第52話 コンパスのダンジョン ボス部屋2
『そういえば忘れてたけど<幸運>を<鑑定>してみるよ』
【アンサー 特殊スキル<幸運>:運が上昇し魔物からのドロップ数上昇及びレアドロップが出る確率上昇。】
『うわー すっごい良いスキルじゃない』
『これ、ボスだけじゃなくて通常の魔物もよね』
『<鑑定>によると全ての魔物だね』
『これから、レアドロップも増えるニャ 文字通り幸せニャ』
『フハハ 良い素材、大金、<幸運>スキルか良い魔物であったな』
『でも、ゴールドゴーレムの突進、辛かったんじゃない?』
『あれは、ワシも両手を使い、全力で対応したぞ、しかし靴装備のスパイクと、この盾の性能がなかったら危なかったかもしれん』
『まあ、ロック殿のお陰だな』
『えへへ 褒めすぎですよ』
『でも、ボス戦のときは、本当に助かるわ、ありがとね』
『ああ、そうだ<ファイア>も、うまかったわよ』
『あれは、皆の真似しただけだ、魔法はもっと練習せんとな』
『そういえば、今日中に火山エリアまで行くのは、ちょっと時間的に無理かもね』
『ロック楽しみにしてて悪いが今度になっても良いか?』
『良いですよ、ゴールドが手に入ったから装飾品なら作れますし』
『ゴールドと言えば、いきなり全部売ったら目立つし値段も下がりそうだな、どうしよう?』
『それならロックに装飾品作って貰ってオークションに出すなんてどうかしら?』
『オークションなんて、あるのかな?』
『ワシは、縁がないので知らぬな』
『帰ってから商業ギルドのゲルマンさんに聞いたら分かるんじゃないかな?』
『そうしようか、ロック俺達の腕の見せ所だな』
『僕、高く売れるように頑張ります』
『<付与術>は目立つから、そこそこにしないとね』
『<幸運>なんて付けたら飛んでもないんだろうな』
『ニャハハ 高く売れそうニャ』
『そこは、自重ってやつですか?あはは』
『しかし豪儀な話よな フアッハハハ』
『確かにね、贅沢な話だけど、これからは自重していかないとね俺達は、まだ弱い』
『フフフ 恐ろしい男よな』
森の奥深くまで入っていたが俺達は、そのまま<マップ>を頼りに地下へ下りる階段に向かう。視界が悪いため<マップ>確認と警戒を怠らず魔物を倒しながら進むと、ようやく階段が見つかり地下17階へ下りる。
『ようやく地下17階だな、今日は、地下20階のボス部屋の魔法陣で帰ろうか』
『そうね、時間的に丁度良いかな』
『しかし、凄まじいスピードで攻略しているな今日来たとは思えんな』
『帰りの魔法陣みたいに行った所まで進める魔法陣とかあると便利なんですが』
『大きなダンジョンなら、攻略した階層まで飛べるダンジョンもあるみたいニャ』
『へええ~ やっぱりあるんだね』
『ダンジョン内だけ自由に階層をワープ出来る魔法もあるかもね』
『それ凄く便利ですね』
『ワシも噂で聞いたことがあるが、見たことは無いのでレアな魔法だろうな』
『おっ 次の魔物だな』
『あれは、ハーピーか』
目の前の森には、ハーピーが20体ほど飛んでいた、イメージ的には人面だったけど、見た目は、鷹を白くして大きくしたような、まんま鳥だ・・・
空を飛ぶ魔物だけのことはあって、中々討伐は厄介らしい動きは、早く魔法使いが居ないと確かに厳しいが俺達には簡単な敵だった。
なにしろ全員魔法が使え、ミュウのムチや弓ムーアの針による投擲がある。俺達は、次々とハーピーを地面へ落とし殲滅していった。
【サークルの<雷属性+1>が<雷属性+2>に成りました。】
【ミュウの<弓技+1>が<弓技+2>に成りました。】
【ムーアの<暗器技>が<暗器技+1>に成りました。】
【ムーアの<投擲+1>が<投擲+2>に成りました。】
<スタン>で動きを止めていたせいか<雷属性>のランクが上がった。ムーアの針も<罠解除>にしか見ていなかったが飛んでいる敵や魔物の動きを阻害するのに大いに役立ちそうだった。
俺達5人は、ハイタッチして喜びを分かち合う。
『普段あんまり使わない武器、使ったから、ランクが上がったわね』
『ニャハハ こっちも順調ニャー』
『僕がドロップ品を<鑑定>していきますね』
【アンサー ハーピーの羽:各種装備の素材として重宝されており重量軽減の効果がある。また<錬金術>の素材としても有名である。】
【アンサー ハーピーの尾羽:ハーピーの羽の上位素材であり希少価値がある。】
【アンサー ハーピーの卵:美食家が絶賛するほど濃厚な卵であり高値で取引されている。】
『早速<幸運>の効果かな?結構な量のレアドロップあったわね』
『良いね、羽類は俺とロックとムーアで分けようか装備用に』
『卵は、俺がストックしとくよ楽しみにしといて!基本食材は、俺達で楽しもう』
『も~ クオン君が食べたいからでしょー』
『ニャハハ 賛成ニャー』
『フハハ 売値を見たら味が変わるかもしれんぞ』
『僕も、卵大好きです』
『ミュウ、そんなこと言うと上げないよ?』
『ちょ ちょっと待って、どうしてそうなるの、ごめんって私も、大好きですトロトロ卵クオン君に聞いてから、も~メロメロです』
『あはは 冗談だよ今日は、プレーンオムレツ作ろう』
『うわー なにそれ美味しそう今から楽しみだわ』
俺は、今日作ろうと思っている夕食を説明しながら、どんどん魔物を倒し階層を下りて行った幸運なことにケルピーに遭遇し討伐することに成功した。今度は、レアドロップのケルピーの血と素材が結構出た<幸運>スキル凄いな。
【アンサー ケルピーの血:高濃度な魔力が秘められており、高度な<錬金術>素材として多岐に渡り使用できるため高額で取引されている。】
『流石に<幸運>スキルがあるとドロップが良いわね、是からが楽しみだわ』
『ドロップ数もかなり増えるみたいだね』
『ホクホクニャー』
『これだけ素材があれば色々作れそうです』
『ワシは、腹が減ってきたわ』
『あはは、さ~ もうすぐボス部屋だ、最後まで気合入れようか』
『『『『了解!!!』』』』
延べ10階層に渡った広大な森も終わり俺達は、地下20階のボス部屋の前に辿り着く。
『よし、じゃー いつものように中へ入って<鑑定>してから作戦を考えようか』
『『『『了解!!!』』』』
ボス部屋の扉を潜ると、いつものように扉が閉まりボスが現れる。
『あれは、トロールかデカいな、じゃ<鑑定>するよ』
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【ステータス】
名前:トロール
LV:30
HP:330/330
MP:70/70
攻撃:180
防御:145
敏捷:99
器用:83
魔力:89
精神:75
スキル:<腕力強化><HP回復><HP吸収>
装備:金剛の盾・大槌
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『あっ 装備も表示されてるね<鑑定>してみるよ』
【アンサー 金剛の盾:ミスリルで出来た円形の盾 <自動修復>】
【アンサー 大槌:ミスリルで出来た大槌。】
『おっ <HP吸収>と<自動修復>良いね』
『オーラまた、頼めるか?』
『望むところ、ワシの仕事だ』
『よし、オーラ先制からのタンクを』
『他の者は、盾を攻撃しようトロールは自己回復があるから手加減無用だ』
『『『『了解!!!』』』』
『オオオオオリャアアアアア!』
戦闘は、オーラの先制攻撃からスタートした、オーラが渾身の力を込めてトロールの左膝を横切りに薙ぐ、深々と入ったその一撃にトロールは膝をつくが、大槌で反撃に出る、既に展開されているオーラの<ライトシールド>を伴ったオリオンの盾に当たり轟音が響くが、その一撃を見事に凌ぎ切る。
盾越しの攻撃だったがオーラのHPが吸収されたのかトロールの左膝が見る見る治っていく。
『ミュウー!』
『分かってるわ <ハイヒール>!!!』
『グゥゥ すまぬ助かる ハアアアアアッ』
ミュウの<ハイヒール>を受けてオーラが持ち直すが、トロールの攻撃がミュウに襲い掛かろうとするところオーラが間に入り盾を構える、2撃目に振るわれた上段からの攻撃も受け切った後、オーラが自身へ<ヒール>を唱える、流石に攻撃を受けながら<ハイヒール>はきついので<ヒール>で凌ぐ良い作戦だ。
ロックの<インパクト>がトロールの盾と衝突する、怪力のトロールでも数歩後退するほどの威力だトロールの盾も歪に凹んでいるが、驚いたことに時間と共に元に戻っていくのが分かる。
『分かってたけど<HP吸収>と<自動修復>やっかいね』
『ああ、それだけに手に入れたいな、頑張ろう』
俺達は、全員でオーラに<ヒール>を掛け攻撃を凌いでいくと、ようやく<神の声>が鳴り響く。
【サークルが特殊スキル<HP吸収>を習得しました。】
【サークルが特殊スキル<HP回復>を習得しました。】
【サークルが付与スキル<自動修復>を習得しました。】
『よし、オーラ離脱!他は、一斉攻撃だ!!!』
『『『『全力だ!!!』』』』
今の俺達が一斉攻撃に移るとトロールの攻撃を許さないほどの連携になった、オーラを含めての連携も今日1日やって段々慣れてきた、全員を巻き込むような横殴りの攻撃はオーラが防いでくれたため俺・ミュウ・ロック・ムーアは全力で攻撃に集中出来た。
トロールのHP回復を上回る攻撃を与え続け、ようやくトロールが倒れる。
【サークルの<スキルハンター+2>が<スキルハンター+3>に成りました。】
【サークルの<腕力強化+4>が<腕力強化+5>に成りました。】
【サークルの<打撃強化+2>が<打撃強化+3>に成りました。】
【サークルの<幸運>が<幸運+1>に成りました。】
【サークルの<物理耐性+2>が<物理耐性+3>に成りました。】
【オーラの<盾技+3>が<盾技+4>に成りました。】
『<ハイヒール>!!! オーラさん大丈夫?』
『ありがとう、ミュウ殿の<ハイヒール>は気持ち良いな、楽になった』
『オーラ入ったばかりなのに、すっかり主軸にしちゃってごめんね』
『なんの、実に心地よい戦闘で我が身も喜んでおる』
『オーラさんのお陰で、僕も全力で攻撃出来るよ』
『ニャハハ あたいもニャ頼りになるニャ』
『おいおい、褒めすぎだ、それよりドロップ品が落ちているぞ』
『おっと、そういえば<幸運>もランク上がるんだね、これからが楽しみだ』
『トロールの装備も残ったままニャ』
『うわ~ これミスリル製なんで嬉しいな<自動修復>覚えたし素材にしちゃっても良いですよね?』
『ああ、ロック持っておいてくれ後は、いつもの魔石と金色の宝箱か、楽しみだな<鑑定>するよ』