第165話 抗う力
久しぶりの投稿です!
俺達は国王に会いに城へ歩を進める、クシャ王子はオーラが足を持って引き摺っているので地面や階段に頭をぶつけているのにも目を覚まさない様だ。
余程俺の威圧が怖かったのか簡単に気を失いやがって、起きないのにも腹が立つ。
幸い武術大会の会場だけあり王族の城へと道が続いているため、あまり人とは会わずに進める。
それでも何人かの衛兵に会うが相手をするのもめんどくさいので指向性をつけて<真龍王の威圧>を放ち気絶して貰う。
『ク クオン衛兵が勝手に倒れているが、まさか殺してないよな?』
『ええ、気絶して貰ってるだけですよ』
『・・・何をやっているか全く見えないんだが』
『んっ んうぅ』
『ユマ王女、大丈夫ですか?痛い所はありませんか?』
『わ 私はいったい?ええ 大丈夫よ、そ そうだはクオン殿は?』
護衛騎士であるルカさんが目を覚ましたユマ王女に事の顛末を説明し王女も現状を理解したようだ。
『ルカ下ろして貰えますか?』
『はい、大丈夫ですか王女様?』
『もう大丈夫よ、クオン様申し訳ありませんでした、私からもお父様に説明致しますので、どうかお許しを』
『いえユマ王女は悪くないですよ、それと聞いておきたいのですが第2王子ってどんな人なんですか?』
『は はい、クシャ兄様とは違いあまり武術は好まれないのですが聡明で私には優しい兄様です』
『なるほど、それといつもの喋り方で良いですよ?』
『いえ、あれだけお世話になりながら迷惑までお掛けしてしまいました、何か言う者もいるかも知れませんが、これからは敬語で喋る事をお許し下さい』
『ユマ王女、喋り過ぎですよ?』
『は はい、すみません気をつけます』
俺は国王が居る王室までズカズカと入っていく、もちろん沢山の衛兵が止めに来たが全員気絶して貰った。
国王の居るところは<マップ>で分かっているので迷わず進む、国王はどうやら王室で誰かと話をしているようだ。
俺達はクシャ王子を抱えたまま王室に入り国王と対峙する。
『だ 誰だ?誰の許可を得て此処に入って来た・・・ドサッ』
『だ 大臣?ど どうしたのだ・・・そこの冒険者よ、これはお前がやったのか?』
『ええ、少し国王に話があるので邪魔者は寝て貰いました』
『どうやら唯事では無いようだな・・・ギルドマスターにユマも居るようだが?』
『お二人は国王と王都が心配になって俺達に着いてきたんですよ』
『なにっ 余の心配だと?お前達は余を殺しにでも来たのかね?』
『いえ、そういう訳じゃないんですが本題に入りますね』
『おっと挨拶がまだでしたね俺はパーティ「サークル」のリーダーをしているクオンと言います、オーラ』
俺はオーラに視線を送ると、オーラは口から泡を吹いて気絶しているクシャ王子を国王の眼前に投げ飛ばした。
クシャ王子は地面や階段に頭をぶつけていたので、既に血だらけになっていた。
『むぅぅ クシャ王子ではないか?これは一体どういうことだ?』
『俺達はそのバカ王子に酷く侮辱されたので殺そうとしたのですが、以前お世話になったユマ王女の兄なので国王次第で生かすか殺すか決めようと思い連れて来たんですよ』
『・・・・・どうやら冗談と言う訳ではなさそうだな』
『そして君達が侮辱されたから一国の王子を殺そうと言うのかね?』
『ええ、その通りですよ』
『君達は侮辱されたからといって何故、命を掛けるような真似をするのかね?いくら強いと言っても国を相手に喧嘩をする気ではないだろう?』
『俺達は別に命なんて掛けていませんよ、国が俺達に喧嘩を売るのなら国と戦うだけですから』
『ワッハハハハハハ なんたる豪傑な言い振りではないか、君達はベンガル王国に勝てると言うのかね?』
『はぁ~ 国王お前も馬鹿なのか?何故俺達がベンガル王国に勝てないと思うんだ?』
『お お父様、お願いクオン様の話をちゃんと聞いて信じられないかも知れないけど「サークル」をクオン様を怒らせたら本当に王都は滅ぶわ』
『なっ なにを言っておるのだユマよ』
『国王、私からもお願いしよう国王の返答次第では本当に王都は崩壊します』
『今此処に居る「サークル」は以前行われた武術大会の優勝者です、クシャ王子は武術大会をご覧になって居ないので優勝者である「サークル」を<エンゲルラント>から呼び付けた挙句、リーダーであるクオン氏を侮辱し、またその実力を疑い大勢の冒険者を嗾けたのです』
『もちろん嗾けられた複数のAランクパーティとSランクパーティは全て倒され、今は生きているのが不思議な状態です』
『ここにいる「サークル」は本当に王都を簡単に滅ぼせる程の恐るべき力を持っております、国王もう一度言いますが、今目の前に数十万の軍勢が居ると思い返答して頂きたい』
『むぅぅ 俄かには信じられぬが、狂言のようにも聞こえぬ・・・』
『国王、1つ聞きたいんだが何故そのバカ王子は初めて会う俺達を相手に横柄な態度がとれるんだ?』
『王子とは俺達より偉いのか?国王も平民より偉いのか?』
『国王であっても平民1人1人のお陰で生きていけるんだよな?』
『いったい国王はそのバカ王子に何を教えてきたんだ?』
『確かに王族とは民を守るために生きておる、決して民より偉い訳ではない・・・クオンよお主の言いたい事は分かった余が王子に変わり謝罪しよう、どうかこのクシャ王子の無礼を許して欲しい、この通りだ』
『余は少し甘やかしすぎたようだ、これからはこんな事がないよう厳しく言いつけておくのを約束しよう』
『・・・国王まで馬鹿じゃなさそうですね』
『しかし、それだけでは許せませんね・・・その馬鹿を平民に落とし国外追放にしてください、それならば殺さないでおきますよ』
『なっ なんと、しかしそれでは殺すようなものではないか』
『えっ 何故ですか?俺達6人は全員そうやって生きて来たんですよ?どこが殺すようなものなんですか?』
『し しかし・・・・・・』
『返答は明日まで待ちましょう、もしこの条件が聞けないのであれば「サークル」と戦争になると思って下さい、どこに逃げようと必ず殺してみせます、そしてその時はベンガル王国の最後だと思ってください』
『場所はそうですね数万の軍隊を用意するなら会場では狭いですね王都の東にある平原にしましょうか、明日の昼頃に返事を聞きに行きますね』
俺はそれだけを言い残しギルドマスターとユマ王女を、その場に残し王室を後にした。
俺達のような平民の冒険者に対し、国王は思ったより丁寧な対応をしてくれ受け答えも常識的だった、それだけに少し言いすぎてかとも思ったが、あのバカ王子を更生させるには、あの条件でも足りないぐらいだとも思う。
今思えば国王の評判は悪くなかったな・・・子供に甘いだけか、この国王なら明日王都の軍隊を差し向けるような真似はしないと思うが、手加減をする気は毛頭ない。
全ては明日次第だな。
『ふ~ 全く大変な者を招いてくれたものだな・・・しかし全ては余の怠慢のせいか、少し待てば王子としての自覚が出てくると思い放置したのが原因か・・・』
『王子も大臣も気絶しているだけのようだが、あの者は一体何をしたのだ?』
『殺気を当てただけです国王、此処では大臣にだけ殺気を放ったようですが武術場では全面に放ち、そこに居る者全てが気絶しました、私共は<ライトシールド>を張り何とか耐えれましたが彼が本気になれば殺気だけで全員死んでいたでしょう』
『むぅぅ ギルドマスター程の実力者であっても、そう言わしめるとは・・・どうやら本当に王都を亡ぼせるだけの力があるのか、恐るべき少年達だな』
『私の様な者が国王に意見するのは不敬なのは心得ておりますが、彼の言う通りクシャ王子を国外追放するしかありません、それ以外クシャ王子を生かす方法は無いと思われます、どうかご検討を』
『お お父様、クオン様は普段はとても優しい方です、兄を生かして此処まで連れてきてくれたのも武術大会の時に知り合った私のために情けを掛けてくれたのです』
『そうであろうな、これだけの事を出来る者が態々あんな条件を付けずとも、どうにでも出来るだろうからな』
『選択の余地がない事は余も分かっておる、分かっておるが・・・皆の者、王子を自室へ閉じ込めておけ出す事は許さぬ、大臣も部屋で休ませよ』
『ハッ 直ちに!』
『大臣が目覚め次第、少し会議をしたいと思うユマ、そしてギルドマスターも出席してくれるか?』
『はい、畏まりました』
『はい、お父様』
数時間後、大臣が目を覚まし明日に向けての会議が執り行われることになった。
『皆の者良く集まってくれた、既に事情は聞いてくれておると思う、大臣よ大丈夫か?』
『はい、申し訳ありません』
『いや、お主は悪くない大臣だけではなく、あの者に対峙した者は全て気絶したようだ』
『・・・むぅぅ まさか我が屈強たる兵士が守る中、無人の野を歩くように国王まで通してしまうとは、信じられませぬ』
『その信じられん事を、あの者はやってのけた、しかも誰も傷つけずにだ』
『王国騎士団団長ルカよ、お前から見てあの者はどうだ?』
『ハッ 私はサークルの戦う所を武術大会で見ておりますが実力の十分の一も出しては居なかったと思われます、そしてクシャ王子が用意した冒険者との模擬戦、いや模擬戦と呼べるものではありませんでした』
『サークルが放つ殺気だけで意識を繋ぎとめるのが限界でした、おそらくギルドマスターの助けが無かったら私も気絶しておりました』
『ふむ、ギルドマスターはどうだ?』
『はい、今の話にでた殺気ですが、おそらく彼等が怒っていたため自然に漏れ出ただけと思われます、つまり殺気だけにしても本気どころか呼吸のようなものかと存じます』
『馬鹿な事を申すでないわ、それでは彼等が怒って歩くだけで我が国が滅ぶと言うのか?』
『騒ぐな大臣よ』
『ハッ 申し訳ありません、しかし・・・』
『しかし、何故そのような実力者が今まで話にものぼらなかったのか?』
『はい、サークルを良く知る者から聞いた話ですが、彼らは理不尽な事を理不尽だと言える程の実力がつくまで徹底的に実力を隠してきたそうです、王都の武術大会に出場が決まった時は徹底的に手加減の訓練をしたらしいです』
『・・・・・なんとも信じがたい者達よな』
『とても信じられぬ、だが余は彼らの条件を飲もうと思う』
『し しかし、国王様』
『言いたい事は分かっておる、しかし余もクシャ王子の日頃の行いは聞き及んでいる、どうやら余は甘やかしすぎたようだ、此度の条件ではクシャ王子が生き延びられるかどうかは分からぬが、それでも死ぬよりはマシであろう』
『明日は余と最低限の護衛だけでサークルと会おう、クシャ王子にはそのように申し付けておけ』
『ハッ 』
◇ ◇ ◇
<クオン視点>
俺達は国王に出した条件どおり翌日、王都の東にある草原に足を運ぶ、草原に着くと既に人影があり、どうやら国王と護衛そしてクシャ王子だけで来たようだ。
俺達は数万の兵隊とまではいかないが戦闘にはなるだろうと思っていたので少し拍子抜けしながら国王の下まで歩いていく。
『こんにちわ国王様』
『ワハハ 挨拶から入りよるか』
『ええ、兵隊さんが居ない様なのでね、少々驚きましたよ』
『ふむ、見ての通りだお主の条件を飲もうと思う、クシャ王子を連れてきておるが、余がクシャ王子を国外追放にしても信じぬだろう、お主達が連れて行くのか?』
『少し予想外だったので考えていませんでしたが、そうですね俺達がどこか適当な村へ捨てて来ますよ』
『また会えるなんて思わないで下さいね、2度と帰れないくらい遠い村へ捨てに行きますから』
『分かっておるクシャ王子も国外で王子だと言っても誰も信じはしないだろう』
『おい』
『ハッ クシャ王子こちらへ』
『父上、本当にこんな奴の言う通り私は国外追放になるのですか?』
『うむ、もう余のことは忘れよ、そして王子であると言う事もな』
『何故ですか父上、私には納得が出来ません、どうしてこんな冒険者のために私がそのような目に会うのですか?』
『おい、クシャ王子お前は俺達を王都へ呼び付けた、俺達はお前を国外に追放する、よく似たもんだろう?』
『ふ ふざけるな、たかが冒険者の分際で王子である私に不敬にも程がある』
『おい、お前達護衛ならこの者を叩き斬れ』
『はぁ~ やっぱり殺した方が良いんじゃない?』
『僕もリーダーを侮辱した瞬間から殺したくて仕方ないんですが?』
『こいつはもう治らんだろう?』
『ニャハハ もう無理ニャ』
『どうするクオン?』
『そうだな運ぶのも手間だしな・・・』
『待ってくれクオン、なら私が責任を持って王子を連れて行こう』
『ギルドマスターが?』
『ああ、私を信じてくれ』
『ギルドマスターなら信じますが、こんな厄介事頼んでも良いんですか?』
『此処で王子を殺されるくらいなら私が行くしかないだろう?』
『ギルドマスターだけで行くなら片道10年ほど掛かるかもですよ?』
『なに?』
『間違っても帰れないようしないとですから』
『わ 分かった、それでも頼む』
『・・・・・仕方ないですね、では俺達と同行してください国王様もそれで良いですか?』
『・・・構わぬ・・・・・・・』
『ふざけるな~~~~~』
クシャ王子は淡々と話しをしていた俺に剣を抜いて斬りかかってきたので軽く張りてで王子の頬を張り飛ばした、手加減が大変だ。
『ぐはぁ~~~~~』
『お 王子!!!』
『かなり手加減したんだけど・・・虫けらのように弱いですね・・・武術もしたことがないのか・・・』
『国王の前で言うのもなんですが、こんな奴が王子と言うだけで威張り散らすんだから、どうしようもないと思いませんか?』
『ク クオン、それ以上言ってくれるな』
『ギルドマスター気持ちは分かりますが国王が厳しく躾けたらこうは成らなかったのではありませんか?』
『王族と言うだけで威張り散らすような者達なら、いつでも俺達が地獄へ叩き落として上げますよ?』
『ああ、分かったクオンよ此度の事は肝に銘じておく』
『国王、貴族達もですよ?王都にも何人か横柄な奴がいましたので』
『嫌な事ばかりを言うと思うかもしれませんが、平民の犠牲者はどんな目にあっていたか考えて下さい』
『俺達は馬鹿王子とあの冒険者達がやってきた事に腸が煮えくり返りましたが、これで一旦収めることにします』
『そうだ、もし兵隊を率いて此処にきていたら、どうなっていたかお見せしときますね』
『大臣さん、あそこに見える山は何かに使ってますか?』
『いや、何も使っては居らぬが?』
『見た所人も居ない様なので見といて下さい』
『ミュウあの山いけるかな?』
『ええ、でも良いの?』
『ああ、他のメンバーで結界を張るよ』
『んふふ じゃ大丈夫かな、行くわよ』
ミュウは最近考えていた新しい魔法を放つ為魔力を高めていく、残ったメンバーで王都へ被害が出ないよう巨大な結界を張りミュウに合図をだす。
『よし、良いぞミュウ』
『分かったわ、ふぅぅ~~~ メテオロス!!!!!!!!!!』
ミュウは俺の発案の元、最近考えていた広域殲滅魔法メテオロスを山へ放つ、進化したミュウの魔法は山の上に巨大な隕石を出現させ無数に山へ落ちていく、その威力は轟音と地震を巻き起こし、たった数秒で俺が指定した山は跡形もなく消え去り巨大なクレーターまで出来ていた。
『・・・ちょっと思ってたより威力があったかな?』
『・・・ちょっとではないだろう?』
『やりすぎニャー♪』
『ミュウ本気でやりすぎよ?』
『ミュウさん・・・』
『全然本気でなんてやってないわよ、クオンのイメージどおりでしょ?』
『まあ、クレーターが出来るほどとは思わなかったけど大体こんなもんかな』
振り返ると恐怖に顔を引き攣らせている王族とギルドマスターがそこにいた。
『さて分かって貰えたと思うし行きましょうかギルドマスター』
『あ ああ、では行ってまいります国王様』
俺達はギルドマスターと気絶している馬鹿王子を連れその場を離れる。
王族の人々は恐怖の為か返答もしてくれなかったが時間が立てば元に戻るだろう。
『・・・しかし、心臓が止まるかと思ったぞ?』
『本当にあれで本気ではないのかね?』
『はい、それに6人共同じ事が出来ると思います』
『・・・全く恐ろしい奴等だな、もはや地上最強だな』
『私は選択を間違えていたらと思うと心底恐ろしいな・・・』
『この度の事ユマとギルドマスターに感謝せねばなるまい』
それから馬鹿王子をどこへ連れて行くか悩んだがギルドマスターに口止めをしてから<ゲート>を使い一番遠かったライカの村から更に飛行して半日ぐらい飛んだところで見つけた村へ置いてくる事にした。
一応そこそこの大きさがあり冒険者ギルドもありそうだったので、普通なら何とかなるだろうが馬鹿王子ならどうなるか分からない。
しかし、俺達は馬鹿王子なんてどうなっても良いので容赦なく置いてくるがギルドマスターは最低限のお金を馬鹿王子の懐に入れていたようだ。
それから<ゲート>でギルドマスターと王都へ帰って来た。
『まるで夢を見ているようだな・・・』
『内緒ですよギルドマスター』
『ああ、分かってる私も命は惜しいのでな国王様に何と言うか頭が痛いよ』
『まあ、自業自得ですね国王様とユマ王女様に宜しくお伝え下さい、では俺達は行きますね』
『上級ダンジョンに行くのだろう?』
『ええ、制覇してから帰ります』
『アハハ 軽く言ってくれるがお前達なら簡単なんだろうな、また話を聞かせてくれ』
『ええ、ではまた』
さて、厄介事はこれで片付いたので楽しみにしていたダンジョンの用意でもしようかと思ったが先に「サジタリウス」のメンバーを探すことにした。
もちろん<サーチ>で直ぐに分かったのでローラさん達に会いに行く、丁度メンバー全員揃っていたようなので声を掛けることにした。
『いたいた、こんにちわローラ』
『ミ ミュウ大丈夫なの?』
『ええ、片付けてきたわ』
『か 片付けて?ま まさかさっきの轟音ミュウ達なの?』
『えっ あっ 誤解よあれは唯のデモンストレーションだから、ちょっと脅しただけ』
『ちょ ちょっとって凄い轟音と地震だったのよ』
『そっか、此処までそんなに伝わっちゃったか』
『い いったい何をしたのよ?』
『う~ん、山を吹き飛ばしたの、でも王都に被害が出ない様に結界を張ってからよ、ちゃんと気を使ったんだからね?』
ローラさんを筆頭に「サジタリウス」の面々が口をポッカリ開けたまま驚いている。
『そんなことより上級ダンジョンに行きたいんだけど予定はどうかな?』
『ああ、俺達はいつでも行けるよ』
『それなら今から行きましょうか』
『えっ 今からって急にそんな、用意だっているし』
『じゃ、用意が終わるまで待ってるわ♪』
『あっ そうそう、はいシャンプーセットよ渡しておくわ♪』
『えっ 取り返してくれたのミュウ?』
『いいえ、あのクソ女が触った物なんて汚いでしょ?勿体ないけどあれはクソ女にくれてやるわ』
『もっとも、もう使いたくても使えないでしょうけどね♪』
『それは新品だから遠慮なくどうぞ』
『あ ありがとうミュウ、それとごめんね』
『良いのよ、どうせ脅し取られたんでしょ?』
『そ そうだけど、それでもごめんなさい』
『んふふ ローラと友達になって良かったわ♪』
『それは私のセリフじゃない?』
俺達はミュウとローラさんの話を聞きながら穏やかな気持ちになり上級ダンジョンに備えることにした。