第28話 新たなスキル
『ところで、ムーアさん、ずっと気になっていたんですが猫族ですよね?』
『はい?そうですがクオン様は獣人がお嫌いですか?』
『まさか、俺は猫じゃなくて、猫族は大好きです』
『でも語尾に「ニャ」って付けないのは、何故ですか?』
『ふふふ クオン様が、お望みになれば少し恥ずかしいですが、付けるように致しますが?』
『是非、付けてください!是非とも!』
『分かりましたニャ・・・ふふふ やはり恥ずかしいんですが・・・』
『クオン君・・・』
『クオンさん・・・』
『なんと言われても、これだけは譲れませんよ!後は、出来れば頭を撫でさせて貰いたいです!』
『えっ わ 私の頭ですニャ?』
『たまにで良いので是非』
『・・・まあ、それぐらいでしたら、何時でも』
『ありがとう、ありがとう』
俺は、すごく嬉しそうな顔をしていたらしい、しかし是だけは譲れない、俺は猫が好きで、ずっと飼いたかったが、じいちゃんに反対されていたのだ。こんなチャンスを逃す手はない、俺は頼み込んでムーアさんに了承を貰ったがミュウとロックには、不思議そうな視線を向けられた。
『じゃ説明も終わったし、新しく覚えたスキルを<鑑定>で見て行こうか』
『そうね、楽しみだわ』
『<付与術>も付いたみたいですね』
『ああ、順番に行くよ』
【アンサー <千里眼>:全てを見通す力を得る。】
【アンサー <ハンター>:他者の能力をコピーするスキルを発生させる。何らかの条件により新たなスキルが発生する。】
【アンサー <スキルハンター>:他者のスキルをコピーする能力に多大な恩恵を受ける。】
【アンサー <パーティトーク>:どれだけ離れていてもパーティだけにしか聞こえない会話が出来るようになる。】
【アンサー <エンハンス>:何らかの物を作成する際、個数の増加及び品質が上昇する効果。】
【アンサー <付与術>:自身の持つスキルや魔法効果を装備に付与出来るようになる。】
『お~ スキルハンター凄まじいね』
『へええ~ 流石<ハンター>って感じね』
『奪い取るんじゃなくてスキルをコピーするって感じですね』
『せ 説明は聞きましたけど、こ これ本当に、あたいの能力ニャ?』
『うん、みんなそうだったんだけど、<能力開眼>で眠っていた力が開眼するみたいで』
『こないだまで、本当に皆弱かったんだよ』
『な なるほどニャ、ほ 本当だったんだニャ』
『んふふ これから魔法も覚えて貰うわ』
『あ あたい魔力ないニャ、ってこれからあるのかニャ・・・』
『ああ、まだ理解が追い付かないニャ』
『次は、<ステータス>見てみよう、教えたとおりやってみて』
『はいニャ <ステータスオープン>!!!』
ブンッ!!っと音を立て目の前にステータスウィンドウが出現する。
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【ステータス】
名前:エア・ムーア
LV:5
種族:獣人(猫族)
HP:120/120(+90)
MP:130/130(+100)
攻撃:98(+75)
防御:94(+72)
敏捷:102(+73)
器用:111(+82)
魔力:103(+80)
精神:103(+79)
個別能力:<千里眼>
ユニークパーティスキル:<能力開眼><ウィンドウ><クリエイター><ハンター>
パーティスキル:<神の声><ステータス><マップ+1><サーチ+1><鑑定+1><パーティトーク>
<イクウィップクリエイター+1><エンハンス><スキルハンター>
戦闘スキル:<短剣技+2><暗器技><投擲+1>
特殊スキル:<錬金術+1><鍛冶師+1><付与術><裁縫術><罠感知><罠解除>
耐性スキル:<病気耐性+5><毒耐性+5>
回復魔法:<ヒール><ハイヒール>
攻撃魔法:<火属性+2>〈ファイア〉〈ファイアアロー〉〈ファイアウォール〉
<水属性+1>〈ウォーター〉〈ウォーターウォール〉
<風属性+1>〈エアカッター〉〈エアウォール〉
<土属性+1>〈アースアロー〉〈アースメイク〉〈アースウォール〉
<光属性>
<闇属性>
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『れ レベルが下がってるニャ、で でもステータスが軒並み上がってるニャ』
『あっ そうか【プラス】で全部共有になるから、レベル下がることもあるんだ、ごめんね』
『いえ、飛んでもないニャ、ステータスが飛んでもない事になってるニャ』
『それにスキルまで昇華してなかった<罠感知><罠解除>がスキルになってるニャ』
『なるほど、そこらへんも一気に開眼したんだね、もう罠解除失敗することもないかもね』
『グスッ ウッ ウッウッ あ あたい頑張ったの無駄じゃなかったんだニャ』
『うん、これからは、どんどん強くなるよ!』
『あっ 裁縫得意なんですか?』
『はいニャ、裁縫は昔から得意で、全部作ってましたニャ』
『ミュウこれから、教えて貰えるね』
『むむ、クオン君は<錬金術>!ロック君は<鍛冶師>!ムーアさんは<裁縫術>!私は?』
『う~ん、全部極めて!!』
『僕、鍛冶教えます!』
『でも【プラス】の効果で、全員スキル共有になるんニャ?』
『そうなんだけど、練習しないと見に着かないんだよ、だから皆それぞれ毎日練習してるんだ』
『ミュウも魔法関係は、ほとんど全部担当してるんだよ』
『ミュウ様、凄いですニャ』
『えっ い いやそんなに褒めないで、皆も練習してるから、も~ クオン君』
『あはは でも、ウソじゃないよ』
『僕まずは、ムーアさんの武器作ります!!スキルからすると得意な武器は短剣ですか?』
『はいですニャ、短剣と針を使いますニャ』
『分かりました、こうなるとやはり素材が欲しいですね』
『そうだね、確かオリオンのダンジョンって言ったっけ明日、行って見ようか』
『ロック、ムーアさんには、とりあえず予備の装備使って貰おうか俺の短剣も出すよ』
『分かりました、残ってる素材で、明日の朝から作りますよ』
『じゃ、私は明日ダンジョンに行くまでに、ムーアさんに魔法を教えるわ』
『俺は、毒消しポーションとか多めに用意しとくよ』
俺達は、明日の予定が決まり男女に分かれて部屋に移り、そのまま眠った。
『朝いつものように起きて、日課のようになったロックの頬っぺたを引っ張る』
『ムニー ムニーー』
『コンッ コンッ クオン君起きてる~』
『どうぞ~ 起きてるよ』
『も~ また鍵してないの、やっぱりロック君は寝てるのね』
『おはようミュウ、ムーアさん』
『おはようございますニャ、クオン様』
『おはよー クオン君』
朝改めてムーアさんを見ると、かなり体調が戻ってきたのか、悪かった顔色も改善し、水色の髪に可愛い耳、ノルウェージャンフォレストキャットのような綺麗なフサフサの尻尾!身長はミュウと同じぐらいで、クリンとした眼で人懐っこそうな可愛らしい顔立ちだ!胸もミュウより大きいぐらいで薄着のためか双丘が協調されていて目のやり場に困る。
たまらなく頭を撫でて耳を触りたかったが、朝起きたばかりなので自重することにする。なのでロックの頬っぺたを、また引っ張る。
『ムニー ムニー』
『んな、ん、おはにょーごにゃいます、おきみゃした』
『あはは なに言ってるのか、分かんないわよロック君』
『ふふふ 可愛いニャ、ロック様』
『さて、ムーアさん普通の食事食べれそうかな?』
『はいですニャ、お陰様で、もう大丈夫ですニャ』
『じゃ、皆で朝食を食べに行こう』
それから俺達は朝食を取り、行動に移ることにした。ムーアさんがお金が無いことを申し訳なさそうにしていたが、これからいっぱい稼げるし、結構お金も溜まって来たので気にしないように伝える。
お金のことについては、今までは稼いだお金を分割していたが、パーティ資金も溜めることにした。
それぞれが行動に移り、ムーアさんの装備が一応完成する。
ムーアさんも魔法の練習をし、既に生活魔法と簡単な攻撃魔法が使えるようになっていた。
少し早めの昼食を取り、オリオンのダンジョンに向かうため町を出る。
『ムーアさん、装備どうかな?』
『以前使っていた装備より全然良いですニャ』
『あの短時間でここまで良い装備が作れるなんて、凄いですニャ』
『あはは ありがとう僕の在り合わせで作ったんだけど、素材が手に入ったらちゃんとした奴作りますね』
『本当に、もうこれで良いぐらいですニャ』
『オリオンのダンジョンは、ミスリルが出るって聞いたんだけど、他にもなんか出るのかな?』
『はいですニャ、ミスリルも宝箱から出ますニャ、後はウーツ鋼・鋼鉄とかも出ますニャ』
『やはり魔物からもドロップするんですか?』
『はいですニャ、鋼材系はゴーレムが色々とドロップするニャ、後は、宝箱にも入ってることもありますニャ』
『あっ 宝箱は、まちがいなく罠がありますから注意ニャ』
『見えてきましたニャ、あれがオリオンのダンジョンですニャ』
少し大きめの岩山に洞窟のような入口がある、どうやら地下へ降りていくタイプのダンジョンらしい。
ダンジョンの前には、二人の男性が立っており、冒険者ランクをチェックしている、余り人は居ないが、ちょっとした売店もある。ポーションの販売とか素材の買取もしているのかな?
『ダンジョン攻略に来ました』
『ギルドカードを出してくれ』
俺達はギルドカードをそれぞれ出してチェックしてもらう、ムーアさんはDランクで問題なく通れた。
さー いよいよダンジョン攻略だ、少し胸が躍る。
ダンジョンの中へ入るとそこは、如何にも洞窟のような様で外よりも薄暗くなっているが、洞窟全体が薄っすら光っており、暗くて見えないと言うことは無さそうだ。
『では、行こうか』
『『『了解!!!』』』
『打ち合わせどおり、最初は各個撃破で行きます、マップには魔物・宝箱・罠を表示するね』
『特にムーアさんは、初めてだからマップに慣れて貰おう』
『<マップオープン>魔物・宝箱・罠を色を変えて<サーチ>!!!』
『うわっ これが<マップ>かニャ、凄いニャーー』
『これがあったら罠感知、要らなくないかニャ?』
『いやたぶん罠感知のスキルがあるから、<マップ>に表示出来るんだと思うよ』
『う~ん、そうね~ ひょっとしたら<鑑定>覚えてからは、知らない物も<サーチ>出来るようになってるかもだけどね』
『その可能性はあるね、なんせ知識のスキルだから』
『では、<マップ>を見た感じ左の方へ行ってみようか色々反応がある』
俺達は、ダンジョンを進んで行く<マップ>には、おそらく魔物かと思われる表示がある。