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第180話 この異世界に感謝を込めて


俺はこの村の人達は皆、良い人ばかりだなと嬉しくなる♪


次もお世話になった冒険者ギルドに行ってみることにした。


確か受付嬢さんはカリーナさんだったかな、異世界に来て初めて見た女性だったのでよく覚えている。


冒険者ギルドを覗くと、相変わらずカリーナさんが受付嬢をしていたので嬉しくなる。


少し距離があったが俺と目が合うと、驚いた表情になり直ぐに来たら駄目の様なジェスチャーをしている。


何かあるんだろうかと思いギルドの中を見渡すと、ガラの悪そうな男が3人座っていた。


そう言えばガルドさんも注意するように言ってた奴等の様だ。


なるほどカリーナさんは俺の事を気遣ってくれたのか、相変わらず優しいところは変わっていない♪


俺は好意に甘えギルドの中には入らず様子を見ていると、男達は大声でカリーナさんを呼び付けている。


俺は怒りが込み上げてきたが、まだカリーナさんに迷惑が掛からないように我慢した。


するとガラの悪い男達に注意をしにいった、カリーナさんの腕を掴み引き寄せやがった。


ここで俺の我慢も限界になりカリーナさんを掴んでいる男の腕を握りつぶした。



『ぎゃああああああああああ う 腕がああああああああ』


『喧しいぞ・・・』


『ク クオン君』


『お久しぶりですカリーナさん♪』


『て てめえ何しやがる』


『煩いゴミ共め・・・なっ お お前達は』



俺はこのゴミの様な男達をサッサと始末して、カリーナさんに挨拶しようと思ったら、この男達の事を思い出した。


こ こいつ等は俺が初めてミュウに会った時に、俺とミュウに暴力を振るってきた男達だった。


俺は当時の怒りを思い出すと同時に、このゴミ共に会えた事を神に感謝した。



『ふふ あはははは♪そうかお前達だったのか』


『久しぶりだな、また会えて嬉しいよ♪』


『何を訳の分からねえ事言ってやがる、このクソガキがお前死んだぞ』


『こいつブチ殺してやる・・・』


『ははは あはははは お前達は簡単には殺してやらん♪』



俺はアッサリと3人の男達を叩きのめし気絶させてやった。


当時は全く敵わなかったゴロツキ共だが、今は虫けらの様な男達だった。


今日ほど強くなって良かったと思う日はないだろう。


そしてミュウを殴ったこいつ等に対する怒りが晴らせるかと思うと歓喜に震えた。



『カリーナさん、此奴等の事は任せて貰っても良いですか?』


『え ええ うふふ 強く成ったわねクオン君♪』


『はい、一生懸命頑張りましたから♪』


『後でもう一度、挨拶に来ますねカリーナさん』


『ええ 待ってるわ♪』



俺は3人の男の足を持って引き擦りながら、以前こいつらに絡まれた場所に移動した。


門兵であるガルドさんに驚いた顔をされたが、お仕置きしてくると言うと笑顔を返してくれた。


そして俺は3人の男達を放り投げ目を覚まさせてやった。



『ぐはっ 』


『ぐぅぅ』


『い いてえ・・・』


『お前達、俺の顔に見覚えはないか?』


『こ このクソガキめ・・・』


『ははは あの時もクソガキって言ってたよなゴミ共♪』


『お お前、あの時ボコボコにしたクソガキか』


『へえ~ 虫けらのくせに一応記憶力があるんだな?』


『なんだよ此奴は?』


『以前ここで女を揶揄ってた時に邪魔をしてきやがったクソガキだ』


『なんだよ復讐に来やがったのか?』


『カハハ 馬鹿なクソガキだ、さっきは不意打ちだったが今度はそうはいかねえぞ』


『簡単には殺さねえぞ手足を切り飛ばしてやる♪』


『ま 待て・・・そ そいつは化物だ、お 俺の腕を握り潰しやがった』


『なにっ?』


『なっ・・・』


『あはは 今頃気付いても遅いんだよ?』


『えっと手足を切り飛ばしてダルマにして欲しいんだったな?』


『ま 待て、あ 謝るからよ・・・有り金も全部やる』


『だから今回は勘弁してくれよ』


『勘弁してくれ?あはは 冗談だろ?俺がどれだけ、お前達に会いたかったと思う?』


『絶対に簡単には殺してやらん、老衰で死ぬまで苦しめてやるよ♪』


『ま 待て・・・ぎゃあああああああああ』



俺はミュウが此奴等にお腹を蹴られていたのを思い出しならが、同じところを蹴り飛ばしてやった。


あまり手加減しなかったので内臓は潰れて血反吐を吐いていたが、死なないように何度も何度も<ヒール>してやった。


何十回同じことを繰り返しただろうか、此奴等の悲鳴も聞き飽きた。


仕上げに死なない程度に全身を叩きのめし、村の中にある木にブラ下げておくことにした。


此奴等に服なんて勿体ないのでパンツ1枚で十分だ。


誰かが助けるかも知れないので立札を立てておいた。


今まで人を殺めてきた罪人と書いておいたので、これで助ける者は居ないだろう。


少しだけ気も晴れたので、もう一度ギルドに行くことにした。


ギルドへ着くとカリーナさんが満面の笑顔で近づいてきてくれた♪



『お久しぶりクオン君、助けてくれてありがとう♪』


『いえいえ、ただのゴミ掃除ですから』


『あっ そうだギルマスを呼んでもらえますか?』


『良いけど?』


『あのゴミ共を木に吊るしてあるんですよ、だから話を通しておこうかと思って』


『うはー 分かったわ少し待ってね』



俺はカリーナさんが連れて来てくれた、ギルドマスターに事情を説明した。


ベンガル王国の国王に話を通しておくと伝えると、とても驚いていた。



『ク クオン君、それ本当なの?』


『はい、国王には貸しがあるんで、大概の事は聞いて貰えますよ?』


『うわ~ クオン君、凄い人になっちゃったんだね』


『あはは 頑張って強くなりましたから♪』


『ひょっとしてAランクとかに成っちゃったの?』


『いえいえ Sランクですよ♪』



俺はギルドカードをカリーナさんに見せると、目を見開いて驚いていた。



『す 凄~い、私Sランクの人って初めて見たかも』


『頑張って上級ダンジョンも制覇してきたんですよ♪』


『ええっ ほ 本気で言ってるの?』


『上級ダンジョンなんて誰も制覇してない筈なんだけど?』


『本当ですよ?良かったら証拠見せましょうか♪』


『証拠なんてあるの?』


『あはは ギルマスちょっとカリーナさんを、お借りしますね♪』


『良かったらリアムさんも、一緒に行きませんか?』


『うふふ 私の事も覚えてくれてたんだ♪』


『もちろんですよ♪』



俺は少し恐縮してるギルマスに受付嬢を2人借りる事を了承してもらい外へ出た。


ついでに宿屋のラウラさんと門兵のガルドさんも、連れて行くことにした。


村の中だと狭いので村の外へ出て、広い場所へ皆を連れていく。



『ここで良いかな~ 』


『ク クオン君、一体何をするのかね?』×ガルド


『ちょっと空の散歩を楽しんで貰おうかなと思います♪』


『ええっ な 何を?』×ラウラ


『そ 空の散歩って?』×カリーナ


『あはは 直ぐに分かりますよ♪』


『<サモン>!!!!!!!』



【エンペラーイーグル】



俺はエンペラーイーグルを召喚すると、辺り一面が影になった。



『『『きゃああああああああああああ』』』


『うおおおおおおおおおおおおお』


『怖がらなくても良いですよ、俺が召喚した魔物ですから♪』


『えっ えっ 』


『あわわ』



皆が落ち着くのに少し時間を要したが、全員エンペラーイーグルの背中に乗って貰い大空へと羽ばたいた!


みるみると地上を離れ雄大な景色に、エルドラの村が小さくなっていく。



『す 凄いわ、凄すぎるー♪』×カリーナ


『きゃーきゃーきゃー♪』×リアム


『ひゃああああ』×ラウラ


『わはは 長生きはするもんだね♪』×ガルド



他の村や王都まで空の散歩を堪能してもらい、エルドラに帰ってきた。


王都まで行ったのに30分も経ってない事に全員が驚愕していた。



『と 飛んでも無い体験をしちゃったものだね♪』×ラウラ


『あはは 楽しんで貰えたかな?』


『『もう最高だったわ♪』』


『ありがとうクオン君、凄い人になったもんだね♪』


『そんな事も無いですよ、これからもっと恩返ししますから楽しみにしてて下さい♪』


『『『『ええっ?』』』』



それから俺は一週間掛けて4人に魔法が使える様になって貰ったり、様々なアイテムもプレゼントした。


4人はずっと遠慮していたが、俺はお世話になった人達に全力で恩返ししたかったので押し切らせて貰った。


最後にもう一生働かなくても生きていけるお金と、アイテムブレスレットを手渡しエルドラを後にした。


もはや俺に後顧の憂いは無くなった、晴れ晴れとした気分で皆の下へ帰るとする♪



『もう恩返したって限度があるでしょー 』×カリーナ


『私までこんなにして貰って良いのかなー 』×リアム


『あはは もう私は驚き過ぎて呆れちまったよ♪』×ラウラ


『わはは 全く凄い人物になったものだね♪』×ガルド


『ありがとうクオン君』


◇    ◇    ◇    ◇    ◇


俺は久しぶりにサークル本部へ戻ると、皆は既に帰っていたようだ。


全員が良い笑顔をしている♪


どうやら皆も心の整理が整ったようだ。



『んふふ 不思議ね、皆の気持ちが分かる気がするわ♪』


『フハハ 確かにな♪』


『フフ これが絆と言うものでしょうか♪』


『ニャハハ 以心伝心ニャ♪』


『リーダーに教えて貰った言葉じゃないですかー♪』


『ロック煩いニャ』


『そう言うのも分かってましたけどねー♪』


『私達の間で隠し事は出来ないわね♪』


『ところでクオン私達に何か言う事は無いのかなー?』


『な 何の事かな?』


『『『『『真龍王』』』』』


『あ あはは』


『もう、ちゃんと分かるんだからねー クオンが1人で戦いに行ったかと思ったじゃない』


『フハハ あれには肝が冷えたぞ?』


『ニャハハ 身体が跳ねたニャ♪』


『フフ 思わず殺気が漏れましたわ♪』


『僕なんて叫んじゃったんですからねー 』


『ごめん、どうしても宣戦布告しておきたくてな』


『だって、不公平だろ?相手も万全にしといて貰わなきゃな』


『『『『『あはははは♪』』』』』


『真龍王相手にそんな気を遣うのはクオンぐらいよ?』


『フフ 相手は間違いなく最強の生物ですからね♪』


『真龍王が聞いたら怒るニャ♪』


『何か喜んでくれてたぞ?』


『うはー やっぱりリーダーは発想が違いますよねー 』


『誰に対しても礼儀を尽くす、またクオンに教えられたな』


『こらこら、そんな大層なもんじゃないって』


『そうだミュウ』


『えっ?』


『初めてミュウと会った時に絡まれてた、ガラの悪い男達覚えてるか?』


『当たり前でしょー 今度あったらギタギタにしてやるんだからー 』


『あはは もうギタギタにしてきた♪』


『ええーーー クオン見つけたの彼奴等を?』


『ああ エルドラで見つけたボコボコにしてから、木にブラ下げてきたぞ♪』


『私も今からボコボコにしてやるーーー 』


『あはは それは帰ってからの楽しみにしといてくれ♪』


『んふふ そうね帰ってからのね♪』


『ああ 帰ってからのだ』



『盛り上がっているところを悪いが、もう行くのかね?』×ベクター


『はい、すみませんベクターさん』


『いや、気にしないでくれたまえ』


『私達は君達の帰りを待っているよ』


『クオン様、せめて私達はサークルの世界に居ては駄目でしょうか?』×ローニア


『ごめんね、万が一俺達に何かあったらサークルの世界がどうなるか分からないからさ』


『お嬢様、クオン様達はきっと無事に帰って来られます』×アーチカ


『クオン様が負ける筈がありません!』


『クオン様、私達はクオン様達に何かあったとしても、お供させて頂きたかったのです』×ラスク


『ありがとう、でも怪我をして奴隷になっていた皆には幸せになって欲しいんだ』


『万が一にも死んでほしくない』


『俺達が無事だとしてもサークルの世界が無事だとは限らないからね』


『きっと帰るから待ってて欲しい』


『ク クオン様・・・』


『ほ 本当に帰ってきて下さいよ』×トルネ


『ま まだクオン君にはレシピを全部教えて貰ってないんだからね』×マリン


『私達も未だ全然恩返し出来てないからね』×リップ


『お帰りをお持ちしますぞ』×クロワ


『本当に帰って来なかったら承知しないんだから』×ロア


『御武運を祈ります』×クレア


『クオン君、この戦いに勝った時初めて、君が本当に求める物が手に入るんだろうね』


『流石ベクターさん・・・はい、俺は俺の謎を解き明かす為にも頑張ってきます』


『では皆さん少しの間、王都で寛いでいてください』


『俺達はきっとまた迎えにきますから♪』


『う うわああああああああん』×メイド達



俺達は泣きながら送り出してくれる皆に手を振り、スカイサークルを禁忌の山に向けた。




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