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第43話 フート・オーラ


聞いた通りギルドの隣にある斡旋所に入りフート・オーラさんを探したが、凄く目立つので直ぐに見つかった。


2メートルを超えるような高い身長、20歳ぐらいだろうか深紅の髪に耳から後ろへ延びる2本の角、凄まじい筋肉に覆われたガッチリとした体、しかし角が無ければヒューマンにも見える、イケメンの方だ。


エイトールさんの事を言うわけにはいかないので斡旋所のカウンターへ向かう。



『『『『ピクッ!!!』』』』


『えっ』


『あっ』


『こ これって』


『な なんニャ』


『この感覚は』


『んふふ 意外ね』


『あはは 僕も2回目ですね』


『な なんニャこの感覚、なんか不思議な感覚ニャ』


『ん~ すぐに分かるよ、あはは楽しくなってきたね』


『すみませんポーターの方を探してるんですが、教えて頂けますか?』


『ああ、ポーターならあそこにいる3人だ、本人と話しをして決まったらまた、カウンターへ来てくれ』


『分かりました、ありがとうございます』



俺は、それだけ聞いて真っすぐにオーラさんの所へ向かった。



『すみません、ポーターの方を探しているのですが、貴方がそうですか?』



オーラさんに話しかけると、隣の冒険者が絡んできた。



『おう、坊主そいつはやめとけ、そいつは見掛け倒しのポンコツだ』


『ギャハハハ そうだぞ坊主そいつは、体は、ゴツイが力もねえし片腕も動かせねえポンコツ野郎だ』


『悪いことは、言わねえ俺にしとけ、そいつより力はあるし戦闘もできる』


『坊主達まだ駆け出しだろ?俺が色々ダンジョンのこと教えてやるよ、その分、金は貰うがよ ガハハ』


『すみませんが、貴方達は、黙っててくれませんか?』


『なんだと、このクソガキが、生意気な事言いやがって』


『お前達、いい加減にしろ選ぶのはパーティリーダーだろうが』


『なんだと、このポンコツ野郎、お前は見栄えだけの詐欺師じゃねーか』


『ギャハハハハ 詐欺師は良いな、そうだぜ見栄えに騙されねえように俺達が、坊主らに教えてるんだろうが』


『黙れ、お前達』



俺は、ブチ切れたエイトールさんからオーラさんの話を聞いた後で、ここまでオーラさんの事をバカにしてる冒険者達に我慢が出来なかった、感情の高ぶりを抑えきれないまま罵詈雑言を放っていた冒険者達を睨みつける。



『ヒィ ヒィィィ な なんだこの坊主』


『誰に、坊主って言ってるんだ?』



一瞬で斡旋所の空気が変わるほどの殺気に包まれる、斡旋所に居た人達が身動き出来ないほど恐怖している。


ムゥゥ、な なんだこの子達は、10代そこそこにしか見えないこの子に、いやこの子達か、この4人の子供に俺も汗が止まらないサーベルタイガーに襲われたときの何倍も恐怖を感じている。



『俺は、黙れって言ったよな?』


『す すまねえ、も もう何も言わねえ勘弁してくれ』


『早く俺の視界から消えろ、お前達』


『ヒィ ヒィィィ 分かったすぐ消える』



暴利雑言を放っていた冒険者二人が走って出ていくが、まだ感情が抑えられない・・・俺は、ゆっくり深呼吸をする。


しばらくの時間が掛かり、ようやく落ち着いてきたところ、皆がまだ殺気を放っていることに気付く。



『すまなかった、皆抑えてくれ』


『ふーふー わ 分かったわクオン君』


『ギリギリ わ 分かりましたリーダー』


『フシャー フゥゥ追い掛けたいニャ』


『悪い、ムーア我慢してくれ』


『えーっと、すみませんでした、俺達は貴方にポーターをお願いしたいのですが、如何でしょう?』


『わ 分かった引き受けようワシは、フート・オーラだオーラと呼んでくれ』


『ありがとう、俺は、パーティ「サークル」のリーダークオンです、宜しくお願いします』


『すみません受付の方、ポーターの方が決まりましたので宜しくお願いします』


『あ ああ、分かったここにサインしてくれ』


『はい、これで良いですか?』


『ああ、これで良い』



俺達は、オーラさんと共に斡旋所を出る。




『な なんだったのよ、あの子達は?』


『わ 分からん汗がまだ止まらんぞ、死ぬかと思った・・・』


『ふーー こええ、ありゃー化物だな・・・』


『サークルって言ったっけ?子供にしか見えない奴らが、なんてぇー殺気、放ちやがる』


『俺も長いこと斡旋所やってるが、こんなこと初めてだ覚えておこう「サークル」のクオンか』



俺達は、ようやく感情の高ぶりが落ち着いてきて歩きながらオーラさんに話しかける。



『すみませんオーラさん、詳しい話も出来なくて』


『フフフ あっははは いやーワシは愉快だ!しかし、君達何者だ?』


『まだ、背中に掻いた汗が止まらぬ』


『俺達は、駆け出しの冒険者ですよ』


『んふふ 宜しくねオーラさん、私はミュウよ』


『僕は、ロックです、宜しくです』


『あたいは、ムーアニャ、よろしくニャ』


『フフフ 駆け出しか、まあ見た目はそうだな、しかしワシは彼奴らが言っていた通り左腕が動かん、しかし荷物ぐらい片腕でも持てるので、どうか宜しく頼む』


『十分ですよ、今からオリオンのダンジョンに行きたいのですが、すぐ行けますか?』


『ああ、カバンも持っている、すぐにでも構わんよ』


『この荷車も使ってください』


『これは良いな、しかしこんな便利なものが、あるのならワシは要らなかったんではないか?』


『あはは そこは、俺達の頑張り次第ですね』



俺達は、オリオンのダンジョンについて中へ入る。オーラさんに分からないように<マップ><サーチ>をする。



『皆今日は、スキル上げを兼ねて殲滅だ、各階の降りる階段で一旦集まろうオーラさんには俺が付く』


『『『了解!!!』』』


『さっ 行きましょうかオーラさん』


『ああ、えっ 他の面子は、いつの間に消えたのだ?』


『もう、狩りに行きましたよ俺達も行きましょう』


『あ ああ』



約10分ぐらいだろうか俺は、まっすぐ下へ降りる階段を目指したので最短で階段に着くが、すでに皆は、待っていた。



『じゃ、ドロップ品を置いてボス部屋まで繰り返そうか』


『分かったわ、今度は私がオーラさんに付くね』


『分かった、ミュウ頼むよ』


『えっ ま まただ、いつの間に・・・』


『んふふ さあオーラさん行きましょ』


『フフフ まったく底がしれんな、しかもどうやったら1階だけでこんなにドロップ品が集まるのだ?』


『ん~ 今日は、散開してるからね~ リーダーも気合入ってるし』



俺達は、オーラさんに付く人を交代で変わりながら地下10階のボス部屋前に着く。


既に荷車もオーラさんのカバンもドロップ品でいっぱいだ。



『フフフ 夢ではないよな?ワシはまだ魔物を見ておらんぞ、全く凄いな君達は、荷物もいっぱいだポーターが要るのがやっと分かったぞ』


『あはは まだまだ次が今日のメインですよ、ウーツゴーレムが出ると良いのですが』


『フフフ あっははは ウーツゴーレムなど出たら死ぬではないか、全く冗談までうまいの』


『ニャハハ まあ行くニャー』



俺達は、ボス部屋に全員で入る、いつもどおり扉が閉まりボスが見えた。



『な なんだとウーツゴーレムではないか?わ ワシが盾になる君達は、なんとか逃げ回れ諦めるな』


『やった、僕達、運が良いですね』


『あはは ロック喜びすぎだ』


『んふふ オーラさん見てて』


『ニャー 頑張るニャーー』


『えっ 君達、な なにを?』



ワシは、驚愕の光景を見た。そういえばダンジョンに来てこのパーティの戦闘をまだ見ていなかった、な なんだと4人共魔法使いなのか?


いや全員物理攻撃の武器を持っている、<ファイア><ウォーターボール>全員が2属性の魔法だと、な クオン殿と言ったか、何という武器だ!剣でウーツゴーレムを斬るだと、いや殴っている?格闘なのか?もう訳がわからぬ。


なっ た 倒したのかこんな短時間であのウーツゴーレムを・・・



『や やった出ましたよウーツ鋼! わーい』


『やったニャー、また黒い宝箱ニャー』


『も~ みんな喜びすぎよ』


『そうそう、皆持ち帰ってから喜ぼう』



オーラさんが固まっている・・・



『オーラさん?終わったよ?』


『フフフ 全く何てパーティだ、しかも何て楽しそうに、ワシまで楽しくなるではないか』


『全く、楽しませてくれるパーティだな、君達何者なんだ?いや駆け出しの冒険者だったな フフフ』


『んふふ それよりも、お楽しみの宝箱だよ』


『よーし、今日も行くニャーーー』


『<罠解除>!!!』



【ムーアが黒い宝箱の<罠解除>に成功しました。】



俺達5人は、ハイタッチして喜びを分かち合う。



『フフフ あっははは 楽しい、楽しいの』


『ん、ポーションニャ<鑑定>するニャー』


『なっ か 鑑定だと』


『あっ ムーア・・・』


『まあ、良いかオーラさん内緒でお願いしますね』


『ほ 本当に持っているのか?あの「知識のスキル」を』


『ごめんニャー、行くニャー<鑑定>!!!』



【アンサー フルポーション:体力が全快し、体の欠損部分もある程度なら回復する。】



『フルポーションか初めて見たな、ちょっと貸して錬金出来るか見てみるよ』


『ああ、なるほどニャ、皆で見てみるニャ』


『ふむふむ、なるほどね材料さえあれば出来そうだな、でも体の欠損部分を完全に治すなら、やっぱりエリクサーが居るのか』


『そうみたいね、でも私、良いこと思いついたわ、このポーション使うとこ見たら魔法に出来るかもよ』


『ああ、なるほど<付与術>の応用だな』


『丁度、今なら使えますしね』


『あはは 鋭いなロック、どうやら意見は一致してるようだな』


『オーラさん、こっち来てニャー』


『ワシは、もう、なにがなんだか分からんのだが?』


『オーラさん、これ飲んでみてくれませんか?』


『な さっき言ってたフルポーションではないのか?』


『ええ、だからオーラさんの腕も動くようになるかと』


『ば バカな、そんな高価なものをワシなんかに使うと言うのか?』


『んふふ 使ってるとこが見たいのよ心配しなくても無料よ遠慮なく飲んじゃって』


『確かに、腕が動くようになるのならワシも助かる、しかしワシは金がない』


『大丈夫ですよ僕達は、効果が見たいだけなので、どうぞ』


『むぅぅ ではこの恩、忘れぬぞ』



オーラさんがフルポーションを飲み干すところを全員で見る、飲み終わるとオーラさんの左腕が光輝く、俺の想像では、おそらく左腕の筋が切れていて動かせないようになったはず、ならこのフルポーションなら十分治るはずだ。



『う 動く、動くぞワシの左腕が』


『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』


『医者にも治せなかったのに・・・すまぬ感謝する』


『その感謝に着け込むつもりは無いのですが、町へ帰ったらオーラさんにお願いがあるんですよ』


『ワシに出来ることなら、何でもしよう』


『んふふ ありがとう町へ帰ったら言いますね』


『でっ どうニャ魔法は?』


『ええ、大体分かったわ、と言うか見る前も出来てたかも、たぶん』


『お~ 流石だなミュウ』


『なに言ってるのよ、クオン君のお陰よ、また皆にも使えるように説明するね』


『よし、じゃ荷物もいっぱいだし今日は、帰ろうか』


『『『『了解!!!』』』』


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