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第151話 遥かなる頂き


『さて、オーラそろそろお暇しようかライカの故郷にも行かないとだしね』


『ああ、すまぬな父上、母上、姉様達そして友達よ今日は少し寄っただけでな、そろそろ帰るが今度また来る』


『オーラよお前は自身の事を未だ未完と言っていたがお前が目指す高みが凄まじく高い事を理解した、もういつでも帰ってくるが良い』


『オーラ母として誇りに思いますよ、また皆さんと帰ってくる日を待っているわ』


『・・・オーラお前が地獄の様な訓練をしてきたことが良く分かったわ、クオンさんに勝てなくても良いからね』


『皆ありがとう、ワシが納得出来るまで頑張ろうと思う』



『ゾクッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』



なっ 何だと?仄々とした空気の中で俺は過去最大とも言える悪寒が背筋が背筋を走り抜ける。ヤバいヤバいヤバい・・・・・・何がヤバいのか分からないが次の瞬間には俺は叫んでいた!



『皆ーーーーーーー武器を出せええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!』


『『『『『なっ り 了解ニャ!!!』』』』』


『オーラ家族を早く非難させろ、時間がない急げえええええええええええええええええ』


『み 皆逃げろ、只事ではない母上、姉上急いで避難してくれ』


『な 何なの?』


『どうやら緊急事態の様だ皆非難するぞ話は後だ』



意気なり大声で叫んだにも関わらずパーティの皆は俺の声に従い武器を構える、一番冷静に対応してくれた父上さんが皆を誘導し訓練場の入口まで避難させてくれている。


時間が経つに連れ俺の警報が次第に大きくなっていく・・・クッ 俺達が逃げる暇は無さそうだ訓練場の中へ光をさしている岩の裂け目から何かが近づいてくる、何かは分からないが今の俺達でも相手にならない様な飛んでもない物が来る。


皆の<危険感知>にも引っかかったのだろう皆の表情が恐怖の色に変わっている。



『クオン、何なの?何が来るって言うの?』


『分からない、分からないが飛んでもない物が来るオーラ最大の防御を頼む皆も気を抜くな戦えば絶対に勝てない』


『分かったカー坊頼む!!!<ライトシールド>!!!』


『クーーーー!!!!!<神秘の光>!!!』



久しぶりに見るオーラの友達であるカー坊の<神秘の光>が俺達を包み込む、これで俺達の防御力も数倍になるはずだ。


オーラが全体に張ってくれた<ライトシールド>も20いや30はある過去最高と言える程強固なシールドを張ってくれた。


勿論個別にも<ライトシールド>を張り頭上を見上げる、その間も汗が額を伝わりポタポタと地面に落ちる。


時間にするとほんの数秒間と思われる間、膝の震えを抑えるのに必死だった。やがて頭上にある岩の裂け目から姿を現したのは巨大な漆黒の龍だった、その姿が視界に入った途端更なる恐怖心が俺達を包み込む。


漆黒の龍は差し込む光を背に受け、ゆったりと翼を羽ばたかせ俺達の前に降り立つ!


俺は死を覚悟した!もはや直感と言うよりは本能がそう伝えている、逃げきれるか?せめて皆だけでも守れるか?オーラの里だけでも何とか?色々な考えが脳裏を過るが全て徒労になる事が用意に想像出来るほど圧倒的なまでの強者が眼前に聳えている。


俺が出来る事はもはや一番先に死ぬことだけと悟り震える足を前に出し漆黒の龍の前に立つ!気が付くとミュウが、ロックが、ムーアが、オーラが、ライカが俺の左右に並び肩を揃える。



『グワッハハハハハハ 小さき者どもよ我を眼前にして心折れずに立ちはだかるか、まさかとは思うが我と戦いたいのか?』


『俺達に戦う気はない、今戦っても相手にならないだろう・・・』


『ふむ、どうやらバカ者では無さそうだな。しかし、今と言ったか?お主は何れ我の相手が出来るほど強くなると言うのか?』


『俺達の目標は地上最強だ、勿論何れ勝つと言いたいが貴方が圧倒的すぎて分からなくなった・・・俺達が目指していた地上最強と言う漠然たる言葉が貴方になったのは間違いないだろう』


『グワッハハハ そうか何れ我に挑むと言う事だな面白い、だがどうやってこの場を切り抜ける?まさか逃げれるとは思ってはいまい』


『俺は貴方が何かを潰しに来たとは思えない、出来れば此処に来た用件をお聞きしたい』


『ふむ、少々不遜ではあるがどうやら我を怒らせないよう言葉も選んでいるようだな良いだろう、ならば我の問いに応えよ先ほど威圧を放ったのはお主か?』


『・・・ああ、俺で間違いない』


『やはりそうか、小さき者にしては中々の威圧だったのでな興味半分に見に来ただけよ、そのお陰で数百年ぶりに面白い者に出会えた、それにお主の能力は我も初めて見るものだ』


『異世界から帰って来た者よ、どうやらお主は神に愛されているようだな』


『なっ 俺は俺の謎を解明するためにも強さを求めている、何かを知っているのなら是非教えて欲しい』


『グワッハハハハハ なら丁度良いではないか我に匹敵するほどの強さを求めるが良い、いつの日か我に勝てた時に我の知っている事を話そうではないか』


『・・・どうやら俺の目的を果たすには本当に地上最強にならないと達成出来ないようですね』


『小さき者よお主のお陰で我にも楽しみが出来た、丁度迎えも来たようだし話もここまでだな』




頭上を見上げると目の前にいる漆黒の龍が下りてきた岩の裂け目から5体の龍が舞い降りて来た、驚くべき事にどの龍に対しても俺達が勝つ事は絶対に不可能なほどの強さが伺い知れる。


地上に降り立った6体の龍が並び立つその姿は、見る者全てに死を連想させるほどの脅威を振り撒いていた。



『『『『『真龍様、お迎えに上がりました』』』』』


『うむ、お前達もこの者達を覚えておくが良い、何れ我を倒すかもしれん者達だ』



龍が吃驚したらこういう表情になるのかと初めて知った、5匹の龍が俺達を凝視する不敬罪で殺されるんじゃないかと心配していると意外な展開になった。



『『『『『狡いですぞ真龍様』』』』』


『小さき者よ真龍様と戦うのであれば先ず我を倒してみよ』


『黄龍よ、序列から言えば先ず我であろう?』


『『『いやいや我が!』』』


『グワッハハハハ 小さき者よ我だけではなく五大龍とも戦えるとは幸せ者だな、そういえば名を聞いてなかったな』


『我は、「真龍王 バハムート」なり、お前達の名を聞こう』


『俺はパーティ「サークル」のリーダーをしているクオンと言います』


『わ 私達もなの?私はミュウです』


『ぼ 僕はロックです』


『あ あたいはムーアニャ』


『わ ワシはオーラと申します』


『わ 私はライカです』


『我らも名乗りましょう、我は五大龍の1柱「黄龍」』


『我は五大龍の1柱「赤龍」』


『我は五大龍の1柱「白龍」』


『我は五大龍の1柱「緑龍」』


『我は五大龍の1柱「青龍」』


『我等が小さき者に名乗るのは初めてかもしれんな?』


『ハハハ 仕方あるまい小さき者達は我等の姿を見ただけでも死ぬかもしれんからな』


『さてクオンよ、何れ来るであろうお前に縁を残しておこう』



真龍王バハムートと名乗った龍の前に小さな<魔法陣>が現れ小さな龍がピョコンと出て来た、小龍と言っても鱗はなくモフモフの青い毛に覆われクリンクリンの可愛い目小さいが龍のような羽もあるズングリとした体形でコロンコロンしている。


なんだこの可愛い生き物は、しばらくキョロキョロとしていたが小さな翼をパタパタさせて俺の頭の上に乗って来た。



『そ奴は我が眷属だ大事に育てよ、と言ってもお主達とは同じぐらいの強さかもしれんがな』


『『『『『『・・・・・・・・・・・・・・』』』』』』


『さらばだ!また会う日を楽しみにしておるぞ』



先ほどまで死の覚悟決めたほどの真龍王バハムートと五龍がゆっくりと浮かび上がり上空にある岩の裂け目から姿が見えなくなると一瞬にして気配が消えた、いったいどれ程のスピードで立ち去ったのか考えると恐ろしい程に。


俺は全力で緊張していた体が一気に弛緩しヘナヘナと地面に転がった、周りを見ると皆も同じように転がっている。



『ふ~ 助かった、皆大丈夫か?』


『ああ、しかし死んだと思ったぞ』


『はぁ~ 生きた心地がしなかったわよ、初めて本物の龍種に会ったけどいきなり真龍王はないわ』


『ニャー 生きてるって素晴らしいニャー』


『本当に恐ろしいと膝が振るえるんですね僕初めて知りましたよ』


『世の中は広いですわ、まさかあんなにも強い生物が存在しているなんて』


『ああ、俺も少し強くなった気になっていたようだ6人でシンクロ魔法を使っても傷を負わす事も出来ないだろうな』


『とても鑑定は出来なかったが恐らく攻撃力は少なく見ても数十万ってところか・・・』


『・・・そこそこ強くなったかなと思っていた、さっきまでの自分に謝らせたいわ』


『り 龍種ってどこまで強いニャー』


『キュキュキューーーー』


『クークククーー』


『ムーームーー』


『ミーミミミー』


『何か話をしているみたいだな・・・』


『可愛いわね~ 龍種なのにモフモフなのは子供だからかな』


『俺も見たいんだけど頭の上だからな、一応<鑑定>してみよう』



【アンサー バハムート(幼体):超希少な生物。数ある龍種の中でも最強種と言われている幼体。】


*********************************************

【ステータス】


名前:???

LV:???

種族:バハムート(幼体)

HP:???/???

攻撃MP:???/???

回復MP:???/???

攻撃:???

防御:???

敏捷:???

器用:???

魔力:???

精神:???


潜在能力:<閃光>


種族スキル:<光体飛翔><レインボーブレス>


*********************************************


『『『『『『イイイッ 』』』』』』


『け 眷属って言ってたけど真龍王の子供じゃないか!』


『ちょ ちょっとどうするのよ?』


『・・・カー坊達の仲間が増えたと言うことだ』


『ニャー 神獣の次は真龍王の子供ってテイムしても良いニャ?』


『クフフ でも可愛いわ♪』


『確かに飛んでもない事ですが僕は羨ましいですねリーダーに懐いてるみたいだしテイムするしかないかと』


『・・・良いのかな~ まあ頼んでみるよ』



俺は頭の上に乗っているバハムートの幼体をそっと抱えて顔を覗き込みながら話掛けて見た』


『ええっと、俺達は冒険者で色々な場所で活動しているんだが良かったら一緒に冒険しないか?』


『キュキュキューーーーー♪』



【サークルがバハムート(幼体)の<テイム>に成功しました。】


【サークルの<テイム+9>が<テイム+10>に成りました。】


【バハムート(幼体)の潜在能力<閃光>が開眼されました。】


【バハムート(幼体)が種族スキル<光体飛翔><レインボーブレス>を取得しました。】



『おっ どうやら仲間になってくれたみたいだな』


『ありがとう、そうだな名前を付けないとねムートはムーアとややこしくなるから「ハム」でどうかな?』


『キュー キュキュー♪』


『んふふ 気に入ったみたいね』


『よし、じゃーお前の名前は「ハム」だ!俺はクオンって言うんだ宜しく』


『キュー♪』


『私はミュウよ宜しくねハム』


『あたいはムーアニャ宜しくニャ、ハム』


『私はライカですわ宜しくねハム』


『僕はロックです宜しくですハム』


『キュー♪』



ハムは小さな羽をパタパタさせながら俺の手から肩へ乗り猫のように頭を擦り付けゴロゴロしてくれた。


フワフワでモフモフの毛が凄く気持ち良い、この可愛い生き物が俺と同じぐらいの戦闘力があると思うと神妙な気分になる、ひょっとしたら俺よりも強いかもしれないし・・・


でも念願のモフモフ友達が出来て素直に嬉しい、ロックとライカには申し訳ないが喜んでおこう。



『可愛いですね~ 僕も友達が欲しいです』


『全くですわ!』


『しかし流石にバハムートの幼体だけあって潜在能力も凄そうだな、もう一度<鑑定>してみるよ』


*********************************************

【ステータス】


名前:ハム

LV:70

種族:バハムート(幼体)


潜在能力:<閃光>


種族スキル:<光体飛翔><レインボーブレス><コクーン><炎ブレス><炎結界><雷体><放電><剛腕><剛体><収納><真空鎌><氷塊><五属ブレス><ブレス強化>


*********************************************


『検証してみるのが怖そうだな』


『でも、どこかで試しておかないと飛んでもない威力だと困るわよ?』



新しい友人が増え喜んでいるとオーラの家族や友人達が駆けつけてくれた、避難しながらも様子を見てくれていたのだろう。



『オーラ大丈夫か?なんだありゃ生きた心地がしなかったぞ』


『ああ、すまん気が抜けてな流石にもう駄目かと思った』


『オーラ大丈夫なの?ど どうして龍が来たの?』


『フハハ どうやらクオンが気に入ったようで見に来たらしい』


『おいおい、誤解を招くだろオーラ』


『ニャハハ 当たらずとも遠からずニャ』


『クオンさん、どうやら龍が住むと言われている禁忌の山から来たようですね・・・お望み通り会いに行かなくても会えましたね』


『あ~~ 行くなって言われたのが分かりましたよ、初めて死を覚悟しましたよ』


『私もあれ程の龍なんて初めて見ましたが人が戦えるような生物ではありませんね』


『ええ、今はどう足掻いても無理ですね、でも何れ追いつけるよう頑張りますよ』


『・・・驚いたクオンさんは、貴方はあの途轍もない龍を見ても闘志を無くさないでいられるのですね・・・』


『クオンさん、サークルの皆様どうか是からもオーラのこと宜しくお願い致します』


『そしてオーラ貴方が今までしてきた努力に母は誇りに思います良くぞ此処まで鍛え上げましたね』


『是からはもう家の事は考えなくても良いから命を賭してクオンさんに着いて行きなさい、そして仲間の為に死になさい貴方ならきっと誰にも辿り着けなかった高みに登れると母は信じています』


『オーラよ私からも言っておこう、是からは自分の信じる道を進みなさい父も信じておるぞ』


『オーラ私達は、また会える日を楽しみにしてるわ無理しちゃ駄目よ』


『オーラ俺達もまたお前に負けないよう腕を磨いておく、また帰って来いよ』


『父上、母上、姉上、そして友よワシはまた仲間達と共に腕を磨いて、また帰って来るありがとう』



オーラは家族や友人達に別れを告げ里を後にする、お土産に各種ポーション類やお酒を置いて来たムーアの故郷と同じで龍人は魔法が苦手なようなのでポーション類は重宝するだろう。



『オーラ良い家族だな』


『ああ、少し照れるが弱かったワシにも優しくしてくれた自慢の家族だ』


『さて次はライカの番だな』


『・・・そ そろそろ帰らなくても良いのですか?』


『大丈夫だよ少し挨拶して帰るだけだから、もうこんなハプニングもないだろうしね』


『仕方ないですね覚悟を決めましょうか・・・先に言っておきますが村人と戦闘になると思いますから叩きのめしてやってくださいね』


『そんなことして良いのか?』


『叩きのめさないと話も出来ないと思いますので殺さなければ結構です』


『ライカの村ってどんだけ苛烈なのよ・・・』


『私の故郷にある魔族の村は田舎ですから、まだマシな方ですよ』



しばらくしてライカが<ゲート>を開いてくれて潜ってみると流石に長距離を旅してきただけあり<エンゲルラント>からはかなりの距離があった<マップ>が今まで見たことがないぐらい縮小している。


今回は、<ゲート>での移動先を増やす事が目的なので遠ければ遠い程ありがたい、きっと今後の移動で役立つだろう。


ざっと見た所山間の深くにあるのか周りには何もないような所で小さな村がある、小さいと言っても5~60人ほど人が暮らしていそうだ。


此処にも魔物が出るのか丸太の塀が村を囲んでおり入口である門には見張りもいるようだ、とりあえずライカを先頭に向かう事にした。



『むっ お前達そこで止まれ何者だ?』


『久しぶりね私をもう忘れたの?』


『ら ライカ!ライカなのか帰って来たのか?お前がよく生きていたな』


『失礼ね、いくら私が弱くてもそう簡単に死なないわよ』


『後ろにいる人間は仲間みたいだな、よくこんな所まで連れて来たな無事で帰れると思っているのか?』


『ふ~ 相変わらずね少し寄っただけなんだけど気に入らないなら掛かって来なさい叩きのめして上げるわ』


『ハハハ 村で最弱だったお前が言うようになったじゃねーか、どうやら強い仲間を見つけたようだな、それにこんな辺鄙な村に寄っただけだと?この村に来る以外用事があるわけないだろうが』


『本当に寄っただけよ、お母さんに会ったら直ぐに帰るわ』


『つまりその人間共も村へ入れるって事だな?』


『そうよ、ツベコベ言わずに掛かって来なさい心配しなくても私が相手して上げるから』


『・・・そこまで馬鹿にされたら仕方がねーよな、行くぞオラアアアアアアアアア』



門兵であろう魔族の青年がライカに襲い掛かるが見た所大した使い手ではなさそうなので現在のライカなら相手にもならない事は分かっていた。


予想どおりライカの素手による一撃で意識を無くし地面に倒れている。



『さあ、行きましょうか』


『ちょっと、この人どうするのよライカ』


『目が覚めるまで放置で良いですわ』


『そういう訳にも行かないだろう、せめて村の中に運んで置くよ』



俺はライカが倒した村の青年を抱えて村の中へ入り寝かせて置いた、村の中なら襲われることもないだろう。


ライカは実家に案内してくれるのかスタスタと歩き出すが周りの視線を集めている事が分かる。


どうやら魔族以外がこの村に来ることが珍しいのだろう。



『さあ着いたわ中へ入って、外に居たら目立つしね』



ライカの言う通り今でもかなり目立っているので素直に家の中へ入らせてもらう、ライカの実家は周りにある家と同じで木造の平家建てで簡単な作りだが頑丈に出来ていた。


お世辞にも大きな家ではないがライカに聞いた所、父親は既に亡くなっており母親と妹の3人暮らしだったようだ。


家の中に入ると魔族の女性が1人座っている、おそらくはライカの母親だろうと思うが見た目の年齢では、とてもライカの母親には見えない。しかし、顔が良く似ているのでひょっとしたら話に聞いていた妹さんかなと思う。



『お久しぶりです、お母さん』


『こりゃー驚いたライカ生きていたのか』


『いや、生きているどころか肌の艶と良い高そうな装備と良い、人族に拾われたか?』


『んんっ ヒュームどころかエルフ、ドワーフ、龍人、獣人まで居るじゃないか』


『私は今冒険者をしてるの、彼らは私のパーティよ』


『ほほ~ お前のような弱い魔族が、よく人族の村へ入れたね?』


『クフフ 私も人族の村なんて入れないと思っていたんだけど、ここに居る仲間達のお陰で今はどの村も普通に入れるのよ』


『ふむ、見た所あまり強くも無さそうだけど魔族が怖くないのかい?』


『初めまして俺はリーダーのクオンと言います、何故魔族が怖いのか分かりませんね好戦的なだけでしょ?』


『アハハハハ そうだよ好戦的なだけさ、面白い子だね』


『ねーねー ライカお母さんって、とっても若いのねライカの姉妹みたいに見えるわ』


『ミュウもエルフなんだから分かるでしょ、魔族も長寿だから若い期間が長いのよ』


『それでライカどんな用件で帰って来たんだい?』



ライカがお母さんの問いかけに応えようとするが俺から説明することにした。



『実は俺がライカにお願いしたんですよ、ライカの故郷が見て見たいってね』


『それだけの理由でこんな所にある魔族の村まで来たのかい?』


『ええ、そのお陰でライカに負けないぐらい綺麗な人にも会えましたよ』


『アハハハハ 嬉しい事言うじゃないか本当に変わった人族だね、それにここに来るまでにライカの話は聞いたんだろ?って事は見た目通りの実力じゃなさそうだね』


『クフフ 流石お母さん、もしクオンを怒らせたら、この村なんて消えて無くなりますわ』


『・・・弱いお前の話じゃどうか分からないね、どうせ村人と戦闘になるんだ私が試してやるよ』


『えっ お お母さん死にたいの?自殺と同じよ?』


『・・・・・・そこまでなのかい?』


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