第41話 豪邸・新たな武器
俺は玄関の鍵を開け全員で室内に入る、昨日感じた動きの抵抗もなく、普通に動けることが嬉しかった。
そこは、吹き抜けになっていて2階へ上がる階段が左右に伸びており、地下へ行く階段もある、1階の各部屋のドア2階の各部屋のドアも複数見えるが、何部屋あるんだ?
『さ~ どこから見ていく?』
『う~ 楽しみニャー皆で見ていくニャー』
『全部の部屋を見てから鍛冶部屋を決めたいです』
『そうね1階から見て行きましょうよ』
『うんうん、俺も楽しみで仕方ないんだ行こう』
俺達は1階の端からドアを開けて1部屋1部屋確認していく。
『お~ 食堂かな、広いね~ 』
『んふふ まるでローニアさんとこの食堂みたいだね』
『広すぎて落ち着かないニャ』
『僕もです』
『あはは 皆貧乏性だな俺もだけど、此処は、お客さん用にしようか』
『ここは、キッチンか凄いなコンロには、魔石が設置されてるな、それが複数ある火の魔石、水の魔石、鍋からフライパン、中華鍋もある、何でも作れそうだな』
『あっ ここ私達に良いんじゃない?』
『キッチンの隣だし従業員用なのかな?でも結構広いから良いですね』
『ここは、落ち着くニャ』
1階は全て見て回った、離れの様な部屋があり鍛冶をするには打って付けだ、ロックは迷わず鍛冶部屋に決めたムーアも鍛冶部屋に近いほうが何かと便利なのでその隣を裁縫部屋にし俺も錬金部屋を隣合わせにした。
続いて2階3階を回り俺達4人の部屋は、全て3階にしたお客さんが来たら2階に泊って貰うためだ、まあ、そんな人はいないのだが・・・
もちろん入った部屋は全て交代で<クリーン>を掛けていく実に便利だ、お陰で全部の部屋を回るころ掃除も終わっていた、時間はとっくに昼を回り今日も昼夜兼用の食事になりそうだが、既にロックとムーアは作業に掛かっていた。
俺もミュウに手伝って貰いながら<錬金術>でディスペルポーションを作っていく、材料もあるし作れるだけ作ってしまおう、ミュウにも練習で作って貰うが問題なく出来た。
【パーティスキルの<イクウィップクリエイター+1>が<イクウィップクリエイター+2>に成りました。】
【パーティスキルの<エンハンス>が<エンハンス+1>に成りました。】
【ロックの<鍛冶師+1>が<鍛冶師+2>に成りました。】
【ロックの<付与術>が<付与術+1>に成りました。】
【ムーアの<裁縫術>が<裁縫術+1>に成りました。】
『おおっと凄いな、ラッシュだ』
『んふふ みんな頑張ってるわね~』
俺とミュウは、<錬金術>の材料が無くなると次は、料理の段取りを手伝って貰っている。
今日は、バイコーンのステーキにしよう、既にエールとワインもアイテムポーチに入っている。
【パーティスキルの<エンハンス+1>が<エンハンス+2>に成りました。】
【ロックの<付与術+1>が<付与術+2>に成りました。】
【ムーアの<裁縫術+1>が<裁縫術+2>に成りました。】
『お~ 頑張ってるな~』
『む~ 私も魔法スキル上げしないとな』
『そろそろ、食事にするから二人共呼んでくるよ』
俺は、ロックとムーアに食事が出来たことを伝え休憩を促したバイコーンのステーキは、かなりボリュームがある皿へ入れて皆に配る、エールも注いで準備完了だ。
『それでは、俺達の新たな家を祝して乾杯!』
『『『かんぱ~い!!!』』』
『プハ~ いや~ 美味いな』
『お肉でっかいニャー』
『美味しいです』
『家も思ったより早く手に入って良かったわね』
『うん、でも月に金貨20枚だからな稼がないと』
『ダンジョンで稼げるニャー』
『あっ そうそうノーニアさんとザルガさんに、何かお礼しないとね』
『そうね、何が良いかな侯爵家だしね、お金持ちにプレゼントって難しいわね』
『僕なんか作りましょうか?』
『ザルカさんには、武器で良いかなノーニアさんにミスリルでアクセサリーか何か作ろうか?』
『あたいも、素材があれば何か作るんだけど、余分な糸がないニャー』
皆とあれこれ、お礼をどうするか決めてロックと鍛冶に励む、また俺の新武器の作成に入ってくれており、見たこともないような武器だった流石ロックだ、そうこうしている内に大体完成した。
『リーダー出来ました、お披露目に入ります』
『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』
『まず刀です、名前は、「圓月輪」そして「ウーツガントレット」』
『これは、ムーアさんの短剣のように腕のウーツガントレットに装着して使いますのでセットです、格闘の拳を撃てるようにしました、両方ダマスカス鋼とミスリル鋼で出来てます、圓月輪は左右の刀をくっ付けると丁度円形になります、リーダーの無形無双ってイメージに合わせて作りました』
『極め付けは、拳も刀も属性を乗せれます、炎拳とか氷刀で攻撃出来ます』
『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』
『うわ~ 凄いなロック』
『少し、練習が居ると思いますが、リーダーなら使いこなせると思います』
俺は、圓月輪を装着してみた刀は、ダマスカス鋼の木目状模様がミスリルの色合いで出ており非常に綺麗だ、ウーツガントレットも同じ模様になっておりゴツゴツした感じではなく腕から手にかけてフィットしている。
『後は、小物なんですが名前は「ホーリーサークレット」』
『これは、ミスリルで作って聖水で<付与術>を使いました、光属性効果と闇耐性が上がります、ミュウさんとムーアさん用に2つ作りました』
『ロック君、ありがとう、すっごく綺麗ね』
『ロック様、ありがとニャ、綺麗にゃ』
『あたいは、クオン様とロック様の洋服を作ったニャ』
『まずクオン様の「ヒュームチェニック」ブラッククロウラーの糸玉で作ったニャ』
『そしてロック様の「ドワーフチェニック」同じくブラッククロウラーの糸玉で作ったニャ』
『両方、黒一色じゃなくてパーツで模様を付けミスリルも織り込んであるニャ』
早速、俺とロックが試着してみる、うんサイズもピッタリだ。
『うわ~ すっごいカッコいいじゃない二人共なんか旅人って感じになったね』
『すっごい、軽くて丈夫だね、ありがとうムーア』
『僕のもカッコ良いです、ありがとうムーアさん』
『ニャハハ 喜んでくれて嬉しいニャー』
『あっ 後は、ザルガさんに「ミスリルレイピア」の仕込み杖、ローニアさんは「ホーリーピアス」作りました』
『効果は、<身体強化>と<ホーリー>の効果を<付与術>で付けてます』
『ところで<付与術>って自分が習得してるやつを武器防具に付与できるのは分かるんだけど「切断上昇」「温度調節」とか武器防具専用の付与効果って、どうやって覚えるんだろう?』
『<鍛冶師>か<錬金術>の分野になると思うんですが、今の僕達なら欲しい付与効果が付いてる武器防具があったらコピー出来そうですけど』
『ふむふむ、ムーア<スキルハンター>で武器防具からもコピー出来るかな?』
『たぶん出来るニャ、効果さえ感じることが出来ればコピーするニャ』
『それなら武器屋か防具屋に行って見てみましょうか?』
『うん、明日から有用なスキルが付いている武器防具も探そう』
俺達は、それぞれ決めた個室に移り眠りに着く、設置されていたベッドは、<クリーン>でフカフカになっており実に気持ち良かった。
『ん~ ああ今日もよく寝た、ロックが居ないってのは初めてだな』
『よし、リビングへ行くか』
『おはよー クオン君』
『ミュウ早いね、おはよー』
『んふふ 紅茶飲む?』
『ああ、貰うよ、ありがとう』
『う~ん、こういう朝も良いな』
俺はロックを起こしに行き4人で朝食を取る、とりあえず先にローニアさんにプレゼントを渡しに行く事にする。
ローニアさんの家に着き、玄関に続く門で立っていると今日もザルガさんが出迎えてくれた、やはりずっと外を見ているのかな凄いな。
『おはようございますザルガさん、朝早くからすみません』
『いえいえ、おはようございます今日は、お嬢様も居られますので、しばらくお待ち願えますか?』
『はい、分かりました、此処で待ってます』
『フハハ まさか飛んでもない、どうぞ此方へ、お入り下さい』
俺達は、ザルガさんに誘われ、この間行った部屋ではなくリビングのようなところで豪華なソファーに座りローニアさんを待った。
『ふあ~ これ凄いソファーねフカフカだわ』
『ニャハハ 気持ち良いニャ』
『僕は、ちょっと埋まっちゃいます』
『あはは、ロックにはフカフカで大きすぎるかな』
『お待たせ致しました、皆様おはようございます』
『朝早くからすみませんローニアさん』
『うふふ 良いんですよ、来て下さって嬉しいですわ』
『昨日ザルガさんに、お世話になっちゃって今日は、少しお礼に来たんですよ』
俺は、ロックに作って貰った「ミスリルレイピア」の仕込み杖と「ホーリーピアス」を取り出して目の前のテーブルに置く。
『これは、ロックに作って貰った物なんですが、ローニアさんとザルガさんにお礼で持ってきました』
『こ これは、杖ですかな、これはまた良い物を黒で統一された気品のある杖ですな、ありがたいです』
『こ このピアスは、まさかミスリル製では?』
『はい、昨日ダンジョンで出たのでローニアさんに、どうかなと』
『えっ まさか宝箱からですか?』
『いえ、ローニアさんには言いますが地下30階のボスがミスリルゴーレムだったんですよ』
ローニアさんとザルガさんが固まっている、あっ ひょっとして言ったらいけなかったかな・・・
『ローニアさん?』
『あっ ええ、すみません、まさかオリオンのダンジョンを制覇しましたの?』
『昨日、制覇してきましたミスリルは、ミスリルゴーレムのドロップ品です』
『うふふ オリオンでミスリルが出ると言うのは、宝箱から低確率で出るからで、ミスリルゴーレムなんて初めて聞きましたし地下30階へ到達した方など私は、今まで存じませんわ』
『んふふ ローニアさん内緒ですよ』
『まあ、ミュウ様ったら、うふふ しかし、お会いする度に驚かされますわね』
『なんて綺麗なピアス、薄黄緑に発光しているように見えますわ』
『えっと<身体強化>と<ホーリー>の効果を付与してあるんですが<ホーリー>を付与したとき、ちょっと仄かに光るように、なっちゃいました』
ローニアさんが、口をポカンと開けたままロックを見ている、あれこれもダメだったのか・・・
『ろ ロック様は、<付与術>も使えるんですか?』
『あっ 僕と言うか僕達は皆、使えますね』
『なっ 全員がですか?本当に規格外ですね』
『うふふ これ飛んでもなく高く売れますわよ?』
『そうなんですか?でも俺達が取って来たんで、遠慮なくどうぞ』
『さすがに只では、貰えませんわ何か、お返し致しませんと』
『う~ん、そうだわローニアさん、何か付与されているアイテムか武器防具お持ちになってますか?』
『えっ お父様なら幾つかありますが、私はアイテムで少しだけしか、持っていませんわ』
『おお、ローリアさん、良かったら少しだけ見せて頂けませんか?』
『見せるぐらいなら、いくらでもザルガお願い、メイドへ伝えてくれますか』
『しかし、お嬢様あれは』
『良いからお願い』
『はい、お嬢様』