第5話 驚愕の性能
俺とミュウさんは、とりあえず<陽だまり亭>に行くことにした。いつもの女将さんがいる、そういえば名前聞いてないな。
『すみません、今日も泊まりたいのですが同じ部屋開いてますか?』
『おかえり、今日は早いね開いてるよ、でも2人で泊っても2人分の料金になるよ?』
『ちょ ちょっと同じ部屋な訳ないでしょ』
『あはは 冗談だよ、貴方も昨日と同じ部屋で良いかい?』
『ええ良いわ、お願いね』
『あいよ、じゃ昨日と同じ銅貨12枚だよ』
『あっ それと、お名前聞いて良いですか?俺はクオン、此方はミュウさんです』
『ああ私は、ここで女将をやってるラウラだよクオンにミュウだね、よろしくね』
俺達は、ラウラさんに今日の分の料金を支払い、俺の部屋に行く。
『さて、じゃ詳しく説明してよね』
『うん、とりあえず薬草採集の報酬を渡しておくよ、金貨15枚、銀貨5枚、銅貨4枚になったから約半分の金貨8枚だね、はいどうぞ』
『うわ~ 凄いね~ 昨日の報酬の何倍かしら・・・でも助かるわ正直、厳しかったのよ、でも私の方が少し多いから、何かで返すね』
『良いよ良いよ、俺も路銀が余りなかったんで、これでしばらく持つよ』
フトコロが温かくなり二人で笑顔になる。
『さて、なにから説明したら良いかな、まずステータスウィンドウからかな、ミュウさん隣に座って貰っていいかな?』
『ええ、良いわよ』
何気に言ってしまったがミュウさんが隣に座ると、良い匂いがして緊張する。
『じゃ、説明お願いね』
『あっ うん、えーとまず、これを見て<ステータスオープン>!!!』
ブンッ!!っと音を立て目の前にステータスウィンドウが出現する。
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【ステータス】
名前:クオン
LV:1
種族:ヒューマン
HP:20/20(+10)
MP:30/30(+20)
攻撃:7(+3)
防御:7(+3)
敏捷:10(+4)
器用:16(+6)
魔力:15(+9)
精神:13(+9)
ユニークスキル:<+>
潜在能力:<直感>
ユニークパーティスキル:<能力開眼><ウィンドウ>
パーティスキル:<神の声><ステータス><マップ><サーチ>
戦闘スキル:<剣技+1><格闘+1>
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ミュウさんは、ポカンと口を開けて固まっている!どうしたのかな?
『ちょっと、こ これ、ユニークスキルってクオン君、ユニークホルダーだったの?』
『えっ 俺も自分のステータス初めて見たんだけどユニークホルダーってなに?』
『ユニークスキルって数十万人に1人居るか居ないかってぐらい、すっごいレアなスキルよ私は初めて見たわ、大体ステータスなんて教会でしか確認できないのよ』
『凄い、凄いわクオン君、凄い人だったのね。でっ でも何で意気なり、あんなことになったの?』
ミュウさんは、すごく驚いた表情で、見つめてくる。
『えーっと、ここからは予測になるんだけど、あの時パーティを組もうって話をしてたじゃない?』
『うん、今度、教会に行ってパーティ編成したほうが、お得だよって話だよね?』
『そうそう、おそらくあれが、ユニークスキルの発動条件だったんだと思う、お互いがパーティ編成を承諾しパーティを組んだことになった』
『パーティを組んで条件を満たしたため、ユニークスキル【+】が発動した』
『そして、ユニークパーティスキルが2つ発生した俺に<能力開眼>、ミュウさんに<ウィンドウ>だよ』
『ユニークパーティスキルなんて、聞いたことないわ』
『おそらくパーティを組んだ人、全員に掛かるスキルだと思う』
『ユニークパーティスキル<能力開眼>が発動されて、俺に元々備わっていた潜在能力<直感>を引き出したんだと思う、おそらくミュウさんにも潜在能力ってのが付いてると思うよ』
『ほ 本当に?』
『うん、後で確認してみよう、俺とは違う能力だと思う。潜在能力って付いてるから』
『そして次が、ユニークパーティスキル<ウィンドウ>これが発生したことによってパーティスキル<神の声><ステータス><マップ><サーチ>の4つが発生したと思う。順番に説明すると』
<神の声>:頭の中へ直接語り掛けてくる能力取得等、様々な事を知らせてくれる能力。
<ステータス>:ステータス画面を見ることが出来る能力。
<マップ>:地図情報を映像化できる能力。
<サーチ>:指定対象を検索できる能力。
『これが、薬草採集したときに見えていた矢印の能力だよ、<サーチ>で指定した薬草と魔草を<マップ>で表示したんだよ』
『ふえーーー すごく便利だね、なんでも検索出来るのかな?』
『そこらへんは、これから検証してみないと分からない』
『次は、ミュウさんのステータスを開いて見よう<ステータスオープン>って言って見て』
『うん<ステータスオープン>!!!って、こうかな?』
ブンッ!!っと音を立て目の前にステータスウィンドウが出現する。
『うわっ びっくりした、これが私のステータス?』
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【ステータス】
名前:シャーリー・ミュウ
LV:1
種族:エルフ
HP:20/20(+10)
MP:30/30(+10)
攻撃:7(+4)
防御:7(+4)
敏捷:10(+6)
器用:16(+10)
魔力:15(+6)
精神:13(+4)
潜在能力:<原理>
戦闘スキル:<ムチ技+2><弓技+1>
回復魔法:<ヒール>
攻撃魔法:<ファイア>
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『うわ~ これ、以前に見たステータスより、かなり多くなってるわよ?これ本当なの?私のMP5だったのよ』
『う~ん、これも予想なんだけど、たぶんミュウさんの潜在能力<原理>の解放効果じゃないかな?後は、プラス表示があるじゃない?俺のと見比べると、たぶん俺のステータスが加算されていると思う』
『うわ~ 凄い、2人分の能力に、なったって事よね?凄いわ、これがユニークスキルの能力なんだ』
『えっ ええっ ミュウさん、エルフだったんだ?』
『あっ バレちゃった、ごめんなさい亜人は嫌がる人がいるから普段は隠してるけどクオン君、嫌いだった?』
『まさか、とんでもない、どおりで可愛いと思ったよ、やっぱり耳に特徴があるの?』
『ちょ ちょっと照れるでしょ、も~ いつも褒めすぎなんだから、でも良かった亜人嫌いじゃなくて、実は、バレたら嫌われるんじゃないかと思って、ちょっと心配してたんだ、耳もヒューマンに比べてそんなに変わらないよ』
ミュウさんは、髪を持ち上げて、可愛い耳を見してくれる、大きさは変わらないけど少しだけ尖ってる感じだ!
しかし、可愛いしスタイルも良くて凄く胸も大きいから、まさかエルフとは少し日本で伝わってるエルフに先入観持っちゃったかな、胸は控えめって勝手に思ってたよ。
『うん、可愛いよミュウさん』、
俺は、微笑みながらミュウさんに言った。
『もう、だから照れるでしょ耳なんて誰にも見せないのに』
『でも、パーティを組んで私にも凄い能力が備わっちゃったのね?良いの?私みたいな、落ちこぼれをパーティメンバーに選んじゃって?』
『俺も1人なら、落ちこぼれも良いとこだよ、あの冒険者達にも全然敵わなかったし、ミュウさんがパーティを組んでくれたお陰で大きな力を貰ったよ』
『んふふ ありがとう、これからよろしくねクオン君』
『此方こそ、よろしくミュウさん』
『でも不思議ね、なんで私にも<ステータス>使えるんだろう』
『おそらくステータスに表示されていないけど、お互いの能力は共有になるんじゃないかな?あっ ひょっとして俺にもヒールとか魔法使えるかも?』
『ウソ、それじゃー 私達どっちかがスキルや魔法を覚えたらお互いが使えるって事?』
『そうなるね』
『それって、凄い事じゃない?普通の人の倍になるのよ?』
『あはは、うん、これから頑張って覚えて行こう』
『あ~ そういえば生活魔法を教えてあげるって言ってたよね?やってみようか』
『うわ~ 嬉しいよ、よろしくお願いしますミュウ先生!』
『もう、いきなり先生なの んふふ』
『じゃあ、まず魔力を感じるとこから始めましょうか、私のヒールを受けたことを思い出してみて、こうやって体を流れる魔力を手に集めていくイメージをするの』
『うん、やってみるよ』
俺は、目を閉じて、光の粒子のようなものが手に集まるようにイメージする。
『そうよ、上手いわ、ちょっとづつだけど手に集まってきている、すべての魔法は、まず体中に流れる魔力を、足の先から頭の先まで意識して1カ所に集めるの、手の平とかイメージしやすいわよ、ある程度魔力が集まってきたら使いたい魔法に変換するイメージで言葉と共に放つのよ。』
『試しに昨日、私がやった<クリーン>を自分に掛けてみて、自分や服の状態を、そのままに汚れだけを分離するイメージを固めてから言葉に乗せるの』
『<クリーン>なら、そんなに魔力もいらないから自分に掛けてみて』
『うん、やってみるよ』
俺は、眼をゆっくり開けて自分の手に集まって来ている光の粒子を見る。
うわ~ 本当にぼんやりと光が集まって来ている。じゃ次は、イメージだ、汚れだけを落とす。
『<クリーン>!!!』
『うわっ ちょ ちょっと魔力を込めすぎよ』
俺は、全力で汚れを落とし綺麗にするイメージを作り自分に<クリーン>を唱えたが少し、やりすぎた・・・・自分だけでは、なくミュウさんや床・ベッド・壁どころか部屋全体に効果が行きわたる。
『えーーっと おめでとう無事に出来たわね・・・・・・・・・・・でも やりすぎよ』
『うわ~ 部屋全体がピカピカだ、魔力全部、使っちゃったMPが0になってる。』
『あはは ま~ 魔法覚えれたんだから良いんじゃない?次は加減を覚えないとね んふふ』
『あはは いや~ でも嬉しいよ初めての魔法に感動したよ、ありがとうミュウさん』
『さて、クオン君のユニークスキルの事も大体分かったし、これからどーする?』
『うん、お金も入ったし武器と防具を購入しようかと思って、これから討伐クエストも受けてレベル上げしたいし』
『そか、クオン君、武器持ってなかったのね・・・・・』
ミュウさんは、また、こちらをジト目で見る。
『あはは ごめんナイフなら1本持ってるよ薬草切ってたやつ・・』
『も~ いくら採集だけっていってもモンスターも出るんだからね、武器持って行かないと危ないでしょ』
『さっ 行きましょ案内するわ』
『うん、ありがとうミュウさん』