第62話 これからの方針
『なんか分からないけど、凄くいっぱいあるのね』
『うわ~ 私も久しぶりに見たけど、何か凄いことになってるわね』
『これがフルパーティの力か、凄まじいな』
『そうそう、ライカさん慣れるまで思い切り動いちゃダメだよ』
『えっ 思い切りですか?』
『そうね、少し慣れるまで私が地下で訓練しとくわ』
『僕は、ライカさんの装備作りたいです』
『あたいも洋服作りたいニャ』
『俺も買い出しに行きたいんだけど、オーラ手伝って貰って良いかな』
『ああ、ワシも手が空いてるからの』
『じゃあ皆、昼食でまた此処に集まろう』
『『『『『了解!!!』』』』』
俺とオーラは、まず食材を買いに行くことにするが肉類は買うのが勿体ないので狩りに行くことにする、<サーチ>を掛けると、以前に取りに行ったバイコーンや野鳥・ウサギ・イノシシが結構近場に居たのでオーラと近い獲物から狩りまくった。
以前は一人だったけど今日は、オーラも手伝ってくれたから驚くほど狩れた、今更ながら<サーチ>って便利だ。
『ふ~ 大量だね、これだけ確保したら、しばらく持つよ』
『フハハ いやいや楽しかったのう、今まではアイテムポーチしかなかったから大量にストック出来なかったが、これからは、楽になるな』
『ああ、嬉しい限りだよ、じゃ戻ろうか』
大量の肉が確保できたのでオーラと野菜類と調味料・香辛料を買い足し家に戻る。急いで帰ってきたので、昼前に着いた、これからオーラとサンドイッチを作ることにする。
狩ってきたウサギ肉を細かく切り甘辛いタレで焼いて照り焼きにし、スクランブルエッグと野草をパンに挟んでいく、こうなるとマヨネーズが欲しくなるな酢があれば作れるんだけど・・・
『おお~美味そうだな』
『あはは これはサンドイッチって言うんだよ、スープも出来たし皆を呼ぼうか』
俺は、皆をリビングに集めて昼食を取ることにする。
『皆、お疲れ、オーラと昼食作ったんで食べようか』
『うわ~ 美味しそう、ねえ、これ何ていうの?』
『これは、サンドイッチと言うらしいぞ』
『すっごい、良い匂いですね僕もお腹ペコペコです』
『美味しそうニャー 食べるニャー』
『ああ、なんて良い匂い、食欲をそそるわ』
『じゃ、食べてくれ』
『『『『『いただきまーす!!!』』』』』
『あはは ライカさん、もう聞いたんだ』
『ええ、いただきますとご馳走様ね、うふふ面白いわ』
『美味しい~ これウサギなんだ、すっごいパンに合うわ』
『美味いニャー 流石リーダーニャ』
『モグモグ、モググモモグ』
『ロック殿、何言ってるかわからぬぞ』
『美味しいわ、涙が出そう・・・』
『そう言ってくれると嬉しいよ』
『本当に料理が上手なのね、私も覚えたいわクオンさん、いえこれからはリーダーって呼びますね』
『あはは みんなリーダーって呼ぶけどクオンで良いよ』
『私もライカとお呼びください、さん付けなんて要りませんよ』
『そうだね、みんなこれを機に敬称無しで行こうよ、呼捨てだ!』
『私は、呼捨て苦手なのよね、でも努力するわ』
『そうだな、ワシも皆のことは呼捨てにするのでワシの事もオーラと呼んでくれ』
『リーダーがそういうなら、あたいも努力するニャー』
『僕も努力します、でも呼捨てって苦手なんですよ』
『ダメだよ、上下関係無しの仲間なんだから、これからは呼捨てに決定!』
『他人行儀だしね、気楽に行こう』
『もう~ 分かったわよ』
『でっ ライカ思い切り動かない方が良いって言った意味、分かったかな?』
『ええ、気を付けたけど、転んだわ・・・・』
『あはは そりゃーそうだよね今までより何倍も力が上がった筈だから』
『ええ、驚くぐらい体が軽いわ、今までが嘘のように』
『直ぐに慣れるよ、じゃ昼からの予定なんだけど、ライカには、冒険者登録をして貰おうと思う』
『冒険者ランクを上げておかないと、ダンジョンにも入れないしね』
『ロックとムーアには引き続き装備の製作に入って貰って、他は、ライカのランク上げをしよう』
『でも、私に冒険者登録、出来るかしら・・・』
『それは、大丈夫だと思うよ冒険者ギルドの受付嬢は、知り合いだから、ちょっとぐらいの無理は聞いてくれる筈』
『そうねエイトールさんなら大丈夫よ』
『分かったは、そこまで言うなら不安だけどやってみるわ』
『じゃ早速行こうか、ロックとムーアも良いかな?』
『分かったニャー出来たら、あたいも合流するニャ』
『僕も出来次第、合流しますね』
『あ~ そうだライカは、こっそり町へ入れたの忘れてたな・・・』
『それなんだけど、ライカには、一人で壁の外に出て門へ行って貰うっていうのは、どうかな?』
『サークルが知り合いで町へ来たってことにして、そのまま冒険者登録して門兵に認めて貰う流れで』
『それ良いね、俺達は冒険者ギルドで待ってれば良いか』
『一人分ぐらいの地下道なら僕がすぐに作りますよ、幸いこの家の地下からなら壁も近いし直ぐ出来ますよ』
『俺も手伝うよ、ちゃちゃっと作ろうか』
話も決まり地下道作りは、すぐに終わった誰にも見られてないか<マップ>でも確認し、ライカは、大回りして門までいって貰い、冒険者ギルドで待つことにする。
『あー来た来た、ライカこっちだよ』
『お待たせしました』
『じゃ、エイトールさんの所へ行こう』
俺は、ライカを連れてエイトールさんの所へ向かう。
『こんにちわ、エイトールさん』
『こんにちわクオンさん、今日はギルドのクエストですか?』
『はい、その前に俺達の新しいメンバーになるライカの冒険者登録をお願いしたいんですよ』
『では、サークルも遂にフルパーティに成ったんですね、おめでとうございます』
『ありがとう、お願いします』
『はい、承りますね』
俺は、若干の不安を感じながら手続きが終わるのを待っていた、幸い昼頃と言うこともありギルドには俺達以外誰もいないようだし。もし魔族と言う事で不都合があったら直ぐに対応するため、すぐ近くで待っていた。
『あら、珍しいライカさんは、魔族なんですね』
エイトールさんの言葉に俺達に緊張が走る、ライカも不安そうな表情でこちらを見つめるが、何とかして貰おうとエイトールさんに話かける。
『はい、終わりましたよライカさん、これが冒険者ギルドカードになります』
『『『『えっ!!!』』』』
『おっしゃるとおり、私は、魔族なんですが登録出来るんですか?』
『ああ、なるほど大体事情は分かりますが、小さい町とかなら魔族に嫌悪感がある人が多いですが、ここのように大きい町では、魔族の方も何人か住んでますし、冒険者をやっている魔族もいますよ』
『まあ、珍しいですが』
『『『『・・・・・・』』』』
『あはは ライカどうやら、取り越し苦労だったみたいだね』
『んふふ これから魔族って隠す必要もないわね』
『フハハ 魔族を何とも思わないのはワシらだけでは、ないようだな』
『ええ う 嬉しいです、わ 私は、大きい町なんて怖くて入れなかったから知らなかった・・・』
ライカは、涙を流しながら喜んでいる、それを見て俺達も貰い泣きしそうになるが、これで何の問題も無くなったことをライカに告げる。
『ええ、ありがとう、私はもう魔族だからって怯えなくて良いんですね、ありがとう』
『よし、じゃサクっとランク上げちゃおうか、エイトールさんライカのランク上げたいのですが良いクエストありますか?』
『そうですね、クオンさん達が同行するならDランクまで依頼出来ますが、達成数では薬草取りでポイントなら討伐系ですね』
『なるほど、じゃまず薬草採集で達成数稼ごうかな』
『分かりました、こちらになります』
『ありがとう』
俺達は、薬草と魔草の採集クエストを受けて門へ向かう門兵には、ライカの新しく作ったギルドカードを提示し問題なく認めてくれた。
『よし、じゃここらへんで教えた通り<マップ><サーチ>やってみようか』
『はい』
『<マップオープン>薬草と魔草を青色で価値のある植物を赤色で<サーチ>』
ブンッ!!っと音を立て目の前にマップウィンドウが出現する
『す 凄い・・・なんて便利なスキル』
『んふふ そうなのよね反則級よね、これのお陰で私達も、とっても助かってるわ』
『でも、価値のある植物も集めるのかな?』
『ああ メインは薬草と魔草集めて貰って、ついでに手当たり次第集めて貰って良いかな?ちょっとこれから必要になるんだよ』
『何故か悪い予感するんだけど・・・』
『あはは 流石ミュウ、良い感してるね、また説明するよ』
『お手柔らかに頼む・・・・』
『お オーラまで、俺って信用ないのか・・・』
『じゃ、適当に散らばって集めよう、ここら辺なら魔物も出ないと思うけど一応警戒していこう』
『『『了解!!!』』』
1時間ぐらいたっただろうか一度、皆に集まって貰って個数を聞いて見ると300本ぐらいになった、あまり取り過ぎもダメなので、これぐらいで戻ることにする。
薬草と魔草以外も結構な量が取れた、毒草・麻痺草・治癒花・混乱草・幻覚草・各種キノコ類と豊作だ、町へ帰る道中<神の声>が聞こえる、どうやらロック達も頑張っているようだ。
採集中もスキルがいくつか上がったのでまとめてみる。
<マップ+5><サーチ+5><鑑定+5><アイテムBOX+2><イクウィップクリエイター+4><エンハンス+4><鍛冶師+4><付与術+4><裁縫術+3>と9つのスキルが上がった。
『素材をいっぱい<アイテムBOX>に入れたからスキル上がったわね』
『ああ、これで容量も、かなり増えた筈だ時間停止にもなったし、これからどんどん活用していこう』
『フハハ クオンは、食材の確保が嬉しいのだろう?』
『あ~ そういえばかなり肉類、狩ってきたよね』
『・・・否定はしない、美味しい物は正義だよ!』
『クフフ 美味しい物は、幸せな気分になりますよね~』
町へ着いて、冒険者ギルドへ入ると、ロックとムーアが既に待っていてくれた。
『ロック・ムーア早かったね』
『討伐系のクエストを受注するなら武器が居るかなと思って、急いで持ってきました丁度<マップ>で確認したら戻って来てたので』
『あたいも、出来たニャ、でもここで着替えるのもなんだから帰ってから渡すニャ』
『なるほど、丁度良かったよ採集系やって来たから、報告してくるよ、ちょっと待っててね』
俺は、ライカを連れて採集クエストの完了報告をエイトールさんにする。
『うわ~ 流石にクオンさんですね、短時間でこんなに採集したんですか』
『あはは 俺達は、慣れてるからね』
『しばらく、お待ち下さいね』