第39話 ダンジョン攻略7 ミスリル・オリオンの聖杯
『よし、そろそろ行こう』
『『『了解!!!』』』
『<ファイアウォール><ファイアアロー><ファイアウォール><ファイアアロー>!!!』
『いつもより温度を上げよう、ロック用意してくれ、左胸だ!』
『いつもながら、どうして分かるんですか、了解!』
『<ファイアウォール><ファイアアロー><ファイアウォール><ファイアアロー>!!!』
『よし、良いだろう水属性行くよ、ロック行けるか?』
『何時でも行けます!!!』
『<ウォーターボール><ウォーターウォール><ウォーターウォール><ウォーターボール>!!!』
ミスリルゴーレムは、超高温になっていた所へ一気に冷やされ、爆発音のような水蒸気が辺りを包む、やがて水蒸気が薄くなっていきミスリルゴーレムの姿が現れる、その姿は袈裟斬りに斬られたような大きなヒビが入っていた、すでにロックは走っている。
『ロックあのヒビだ!!!』
『はい、い インパクト!!!』
『ドゴォォォォギンッ!!!』
相変わらずロックの「インパクト」は凄まじい、ミスリルゴーレムの分厚い胴体に入った左胸にロックの「インパクト」が突き刺さる、やがて左胸から放射状にヒビが広がっていきミスリルゴーレムの胴体が砕け散ると中から球体が零れ落ちた。
【レベルアップしました。クオンがレベル12からレベル13に成りました。】
【レベルアップしました。ミュウがレベル12からレベル13に成りました。】
【レベルアップしました。ロックがレベル12からレベル13に成りました。】
【レベルアップしました。ムーアがレベル12からレベル13に成りました。】
【レベルアップしました。クオンがレベル13からレベル14に成りました。】
【レベルアップしました。ミュウがレベル13からレベル14に成りました。】
【レベルアップしました。ロックがレベル13からレベル14に成りました。】
【レベルアップしました。ムーアがレベル13からレベル14に成りました。】
【ムーアが<物理耐性>を習得しました。】
【パーティスキルの<スキルハンター+1>が<スキルハンター+2>に成りました。】
俺達4人は、ハイタッチして喜びを分かち合う。
『ふ~ 案外楽だったね』
『火属性のランクも上がって来たしね、もう一段階上の魔法も撃てるかも』
『あたいの攻撃なんて全然入らないニャ』
『わ~い、ミスリルの塊ドロップしましたよ!』
『あはは ロック上機嫌だな』
『あっ 宝箱じゃない?』
『おお、ほんとだ楽しみだね<鑑定>してみるよ』
【アンサー ミスリル鋼:緑銀色の輝きと鋼鉄よりも強く魔力を帯びた特徴をもつ非常に貴重な金属。】
【アンサー 黒い宝箱:中爆発の罠が設置されている。】
【アンサー ミスリルゴーレムのコア:高魔力結晶体として魔力を非常に多く蓄えられる。】
『やっぱり罠が設置されてるねムーア頼む』
『任せるニャアアアア』
ムーアは罠解除のとき必ず針を出す、本人に聞いたところ別に無くても<罠解除>は出来るそうだが、気持ちの問題らしい、その針も以前とはちがいロック製のダマスカス針になっていた特殊な加工がされており鋭く弾力があり折れにくいらしい、いつもの調子で針を指でクルクル回し目の前に大事そうに置いた黒い宝箱に挑む。
『<罠解除>!!!』
【ムーアが黒い宝箱の<罠解除>に成功しました。】
『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』
『ニャハハ やったニャー、嬉しいニャー』
『ん、コップみたいニャ、鑑定してみるニャ』
【アンサー オリオンの聖杯:聖杯に魔力を注ぐと高純度の聖水が湧き出る。精錬された魔力水であり飲むとMPが回復する。】
『な なんか凄くないか?』
『そ そうね飛んでもない物出たかも・・・』
『ん、そうニャ?』
『洋服とか武器防具にも役立つかもですよ?試してみたいです! は 早く帰りましょう』
『まあまあロック今から出ても町に入れないよ、野営してから帰ろう』
『そしてウーツゴーレムの時にも出たけどコアって使い道あるのかな?』
『膨大な魔力を溜めることが出来るのですが僕達は、MPが多いので装備にしても使わない可能性が高くて、一応何かに使えるか検討中です』
『なるほど、なんかの動力になるかもね』
『ところで、新しい扉が出来てるんだけど出口かな?』
『出口は、魔法陣のはずだから、その部屋にあるんじゃないかな』
『入ってみるニャ』
新しく出来た扉に入ると小さめの部屋になっており、部屋の中央に菱形のクリスタルが浮かんでいた。
『綺麗ね、これがダンジョンのコアね』
『僕、初めて見ました』
『綺麗ニャー持って帰りたいニャ』
『ダメだよムーアこれがないとオリオンのダンジョンが無くなっちゃう』
『ニャハハ 冗談ニャ』
『丁度良い、ここで野営しよう』
『んふふ こんなところで野営って贅沢ね』
『ああ、でもここなら魔物も出ないだろ』
俺達は、ダンジョンコアの輝きを見ながら果実水で乾杯をし、楽しかったダンジョン生活を語り合い眠りに着いた。
『ん~ん、んん、今日もよく寝たな うわっ』
俺は、いつものように目が覚めて寝ぼけ眼でボーっとしてると、目の前にミュウの寝顔があることに気付いた、ああびっくりした、そうか昨日の夜、疲れてたから皆で雑魚寝になったんだ・・・しかし改めて見るとミュウ可愛い顔してるな近すぎて良い匂いもするし、ヤバい顔赤くなってきた、ずっと見ていたいけど緊張してきた。
俺は、凄く勿体ないが寝がえりをうって反対を向く、うわっ まさか更に緊張するとは思わなかったが、そこにはムーアの大きな双丘が目の前にあった少し見上げるとムーアが楽しい夢でも見てるのか幸せそうな笑顔でムニャムニャ言ってる、しかしミュウも大きいけどムーアも大きいな・・・俺は鼻が双丘に当たりそうなぐらいの位置でドキドキを必死に我慢した。
俺はバカか起きればいいんだ、し しかし・・・も もう一度寝返りをうってミュウの寝顔見てから起きよう、うん、そうしよう俺は寝返りをうった、相変わらずミュウの寝顔は目の前だ、でもさっきと違うことがある、そう目がパチリと開いている動揺したのか俺も目を見開いたままミュウと目が合う、ち 近いミュウの顔がどんどん赤くなるが、っと言うことは俺も顔が赤くなっているのを見らているのか。
『お おはようクオン君』
『お おはよミュウ』
『あはは』
『んふふ』
お互いが照れ隠ししている最中、ぬっとロックの顔が出てきて驚く。
『おはようございます、えへへ今日は僕、一人で起きましたよ』
『う うん、やったじゃないか』
『え ええ、ロック君も一人で起きれるのね』
俺とミュウは、動揺しまくりながらも体を起こす、まだ寝ているムーアも起こし帰る仕度をすることにする。
『朝みても綺麗だな』
『えっ えっ な なに言ってるのよクオン君』
『えっ いやダンジョンコアって綺麗だなとね』
『えっ あっ そ そうね綺麗だわ、また見たいわね』
俺達は、帰る仕度も整い試しにボス部屋を覗くがやはり、まだ復活はしていなかった帰るための魔法陣は、ダンジョンコアがある部屋に設置されており全員魔法陣に乗り起動させる、以前と同じようにダンジョンの入口付近の外へ一瞬で移動した便利だ。
ちなみに、このダンジョン探索で使いっぱなしだった<マップ><サーチ><鑑定><罠感知>のランクが上がっていた<マップ+3><サーチ+3><鑑定+3><罠感知+5>になった。
カムフラージュ用の荷車を出し、大き目の袋に売却用の魔石と素材を入れ、町を目指す二日ぶりの町だ門兵さんに挨拶し先にギルドへ売却目的で足を運ぶ。
『エイトールさん、おはようございます』
『クオンさん、お久しぶりです』
『今日は、素材買取お願いします』
『はい承ります、ではいつものようにカウンターへ置いてください』
『少し多いのですが良いですか?』
俺は、サンタクロースになったような大きな袋を担いだままエイトールさんに伝える、ほとんどが魔石なので大量に置くと転がっていきそうだからだ。
『分かりました袋ごと頂きますね』
『えっ こ これ全部魔石ですか?いったい幾つあるんですか?』
『すみません数えてなくて・・・』
『し 失礼しました、しばらくお待ちください』
エイトールさんは、助っ人を呼んで魔石の数を数えていく、もちろん種類別しかも大きさ別で値段が変わるため大変そうだ、俺達が使いそうな素材は出してないが、要らない素材も結構ある、それらを全部出して査定に入って貰った、やはり量が多いため結構な時間を待っていると、ようやく声が掛かる。
『すみませんクオンさん、お待たせしました』
『魔石と魔物素材を全て査定いたしました、合計で金貨150枚になります』
『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』
『ありがとうございます』
俺達は、報酬をそれぞれ受け取り一旦宿屋へ戻る。
『皆、お疲れ様今日は、このまま休憩にしようか』
『ぼ 僕は、ちょっと鍛冶してきます』
『あたいも、裁縫してくるニャー』
『私は魔導書に興味があるな~』
『やれやれ、皆元気だな、そして俺は必然的にディスペルポーションの作成か・・・』
『また、宿屋の裏へ行く?』
『ん~ こう何回もじゃ部屋が欲しくなるわね』
『確かに、家買うほどお金ないし、どっか借りれる部屋探そうか?』
『んふふ それ良いわね』
『ロックとムーアは、どうする?』
『火炉付きの家が良いです!』
『裁縫部屋が欲しいニャー』
『魔法撃てる地下室とか、あったらな~』
『・・・そんなデカい家あるかな』
『よし、じゃ全員で見に行こうか』
『『『賛成!!!』』』
『でも、何処で借りれるんだろ?』
『ローニアさんに聞いてみる?』
『なるほど貴族の方なら、そういうのも詳しいかな』
『ダメなら、冒険者ギルドでも行って聞いてみよう』
俺達はローニアさんの所まで、とりあえず行ってみる、呼び鈴なんてあるはずもなく、どうしようかと思っていたら執事の方が、すぐに出てきてくれた流石侯爵家。
『これはこれは、クオン殿、お嬢様にご用事ですか?』
『突然押しかけてすみません、少し聞きたいことがありまして』
『ほほ~ お嬢様は、生憎と出掛けておりましてな、私で宜しければお伺い致しますが』
『なるほど、実は、借りれる家を探してるのですが、どこへ行けば良いか分からなくて』
『それはそれは、家の斡旋でしたら商用ギルドでやっておりますな、ご案内致しましょう』
『いえいえ、それは、悪いので場所だけ教えて頂ければ』
『御遠慮なく、場所を教えるだけなど、そんなことをすれば私が、お嬢様に怒られますので』
『そうですか、なんかすみません』
『いえいえ、片手間ですよ、ささっ 参りましょう』