第154話 プチデート
それからは皆で<エンゲルラント>周辺の魔物討伐クエストを受けて色々な食材を狩りに行き皆の狩り訓練と食材確保に努め途中からミュウと珪砂を取りに行く事にした。
『ところで珪砂が取れる鉱山は<ゲート>で行けるのか?』
『<マップ>表示出来る場所だから出来るとは思うけど念のために飛んで行くよ』
『・・・ちょっとクオン君、今何て言ったの?貴方まさか・・・』
『あはは リップさんごめん実は空も飛べます!』
『はぁ~ もう何でもありね貴方達は・・・』
『んふふ 何れリップさんにも空を飛ぶ練習して貰うかもね』
『もう常識が崩壊してるから言われたら何でもするわよ』
『私が<ウィング>の魔導書を完成させてからになるんだけど、もう少しで出来そうなんだけど難しいのよ』
『難しいぐらいのレベルじゃないと思うんだけど・・・』
『あはは じゃ行ってくるね討伐の方は問題ないと思うけど頑張ってね』
『じゃ 行くわよ<ウィング>!!!<クリア>!!!』
俺とミュウは<自然回帰>で気配を消し念のために<クリア>で姿も消してから空を飛んで行くことにした、今の俺達なら数十分ぐらいで着くはずだ。
『・・・本当に飛んで行ったわ気配だけじゃなく姿も消せるのね、ますます貴方達に狙われたら終わりだと思うわ』
『リップ私達は、そんなの使う前に捕まったじゃない』
『そうなんだけど今思えば捕まって本当に良かったわ』
『『『『あははははは!』』』』
サークルの世界以外で空を飛ぶのは久しぶりだが、吃驚するほど速度が出る。今の俺達の移動速度なら王都まで数時間で行けるだろう。
10分程空を飛ぶと、もう目的地が見えて来たのでミュウと鉱山へ下りて確認してみると以前の場所より驚くほど珪砂が大量にありそうだ。
『うわ~ 此処って鉱山と言うか砂場みたいな所ね』
『うん、俺も初めて来たんだけど、これなら直ぐに集まりそうだな』
『そーね、ちゃちゃっと集めちゃいましょうか』
俺とミュウは<錬金術>を駆使して珪砂を集めて行くが大量にあるために以前集めた量の10倍以上の珪砂が簡単に集まった。
『これだけあると集めるのも簡単ね、これだけあれば足りるんじゃない?』
『うん、量もそうだけど質も中々良さそうだ、ついでにビールジョッキとかお酒の入れ物も作っちゃおう』
『ポーションも大量に作るから丁度良かったわね』
『そっかそれもあったね、それに此処って子供の遊び場にも良さそうだなハムが転がって遊んでるよ』
『んふふ アドちゃんも珍しいのかキョロキョロしてるわ、せっかく来たんだし少し休憩してから帰りましょうか』
『ああ、飲み物でも出すよ』
俺は以前作っておいた果実水をミュウに渡し休憩することにした、座る所が無かったので直接砂場のような所へ腰を下ろした。
『こうやって座ってゆっくりするのも、たまには良いね~ 』
『んふふ そうね、そういえばクオンと2人っきりになるのは久しぶりね』
『以前も珪砂取りのときだっけ?ライカの言葉じゃないけど今度デートにお誘いします♪』
『へえ~ クオンがそんな事言うの珍しいじゃない?いつもは照れて言わないのに』
『し 仕方ないだろ~ 俺達はいつもパーティで行動してるし、デートに誘って断られたら落ち込むよ俺は』
『んふふ 断る訳ないでしょ~ クオンのお誘いなら喜んで行きますよ♪』
『ほ 本当?』
『私達の間でウソが付ける訳ないでしょ?』
『・・・そう言われればそうか俺の国にはスキルなんて無かったから未だに慣れないのかもね』
『この世界でも私達ほどスキル持っている人なんて居ないわよ、まあそれもクオンのお陰なんだけどね』
『なあミュウ俺は昨日話した通り、この世界の人間じゃないんだけど気にならないか?』
『ぜぇ~んぜん、そりゃー見た目が全然違うなら、ちょっとは気になったかもしれないけど、どう見ても可愛い顔した男の子よ』
『可愛いより恰好良いの方が嬉しいんだが・・・』
『そーねー クオンを知ればみんな恰好良いって思うわよ、でも可愛いのも良いじゃない?』
『まっ 良いか可愛い子が言ってるんだから喜んでおこうかな』
『も~ 仕返しなの?私ぐらいなんて何処にでも居そうじゃない?』
『あはは 凄く可愛いよミュウは、でも確かにこの世界の人達は皆綺麗だしスタイルが良い人が多いと思うよ』
『それって普通って事じゃないのよ、どうせクオンならどんな女性でも口説けるんでしょうけど』
『じゃー ミュウも口説けるのかな?』
『さー どうでしょうね』
『俺はミュウの事が好きだよ、初めて見た時と言うか怪我をして目が覚めた時、天使かと思ったよ』
『も~ どっか誘う時は照れるくせに、そういう事は平気で言うんだから、でも本当にそう思ってくれているのが分かるわ、ありがとうクオン私も最初に会った時から大好きよ』
俺はミュウの言葉に感動し勝手に流れ落ちる涙が止めれなかった。
『ちょ ちょっとどうしたのよ』
『ご ごめん、俺ずっと一人だったから・・・友達も居なくて、ずっと爺ちゃんと2人で楽しく暮らしていたけど本当はずっと友達が欲しかったんだ』
『それがミュウみたいな可愛い子に好きだと言われるなんて俺・・俺』
涙が止まらない俺をミュウが何も言わずにそっと抱きしめてくれた、どれぐらいの時間が流れただろうか辺りは夕焼けの色に染まる頃ようやく涙が止まり話が出来るようになった。
『ありがとうミュウ、ごめんね』
『ううん、良いの大好きよクオン』
ミュウはずっと微笑みながら俺を見つめてくれ、俺達は何時の間にか唇を重ね合わせ、何時の間にか見つめ合っていた。
『ありがとうクオン私の人生で最高の1日になったわ』
『先に言われたら何て返せば良いんだ?』
『んふふ でもねクオン、ムーアとライカも貴方の事が大好きよ私と共に愛してね』
『しかし・・・』
『やっぱりね、クオンの国の事は聞いたけど、貴方みたいな凄い人が私1人なんて許されないわよ』
『時間はいっぱいあるんだし、ゆっくり考えておいて私はクオンが何人好きになっても構わないわよ』
『ああ、ミュウの言いたい事は分かったよ、ムーアもライカも好きだけど複数人を好きになっても良いのかなと言う気持ちもあるんだ、俺もゆっくり考えてみる』
『んふふ、とりあえずムーアとライカの事は宜しくね♪』
『直ぐには無理だぞ!』
『んふふ 分かってるわよ、ありがとうクオン』
『ありがとうミュウ大好きだよ』
『んふふ~ ふふふ あ~ 私って幸せ者だ~~ 』
『さっ クオン帰ろっか、あんまり遅くなると皆に茶化されるわ』
『あはは そうだな帰ろう俺達の家に』
俺とミュウは手を繋ぎ、ゆっくりと空の散歩を楽しみながら<エンゲルラント>に戻る、もちろん<ゲート>で直ぐに戻れるんだが、この最高の散歩を楽しまないと損だからね。
サークル本部に戻ると既に食事の用意を整え、皆が俺達の帰りを待っていてくれた。
案の定ムーアとライカにジト目を向けられたが俺達は笑って誤魔化した、今日の夕食はウサギ肉の包み焼で香辛料を使い食欲をそそる味付けに満足した流石マリンさん俺が知らない香辛料が実に興味深かった。
ローニアさんに話を聞いた所リーバイ家の皆さんも<エンゲルラント>に帰っているそうだが、しばらくサークル本部に泊る許可を貰ってきたらしい。
俺も商店の事で話があるので明日ローニアさんとトルネちゃんを連れて会いに行く事にした。
一通りの話も終わりメイドさん達が食事の片づけをしてくれているので久しぶりにパーティメンバーだけでお風呂に行く事にした。
俺が1人でサウナに入って居るとロックとオーラが入ってきた。
『んっ お前達もサウナか』
『えへへ ちょっとリーダーと話をしに来たんですよ』
『えっ 何かな?』
『フハハ 惚けることもあるまいクオンよ?』
『表には出さなかったけどミュウとリーダー良い雰囲気でしたもんねバレバレですよ♪』
『あーーー そうなのか・・・・』
『参ったな・・・でもロックとオーラには隠す事もないんだけど、告白って言うかミュウに好きだ伝えたんだよ』
『やっぱりですか、それで当然ミュウからも好きだと言って貰えたんですね』
『あ~ やっぱり少し照れるな、ああそうなんだけど俺はずっと1人だったから感動して泣いちゃってな』
『今は1人ではないではないか少なくともワシ等5人は、ずっとクオンと一緒だぞ』
『そーですよリーダー僕達は、ずっと離れる事はない仲間なんですから』
『ありがとうオーラ、ロック、ああ俺は良い仲間と出会えた』
『それでミュウだけなんですか?』
『・・・ムーアとライカの事か?』
『あはは 分かってるんじゃないですか』
『う~ん、確かに好意は寄せて貰ってるんだが複数人を同時に好きになっても良いのかなと思ってな、そう言うロックやオーラはどうなんだ?』
『えっ 僕ですか僕なんて好きになってくれる人が居るか分かりませんがサークルの女性は皆良い人だから好きですよ』
『ワシもロックと同じだな』
『例えばロック俺がムーアと恋人になっても良いのか?オーラも俺がライカの恋人になっても何も思わないのか?』
『・・・確かにムーアは魅力的な女性ですね、僕が女性で一番好きなのはムーアかも知れません、でもムーアが一番好きな人はリーダーなんですよ』
『ワシもクオンの言う通りライカには惹かれておるが、ライカもクオンの事が好きなのは分かるだろう?』
『もし仮にミュウがロックの事が好きならクオンも見守るだろう?』
『ああ、間違いなくそうするだろうな、かなり苦しむだろうが』
『正直に言うと僕はまだ鍛冶をやっているのが最高に幸せなので、そういう事はまだまだ良いです』
『ワシも強さを磨く毎日が楽しくて仕方ない、そしてミュウ、ムーア、ライカがクオンに好意を寄せているなら早く迎えてやって欲しいと思うぞ』
『そーですよリーダー 僕達に遠慮なんて要りませんよ』
『フハハ 何だクオンそんな事を気にしておったのか』
『ああ、2人の言う事は分かったよ俺もゆっくりと考えてみるよ』
『ああ、時間はたっぷりあるんでな』
『そーですよ、ゆっくりで良いじゃないですか』
◇ ◇ ◇
<ミュウ視点>
『クフフ 男性達は何を話しているんでしょうね?』
『も~ 何が言いたいのよライカは』
『ニャハハ 決まってるニャー ちゃんとクオンに抱かれてきたかニャ?』
『なっ ちょ ちょっとムーア何て事言うのよ』
『でっ どうなのミュウ?』
『て 照れるでしょ~ 好きって』
『『えっ ?』』」
『も~ クオンが私の事大好きだって言われたの』
『ニャー それだけかニャーー でも言葉に出す事も重要ニャ』
『クフフ そうね分かり切った事だけど実際に言われたら最高に幸せだと思うわ』
『そんな事より2人共クオンに手を出したでしょ?』
『『えっ 』』
『ニャハハ バレてるニャー』
『あらっ 私は挨拶程度のスキンシップぐらいですわ』
『つまり2人共キスしたのね?』
『ミュウがキスしかしてないから遠慮したのよ?』
『し 仕方ないでしょー クオンの事は好きだけど私から迫る訳にはいかないし』
『ニャハハ ミュウそんなこと考えてたニャー』
『も~ 2人共ロックとオーラはどうなのよ』
『私はクオンに言ってあるわよ、クオンの後になら抱かれても良いぐらい魅力的な男性だとね』
『ライカそれは大胆すぎるでしょ~ 』
『なるほどニャー あたいも最初はクオンに抱かれたいニャ』
『ミュウは他に手を出しちゃ駄目よ、クオンの1番はミュウなんだから』
『わ 私がクオン以外を好きになる訳ないでしょー それにムーアもライカもクオンが好きなら他に手を出しちゃ駄目よ』
『ん~ 私はロックとオーラなら良いかなと思うんだけど』
『ニャハハ それよりあたいを好きになってくれるかも分からないニャー』
『何言ってるのよ一番クオンに撫でて貰ってるくせに』
『ニャー 耳とか尻尾だけニャー 』
『クフフ そうね私もせめて撫でて欲しいですわ』
『ライカはいつも胸を凝視されてるでしょ悩殺しすぎよ』
『悩殺と言えばムーア提案があるのよ、クオンは奥手のようだからこのお風呂用の水着デザイン変更しない?』
『それは良い案ニャー 早速考えてみるニャー』
『も~ 反対はしないけど手加減しなさいよね』
『ニャハハ 分かってるニャ、クオンに相談してみるニャー』
『『えっ クオンに聞くの?』
◇ ◇ ◇
<クオン視点>
お風呂から上がり各自寝床に着くが今日は俺の人生でも最高の日になった、嬉しすぎて寝付けない・・・ずっと爺ちゃんと2人だった俺に生涯を共にするであろう仲間と愛する人が出来る事になるなんて神様ありがとう、俺は幸せ者だ。
窓から日差しが入り込み目が覚める、昨日は幸せを噛みしめながら何時の間にか寝てしまったらしい。
今日も良い天気だ、まあサークルの世界には天気しかないんだがレチクルの水晶(魔力炉)をダンジョンコアに埋め込んだため以前のように魔力の補給もしなくて良いしロックの持っている火魔石等の各魔石にも補充出来るようにしたのでサークル本部もドンドン快適になっていく。
そろそろ生物にも手掛けようかな危険がなさそうな小動物や海の魚も良いなムーアが喜ぶだろう、また美味しい海魚を調べてサークル本部にも放流しておくかな。
食堂へ下りると皆食事の用意をしてくれていたので俺も手伝い今日の予定を相談することになった。
『うん、今日のスープも美味しいね』
『うふふ ありがとう今日はクオン君が教えてくれたマナバイソンの骨から出汁を取ったスープよ、骨まで使っちゃうなんて想像も出来なかったわ』
『本当に何でも使っちゃうのね、でもとっても美味しい私も満足の出来よ』
『あはは 流石マリンさんだね、コンソメスープも教えるよ』
『えっ 何なのそれは?も~ 毎日が楽しいすぎるわ絶対クオン君から離れないからね』
『とっても美味しいスープだよ楽しみにしててね、でもスープだけでもまだまだ種類があるからね、ドンドン教えて行くよ』
『はい師匠!一生着いて行きます!!!』
『ニャハハ マリンさんが料理覚えれば覚えるほど、あたい達も嬉しいニャー 是非魚料理にもチャレンジして欲しいニャー』
『そうねー 魚料理ならやっぱり海魚が大量に欲しいわね~ 練習したいし』
『う~ん、今度皆で海水浴に行こうか、ついでに魚も大量ゲットで!!!!!』
『賛成ニャーーーー 楽しみニャー 皆の水着作るニャ』
『ムーア丁度良かったじゃない、それをお風呂兼用にしたら?』
『なるほどニャ、一石二鳥ニャ今度リーダーにデザイン手伝って欲しいニャー』
『あはは 分かったよって言うか今書くよ』
俺は皆の事をイメージしたが全員スタイルが抜群に良いから、やはりビキニタイプが良いと思いササッと十種類ぐらいのビキニをスケッチし皆に見せてみた。
『っと、こんなもんかなムーアどうかな?』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』×25人
『ニャー 相変わらず凄いニャー よくこんな複雑なデザインが直ぐに書けるニャー 』
『クオンこれじゃー下着みたいじゃない?』
『んっ 水着ってそんなもんだろ?俺の国じゃービキニって言うんだよ、皆スタイルが凄く良いから似合うと思うよ』
朝食を食べていた女性達が皆顔を赤くして照れているようだ、あれっ 俺また変な事言ったかな、でも本当の事だから良いか。
『も~ 皆照れてるでしょ~ サラっと褒めないの本当に女性殺しなんだから』
『クフフ この水着じゃースタイルが丸分かりね訓練にも力が入ると思うわよ♪』
『ギクッ ギクッ が 頑張らなきゃ!』×25人
『あ アーチカ!わ 私お腹出てないよね?』
『うふふ お嬢様はスタイル良いですよ』
『ちょ ちょっとクオンさん、私達もなの?』
『あはは リップさん達もだよ日頃ちゃんと訓練してるか直ぐに分かるね』
『ちょっと私達の体なんて・・・肌は温泉で綺麗になってきてるか・・・・でも傷が・・・そういえば治してくれたんだったわね・・・スタイルは・・・訓練で引き締まってきてるけど・・・・・けどけど!』
『んふふ リップさん諦めたら?』
『もう、どうして此処の人達は皆スタイルが良いのよ、分かったわよ頑張るわよ』
『あはは 今日午前中はリーバイ家に用事があるから訓練しててくれるかな、昼からは<錬金術>の練習をしようか』
『待ってたのよ~ クオン君の言う通り<錬金術>って料理には最高だわ、どうして今まで覚えなかったんだろう悔しいぐらいよ』
『私も<錬金術>が面白くなってきました、早く自分のスキルにしたいぐらいです』
『お~ トルネちゃんもか、でも裁縫スキルも鍛冶スキルも面白いよ俺達は全部持ってるから教える事が出来るしね』
『はぁ~ 本当に聞けば聞くほど規格外ね・・・普通は1つのスキルに生涯を費やすものなのよ?』
『ん~ でも強く成るには、どうしても必要だったんだよ、その為に頑張ったんだ』
『あはは 僕達は仲間のお陰で共有出来ますからね、これがサークルの最大の力です』
『・・・確かにクオンさんだけじゃなくてメンバーのスキルも凄まじいですね、以前は弱かったなんて信じられないぐらいです』
『ニャハハ トルネちゃんと同じで皆リーダーに助けられたニャ』
『俺も皆に助けて貰ってるから、お互い様だね』
『さて、じゃそろそろ行こうか、えっとクロワさん、トルネちゃん、ローニアさん、アーチカさんも行こうか大事な話だからメンバーも来てもらおう』
『ラスクさん皆の訓練頼んでもも良いかな?』
『分かりました、でも今日は皆自主的にするかもしれませんよ?』
『あはは 頑張ってね』
俺達はローニアさん組は早速リーバイ家を訪ねる事にした、っと言っても<エンゲルラント>の自宅から直ぐなんだが、この自宅もサークル本部の玄関みたいになっちゃったな当初はマリンさん達に住んで貰おうと思っていたが、襲撃等があると心配だしサークル本部の住み心地が良すぎるしな。
まあカムフラージュに絶対居るんだが贅沢な使い方だな・・・<ルーム>を開いている所なんて人に見せれないし仕方ないか。
リーバイ家に着くと、いつもの様にザルガさんが出迎えてくれてリビングに通された。
ガデラスさんは既にリビングで待っていてくれたようで挨拶をすることにする。
『おはようございますガデラスさん』
『ああ、おはようクオン君先日は助けて貰って本当にありがとう、危ない所だったよ』
『いえいえ、本当に只の偶然で知り得たのですが本当に良かったです』
『ふむ、しかし転移まで出来るとは驚きだ、確か高位の魔導士しかスキルが付かないと聞き及んだが』
『俺達もあのときに使ったのが初めてなんですよ、緊急時だったので練習もなしでブッツケでしたね』
『ふはは そのお陰で私達は助かったよ、でっ 今日はどんな用件なんだい?』
『はい、実は俺達で店舗を開店する事になったのですがリーバイ家にもお手伝い頂けないかと思いお願いに参りました』
『ほほ~ 興味深いね、しかしサークルが手に入れた素材を店舗に並べるのかね?』
『いえいえ、俺達がダンジョン等で取って来た魔物素材等は今まで通りクロワさんにお願いしようと思ってるんですが、店舗にはポーション類や雑貨等を置こうかと思っています』
『ふ~ 安心したよ君達が取ってくる素材を店売りにしたら混乱が起こりそうなのでね』
『あはは それで紹介が遅れましたが、店舗を任せたいと思っているのが此処に居るトルネです』
『ご紹介に預かりましたトルネと言います、見ての通り若輩者ですが師匠の元で頑張りたいと思いますので宜しくお願い致します』
『私はリーバイ・カタ・ガデラスだ、クオン君が店を任せるぐらいだ有能なのだろう、だがクロワようやく落ち着く気になったのか?』
『ファファファ いや実はクオン殿に頼まれましてな、私がトルネに商売の事を教える事になりました』
『本当はクロワさんもトルネと共にお願いしたかったのですが断られまして』
『ファファファ いやいや私は、あちこちに飛び回るのが性に合ってましてな、その代わりトルネには全面的にバックアップ致しますぞ』
『それにトルネは飛んでもない商才の持ち主ですぞ、数年後には大商人として頭角を現すでしょう』
『ほほ~ クオン君に店を任されクロワにそこまで言わすとは、私も対等に接せねばならんな』
『そ そ そんな私なんて只の小娘です、侯爵家の方と対等だなんて飛んでもないです』
『あはは ガデラスさん、ありがとうございますガデラスさんには言いますがトルネは<鑑定>持ちなんですよ』
『なっ なんと?この少女は知識のスキルを持っているのか?』
『今は取得したばかりなので訓練中ですが、きっとガデラスさんのお役にも立てると思いますよ』
『フハハ 役に立つどころか、こちらが頭を下げてお願いする事になりそうだ。しかし、良く話してくれた私は絶対に秘密を守るよ信用に応えずばリーバイ家の名誉が廃れるのでな』