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第56話 オークション


『皆、すまないな、どうしても呪いを解呪したことを黙っておけなかった、そのせいで<ディスペル>がバレてしまったな』


『んふふ 良いのよ私も黙ったまま買い取ったら心苦しかったしね』


『僕も気になってましたね、でもゲルマンさんなら大丈夫ですよ』


『あたいも余計な事言ってごめんニャ、どうしてもあたいと同じような者を助けて上げたかったニャ』


『奴隷の使用人は、あたいが払うニャ』


『フハハ ムーア殿よ、それを払わすリーダーかと思うかの?』


『オーラの言う通り、もちろんパーティ資金から出すよ、全員に関わることだし元をいえば俺のミスだしね』


『あっ ってことは、俺が払うのがスジか・・・』


『もう、そんなこと気にしなくて良いわよ、パーティ資金から出しましょ』


『それが一番良いですね』


『皆、ありがとニャ』


『しかし、訳有りで家が安かったって言うのは呪いのせいだったんだな、ようやく理解できたが、おそらく解呪代を貰ってなければ全額払うのと同じではないかの?』


『そういえばそうね、解呪代として家の代金安くして貰っても当然のことね』


『ありゃ、そう言われればそうだな、参ったなこりゃ彼方の方が上手だったか』


『でも悪い気はしませんね、僕達は気持ちよく秘密が漏れる心配のない、奴隷の使用人を雇える訳だし』


『お待たせ致しました、こちらが家の売買契約書と奴隷商の紹介状で御座います』


『ありがとうございます、それでは今日中に奴隷商に顔を出しますので』


『ありがとうございます、また何かあれば私にお伝え下さい』



俺達はお金を支払い、晴れてあの豪邸のオーナーになった、まあ良いお金の使い方したかな。



『さてと、どうする装飾品の作成か奴隷商か、どっちを先にする?』


『そうね~ 奴隷商は全員で行きたいとこね』


『帰ってから、装飾品作って渡しに行ってから孤児院に差し入れして帰りに奴隷商ってのは、どうですか?』


『うん、そうだね無駄が無くて良さそうだ、そうしよう』



今日の段取りが決まった俺達は、早速家へ帰り装飾品の作成に入る、俺がスケッチしたデザインを見ながら全員で1品づつ作成に入るが皆、驚くほど器用でオーラも見事なネックレスを作成していた。



『むぅ こんな装飾品なんてワシは、作った事がないのに、まるで作成したことがあるように手が動くな』


『これも、スキルの恩恵か、全く驚かされるな』


『僕は、元々オーラさんが器用だったんだと思うよ、ちょっとコツを言っただけで、そこまで作れるんだから』


『ニャハハ あたいも出来たニャー』


『そういえば付与は、どうするクオン君?』


『そうだな、一応<自動修復>は、全部につけて後は、<毒無効><病気無効><麻痺無効><HP回復><即死防御(1回)>の中から1つだけ付けて行こうか』


『そうね、<自動修復>だけだと勿体ないしね』



俺達は、<付与術>の練習も兼ねて皆で作業をしていると<神の声>が響いた。



【サークルの<エンハンス+2>が<エンハンス+3>に成りました。】


【サークルの<付与術+2>が<付与術+3>に成りました。】



『『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』』


『やっぱり全員でやるとスキルも早く上がるね』


『そうですね、スキル上げの日を作って、一気に上げるのも良いかもですね』


『<付与術>用に魔法やポーションから取得した耐性スキルも私達のスキルとしては、まだ覚えてないものね』


『あたい達なら、毒や病気に掛かっても魔法ですぐ治せるニャ』


『それはそうなんだけど、これから何があるか分からないからスキルとしても取得しておかないとね』


『ふむ、治す魔法があるなら、安心して毒や病気の耐性スキル上げも出来るか、ワシも取得しておいて損はないと思うな』


『俺の<錬金術>用のストックに毒草や麻痺草があるから、皆で作って飲んでみよう』


『『『『えっ!!!』』』』


『あはは 冗談じゃないよ、いつかやろうと思って残してたんだよ』


『毒キノコとか採取してたの知ってたけど、まさか自分で飲む事になるなんて思わなかったわ・・・』


『ニャーー まずそうニャー 苦いのは嫌ニャー』


『ナイフに塗って傷を作る?』


『鬼ニャー ここに鬼がいるニャー』


『んふふ 大丈夫すぐ治して上げるわよ♪』


『あはは さって、出来たみたいだし早速持って行こうか』



ローニアさんにオークションで出品してもらう装飾品も出来たので、併せて孤児院に差し入れするプレーンオムレツとハチミツを使ったクッキーを用意して家を出た。


ローニアさんの家に着くとすぐに、また応接室に案内してくれたので用意した王冠、ネックレス等10品をテーブルへ並べてガデラスさん達に見て貰う。



『これは、また素晴らしいな』


『どうでしょうオークションに出せますか?』


『もちろんだよ、付与の効果も聞いたし専門家に鑑定して貰って出品すれば、高値で売れるだろう』


『ガデラスさんが、不味いことになったり、しませんよね?』


『ああ、心配してくれてるのか?大丈夫だ私も貴金属の商いもしているので問題ないよ』


『それなら、良かったです』


『だが、これだけ見事な物を10品も出展すれば、今後なんらかの催促があるかもしれんがね』


『その時は、俺達に依頼して貰えれば、注文どおり作りますよ』


『ほほ~ ちなみにどれぐらい作れるか聞いておいても良いかね?』


『えっと、ロック大体どれぐらい作れそうかな?』


『ええっと、宝石入りなら100品ぐらいかな、ゴールドだけなら1000品以上は作れると思います』


『な なんと い いったい君達は、どうやってそれだけのゴールドを確保したんだい?』


『い いやすまない、余計な詮索だったね』


『いや、ガデラスさんなら言っても構いませんよ、只くれぐれも内緒でお願いします』


『ゴールドゴーレムを倒したらドロップしたんですよゴールドの塊が』


『なるほど、それで大体分かったよ、あの噂は本当だったんだね』


『信用してくれて、ありがとう』



流石に侯爵家の方だけあって、ゴールドゴーレムって言っただけで理解してくれた。



『次のオークションは二日後だ、それまでに手続きしておくよ良かったら見に来ると良い』


『ありがとうございます、でも俺達が関わっていることがバレると不味いので、見に行くのは次回に機会があったらで良いでしょうか?』


『ふふふ 確認しておかないと、私が落札額を誤魔化すかもしれないよ?』


『あはは 俺達は、何も知らないので誤魔化すのは簡単ですよ』


『ウフフ お父様、御冗談はそこそこにね』


『ああ、そうだな、只、落札金額の1割は、オークションの主催者に手数料として払わなければならないので了承しておいてくれ』


『これだけの物を出品するのだ、いくら私でも代わりに払えそうにないよ』


『分かりました、では、お手数ですが宜しくお願い致します』



交渉が終わり、ガデラスさんは俺達全員と握手し見送ってくれた。ローニアさんにも、また来ることを告げ良ければ俺達の家にも遊びに来て欲しいと言い、その場を後にした。



『んふふ いったい幾らぐらいになるんでしょうね?』


『ん~ 付与もかなり制限したから、原価より、ちょっと多いぐらいじゃないかな』


『僕達は、原価無しだから売れたら全部儲けですよ』


『ニャハハ そうだニャ』


『フハハ そうだなワシらで取ってきたもんだしの』


『じゃ、孤児院に行こうかオーラ案内頼むよ』


『うむ、すまぬな』



オーラ案内の下、俺達は、孤児院に向かう、町の中でも商人街の外れにあり、土地はそこそこ大きく200㎡ぐらいだろうか木造2階建の家が孤児院らしい、敷地の半分ぐらいは畑になっており野菜を作っているようだ、俺達は玄関へ向かい呼びかけると30代ぐらいのシスターが出迎えてくれた。



『オーラさん、こんにちわ』


『シスター約束どおり様子を見に来た。デルタを預かってくれて、ありがとう』


『いえいえ、こちらも十分なお金を頂き助かっておりますわ』


『デルタ君も元気ですよ、呼んできますね』


『すまぬ世話になるな』



しばらく待つとデルタ君だけではなく、他の子達も全員集まってきたようだ獣人の子達もいて男女で10人ぐらいだろうか、なかなか賑やかだ。



『オーラ兄ちゃん来てくれたんだ』


『デルタ元気か?』


『うん、僕ね友達いっぱい出来たんだ』


『そうか、ここは賑やかで楽しそうだな』


『うん、毎日がとっても楽しいよ』


『クオンさんサークルの方達も来てくれて、ありがとう』


『クオンさん達のお陰で完全に病気が治ったよ』


『んふふ 良かったわねデルタ君』


『ニャハハ 良かったニャー』


『むむ、僕と同じぐらいの身長の子もいる・・・』


『あはは 僕もロック兄ちゃんにすぐ追いつくよ』



一人の子供がロックへ話掛ける。



『ねーねー お兄ちゃんも冒険者なの?』


『ああ、僕は、ロックって言うんだ、ドワーフだから小さいけど15歳なんだよ』


『凄いな~ 僕も15歳になったらデルタと冒険者になるんだ』


『私も、冒険者になるのデルタ君と約束したんだよ~』


『フハハ デルタよ仲間作りは順調のようだな』


『ふふふ デルタ君ったらオーラさんの話ばかりするから今では、殆どの子供達が冒険者希望なのよ』


『シスターすまぬな、迷惑を掛けていないか?』


『いいえ、子供達は、目をキラキラさしながらいつも話を聞いてるわ』


『そういえば、シスター差し入れを持ってきたんだが昼食として出して良いか?』


『まあ、助かりますわ丁度お昼だから用意するとこだったのよ』


『では、用意してくるので待っててくれ』



俺達は、<アイテムBOX>から出すところを見られる訳にはいかなかったので、外に出る振りをして小さ目に作ったプレーンオムレツとステーキそしてモツ煮込みスープを取り出し全員で運んでいく。



『うわ~ 美味しそう、ありがとうオーラ兄ちゃん』


『す ステーキだ、おい皆ステーキだぞ』


『うむ、他の皆も作ってくれたのだ、ちゃんと礼を言うようにな』


『うん、サークルのお兄ちゃんお姉ちゃん、ありがとう』


『ああ、冷める前に食べてくれ』


『『『『『『『『『『いただきま~~す!!!』』』』』』』』』』


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