第31話 ムーアの新武器
俺達は下の飲食店で朝食を取り、それぞれの行動に移る。この町の宿屋の裏にも良いスペースの空きがあったのでそこで武器の製作をするそうだ、ちなみにミュウも<エアウォール>張るついでに同じ所で属性魔法習得を頑張るらしい、まあそのほうが<裁縫術>スキルが見れて良いかもしれない。
ムーアに新しく入手した素材、スパイダーシルクで、どんな物を作るか相談されたので1つだけ提案した、それは現代で言うスポーツブラだ、ここでは無い物だしミュウもムーアも胸が大きい、必然的に激しい運動が義務付けられている今では、かなり有用だと思う、細かい構造についてもスケッチで記憶の限り伝えた背中の紐は十字にしたほうが揺れが少なくなるはずだ。洋服についても今回は、ミュウとムーア用に作ってくれと頼んだ、女性だしね。
俺は、せっかく時間停止のアイテムポーチが手に入ったんだから料理を作って溜め込んで置こうと思う。
もちろん自炊も出来るように段取りするダンジョン内で肉とか手に入るかもしれないしね。
しかし野菜は兎も角、肉を買うのは勿体ないような気がする、近場で美味しい肉の魔物とか出ないかな。
野営用のテントは、持っているやつで4人ならギリギリ行けそうだ何れは、もっと大きいの買わないとな・・・大きめの寸胴鍋とフライパン後は、皿と箸も買っておこう、ああコップと飲み物は冷やしてから入れて置いた方が良いな。
雑貨を先に買い集めて、ギルドへ美味しい獲物が居ないか聞きに行くかな、俺は、雑貨を順調に買い集め野菜類も先に買っておいた、大体揃ったのでギルドへ行く今日もエイトールさんが居たので聞いてみよう。
『すみません今日は、少しお聞きしたい事があって来ました』
『おはようございます、クオンさん、何を聞きたいのでしょうか?』
『この町の近くに、なるべく美味しい味の魔物って居ないでしょうか?』
『そうですね、比較的近くでは、バイコーンって言う魔物が生息致しております、お勧めですよ』
『ああ、聞いたことあります、それ良いですね』
クエストを受ける訳では、ないのだがエイトールさんは、親切にバイコーンの生息場所を教えてくれる。
『ありがとうございました、行ってきますね』
『生憎とクエストは、出ておりませんが、お気をつけて』
『はい』
俺は、エイトールさんに丁寧に挨拶してからギルドを後にする。幸い装備もアイテムポーチも持ってきたのでそのまま狩りに出る、30分ほど走っていくと、結構広めの草原にでるエイトールさんから聞いた場所は、ここら辺だ、<マップオープン>バイコーンを<サーチ>!!!おお、居たいた。
俺は、<サーチ>を活用し、早速目当てのバイコーンを見つけ狩りに向かう、まだこちらには気付いてないようだ、一応皮も使えそうなので綺麗に倒そうと思う、気配を消してバイコーンに近づく<エアウォール>!!!俺は逃がさないようにバイコーンの周りに空気の壁を作り、首を狙い刃を振り落とした、驚くほど簡単にバイコーンの首が切断される、身体強化が効いているのかレベルが上がったからなのかは、分からないが簡単に肉が確保出来た。
先に近くの木にバイコーンを吊るし血抜きをするついでに解体もしよう、皮を綺麗に剥いで<クリーン>を掛ける内臓も<ウォーター>でよく洗い<クリーン>を掛けポーチに仕舞うモツ煮込み用だ、肉は、部位事に骨ごと収納する骨もスープの出汁には必要だ捨てる所がない。
一通り終わった、町へ帰って料理に移ろう、帰りも荷物が無いのがありがたい、なにげに<神の声>が響く。
【パーティスキルの<マップ+1>が<マップ+2>に成りました。】
【パーティスキルの<サーチ+1>が<サーチ+2>に成りました。】
やった、これで範囲がまた広がる、<鑑定>のスキル上げもしないとな俺は帰りの道中色々な物を<鑑定>した、草・木・石何でも<鑑定>した、その結果運よく月光草、治癒草、魔力草、薬草等色々集まった、すべてアイテムポーチに入れた時間停止は本当に便利だ。
俺は、バイコーンの皮も手に入ったことだしロック達のところへ持っていこうと思う、装備や洋服に使えるかもしれないし、確かミュウの以前使ってたムチもバイコーンの皮から作っていたはずだ、走って町まで帰り宿屋の裏へ向かいロック達が居た。
『どおだい?製作進んでる?』
『あっ リーダー結構進んでますよ、ムーアさんの意見を聞いて、僕のアレンジがしてあります』
『クオン様、あたいも進んでますニャ、まずスポーツブラですか?こちらは、出来ましたニャ』
『おお、流石に早いな、でもそればっかりは、本人じゃないと出来栄えが分からないね、着けてみた?』
『も~ リーダーどうして女性の下着のこと知ってるかな?』
ミュウが俺に恥ずかしそうに言ってくるが、もちろん説明なんて出来ない。
『えっ いや、感だよ感・・・あはは それでどうだ?着けた感じは』
『む~ リーダー誤魔化したな・・・でも、まあ良いわ、これ凄いわよ』
『走っても、すっごい安定してて動きやすくなったわ』
『クオン様、あたいもです、もっと早く欲しかったぐらいですニャ』
『それは、良かった後これなんだけど』
『肉の補充にバイコーンって魔物取りに行ってきたんだけど、皮が使えそうだから持ってきたんだ』
『ロック、ムーア使えそうなら、使ってよ』
『あっ 丁度今作ってる洋服の腰の部分に使えそうですニャ、ありがとですニャ』
『僕も、色々と使えそうです、ありがとうリーダー』
『ミュウも進んでる?』
『ええ もう少しで氷属性覚えれると思うんだけど、昨日のゴーレムも氷属性あったら足止め楽だったかもだし頑張ってるのよ』
『ああ、なるほどそれ使えそうだね、差し詰め<アイスロック>ってとこかな?』
『んふふ 良い名前ね、覚えたらそれにするわ♪』
『さて、俺もここで料理するかな』
俺は、<アースメイク>でレンジを作り寸胴鍋を置いて水を入れる、<プチファイア>で火を点ける強火だ、お湯が沸くまで根野菜を切って、いくつかの骨を火で直接炙ってから置いておく、綺麗に手入れしたモツは、手ごろな大きさに切ってから沸騰したお湯に入れて少し煮てから一度お湯を捨てる臭み取りだ、もう一度お湯を沸かし骨・根野菜・モツを順番に入れていく弱火に落とし、こまめに灰汁を取る。
『すっごく良い匂いがするニャ』
『へええ、リーダー料理も出来るのね』
『ああ、一通り出来るよ』
『僕、お腹減って来ました』
『あはは これはダンジョン用だよ』
『う~ 残念です、でも楽しみですね』
さて料理の続きを作る、モツ煮込みの灰汁を取りながら、今回買った大きめのフライパンを出す牛脂を入れ火に掛ける、その間にレバーを切りニラのような葉野菜を用意する、そうレバニラ炒めだ!1頭分のレバーなので大量にある、熱しておいたフライパンにレバーを入れ軽く炒め野菜を大量に入れる、強火で一気に炒め調味料を入れる「ジュゥゥゥ」と言う音がし、当たりに良い匂いが立ち込める、完成だ。大き目の皿何枚かに入れ素早くアイテムポーチへ入れた。
『あ~ お腹減った、良い匂いすぎて我慢できないわ』
『リーダー、此処でやるのは、反則です』
『あはは なんか昼食買ってくるよ』
『クオン様、あたいも行きますニャア』
『良いよ、ムーアは、作ってて』
俺は、いつもの宿屋の下にある飲食店ではなく、ちがう店へ行った、屋台もあったので色々と大量に買う、余っても良いしね、すぐに皆の所へ戻り昼食にした。
『さ 魚ニャアアアア、良い匂いニャアアア』
『あはは やっぱりムーア魚好きなんだね、いっぱい買ってきたよ』
『んふふ ムーアったら喜びすぎよ♪』
『でも、本当に美味しいです僕も魚好きです』
『川魚だったから泥臭いかなって思って味見したんだけど美味しくてね、いっぱい買ってきたよ』
昼食を食べ終わり、料理作りに戻るお次は、牛タンシチューだ!この間ハヤシライスのような食べ物があったので、しっかり調味料を確保しておいた米は無いのだが・・・いつかきっと米を食う!俺の小さな野望の1つだ、もう1つ寸胴鍋を用意しササッと作る後は、弱火に掛けるだけモツ煮込みとタンシチューの灰汁をひたすら取る。
【ミュウが<氷属性>を習得しました。】
『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』
『やったわ、ありがとう後は、雷で全属性だわ』
『は~ 凄いニャ、全属性持ちなんて聞いたことないニャ、しかも自分も使えるニャんて・・・』
『僕も、魔法なんて全然だったのに、もう土火魔法なんて離せませんよ』
『私も、魔法ずっと使ってたけど全然だったわ【プラス】様様ね』
『さって、あたいも出来たニャ』
『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』
『<鑑定>!!!』
【アンサー スポーツブラ:運動時の胸の揺れを抑えることに特化している女性用下着。敏捷補正【中】】
【アンサー エルフシュミゼット:薄手の生地で作られた袖なしの短いブラウス。防御補正【大】】
【アンサー キャットシュミゼット:薄手の生地で作られた袖なしの短いブラウス。防御補正【大】】
【アンサー アンダーシャツ:男性用下着。防御補正【小】】
『余った普通の糸で男性用のシャツ作ってみたニャ、普通の糸だから防御下がったニャ』
『俺達まで、ありがとう!洋服凄く可愛いじゃないか、着てみてよ』
『んふふ ちょっと待ってね、ムーアさん着けてみよ』
『お待たせ、どうかな?』
『お待たせニャ、ん我ながらピッタリニャ』
『お~ 二人共凄く可愛くなったね、町でも十分いけるよ』
『ニャハハ 照れるニャア♪』
『も~ 褒めすぎよ♪』
『じゃ、次は、僕が作った装備の説明をするよ<鑑定>』
【アンサー ジャマダハル手甲剣:木目状の模様を特徴とするダマスカス鋼の手甲短剣。手甲にサファイアが装飾されている。水魔攻・水魔防上昇。】
【アンサー 右黒鉄刀×左黒鉄刀:刀身が黒鉄の刀!強度が非常に強く硬い。刀の柄部分にエメラルドが装飾されている。風魔攻・風魔防上昇。】
【アンサー インパクト:黒鉄で覆われた両手槌。取っ手部分にトパーズが装飾されている。土魔攻・土魔防上昇。】
【アンサー ウェアウルフキャップ:ウェアウルフの皮で作られた頭装備。】
【アンサー 銀の肩胸当て:肩と胸の部分に銀のプレートで補強している胴装備。魔法防御・魔力上昇効果。】
【アンサー ダマスカスシューズ:バイコーンの皮にダマスカス鋼で補強された靴装備。】
【アンサー シルバーリング:銀で作られたアクセサリー。】