第72話 コンパスダンジョン攻略2 テイム
俺達は、ボス戦が終わり地下11階に下りる。
『うん、森だな』
『太陽が気持ち良いニャー』
『えっと、ここの魔物は、なんだっけ?』
『確か、リザードマン・カラークロウラー・ケルピー・ハーピーですね』
『それに隠し部屋が、あったニャ』
『ああ、あの大儲けしたやつか、それに魔物も良い奴ばかりだったな』
『んふふ リーダーはハーピーの卵が欲しいんでしょ?』
『ミュウ要らないの?』
『要ります!』
『また、あの卵が食べれるニャー、嬉しいニャ』
『ワシも、あれは好きだな』
『オーラまで・・・よっぽど美味しい物なんですね』
『ライカも、きっと気に入りますよ僕も大好物です』
『じゃ、少し遠回りしてでも、魔物倒して行こうか』
『『『『『了解!!!』』』』』
俺達は前回、小川沿いを進んだが今回は、魔物が居る方を優先的に進んだ。
『あっ あれリンゴンの実じゃないかな?』
『それっぽいね、丁度良い摘んで行こう』
『うわ~ いっぱい実ってるニャ』
『これも美味しいんですか?』
『んふふ 食べてみて』
『は はい、ングング!!す 酸っぱいです』
『あはは これは、ジャムにしたら美味しくなるんだよ』
『ハチミツキャンディーに、これも入ってるんだよ』
『へええ~ これが原料だったんですか』
『とっ 言う訳で根こそぎ摘んで行こう』
そこには、大量のリンゴンの実が実っており俺達は、目に付く実を大量にゲットした。
『ふ~ これだけあれば、いっぱいジャムが作れるよ』
『クフフ 楽しみですわ』
『よし、じゃ行こうか』
ちょくちょくリザードマンは、見つけて倒していくが、中々お目当ての魔物が居ない・・・道中も色々なスキル上げをしながら、どんどん進み地下13階に来て、ようやくケルピーを見つけた。
『居た、ケルピーニャ』
『ほんとだ、3体居ますね、僕ケルピーのステーキも大好物です』
『んっと、1体やたら大きいのが居るわ』
『ということは、レアか、今日は、特に出くわすな』
『私が<鑑定>してみますね』
【アンサー スカイケルピー:ケルピーのレア種であり目撃情報がめったにでない希少種。】
普通のケルピーより、一回り大きく色も少し濃い水色だ青色に近い、見るからに筋肉が付いていて盛り上がっている。
『おー やっぱりレア種か、それに希少種って、かなり珍しそうだね』
『これは、見逃せないわね素早い魔物だから前みたいに<エアウォール>で囲む?』
『うん、そうしよう、今回は、<気配遮断><影隠>も使って包囲してから<エアウォール>で囲もう、合図はミュウがしてくれ』
『分かったわ』
俺達は、<気配遮断>と<影隠>を駆使してスカイケルピーに気付かれないように包囲することに成功する。
ミュウからの目配りで戦闘が再開される。
シンクロ魔法にならないように、少しだけずらして詠唱することにした。
『<エアウォール>!!!』
『『『『『<エアウォール>!!!』』』』』
『よし、捉えたわ』
『オーラ、スカイケルピーを相手してくれ、どんな攻撃をしてくるか、分からないから注意』
『分かった、3重<ライトシールド>!!!』
『他の人は、ケルピーを倒して』
『『『『了解!!!』』』』
元々ケルピーは、とても素早いが防御力は高くないため、<スタン>で動きを止めると即座に倒せた。
スカイケルピーの方へ目をやるとバスケットボールぐらいの水球を今にも放とうとしている。
『来るぞ、オーラ』
『任せろ』
スカイケルピーから放たれた水球は、オーラの盾に当たり爆ぜる、そこそこの衝撃だがオーラは受け切り<双龍刀>の一撃で沈む。
『ふぅ~ まさか、魔法を撃ってくるとはな』
『ああ、やはり魔法を撃ってくる魔物も出始めたね、あんなのボカスカ撃たれたら穴だらけに、なりそうだ』
『リーダー、色々とドロップしてますよ』
『おお、そうだった以前にもでた皮と肉と角だな、それとこれは、スカイケルピーの素材か<鑑定>してみよう』
【アンサー スカイケルピーの皮:ケルピーの上位素材。柔軟性があり装備品にすると敏捷【大】。】
【アンサー スカイケルピーの角:ケルピーの上位素材。希少な角であり錬金術で様々な効果のある薬剤が作れる。】
【アンサー スカイケルピーの肝臓:ケルピーの上位素材。食用として非常に美味で人気がある。魔力の上限が上がる効果。】
【アンサー スカイケルピーの魔石:高純度の魔力を秘めた魔石。】
『なるほど、ほとんどケルピーの上位素材だな魔石も何かに使えそうだ、皮はロック持っていてくれ他は、パーティ用の<アイテムBOX>に入れて置くよ』
『うん、また何かの装備に使いますね』
『よし、そろそろ食事にしようか』
『『『『『了解!!!』』』』』
『そこの小川のとこで食べよう、魚も獲れるかも?』
『やった魚ニャー、あたいが獲るニャー』
『ほんとニャー、いっぱいいるニャ <サンダーボール>!!!』
どうやって魚を獲ろうかと考えているとムーアが<サンダーボール>を川に放つ、うまく手加減したのか20匹ほどの魚が気絶して浮かんでくる。
うーん、いくら食べたいとはいえ凄いな、その後も器用に風魔法を駆使して魚を集めていく。日本でいうマスのような魚で、そこそこ大きい。
『ムーア凄いな、本気すぎるぞ』
『ニャハハ もちろん本気ニャ、串に刺して塩焼きにするニャー』
ムーアが獲ってくれた魚は、こんがり塩焼きになって食べてみると、全然泥臭くもなく、とても美味しかった醤油が欲しくなるな、これでも十分美味しいけど、簡単なスープとパンも出したがムーアは大量の魚を食べつくし、満足そうだ。
『満足ニャア、お腹いっぱいニャ』
『んふふ 本当に満足そうな顔してるわね、でも私も美味しかったわ』
『僕も美味しかったです、大量にあったのに、まさか全部食べちゃうとは思わなかったけど』
『また、魚影みつけたら持って帰りましょうか』
『賛成ニャー、頑張るニャー』
『フハハ ムーアは本当に魚が好きだな』
『あはは お腹もいっぱいになったし進もうか』
俺達は、また進みだしケルピーやリザードマンを順調に狩っていき成果を上げていった。
地下15階まで下りた所でカラークロウラーを見つけ倒し終わったときに森の奥の方に1体だけ魔物反応があることを見つけた。
『糸や布も補充できて嬉しいニャ』
『うん、後この奥に1体だけポツンと魔物がいるみたいなんだけど、なんか気になるんだ』
『えっ それってリーダーの感よね』
『『『『ってことは・・・・・』』』』
『み 皆さんどうしたんですか?』
『ライカは、まだ分からないかもしれないけどリーダーが、こういう時は、なにか凄い物があるのよ』
『なんか俺、変な風に誤解されてないか?』
『『『『自覚がないだけ!』』』』
『クフフ ある意味、凄い信頼ですね』
『とりあえず行くしかないニャ』
何故か不思議な総意の下、森の奥に反応があった魔物を見に行くことにする、結構な距離を進んだ後ようやく魔物を発見する。
『あれは、クロウラーよね?』
『でも小さいし、真っ白ですね』
『<鑑定>してみますね』
【アンサー レインボークロウラー:希少種?。詳細不明。潜在能力<魔糸>を所持しており様々な色の糸を作成し最高品質の素材となる。】
『本当に今日は、レア種に、良く遭遇するな』
『ねーねー あれテイム出来ないかな?』
『なるほど、テイム出来たら希少な糸がずっと手に入りそうだしね』
『あたいのペットにして家で飼うニャ、そんなに凄い糸を作ってくれるなら最高ニャ』
『どうして希少種に?が付いているんだろう?』
『う~ん、分からないね』
『さっそくカームリングが役に立ちそうだな、よしムーア任せた』
『ニャー 行ってくるニャ』
ムーアが木の枝で休んでいるレインボークロウラーの下へ近づいていく。
レインボークロウラーもムーアに気付いたのか警戒して枝に隠れる。
どうやら大きさはラグビーボールより少し小さいぐらいか、ムーアは木の下からジッと見つめているとレインボークロウラーも気になるのか頭だけ出してムーアを見ているようだ。
5分ほど立っただろうか、ムーアは見てるだけだったが、なんとレインボークロウラーが木から下りてきてムーアの肩へ乗りモキュモキュしている。
どうやらムーアのことを気に入ったようだ、頭を少しだけ上げてモキュモキュしている、肩から下りようとしないのでムーアが肩に乗せたまま、こちらへ帰って来た。
『なんか分からないけど来てくれるみたいニャ』
『う~ん、意思の疎通が出来るとは思えないけど言葉で聞いて見たらどうだ?』
『分かったニャ、あたい達と友達になって家に住んでほしいニャ、了解ニャ?』
レインボークロウラーは、頭を上げてモキュモキュしている。
『んふふ 良いよって言ってるのよ』
『『『『マジか?』』』』
【サークルがレインボークロウラーの<テイム>に成功しました。】
【サークルの<テイム>が<テイム+1>に成りました。】
『『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』』
『ニャハハ 良かったニャ、これからよろしくニャあたいは、ムーアニャ』
『よろしくな俺は、クオンだ』
『よろしくお願いします僕は、ロックです』
『フハハ ワシはオーラだ、よろしくな』
『私は、ライカって言います、よろしくね』
『私は、ミュウよ、よろしくね』
レインボークロウラーは、頭を上げてモキュモキュしている。どうやら伝わったようだ。
『しかし不思議な魔物だな・・・名前考えないと』
『ムーアのペットになるから名付けもムーアだな』
『この子の名前は、「シロ」ニャ』
『『『『『・・・・・・・・・・』』』』』
レインボークロウラーが頭を上げてモキュモキュしている・・・どうやら喜んでいるようだ。
『まあ、本人が気に入ったなら良いか・・・』
『じゃ、名前は「シロ」に決定!』
『戦闘時どうするの?肩に乗ったままなら、危ないわよ』
『う~ん、そうだなシロが入るぐらいのカバンならあるから、ここに入ってて貰うか』
『戦闘時は、カバンに入って貰って<ライトシールド>しとくニャ』
『じゃ、ムーアにカバン渡しとくよ、しっかり守るんだぞ』
『分かったニャ、任せてニャ』