第23話 シンクロ魔法
俺達はテントを購入した後、保存食を買い込みギルドへ戻り、先ほどの受付嬢に話掛ける。
『すみません戻りました、連絡は取れました?』
『はい、直ぐに連絡が取れました、明日の朝から出発で如何でしょうか?』
『俺達も必要な物は揃えたので明日でも行けますよ』
『分かりました、ではそのようにお伝えしときますね』
『すみません、依頼人はどのような方ですか?』
『旅の商人さんですよ、個人で経営されており、<エンゲルラント>まで仕入れに行くんだとか』
『へええ、そういえば商人さんとは話した事ないな』
『面白い話とか色々聞けそうですね』
『うふふ クオンさんはいつも楽しそうですね』
『では、<エンゲルラント>までの護衛受領書です、お持ちください』
『ありがとう、明日の朝伺います』
俺達は空いた時間で魔法の訓練をした、最近属性魔法の習得ばかりやっていたので、主に俺とロックの魔法が何時でも戦闘で使えるように鍛える。
練習場所は近場の小川だ、人目に付かず火系の練習も出来て良いので、此処を選んだ。
単発で撃ちだす魔法は簡単に出来たが、やはり<ファイアウォール>はイメージが難しくて、すぐには出来なかった。
ロックは火土系を主に練習している、攻撃魔法の練習なんだが<鍛冶師>のためにもなり、一石二鳥なんだそうだ。
俺も一通りの魔法を練習し、ようやくウォール系にも慣れてきた。
ミュウと相談し、多数の敵を想定しての魔法も検討するが、やはり火系の散弾魔法が有用であった。
しかし火系は森では使えないため、風系のサイクロン等も思案している。
土氷系の質量があるものを頭上から落とすのも有用そうだ。
結構な時間を魔法訓練に費やしていたため、複数の魔法スキルが上がった。
【ミュウの<水属性>が<水属性+1>に成りました。】
【クオンの<風属性>が<風属性+1>に成りました。】
【ロックの<火属性+1>が<風属性+2>に成りました。】
また、使える魔法も練習し、<ウォーター><ウォーターウォール><エアカッター><アースアロー><アースウォール>と次々に習得した。
もちろん、魔法を習得する度に、俺達3人はハイタッチして喜びを分かち合う。
『結構、魔法系も充実してきたわね』
『うんうん、どんどん実践で試していこう』
『特に集団戦になれば、必要になってくるよ』
『3人で<ファイアアロー>撃ちまくれば、結構な範囲攻撃になるはずだ』
『僕は魔法全然使えなかったから、すっごく楽しいです』
『遠距離から攻撃出来るのってかなり有利ですね、僕も武器に魔法攻撃上昇効果が欲しくなってきました』
『んふふ 確かに、<スコーピオンテール>装備してると、結構魔法は強くなるわね』
『そういえば、付与魔法って言うの?いつの間に覚えたの?』
『覚えてはいないのですが<鍛冶師>スキルと素材で武器・防具にスキルが、付与される事があるんですよ』
『俺も<錬金術>で付与されたけど、素材で付いたみたいだね』
『なるほどね、まだ狙って好きな効果を付与出来ないわけね』
『今後の課題だね!』
『僕も頑張ります!』
『じゃ最後に3人で対集団戦用<ファイアアロー>練習しようか』
『『了解!!!』』
『では、ミュウのタイミングに合わせて行こう』
『はーい、じゃ行くね!!』
『『『<ファイアアロー>!!!』』』
それは突然の事だった、頭の中で<神の声>が響く。
【条件を満たしました。<シンクロ魔法>が発動します!!!】
突然3人の左手の紋章が浮かび上がり輝き出す!!!
『『『えええっ』』』
3人の<ファイアアロー>はいつもの数倍の威力で前方に撃ち出される!!!
凄まじい爆音を上げ、小川に撃ち出された<ファイアアロー>は小川の水に当たり、爆発的な水蒸気を上げ形を変えながら大穴を開けていく。
『『『・・・・・・・・・・・・・』』』
撃ち終わると左手の紋章は徐々に消えていく。
3人は突然の出来事で、しばらく動けないでいた。
『え~っと』
『あっ あっ あああ』
『どうやら、シンクロすると威力が上がるみたいだね・・・』
『ど どうしよう、この大穴・・・』
『しっかしびっくりしたわ、なんなのよ?』
『う~ん、【プラス】の効果だろうね』
『よし、じゃ封印と言うことで!!!』
『そ そうね危なくて普通に使えないわ。あ~ びっくりした』
『でもこれ、強力な武器になりますよね?』
『うん、対集団戦用の秘密兵器として封印しとこっか』
俺達は【プラス】の力に改めて驚愕し、まだまだ理解していない事に気付く。
『しっかし、まだ能力があるの?もう、驚き疲れたんだけど』
『あはは どうだろね俺にも分からないんだよ・・・』
『とりあえず、凄いです』
『分かってると思うけど、【プラス】ともども他言無用だよ』
『そりゃそーよ、こんなの知られたら絶対、面倒になるわ』
『あっ でしたら後始末して、此処から逃げましょうか?』
『おおっと、そうだね急ごう』
俺達は慌てて<アースメイク>で穴を埋め、急いでその場から立ち去る。
『お~い、此処ら辺だよな爆音がしたのって?』
『炎が立ち上がってんのが見えたから、此処いらだな』
アラバスの村の者が、爆音のため集まって来て周囲を調べている。
『しかし、なんだったんだ?』
『分からね~ 周囲には誰も居ねえな』
『おい、気を付けろよ、すげー魔物が居るかもしれねえぞ』
俺達は目立たないように町へ入る、危なかった急いで逃げて正解だ。
『ふ~ ひやひやしたわ、バ バレてないわよね?』
『大丈夫だ、誰にも見られてない』
『とりあえず、宿屋に戻りましょうか、明日から旅に出るし時間が立てば忘れてくれるかと』
俺達は明日からの旅の準備をしながら夕食を待つ。
『今度やるときは、かなり町から離れないとね』
『ええ、またやるの?怖いわよあれ』
『でも、すっごい武器になりますよ、あれ』
『今後、必要な時がくるかも知れないから、念のためにも練習しとかないとね』
『シンクロでしたっけ?あれ物理攻撃にも使えるんでしょうか?』
『う~ん、どうだろう?今までも同時攻撃とか、やってたからそれは無いと思うけど』
『私も、それはないと思うわ。でも何らかの条件っての?ちがった形であるかもね』
『まあそれも、今後の課題だな』
『でも、<ファイアアロー>単発で、良かったですね複数出してたら、ヤバかったです』
『これから覚えるかもしれない、もっと威力のある魔法で、やってもヤバいね』
『ウォーター系でやったら湖が作れるかもよ』
『あはは ミュウは平和だね』
『でも、使い方次第ではそういうのも有りですよね』
『あっ 良いこと考えた』
『えっ なになに?』
『う~ん、皆の楽しみにしとくよ』
『そ それはズルいですよ』
『そーよ、ズルいわ』
『ではヒントだけ』
『俺の野望の1つ、壮大なお風呂計画だ!』
『なにそれ?全然分かんないわよ』
『僕も、分かりません』
『あはは 出来るかどうかも分からないから、いつか試すよ楽しみにしてて』
『も~ でも良いわ楽しみにしとくわ』
『なにか分かりませんが、良いことみたいですね待ってます』
『っと言うわけで、夕食行こうか、今日は下で良いよね』
『そうね、今日のご飯はなーにかな』
『ミュウさん、楽しそうです』
『んふふ そりゃー1日の楽しみのだもの』
俺達は夕食を楽しみ部屋に戻ってから明日からの旅について話をする、次の町は何があるのか考えるとワクワクする。
この町でも、色んな事があった1番はロックがパーティメンバーになったことだ、ロックのお陰で装備も大幅に増強し新たな武器も得た。
いつかパーティメンバーに欲しかった<鍛冶師>だけに、うまく行き過ぎている気もするがロック自身も良い奴で実に楽しい。
次の町は大きいらしいし4人目にも会えるかもしれない、どんな人だろう?人数が増えていけば、すんなりとは決まらないかもしれないが、いつか、6人パーティになったら賑やかになって楽しいだろうなと思う。
また、どんな能力の持ち主だろう【プラス】のお陰で前衛後衛、考えないですむけど、そう考えるとこのパーティは全員が万能型になるのか。
そしてダンジョンかミスリルも楽しみだけど、ひょっとしたら宝物から、あのアイテムも出るかも?実に楽しみだ。
『そういえばロック、ダンジョンって行った事ないんだけど、どんな感じなの?』
『はい、僕も入ったことはないんですが父さんから話を聞いたことがあって、まず大きな違いは魔物を倒すと消えてドロップアイテムが出ます』
『ドロップアイテムは主に倒した魔物の素材ですが、稀にレアな素材やアイテムが出るそうです』
『おお、良いね面白そうだ』
『それとあれでしょ?た か ら ば こ♪』
『はい、たまに宝箱が出るそうです、隠し部屋があったりして、そこには高確率で宝箱が出るそうです』
『ダンジョンの階層とか、現地で聞かないと分かりませんが、確か<エンゲルラント>から行けるダンジョンも幾つかあったはずです』
『あっ 1つじゃないんだ』
『はい、色々行くのも楽しいかもです』
『あっ 確か罠とかも、あるんだよね?』
『はい、深い階層に行くにつれて罠が増えるそうです』
『そっかー、じゃ罠解除出来る人と行くか、罠解除の練習しないといけないわね』
『なるほど、本格的にダンジョンに挑むならパーティメンバーに欲しいね』
『んふふ 4人目に入る人が持ってると良いわね』
『4人目はこれといった希望なかったけど罠感知・罠解除あったら良いね後は索敵か宝箱にも罠あるんでしょ?是非、欲しいスキルだね』
『4人目のメンバーですか、楽しみですね装備作ります!』
『あはは頼りにしてるよミスリルなら、どんな武器・防具になるんだろうね』
『はい、ミスリルは魔力を通しやすい金属なので魔法剣とか出来るかもです』
『おお~ 凄いな楽しみだ』
『それに、魔力も上がる装備になるかもでしょ?』
『はい、確実にってことになるとミュウさんのように原石系が良いと思うんですが、ミスリルでも付与されるかもしれません』
『やっぱダンジョンの、どっかの階層で採掘なのかな?』
『それらの詳細は聞いてみないと分かりませんミスリル系の魔物なのか、魔物からのドロップなのか』
『なるほど、着いてから情報収集もしないとね』
『後はダンジョンに入る条件は何かあるのかな?』
『何らかの条件が、あるかもしれませんね』
『とりあえず、明日の依頼主の商人にでも聞いてみようか』
俺達はこれからの相談を終え、それぞれの部屋で眠りにつく。




