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第152話 クオンの故郷


『おいおいライカ言いすぎだよ、俺が手加減出来ないみたいじゃないか?』


『しかし、確かにクオンが相手ではあんまりだな、ワシがやろう』


『ニャハハ 女性が相手なら、あたいが適任ニャー』


『あら、それなら私でも良いんじゃない?』


『『『『『ミュウは駄目ニャ』』』』』


『も~ 声を揃えて言う事ないでしょー 』


『だってミュウのムチが一番手加減しにくいでしょ、だから僕がやるよ』


『何言ってるのよロックの武器が一番凶悪じゃない「破壊神」がライカのお母さん相手にして良いと思ってるの?』


『あ~ それを言うなら「魔女」も駄目じゃないですか?』



ライカのお母さんがとても強そうだからか皆模擬戦の争奪戦が始まった、ライカのお母さんがキョトンとした表情をしている。



『あはは 貴方達の方が魔族みたいね、分かったわライカいらっしゃいどれだけ強くなったか見て上げるわ』


『フフ 久しぶりですね、お母さん』


『あら、貴女も嬉しそうね昔はあんなに怖がっていたのに、こりゃー楽しみだわ♪』



村には模擬戦をやるような訓練場はないそうなので家の前で模擬戦をやることになった、どうやらこの村では普通の事らしい。


俺達がライカの実家に入っていく所を見ていた人がいたので既に村人達が集まって来ており大勢が俺達を見に来たらしい。



『おい、その人間共はなんだ?』


『あ~ この人達は娘のお客さんだよ、黙って見ていな手を出すんじゃないよ』


『お母さん武器はどうする?』


『ああ、遠慮しないで良いよ、いつも使ってる武器を持ちな』


『フフ 流石お母さん変わらないわね』



ライカは話のとおりファントムデスサイズを<アイテムBOX>から取り出し軽く振ってから構えをとる、ライカのお母さんは両手剣を持つようだ。



『あんなまだそんな使えもしない長物を使っているのかい?』


『フフ お母さん私は今「死神」って呼ばれてるのよ、この武器のせいかもね』


『まあ良いわ、さあ掛かって来なさい』


『お母さん先に言っておくけどパーティの中では私が一番弱いのよ、私の攻撃を良く見ててね』



ライカは喋り終わった次の瞬間、閃光のように放たれたライカの攻撃がライカのお母さんの首元で皮一枚でピタリと止まっている。



『うっ ああ』



ライカのお母さんは流石に驚いたのか自分の首元で止まっているファントムデスサイズを見ながら、額に掻いた汗が地面にポタポタと流れ落ちている。



『お母さん、瞬きなんてしちゃ駄目よ、私の攻撃は瞬きよりもずっと早いわ』


『ら ライカ・・・貴女本当にライカなの?』


『フフ お母さん私はクオンに命を救われてから、仲間達が私を鍛えてくれたのよ、もう昔の私じゃないわ』


『さあ、もう一度攻撃するから良く見ててね』


『・・・良く分かったわ、もう油断はしない・・・来なさい』



仕切り直しお互いに武器を構えなおすが次の瞬間ライカは<縮地>を使いお母さんの後ろに立っていた。



『き 消えた?まっ まさか』


『い いつの間に後ろに・・・そんなまさか私は一瞬たりとも目を離してはいなかったのに』


『見えなかった?私のパーティメンバーの方がずっと早いのよ』


『・・・ふ~ あんなに弱かったライカが怪物になって帰ってくるとはね、参ったわ私の負けよ』


『フフ 私が怪物だったらクオンはどうなるのかしら、さあ集まっている人達も戦いたい人はいますか?』



ライカのスピードを見ていた魔族の村人達も、ライカには絶対に勝てない事を悟ったのか誰も返事をせず黙って佇んでいた。



『誰も居ないみたいね、今日はお客さんを連れて里帰りしてるから、くれぐれもちょっかい出さないでね』



ライカは村人達に釘をさしてから再び家の中へ入りお母さんと話をすることにする。



『そうえいば、あの子は居ないようだけど?』


『ああ、あの子は狩りに出てるわ』


『フフ 相変わらず戦闘好きは変わってないみたいね』


『よく言うわ、ライカいったいどんな生活をしてきたの?毎日が厳しい戦闘だったんじゃないの?』


『ああ、ライカは確かに俺達が鍛えましたが誤解のないように説明すると、元々ライカは恐ろしい程強かったんですよ』


『ただ強すぎたのかライカの能力には封印のような物があって俺がそれを解除しただけです』


『まあ俺達全員がそうなんですけどね』


『・・・なるほど、俄かには信じられないけど、そういう事なのねライカ貴女いったいどれぐらい強くなったの?』


『ど どれぐらいって言われても表現しにくいけど、この村ぐらいなら数秒で灰に出来るわ♪』


『あ 貴女ね~ 強くなりすぎでしょ?でも良いわ確かに強さなんて言葉では語れないわね』


『あっ そうだライカ、お土産はお酒か甘い物どっちが良いかな?』


『ライカ、お酒お酒♪』


『あはは 分かりましたライカが熟成して作ったとっておきのお酒を置いていきますね』


『ライカ貴女お酒まで造ってるの?』


『詳しくは言えないけど私の開眼した能力なの』


『なるほどね、何か分からないけど嬉しいわ。しかし、まさかライカが生きて帰って来てお土産にお酒まで持ってきてくれるなんてね~ 』


『貴女弱かったから魔物にでも襲われて死んでるんじゃないかと思っていたわ』


『ええ、クオンに助けて貰わなかったら盗賊に殺されていたわ・・・』


『やっぱりね、クオンさんライカを助けてくれてありがとう』


『魔族は元々強いから子供の心配なんてしないんだけどライカは弱かったから心配してたの、元気に暮らしているのなら嬉しいわ』


『いえいえ、今では此方の方が色々と助けて貰ってるからお互い様ですよ』



妹さんにも会いたかったんだが時間も良い時間になってきたので、そろそろ帰ろうかと言っているとき誰かが来たようだ。


声から察するに門兵をしていた青年のようだ。



『おい、ライカ!ライカは居るか?』


『あら、眼が覚めたのね』


『お前俺に何をした?何故俺は気を失っていたんだ?』


『何をされたかも分からなかったの?』


『クッ もう一度だ、もう一度勝負しろ』


『仕方ないわねクオン少しだけ良いですか?』


『ああ、妹を待たなくても良いのか?』


『ええ、今日帰ってくるかどうかも分からないし良いですわ』



一応帰り支度をしてから外に出て、また模擬戦をすることになった。



『さあ、いつでもどうぞ』


『・・・くそう、舐めやがって行くぞ』



それからしばらくの間ライカは攻撃を躱し続け誰が見ても格下を相手にしているような立ち回りをしていた。



『何故だ何故当たらない?』


『もう分かったかしら?この村を出る前は貴方の方が遥かに強かったわね、よく馬鹿にされたのを覚えているわ・・・』


『でも今は私の方が遥かに強いわ、そして私のパーティリーダーのクオンは私より遥かに強い』


『でも今日私達全員より遥かに強いドラゴンに出会って死を覚悟したわ、分かる?強さなんてそんなものよ上には上が居るわ』


『こんなに小さな村の中で強いと思って良い気になっている貴方の小ささが分かる?』


『まだ分からないようなら叩きのめして上げるけど、まだやる?』


『・・・・・・・・・・』


『・・・皆お待たせ行きましょうか、ではお母さん今度帰った時はゆっくりしていくわ』


『ええ、待ってるわ強く成ったのは良いけどちょっとは自重しなさいよ』


『フフ またねお母さん』



ライカと模擬戦をしていた青年はショックが大きかったのか俯いたまま動かなかった。



『ありがとうクオン、さあ行きましょうか』


『ちょっと待ってくれライカ』


『おい、お前はライカを虐めていたのか?』



俺はライカを馬鹿にしていたという男を、どうしてもそのままにしておけなかった。


俺は怒気を抑えきれず<真龍王の威圧>が身体から漏れ出す。



『ぐっ ぐぅぅぅ』


『ひっ ひぃぃぃ』×村人


『な なんて殺気なの・・・ガクガクガク』


『クオンもう昔の事だから良いですわ』


『悪いライカ、これだけは言わせてくれ』


『いいか、周りに居る奴も良く聞いておけライカは俺達の大事な仲間だ』


『ライカを馬鹿にする奴は過去現在に渡り、俺達が許さん』


『もしライカがお前達を恨んでいたら、ライカ1人でもお前達を皆殺しに出来る事を理解しておけ』


『ライカを馬鹿にした事がある奴がいたとしたら、今生きていられるのはライカの優しさだ』


『精々これからの人生はライカに感謝しながら生きていけ』


『だが覚えておけ例えライカが許したとしても、俺達は絶対に許さん』


『今後ライカが少しでも不快に思う事をしたら、俺達が生まれて来たことを後悔させてやる』



俺はそれだけを言い放つと<真龍王の威圧>を解除した。


周りの村人達は恐怖で立っていられなくなったのか、全員膝を地について怯えていた。


少しやり過ぎたのかライカの母親まで怯えさせてしまったので、謝罪することにした。



『すみませんでした、巻き込んでしまいましたね大丈夫ですか?』


『え ええ・・・全く恐ろしい者達と仲間になったものですね』


『ですがライカの事を大事に思ってくれて感謝するわ』


『いえ、もし困ったことがあったら俺達に言って下さいね』


『うふふ ありがとう♪』


『ライカ、ライバルは多そうだけど逃がしちゃ駄目よ?』


『お お母さん・・・』


『フフ また来ますね、お母さん♪』


『ええ 待ってるわ♪』



俺達はライカの故郷を後にし、<ゲート>を使うため人目に付かない所まで移動した。


皆から少し怒られるかと思ったが、皆も同じ気持ちだったのかスッキリとした表情になっていた。



『しかし今日は中々有意義な1日だったよね』


『全然有意義じゃないわよ今日死ぬかもしれなかったのよ』


『ま~ 皆の故郷に行けて嬉しかったけどね』


『フハハ 龍には驚いたが忘れられない1日にはなったな』


『ニャハハ そうニャ良い1日だったニャー』


『フフ 私も躊躇いはありましたが故郷に帰って来て良かったですわ』


『僕は家族がいるのが少し羨ましかったです』


『俺もだよロック皆良い家族だったな』


『そして皆も薄々気付いてるとは思うけど今日の夜にでも俺の秘密を話そうと思うんだ皆には聞いて欲しい』


『ねー クオン話しにくいなら別に話さなくても良いのよ』


『俺も色々考えたんだけど、やっぱり皆には聞いて貰おうと思うんだ、皆も少しは思うだろ?俺が何故<ゲート>で故郷に帰らないのか』


『『『『『・・・・・・・・・・・・・・・・』』』』』



しばらく歩き人気のない所へ着いたので<ゲート>を使いサークル本部に帰って来た、マリンさん達は今日もアーチカさん達に訓練して貰い魔法もそこそこ使えるようになったらしい。


明日はギルドマスターやローニアさんの家族であるリーバイ家の皆さんも王都から帰ってくる筈なので色々と新しい店舗の打ち合わせや部屋割をする事に決まり早めに休む事を告げ部屋に戻る。


サークルメンバーには俺の部屋に集まってくれるように頼んでいたため少し待つと全員集まってくれた、俺は皆に好きなお酒を配り話を始める事にする。



『皆集まってくれてありがとう、そして俺の事を秘密にしていた事を謝るよ』


『そんな事全然構わないわよ』


『ありがとうミュウ、では先ず俺がどこから来たのかを聞いて欲しい俺はこの世界とは全く別の異世界から来たんだ』


『バハムートも言っていたが異世界とは何なのだ?』


『ああ、オーラそれを説明するのには長くなるんだが俺の国といつも表現していたんだけど地域や国どころか俺はこの世界とは全く別の星から来たんだよ』



俺は時間を掛けてこの世界に居れば分からない様な宇宙の事、惑星の事、太陽から月の事を俺の知る限り分かりやすく説明した。



『俺の居た所は地球って言う惑星の日本と言う国に居たんだ、ある日そこからこの世界に転移されたんだと思う』


『地球には魔物も居ないし魔法も無かった勿論スキルなんて物もステータスも無かったんだよ』


『・・・信じられない様な話だけど、それでクオンは何も知らなかったのね』


『ああ、この世界の事は何も分からなかったよ、でも地球にあった様々な建物や装飾品、人体の構造、食材や調味料、料理等は実際に地球にあったものなんだよ』


『実際に魔法やスキルはなかったけど架空の世界を舞台にしたゲームがあって、それにはステータス、スキル、各種の魔法が出てくるんだ、つまり俺がゲームで知っていた事がこの世界では現実に使えるんだよ』


『リーダーが次々と出していたアイデアは事前に知っていた事だったからなんですね』


『そうなんだよロック俺が全部考え付いた訳じゃないんだよ地球での知識をこの世界で活用していただけなんだ』


『でも何故今までその事が言えなかったのかしら?』


『うん、ライカは俺が今言った宇宙の事とか信じられる?』


『クオンの言っている事だから信じますわ』


『でもその知識を俺が信じられなかったんだよ自分自身の事なのにだ、ひょっとしたら俺が勝手に想像しただけかもしれない』


『今言った事も俺が夢で見ただけの話しかもしれないと思っていたんだよ、でも今日バハムートは俺に「異世界から帰って来た者」と言ったんだ』


『それを聞いた時初めて確信が持てたんだ、やはり俺は異世界からこの世界に来たんだと』


『夢でも幻でもなく実際に転移してきたんだとね』


『現時点ではそれしか分からないけどね、何故俺はこの世界に転移されたのか?バハムートに聞けば俺の謎も解明されるかもしれない』


『一応試してみたけど、流石に地球まで<ゲート>を開く事は出来なかったよ』


『どうしてクオンがユニークホルダーだったのか分かる様な気がするわ』


『ニャハハ 飛んでもなく規格外なのも頷けるニャー』


『僕は、この世界に転移してきたのが優しいクオンさんで良かったです』


『フハハ そんな話を誰に言ったとしてもワシ等以外では信じてはくれんだろうな』


『クフフ こうなったらバハムートを倒せるぐらい強くなるしかありませんね』


『ああ、皆には悪いけど本当に地上最強目指して頑張って欲しい、でもそれだけに費やす人生なんて送る気もないんだよ極力楽しみながら最強を目指そうと思うんだ』


『フハハ クオンらしくて良いな』


『そうよねー 美味しい物の探求をクオンがしない訳ないもんね』


『あはは 訓練も厳しい筈なのに楽しんでやってきましたしね、今思えば僕サークルに入ってから辛いと思った事がありませんね』


『ニャハハ それがクオンの魔法かもニャー』


『私も最高に美味しい食事にお酒、デザートにお風呂ですよ楽しい事が多すぎるぐらいですわ』


『あはは 俺もこの世界に来てから覚えた魔法やスキルが楽しくって仕方ないよ』


『まだ解明されていない謎はあるけど、これでクオンの全てが分かったわね想像の遥か上だったけど』


『ニャハハ あたいは神様かと思っていたけど違ったニャー』


『あはは ある意味、神様かもですよ?』


『1つ聞きたいのですがクオンの国では何歳で成人なんですか?』


『俺の国では20歳で成人になるんだよ、それまではお酒も飲んじゃ駄目なんだ』


『クフフ リーダーが奥手なのは、それが原因かもしれませんね』


『ちょっとライカ何言い出すのよ』


『あはは 確かにそうかもね18歳にならないと結婚も出来なかったから、でも一番の原因はこの世界に来るまで、あまり異性を見た事がなかったんだよ、ちゃんと話をしたのはミュウが初めてだったんだ』


『なるほど、だからミュウはリーダーにとって特別な存在なんですね』


『ろ ロック、も~ そんな事言ってないでしょーーーーー』


『ニャハハ ミュウが照れてるニャー 耳まで赤いニャ』


『正直に言うとミュウと初めて会った時は、あまりの可愛さに驚いたよ顔を見る度に照れるぐらいにね、でもムーアもライカも飛んでもないぐらい可愛いし綺麗だしスタイルも最高だ、ロックもオーラもそう思うだろ?』


『なっ そこでワシ等に振るのか?まあ確かにサークルの女性は皆美しいがな、ワシだけかも知れんが強い女性って言うのも最高に魅力だな』


『あはは オーラがそんな事言うの初めて聞きましたね、でも僕もそう思いますよ』


『も~ 皆お酒飲みすぎじゃないの?照れるでしょー それにクオンだけじゃなくロックもオーラも武術大会でモテモテだったじゃない』


『ニャハハ 女性なら強い男性に惹かれるのは当然ニャー』


『ええ、クオンだけじゃなく2人共素敵ですよ♪』



この日は遅くまで皆で話をして気付いたら、そのまま俺の部屋で寝てしまったようだ。


朝目が覚めて周りを見てみると皆気持ち良さそうにフカフカのソファーで寝ていた、たまたま隣で寝ていたムーアの尻尾の誘惑に負け撫でてみる、久しぶりだから非常に気持ち良いモフモフ感を堪能しながら2度寝してしまった。



『ニャー リーダーがあたいの尻尾握ったまま寝てるニャー』


『あはは リーダーって本当にモフモフが好きですよね』


『んふふ ムーアの村に行った時からムズムズしてたみたいだから、よっぽど触りたかったのね』


『ワシ等は朝食の段取りを見てくるから先に行くぞ』


『ムーア、クオンが起きるまでジッとしてるしかないわね、頑張りなさい』


『ニャー 分かったニャー』



『ニャー 暇ニャーー そうニャあたいばかり撫でられてるから、たまにはリーダーの頭も撫でるニャ』



ニャー リーダーの黒髪ってスベスベしてて気持ち良いニャー黒髪って珍しいけど異世界人だったからニャ、こうやってみると可愛いニャー♪



ん~ 何か良い匂いがして目が覚めるとムーアが俺にキスをしていた、ほんの少し唇が触れる程度のキスだがムーアの柔らかい唇の感触と良い匂いがとても気持ちが良い。



『ニャニャニャ り リーダー起きてるニャ?』


『おはよー ムーア今朝はやけにサービスが良すぎないか?』


『ニャハハ リーダーがあたいの尻尾を離してくれないから起きるの待ってたニャー』


『あ~ そういえば目の前にある尻尾を触ってる内に、また寝ちゃったのかごめんね』


『あたいばかり撫でられてるから、たまにはあたいにもサービスニャ』


『あはは 俺もサービスだったよムーアの唇柔らかくて良い匂いがして気持ち良かった』


『ニャアアアアア 照れるニャー 恥ずかしいニャ、ミュウに怒られるから内緒ニャー 』


『さあ、朝食に行くニャ』



ムーアは照れ隠しなのか俺の手を引っ張って先を歩いていく、ムーアのような可愛い猫耳娘にキスされたかと思うと思わず顔がニヤけてしまうが、とうとうパーティの女性3人とキスしてしまったが良いのかなとも思う。


この世界ではキスがどの程度の意味を持つのか分からないが好きじゃなければしないって事は分かる。


まあ俺もまだ15歳だし深く考えないでおこうかな。


食堂に着くと既に朝食を用意して待っていてくれた。



『今日は、寝坊しちゃったな朝食ありがとう』


『いえ、クオン様私達メイドの仕事ですからお気にせずお召し上がりください、マリンさんの新作のパンもありますよ』


『おお~ 流石マリンさんだね、ありがとう』


『うふふ クオンさんのパンってフワフワで柔らかくモッチリとした歯応えが、めちゃくちゃ美味しいもんね創作意欲もドンドン湧いちゃうよ』


『楽しみだ、さあ皆食べようか』


『いただきまーす』×25人


『うん、美味しいパン生地にオレンジを練り込んだんだね!爽やかなオレンジの風味がとても美味しいよ』


『うわ~ モッチモチね、とっても美味しいわ流石にクオンが全力でスカウトしただけの事はあるわ』


『ありがとう、クオンさんに出す料理は緊張するわーー でも昨日貰ったブラッドソーセージも美味しすぎるわよ』


『どうやったらこんなに美味しい物がササっと作れるのか教えて欲しいわ』


『あはは たまたまムーアが狩ってきてくれたイノシシが希少種だったから、特に美味しいだけだよ』


『そういえば今日リーバイ家の方達も帰ってくる筈だけどローニアさん普通に動けるようになったかな?』


『はい、何とか普通の生活を送れるぐらいになりました、でもまだ<加減之極意>は外せそうにありませんわ』


『ギリギリ間に合ったね皆も覚えたいスキルあったら付けるから言ってね、慣れておいたらスキルを外しても覚えやすい筈だから』


『特に最初は<感知五感之極>を覚えようか、複数のスキル集合体だから1つ1つ感覚を感じ取る事を意識して頑張って、全員に付与しておくよ』


『分かりました』×20人


『じゃ今日の予定は先ず全員、冒険者登録をしておこうかダンジョンに入るにしてもランクが必要だしね』


『ローニアさんも登録しちゃって良いかな?』


『勿論です、私の方からお父様に説明しておきますわ、どうか私の事はお気にせず皆と同じ扱いをしてください』


『トルネちゃんは商業ギルド登録はしてあるのかな?』


『はい、私は王都で登録しました、奴隷になってからもちゃんと持ってます』


『クロワさんは今日も行商ですか?』


『いや今日は空いております』


『じゃ、クロワさんも冒険者登録しちゃいましょうか、その内ダンジョンに素材を取りにいけるようになるかもだし』


『ファッファッファ、まさかこの年でダンジョンに行く事を考えるとは思いませんでしたぞ』


『よし、じゃとりあえず全員冒険者登録してから店舗の下見と打ち合わせに行こうか、合間にランク上げもしておこう』


『あっ マリンさん、リップさん達、トルネちゃん、ローニアさんの武器が出来てますから渡しておきますね』


『あたいも皆の防具兼洋服を作ったニャ』


『うわ~ ありがとうございます』×8人


『マリンさんとリップさん達には戦う料理人をイメージしてみたニャ』



せっかくなので早速皆に試着して貰い見せて貰う事にする。


ムーアが作った料理服は一見セーラー服のように見える白地のシャツにスカーフ、下はスカートになっている。


マリンさんが赤いスカーフにスカートリップさん達は水色のようだ、ベレー帽のような帽子もとても可愛い。



『うわ~ 可愛い、料理に着るには勿体ないぐらいね』


『ニャハハ 戦闘服も兼ねてるニャ、シロの属性糸から作ってあるから物理・魔法防御に優れてるニャー』


『トルネちゃんには行商人をイメージした冒険者服ニャ』



トルネちゃん用の服は一見日本の女性用スーツに見えるが、この世界に合うようなデザインになっている膝までのスカートに見えるが良く見るとズボンのようだ。



『わ 私にもありがとうございます、とっても可愛いです』


『トルネちゃんのも良いじゃない商売人らしく落ち着いた色合いだけど可愛いわ』


『クロワさん用にも作ったニャ、いつも着ているようなデザインにしてみたニャ動きやすい筈ニャ』


『私まで、ありがとうございます大事に着させていただきますね』


『ローニアさんには完全に冒険者用として作ったシュミゼットニャ』


『私にまでですか、ありがとうございます実は少し羨ましかったんです、なんて素敵な』


『僕はメイドさん達に作った武器から選んで貰って作りましたから同じ仕様ですが個人個人バランスの調整をしておきましたから試しておいてください』


『ローニアさんはアーチカさんと同じ双剣にしましたお揃いですよ』


『ありがとうございますムーアさんロックさん』×9人


『うん、流石ロックとムーアだね皆良く似合ってるよ、折角だからそのままギルドへ行こうか』


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