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第58話 バラ・ライカ


俺は、皆の顔を見ると笑顔で答えてくれた、話をせずとも理解してくれたようだ。



『黒服さん、デーラを引取りたいんだけど良いですか?』


『ふふふ 私はヘルマと言います、どうやら貴方には名前を憶えて貰った方が良さそうだ』


『その子は高いですよ、なにせ洋服代と食事代があるので金貨1枚になりますが宜しいですか?』


『それと、私からの借りも付けましょう』


『あはは 貸しじゃなくて借りですか金貨1枚ですね、分かりました急ぎますので直ぐに用意して貰えますか』


『分かりました、実は、もう用意出来てるんですよ奴隷も解除してあります』



俺は、ヘルマさんに金貨1枚を渡してデーラの手を引いて奴隷商を出る。



『今度、何か頼みに来ますよ、楽しみにしてて下さい』


『ふふふ 怖いですねお手柔らかに頼みますよ』



ヘルマさんか元殺し屋のようなスキルなのに気持ちの良い人だ、さて急がないとな。



『さて、みんな悪いな』


『あはは 予想通りですよリーダー』


『んふふ そーね』


『ニャハハ クオン様、大好きニャー』


『ふはは 急ごうかのリーダー殿』


『デーラ案内してくれるかい?』


『ありがとう、お兄ちゃん達』



デーラは、大粒の涙を流しながら俺達にお礼を言ってくれる時間が無いので俺は、デーラをオンブしながら道案内して貰い森に入る。


どうやらデーラが襲われた場所へ着いたようだ、ムーアが直ぐに<マップ>&<サーチ>で山賊を探してくれている。



『見つけたニャあたい達なら10分ぐらいで行けるニャ』


『デーラちゃん連れて行くのは危ないわね、デーラちゃんの村ってここから近いのかな?』


『うん、歩いて1時間ほどの所にあるの』


『ロック<アースメイク>で地下に部屋作って貰って良いかな、ここでデーラには待っていて貰おう』


『うん、すぐ作るよ』



ロックは直ぐに地下部屋を作ってくれて中には椅子とテーブル<ライト>の魔法を灯し買い溜めしておいた食糧も置いておく。



『デーラ少し此処で待っていてくれ、お姉ちゃんを助け出して直ぐに戻ってくるよ』


『す 凄い、こ こんな部屋を直ぐに作れるなんて、なんて凄いの、私待ってます』


『絶対に外に出ちゃいけないよ』


『うん、絶対に出ない、お姉ちゃんをお願いします』


『分かった、行ってくるね』



俺達は、事前に調べていた山賊の下へ走った本来なら1時間ぐらい掛かるかもしれない道を10分ほどで走破した。


どうやら山賊は洞窟のようなところを根城にしているようだ見張りが2人いる<マップ>で確認したところ全員で14人ほどいるようだ、見張りに鑑定を使ったところ大した相手でもなさそうだ。


しかし<鑑定>で驚いたことに職業欄の様なものが増えていた、そこには「山賊」との表記がある、試しに自分のステータスも見てみるが俺達は職業のようなものがないため表示されなかった。犯罪者の判別が出来るようになるため便利だ。



『見張りが二人いるわね』


『ああ<鑑定>してみたが大した使い手でも、なさそうだから気絶させて中へ入ろうか』


『ちょっと待ってニャあの山賊、色々スキル持ってるみたいニャ』


『なるほど、魔物とちがってスキル持ちが多いか・・・となると』


『正面から倒しながら行きましょうか?』


『そうですね、取れそうなスキルは根こそぎ取っちゃいましょうか』


『分かった、じゃ皆<ライトシールド>張っておいて、幾らか攻撃さしてから気絶させよう』


『『『『了解!!!』』』』



俺達は、隠れもせず見張りの山賊に歩いて近づく。



『な なんだお前達は?』


『お前達を殺しに来たんだよ』


『な なんだと、俺達をなんだと思ってやがんだ』


『お主ら、なんでも良いから掛かって来い』


『ふ ふざけやがって、おい仲間を呼べ』


『わ 分かった見てやがれ』



見張りの者達は、逃げもせずに洞窟から、ぞろぞろ出てきた俺達は、出てきた山賊を順番に<鑑定>したが、やはり大した者は居なかった。



『ん 10人ほどか、中にまだ居るだろう?』


『てめえ、生きて帰れると思うなよ』


『げへへ そこの姉ちゃん二人は生かしといてやるぜ』


『んふふ 優しいのね、でも私は優しくないわよ?』


『うるせえ、皆この生意気な女も痛めつけてやれ』


『おう』



山賊達は、それぞれ持っていた武器で俺達に斬りかかってくるが<ライトシールド>に全て阻まれていく。さっそく<神の声>が鳴り響くが確認は後回しにした。



『な なんだ魔法か』


『お おい、分が悪いんじゃねーか?』


『さあ、そろそろ行くニャあたいも生かしてくれるニャ?』


『う うるせえ~ 死ねえええええええ』



山賊の一人がムーアに斬りかかるが、あっさりとムーアに気絶させられる。



『ニャハハ 生かしてくれるんじゃなかったニャ?』


『お おい、やべーぞ彼奴ら攻撃が見えなかったぞ』


『逃げよう』


『あはは 逃げれると思うのか?お前達がやってきたことを思い出してみたらどうだ』


『さっ もう良いだろう片付けようか』


『『『『了解!!!』』』』



俺達が、一斉に攻撃に移ると半分ほど逃げようとしたが、あっさりと全員気絶させた。



『よし、じゃ洞窟の中を確認しに行こうか』


『そうね、怪我してるみたいだから急ぎましょうか』



俺達は、一応警戒しながら山賊達が根城にしてる洞窟へ入っていく、途中死角から襲ってきたが<マップ>でバレバレだったので、あっさりと倒し奥まで進んで行くと山賊のボスのようなやつがいた。



『な なんだとお前達どうやって入ってきた?』


『ああ、もうお前一人だぞ』


『な なに、こんなに早く全員倒したのか』


『なあ、それより魔族の女性がここに居るだろ?』


『な 何故知ってやがる、そうかお前ら彼奴の仲間か?』


『あ あいつは魔族だぞ』


『だから魔族の女性って言ってるだろ?死んでたり怪我してたら、お前の命もないぞ』


『い 生きてる、殺しちゃいねえ、し しかし暴れたんで怪我はしている、か 勘弁してくれ』


『どこだ?』


『お 奥だ、この奥に縛ってある、頼む許してくれ』


『案内しろ』


『わ 分かった、こっちだ』



俺達は、山賊のボスの後をついていく、そこには複数人で暴行したとしか思えない魔族の女性が縛られて転がっていた。


両足も折られているようだ、頭部からは血を流し、体中に青痣があり顔もこっぴどく殴られたのか酷く腫れていた。


俺は、激昂した・・・怒りで体が震える。俺から、いや俺達から殺気が溢れ出す。



『お お前がやったのか?』


『ひ ひぃぃい お 俺だけじゃねえ、暴れやがったんだ、仕方なかったんだ』


『なんだと、仕方なかっただと』



俺は、山賊のボスに回し蹴りを放ち両足を折る。



『ぎゃああああああああああああああああああああああああ』


『た 助けてくれ、謝る金も全部やる助けてくれ』



俺は、手加減無しの蹴りを左腕に放つ、山賊の左腕は、まるで割り箸を折ったように九の字に曲がっている。



『うぎゃあああああああああああああ う 腕が、助けてくれ殺さないでくれ』


『お前は、今までこうやって虐殺してきたんだろ?』



俺は、残った右腕を踏みつけ手加減しながら殴打した。どれぐらい殴っただろうか山賊は口から泡を吹いて気絶している。



『クオン君こっちは、大丈夫よ助かるわ』



激昂していた頭もミュウの言葉で気が付くとミュウが魔族の女性に<ハイヒール>を掛けてくれていた。そうだ、こんなクズを相手にするより治療の方が先じゃないか俺は、猛省しミュウの下へ行く。



『すまんミュウ俺は、また激昂したようだ』


『んふふ 私もよ、でもクオン君見てたら冷静になれたわ、私も気が短いのか、いつもクオン君に止められてたもんね、お互い様よ』


『皆も悪いな』


『ギリギリギリ ぼ 僕も許せません、こんな奴』


『フシャアアアアア あたいもニャ』


『フー フー すまんワシもどうやら激昂してしまったようだ、まだ怒りが収まらん』


『とりあえず両足の骨折は治したわ、両腕も折れてる・・・酷いわ』


『<ハイヒール>!!!よしこれで両腕も大丈夫、次は全身ね<ハイエストヒール>!!!』



両腕の骨折、全身の青痣、顔の腫れ、頭部の怪我もミュウの<ハイエストヒール>で見る見る治っていく。


顔の腫れが引いたことにより綺麗な女性だと言うことがわかる、俺達と同じぐらいの年齢か身長は俺よりも高いようだ。


見ただけでは魔族とは分からない容姿で、髪の毛は綺麗な紫で腰まで伸びており頭部に角が生えている。


皮膚も現代のイメージでは浅黒いのかと思っていたが俺達と変わらない。


特に視線が向くのは、洋服のせいもあるがバストだ、で でかいミュウもムーアもかなり大きいが、一回りほど大きそうだ露出の多い服装なため尚、際立って見える。


俺ってやつは、さっきまで激昂してたくせに今は、視線のやり場に困っている、冷えていく頭でもう一度魔族の女性を見ると何か気に掛かる・・・どうやら巨大な双丘のせいだけじゃなさそうだ・・・



『『『『『ピクッ!!!』』』』』


『『『『えっ!!!』』』』


『な なんだこの感覚は?』


『・・・驚いたな、まさかこんな形で出会うとは』


『そうねオーラ君は、分からないわよね』


『良かった、僕の間違いじゃなさそうですね』


『ニャハハ なんか運命を感じるニャ』


『ああ、そうだな俺達が此処へ来ることは、必然だったようだね』


『んふふ どっかの神様の操作かもね』


『お主達さっきから、何を言っておるのだ?ワシには全然分からんぞ』


『オーラには、帰ってから説明するよ今は、このクズ共をどうするかだな』


『幾ら温厚な僕でも殺したいですが、リーダーは殺さないんですよね?』


『ああ、殺して楽になんてさせない、死ぬまで苦しんで貰わないとな』


『このボスには、やりすぎてしまったがミュウ頼む』


『大丈夫よ死ぬようなことはないわ、でも<ヒール>しか、してあげないわよ?』


『ニャハハ 死なない程度で十分ニャ』


『さて、デーラも待ってるから急ごうか、オーラ魔族の女性を頼んで良いか?』


『わ ワシか・・・・うぬぬ』


『んふふ オーラ君も照れるのね、こんな巨乳のお姉さんに触れるチャンスなのに』


『わ ワシは照れてなど・・・ええい、なんだこの服は全然隠れてないではないか』


『クオン君、私が運ぶわ男性陣は、無理みたいだしね』


『お 俺は、別に・・・ってミュウ相手に誤魔化せないか・・・ちょっと刺激が強いかな』


『ぼ 僕は身長のせいで運べないだけですよ』


『ニャハハ 皆、ウブニャ』


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