとうムーア、じゃミュウ頼む』
『分かったわ、まずは<鑑定>からね』
【アンサー ダンジョンワープ:古代魔法ダンジョンワープが記された魔導書。】
『『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』』
『んふふ なるほど前回大当たりかと思ったら、今回が本命だったわけね』
『ああ、2回来てよかったよ、まあこれから何時でも来れるようになるのかな?』
『じゃ、覚えちゃうわね』
ミュウは、魔導書を持って、ゆっくりと開いていく、すると古代文字が刻まれた魔法陣が魔導書の上に現れ、俺達6人の頭へ直接知識が入ってくる。
【サークルが無属性魔法<ダンジョンワープ>を習得しました。】
俺達6人は、ハイタッチして喜びを分かち合う。
『まさか、私の人生で魔導書を覚える機会が訪れるなんて・・・』
『ああ、ワシも初めてだ、不思議な感覚だな』
『そっか、二人共<ディスペル>のとき居なかったもんね』
『どんな魔法なのか僕が<鑑定>してみますね』
【アンサー ダンジョンワープ:ダンジョン内の訪れたことのある階層・地点までワープすることが出来る。同ダンジョン内限定。】
『なるほど、階層だけじゃなくて来た事のある地点にもワープ出来るんだ』
『同ダンジョン限定って、どういうことかしら?』
『ああ、例えば此処からオリオンのダンジョンへは、ワープ出来ないってことだよ』
『ふむ、そういうことか、他のダンジョンへはワープ出来ないってことか』
『んっ ロックなんか凄く嬉しそうね』
『えへへ 分かりますか?だってこれで何時でも鉱石取りに来れるじゃないですか』
『『『『『ブレないな~!!!』』』』』
『あはは 僕に取っては、夢の魔法です』
『さー 早く進んで火山地帯に行きましょう』
『あはは でもハーピーの卵取ってからね!』
『『『『『ブレないな~!!!』』』』』
『あはは さあ行こう』
俺は、前回ハーピーが居た所を目指して進んでいると意外と早く見つけた。
順調に倒して目的のハーピーの卵もストックしていく。しかし以前倒したときよりもドロップ品が明らかに多い、やはり<幸運>スキル効果が効いてるようだ。
今回のドロップは、羽・尾羽・卵・モモ肉が出た。モモ肉は初めてみたが、これも美味しそうだ。
『いやー 思った以上に大猟だったね、満足だ』
『あはは 僕の事言えないじゃないですか』
『・・・・ねーねー あそこに黒っぽいハーピーが見えるんだけど』
『レアだな、どうなってるんだ今日は・・・』
『おー やったね上位の卵♪』
『リーダーとっても嬉しそうニャ』
『あはは でも逃がす手は、ありませんよね』
『クフフ 当然ですよね』
『って、あれっ リーダーは?』
『凄いスピードで木を駆け上がってるニャ あっ 一撃で倒したニャ』
『『『『『は 早い!!!』』』』』
『・・・初めてリーダーの本気を見たような気がしますわ、恐ろしい強さですね』
【レベルアップしました。サークルがレベル17からレベル18に成りました。】
【サークルが特殊スキル<聴覚強化>を習得しました。】
【サークルの<幸運+2>が<幸運+3>に成りました。】
『ニャー ちゃっかりスキルもコピーしてるニャ』
『いやー ごめんごめん、なんか逃げられるような予感がして急いじゃったよ』
『クイーンハーピーって名前だったよ』
『ドロップ品<鑑定>するね』
【アンサー クイーンハーピーの羽:ハーピーの上位素材。重量軽減【大】の効果がある。】
【アンサー クイーンハーピーの尾羽:ハーピーの羽の最上位素材。】
【アンサー クイーンハーピーの卵:至高の味として王族に伝わる逸品。】
『も~ リーダー1人で行ったら危ないでしょ』
『ごめんなさい』
『んふふ でも確かに逃がすのは惜しかったわね、許してあげるわ』
『クフフ 全員で行ってたら逃がしてた可能性が高いってのは、皆、分かってるんでしょ?』
『も~ ライカったらバラしちゃ駄目でしょ』
『『『『『あはは』』』』』
『後、良いことが分かりましたね』
『んっ <幸運>スキルのことかな?』
『流石リーダーやっぱり気付いてましたか、レア種を倒したら<幸運>スキルのランクが上がるみたいですね』
『必ず上がるかは、分かんないニャ、でも<幸運>に影響するのは確実みたいニャ』
『なるほど、ワシ等なら積極的にレア種を倒せば恩恵が大きいと言う事か』
『クフフ 経験値もスキルも素材も、良いこと尽くしですけど普通は、そんなに倒せないわ』
『ふつー そうよねー 慣れって怖いわ』
『あはは そういう言葉は、もっと強くなってからだよ』
『ワシも、もっと強くなるぞリーダーに負けんぐらいにな』
『もちろん、僕も追いついて見せますよ』
『うん、良いね負けないよ』
『も~ おっとこの子してるんだから』
『ニャハハ あたいも強くなるニャアアアア』
『私も、続きますわ』
『わ 私も強くなるわよ』
『あはは じゃ行こうか』
『『『『『了解!!!』』』』』
地下20階に下りる、隠し部屋で時間が掛かった分今日は、ここで野営になりそうだな。
ギルドで聞いた情報では、21階から火山地帯のはずだから野営には向かないし様子だけ、みてみたいが皆に相談しよう。
『皆、聞いてくれ、今日は、ボスを倒してから此処で野営にしようと思うんだけど、少しだけ21階の様子も見ようと思うんだ』
『そうね、火山地帯で野営は辛いから、それが良いかもね』
『『『『了解!!!』』』』
それからも、魔物を狩りながら進んで行くハーピーもそこそこ出たので卵のストックも、かなり増えて毎日食べてもしばらくは持ちそうだ。
小川も結構、浅瀬になってきたと思ったら、なにか水しぶきが上がっている、あれは魚か、しかも大量だ。
『ムーアやったな』
『ニャアアアア 信じられないニャ、魚がいっぱいニャ』
見た目は鮭だな、しかも結構な大きさだ浅瀬で大量に居ることから、どうやら小川を登っているのか、産卵でこの先が海になっているってことは、無さそうだが、ある意味、食糧調達のボーナスみたいなものかな。
<鑑定>してみたが、やはり産卵みたいだ、ってことはイクラが手に入るな、ちゃんと食用って出てるし大丈夫みたいだ。
寄生虫が気になるが<鑑定>で、表示がないので、こちらの世界では居ないかもしれないが念のため1匹ずつ<鑑定>はしておこう。
『よし、ムーアの為にも、ここで魚をストックしておくか、浅瀬だから簡単に取れるしね』
『あはは 分かりました』
『リーダーありがとニャ』
『あっ 念のため1匹ずつ<鑑定>してから血抜きして<アイテムBOX>に収納していってくれ』
『むっ 血抜きか?魚もするのか?』
『ああ、そうだな見本を見せよう、皆解体用のナイフ持ってるよね、それを使って』
『みんな見ててくれ、生きている内に尻尾のここらへんを深めに切って、エラをめくってから、ここを少し切ってくれ、少し放置して血が抜けたら収納していってくれ』
『『『『『了解!!!』』』』』
『しかし、相変わらず色々知ってるわね?』
『僕も、魚まで血抜きするとは知りませんでした』
『動物と同じで美味しくなるんだよ、まあ俺達は<アイテムBOX>があるから、新鮮なまま食べれるけどね』
『<鑑定>忘れないようにね』
『クフフ 分かりましたわ、でも面白いように獲れますわ』
【サークルの<鑑定+6>が<鑑定+7>に成りました。】
【サークルの<解体+3>が<解体+4>に成りました。】
【サークルの<アイテムBOX+3>が<アイテムBOX+4>に成りました。】
おー 予想外に有用なスキルが上がって嬉しいな、俺達は、視界に入るすべての鮭?を全て取りつくした。
『楽しくて、ほとんど取っちゃったけど取りすぎかな?』
『ダンジョンの物は、しばらく立ったら、すぐ元に戻るから大丈夫ニャ』
『へええ~ そうなんだ、なんて便利な』
『これだけ簡単に取れたら楽しいわね』
『えへへ 僕も楽しんじゃいました釣り具も作ろうかな』
『そうだな、俺も協力するよ』