第4話 ユニークスキル<+>
ん~ 良く寝た。さて何時か分からないけど明るくなってきたから、そろそろ準備しよう。
しかし、凄いなー どこも痛くないや・・・骨折だけでも治るのに3ヶ月は、かかるのに全然痛くない、ミュウさん様様だ!
顔洗いたいな・・・部屋にある訳ないしトイレも、どこだろう、お風呂入ってないから、せめてシャワーぐらい浴びたいな。
『コンッコンッ』
『クオンくーん、起きてるかな』
『はーい、起きてるよ今開けるよ、って言っても鍵掛けてなかったな』
『おはよう、クオン君』
『おはよう、ミュウさん』
『どう?体の調子は?』
『絶好調だよ、お陰様で全然痛くない』
『ミュウさんこそ、どこか痛くない?』
『んふふ 心配屋さんめ大丈夫だよ』
『良かった、早速ちょっと聞きたいんだけど顔洗う所とトイレ、直ぐじゃないけど体も洗えるところって此処にあるのかな?』
『んっ そんなの生活魔法で良いじゃない?』
『・・・・・・・・・・・』
『まさか・・・・・・・・』
ミュウさんが、ジト目で、此方を見ている・・・
『あはは ごめん生活魔法ってなに?』
『そーきたか、本当に魔法なかったのね、それぐらいやったげるわよ』
<クリーン>
『ウソでしょ・・・・・』
『綺麗になったでしょ んふふ』
『髪の毛・体・服まで、なんて便利なんだ』
『よく生活魔法も知らずに暮らしていけたわね』
『お風呂に入ってたし、歯は、歯ブラシってので磨くんだよ』
『お風呂って貴族なの?田舎貴族なの?あんな贅沢なの無いわよ』
『田舎貴族って、そんな無茶な普通だよ普通』
『どうやら普通の基準が全く違いそうね、教えがいがあるわ、ちなみにトイレは1階よ』
『ありがとう、行ってくるよ』
『朝食は部屋で食べましょうか、トイレ行ってから自分の朝食貰ってきて、先にクオン君の部屋で待ってるわ』
うーんトイレは、普通のぽっとん便所だ、でも何故か底が見えないファンタジーだ!えーと、お店の人は、あっ 昨日の人だ。
すみません朝食貰いに来たんですが、部屋で食べるので持っていけるように良いですか?
『もう体は良いのかい?あんまり無茶しちゃだめよ、昨日は驚いたよ怪我だらけで担がれて帰って来たから』
『あ~ 心配かけてすみません』
『危ないと思ったら逃げなよ、ほら持っていきな昨日の夕食の分、多めにしといたよ』
『ありがとうございます』
『あー後、お弁当二人分用意して貰っていいですか?』
『あいよ用意しとくよ、お金は先払いで銅貨4枚だよ』
店の女将さんに銅貨4枚を渡して部屋に戻る。
『ミュウさん、お待たせ』
『じゃ食べながら、今日の相談しようか』
朝食は、黒パンの中に薄切りの肉と野菜が挟んであるハンバーガーっぽいのと野菜スープだ。
美味い、黒パンはパサパサしてるけどソースが多めにかかっていて、よく合う。汁物も丁度いいな、昨日も思ったけど此処は水が飛んでもなく美味しい。
『んふふ 美味しそうに食べるわね、私も昨日の夜食べれなかったから、よけい美味しいわ』
『うん、とっても美味い、喋る暇もなく全部食べちゃった』
『ミュウさんも、今日は薬草・魔草採集だよね』
『うん、そのつもり昨日とは反対側の方向で探そうか、なんか気分悪いしさ』
『分かった、じゃギルドへ行ってから向かおうか、お弁当2つ頼んどいたよ』
『気が利くー お金後で払うね』
『良いよ昨日のお礼ってことで』
『も~ だから逆だって』
『んー じゃ<クリーン>代かな』
『んふふ 気に入ったんだクオン君にも帰ってきてから、教えてあげるね誰でも出来るから』
『えっ 俺には無理だよ魔法使えないし』
『魔力のない人なんて居ないって、ちょっと手貸して』
ミュウさんに右手を取られて両手で握られる。ヤバい緊張して手に汗をかく。
『大丈夫ちゃんと魔力を感じるよ。ん、どうしたの顔が赤いよ』
『俺に魔力なんてあるんだ。スープが熱かったから火照っちゃったかな』
ヤバい緊張してる。
『んふふ そういう事にしてあげよう』
『さ さて、じゃそろそろ行こうか』
『ん、行こう』
ふ~ 緊張した、同じ部屋で2人ってだけでヤバいのに手を握るのは反則だ!お弁当を忘れずに二人分貰ってギルドへ向かう。
『カリーナさん発見!すみません今日も薬草・魔草採集受注いいですか?』
『あっ クオン君もう怪我は良いの?昨日は心配したわよ』
『心配おかけして、すみませんでした、ここにいるミュウさんにヒールで治して貰って、もう元気です』
『あら、ミュウさん、おはようございますクオン君とは、お知り合いだったのかしら?』
『おはようございますカリーナさん、いえ昨日3人組の野蛮人に絡まれてクオン君が助けてくれたんですよ』
『なるほど、なるほど』
カリーナさんがニヤニヤしながら此方を見る。
『言っときますけど、そーいうのじゃないですよ恩返しです、恩返し』
んふふ 顔赤くしちゃって、こりゃー取られちゃったかな・・・まだチャンスは、あるかもね。
『んふふ では、2人共受注いたしますね、はいどーぞ、お気をつけて』
『ありがとうカリーナさん、行ってきます』
笑顔で手を振り、ギルドを後にする、一人でも楽しかったのに今日は、ミュウさんと二人で冒険だ、楽しさのあまりワクワクする。
『ねーねー カリーナ取られちゃったかもね』
『ん~ でもあのミュウって子も、気が強そうだけど可愛いのよね~ あ~ 初々しい』
『確かに見てて飽きないわね』
『楽しみが増えて嬉しいわ んふふ』
『さーて、着いたわよ、ここの草原広めだし、どうかしら?』
『うん、良いよ探そうか』
『そういえばパーティ組んどけばよかったね』
『えっ パーティって自由に組めないの?』
『そかクオン君もパーティに入ったことないんだね、実は私もないんだけどね えへへ』
『うっとね、確か教会へ行ってお祈りするとパーティ登録できるんだよ』
『経験値が分配されるように、なるのかな?』
『そーそー 今日は、戦闘しないから別にいいんだけど、後はパーティ魔法ってのがあって、個別に強化魔法かけなくてもパーティ全員に1度に掛けれるんだよね』
『へ~ 便利だ、でも俺なんかとパーティ組んで良いの?』
『なーに言ってるのよ私達は、初めての友達でしょ?良いに決まってるじゃない』
ミュウさんは、笑顔で答えてくれる。あーなんか嬉しいな俺もミュウさんとパーティを組んで、色んな冒険が出来たら夢のようだ。
それは、突然の事だった!!!
【パーティ登録を確認しました。】
『『えっ』』
【ユニークスキル<+>が発動されます。】
いきなり俺とミュウさんの左手が輝く、くっ眩しい眼が開けてられない。閃光のような輝きがひと際、強く輝き、徐々に弱くなり二人の左手の甲に円形のマークのようなものが、ゆっくりと点滅している。
『ちょ ちょっとなに?なんなの?左手が熱いんだけど、点滅??』
『俺も、分からない、どうなってるんだ、声が頭に直接語り掛けてくる』
【ユニークスキル<+>が発動されました。】
【ユニークスキル<+>が発動に伴いユニークパーティスキルが発生しました。】
【1.ユニークパーティスキル<能力開眼>が発生しました。】
【2.ユニークパーティスキル<ウィンドウ>が発生しました。】
【ユニークパーティスキル<能力開眼>発動によりクオンの潜在能力<直感>が開眼されました。】
【ユニークパーティスキル<能力開眼>発動によりミュウの潜在能力<原理>が開眼されました。】
【ユニークパーティスキル<ウィンドウ>発動によりパーティスキル<神の声>が発生しました。】
【ユニークパーティスキル<ウィンドウ>発動によりパーティスキル<ステータス>が発生しました。】
【ユニークパーティスキル<ウィンドウ>発動によりパーティスキル<マップ>が発生しました。】
【ユニークパーティスキル<ウィンドウ>発動によりパーティスキル<サーチ>が発生しました。】
『声が治まった、左手の甲に浮き出ていた円形のマークも消えている』
『ちょっと、なんか分からないけど魔力が増えてる?力が溢れてる?』
『魔力は、分からないけど、確かに力が溢れている?』
『まっ まさか、まさか、ちょっと試してみる』
『えっ なにっ 何するの?何か知ってるの?』
『俺の想像どおりのことが起こったんなら、ちょっと試してみたいことがあるんだ、ちょっと見てて』
『<ステータスオープン>!!!』
ブンッ! っと言う音を立て、目の前にステータスウィンドウが、出現する。
『やっぱりか!!』
『どうしたの?こ この白い枠は?』
『うん、詳しいことは、帰ってからゆっくり説明するね、まず今、試したいのは』
『<マップオープン!薬草を青色、魔草を赤色でサーチ>』
マップの効果範囲は大体100メートルぐらいか、やった成功だ!マップ上では、薬草・魔草の分布図が表示され目視では、青色・赤色の矢印が表示されている。
『やった、やっぱりだ』
『なんなの? なんか矢印が見えるんだけど』
『ミュウさん 今は、簡単に説明するけど青色の矢印が、あるところに薬草があり、赤色の矢印があるところに魔草がある、とりあえず採集してみようか』
『ええっ 本当に?』
『うん、たぶん間違いない』
『帰ったらちゃんと説明してよ』
『うん必ず説明するよ、ちょっと時間掛かるけどね』
『あった本当にあった、なによこれ取り放題じゃない、昨日どれだけ苦労して探したか・・・』
『あはは 俺も苦労したよ数時間かけて10本ほどしか取れなかったけど、今は、ざっと見ただけで数百本ある、持てるだけ取っちゃおう』
『うわー うわー すごい、これ収穫したら矢印も消えるんだ、楽し~ 』
目に付くところを採集しただけで数百本になり、これ以上持てないので一旦帰ることにする。
『ね~ 見て見て、短時間でこんなに採れたわ、ホクホクよ♪』
さっきまで、あれだけビビってたのに今は、ご機嫌だ、でも俺も嬉しい、自然に2人共笑顔になる。
『町が見えてきたね歩いて30分ってところかな』
あっ ガルドさんだ、丁度良い、昨日のお礼を言っておこう。
『ガルドさん昨日は、ありがとうございました、お陰で助かりました』
『私も、助けてくれて、ありがとうございました』
二人で丁寧にお辞儀をして昨日のお礼を伝える。
『イヤイヤ私の、仕事だからね当然の事をしただけだよ。礼には及ばんよ』
『いやそれでも助かりました、今度お礼させてくださいね』
『いや無事で、良かったよ、これからも気を付けなさい』
『分かりました、でわ失礼します』
いや~ しかし良い人だな。マジで今度なにかでお礼しよう。
『じゃ、ギルドで買い取りして貰って部屋で詳しく説明するよ』
『うん、お願い、分からない事だらけよ』
『すみません、クエスト完了報告と買い取り良いですか?』
『あら早かったわね、どうぞカウンターに並べてください』
『うーん乗るかな、よし俺のは、これで全部だ、ミュウさんの置こうか』
『はーい、よいしょっと、えーと2種類に分けてっと、うんこれで全部よ』
『・・・・・・・・・・・・』
『あ あの、お二人で採取したんですよね?』
『うん、たまたま群生地を見つけてね、固まってたから少し多いかも』
『・・・・・・多いなんてものじゃないんですが・・・しばらくお待ちください』
『ふ~ お待たせしました薬草は253本、魔草は、159本になります、合計 金貨15枚、銀貨5枚、銅貨4枚となります。こちらをどうぞ』
『ありがとうございます』
麻袋に入ったコインを受け取り、笑顔でお辞儀しギルドを後にする。
『あ~ 驚いた、ねー カリーナ2人で探せば、収穫も数倍になるのかな?』
『いくらなんでも、そんなに多くは、ならないと思うんだけど・・・』