第149話 故郷
『よし、<ゲート>!!!』
『一応エルドラの町の近くで目立たない所をイメージしてみたよ行って見ようか』
『『『『『了解!!!』』』』』
俺達は<ゲート>を潜り辺境の町エルドラの近くに無事着いたようだ、この町を出てからまだ数ヶ月だが何も変わってないようだ。
久しぶりに門の所へ行くと門兵のガルドさんが居た、久しぶりに会いに行く事にする。
『お~ クオン君じゃないか久しぶりだね元気だったかね』
『ガルドさん、お久しぶりです良く覚えていてくれましたね』
『あはは 君の様な若い冒険者は珍しいからね良く覚えているよ、見た所フルパーティになったようだね』
『はい、最高の仲間達に出会う事が出来ました』
『んふふ ガルドさんも元気だった?』
『ミュウちゃんも元気そうで何よりだ、たったの数ヶ月だが大人になったね』
『えへへ 私達も色々と頑張ったんですよ』
『ああ、その様だね、さあ町へ入ってゆっくりすると良い、一応規則なんでギルドカードを見せてくれるかね』
『はい』
俺達は1人ずつギルドカードをガルドさんへ提示し確認して貰った、当然のように酷く驚いている。
『く クオン君、これは何の冗談かね?私には全員Sランクに見えるのだが・・・』
『あれから俺達は、めちゃくちゃ頑張ったんですよ』
『あはは 少々頑張った所でSランクには成れんよ、何か特殊なスキルに目覚めたとかでもなければね』
『本当に頑張ったんだから~ 大変だったのよ』
『あはは すまんなしかし、この短期間でSランクとは驚いても仕方ないだろう?そこの4人も只者では無さそうだな』
『確認した、さあ町で休むと良い』
『ありがとうガルドさん』
久しぶりに見るエルドラの町並みは異世界に来て初めて見る光景だったせいか妙に懐かしさが漂っていた。
『ねーねー クオンお世話になった<陽だまり亭>のラウラさんにお土産持っていこうよ』
『そうだね、皆少し寄り道しても良いかな?』
『ああ、勿論だ』
『良いニャー』
『勿論良いですよ』
『私には初めての町を見るだけでも新鮮な気分になりますわ』
『ありがとう、じゃ本部で採れたフルーツでも持っていこうか』
『うん、良いと思うわ』
しばらく歩くと久しぶりに見る<陽だまり亭>が見えてきてラウラさんも居るようだ。
『お久しぶりですラウラさん』
『久しぶりねラウラさん』
『お~ 誰かと思えばクオンにミュウだね元気そうじゃないか、座っていきな何か飲み物でも出すよ』
『ありがとう、でも少し寄っただけだから以前お世話になったお礼にこれを持ってきたんですよ』
『あはは 子供が気を使ってんじゃないよ美味しそうなフルーツじゃないか貰っておくよ』
『ラウラさんもお元気そうで良かったです』
『あはは わたしゃーいつだって元気さね、次来るときはゆっくりしていきな歓迎するよ』
『んふふ ありがとう、また来るわね』
『ああ、フルパーティーになったみたいだけど十分気を付けるんだよ、もっといっぱい食べて大きくなんな』
『ラウラさんには敵わないな・・・でも身長はそんなに変わってないから仕方ないか』
『んふふ 大丈夫よクオン、た・ぶ・ん身長も伸びるわよ』
『ミュウも身長伸びてないだろ』
『私は女だから伸びなくても良いのよ』
『僕の前で身長の話はタブーですよ!!!』
『ニャハハ ロックはドワーフだから仕方ないニャー』
『クフフ 小さい方が可愛くて良いですわ♪』
『えへへ 可愛いって言って貰えるなら小さくても良いかな』
『も~ ロックって単純なんだから』
『ワシは可愛いなんて言って貰えんからな羨ましいぐらいだぞ』
『クフフ 小さいオーラは想像出来ませんわ』
『『『『『あははははは!』』』』』
後エルドラでの知り合いは冒険者ギルドのカリーナさんとリアムさんぐらいだけど、他の町へも行かないといけないので、またゆっくりと来ることにしよう。
本当に少しの間しか居なかったがガルドさんに挨拶をすませてエルドラの町を後にすることにした。
『よし、じゃ次はアラゴナの町へ行こうか』
『はい、僕も親方に会うのが楽しみです、僕<ゲート>やってみますね』
『ああ、任せた』
<ゲート>の開き方は<ダンジョンワープ>と同じ要領なのでロックも問題なく開く事が出来た、中へ入ってみるとアラゴナの近くにある人気のない河原だった。
『あ~ ここってロックを口説いた所だな懐かしいや』
『えへへ 僕にとっては生涯忘れる事が出来ない思い出の場所です』
『んふふ 私も懐かしいわ』
『よし、じゃ親方に会いに行こうかロック手土産はやっぱ鉱石が良いか?』
『はい、ミスリル鉱石を渡そうと思います』
『そりゃー 親方も喜ぶぞ、さあ行こうか』
俺達は一目散に親方の家の前に行くとロックがパタパタと中へ走って行く、今や稲妻のような動きが出来るロックだがこういう時の走り方は変わらないのがロックの良い所だ。
『親方ーーーー 親方ーーーーーーーー 親方ーーーーーーーーーーーーーーー』
『やかましいわ!誰だ昔の弟子みたいな呼び方する奴は』
『親方ーーー お久しぶりですロックです』
『おおお、ロックじゃねーか久しぶりだな、どうでぇー頑張ってるんだろうな?』
『はい、僕めちゃくちゃ頑張ってます、親方のお陰で毎日が楽しくて仕方ありません』
『がははははははははははは、そりゃー良い、どれ見せてみやがれワシが久しぶりに見てやる腑抜けた物出しやがったら蹴り飛ばすぞ!』
ロックが俺の方を見るので俺は黙って頷く、親方になら見せても良いだろう。
『はい、これが現在の僕が作った最高傑作ですジャイアントインパクトって言います』
『がはははは、また派手な物作りやがったな、しかも青色だと・・・・・なっ なんだとっ おいロック!こいつぁーひょっとしてアダマンタイトか?』
『流石親方もう分かったんですか』
『ば 馬鹿な幻の鉱石を加工したっていうのか?まさか、信じられん・・・だが間違いねえアダマンタイトだ』
『ロックおめえ、この短期間でこいつを加工出来るようになったのか、こいつは発見するのも至難だが加工に至っては更に困難な代物なんだぞ』
『勿論、僕1人では加工不可能な鉱石でしたがリーダーと仲間達のお陰で加工出来るようになりました』
『・・・そうか、あの坊主只者じゃねーとは思ったがロックの素質を見抜いたあの目は本物だったか』
『親方久しぶりですね、どうですか今のロックは?』
『がはははは、ああ褒めてやるよ材料が揃っていたとしてもワシには不可能な代物を見せられちゃな、おめーにロックを預けて大正解よ』
『んふふ もうロックは返さないわよ』
『がはははは、ああもっともっと鍛えてやってくれ。しかし、ロック頑張ったな』
『お 親方~~~~~ ウッ ウッ うわ~~~~~ん』
『泣くんじゃねー ロック世の中には、まだまだ貴重な鉱石や素材があるんだ慢心するんじゃねーぞ』
『は はい、僕これからも頑張ります、ありがとう親方』
『でっ 今日はどんな用事で来やがったんだ?』
『あはは 心配しなくても今日は寄っただけですよロック』
『は はい、親方これお土産です使ってください』
『おい、こりゃーミスリルインゴットじゃねーか、それになんて高純度な物を持ってきやがるんだ』
『それもロックとダンジョンで取って来たんですよ』
『しかし、こんな上物がこれだけあれば結構な値段になるぞ?』
『まだまだ、いっぱいあるんで使ってください親方』
『がはは、こんな上質のミスリルがまだまだあるのか、おめー達も強く成ったんだな分かったよ遠慮なく貰っておこう』
『今日は寄っただけだから、またゆっくり来るよ親方』
『親方、僕これからも頑張ります、また来ますね』
『ああ、おめー達ならいつでも歓迎するぞ、今度来るときが楽しみだわい がはははははは』
相変わらず豪儀な親方と久しぶりに話が出来て俺も気分が良いな、今度はゆっくりと来よう。
さて次はどこにするか話し合った所ムーアの生まれ育った村へ行く事になった。
『ニャー 何もない田舎ニャ本当に行くニャ?』
『嫌だったら別に良いぞムーア』
『嫌って事はないかニャ、口減らしに自分から出た村ニャ、久しぶりに帰ってみても良いニャー』
『そっか、なら任せた』
ムーアが<ゲート>を開くためにイメージをしている、久しぶりのせいか時間が掛かっているようだ。
『よし行くニャー<ゲート>!!!』
ムーアが作った<ゲート>を潜り周りを見てみると森の中のようだ。
<マップ>を確認してみると近くに小さな村がある。
『ムーア1つだけ聞きたいんだが村人は皆猫族なのか?』
『ニャハハ 聞かれると思ったニャ、猫族だけじゃないニャ獣人の村ニャー』
『よし、行こうかムーア』
『・・・クオン言っとくけど知らない人の耳とか勝手に触っちゃダメよ』
『あはは 何言ってるんだミュウ、ちゃんと断ってから触るさ当然だろ?』
『・・・・ニャー 少し心配になってきたニャー 』
ムーアの案内の元ムーアの村へ向かう楽しみだ、村の入口には1人だけ犬耳の青年が見張りをしていた。
『6人村へ入りたいニャ通して欲しいニャ』
『見た所冒険者のようだが、こんな田舎の村に何の用だ?』
『ニャハハ 大きくなったニャ、ハスキー』
『なっ 何故俺の名前を知っているんだ?ってお前まさかムーアか?』
『気付くのが遅いニャー』
『本当にムーアなのか?黙って居なくなりやがって久しぶりだな元気だったか?』
『お前の両親も元気だぞ、行ってやれよ』
『ありがとニャー あたいのパーティも入って良いニャ?』
『ああムーアのパーティだろ信用するさ、ムーアの様な弱い獣人を仲間にしてるぐらいだからな』
『弱いは余計ニャ』
ムーアの村の中に入ると本当に小さな村で木造の家も15件ほどあるだけだった。
『着いたニャ、ここがあたいの実家ニャ少し入りにくいけど覗いてみるニャ』
『ちょっと待てムーア、今お土産詰めるから・・・・・よし良いぞ』
『ありがとニャー 少し待っててニャ』
ムーアは自宅へ入っていき両親と話をしているが正直丸聞こえだ。
『久しぶりニャー 皆元気かニャ』
『む ムーアかバカ野郎勝手に出て行きやがって、お前も元気だったのか?』
『ムーアおかえり、ごめんなさい小さなお前にまで迷惑掛けちゃって、その装備は冒険者になったのね元気だった?今辛くない?』
『ニャハハ あたいは元気ニャ、毎日が楽しいニャー』
『そうか、そうか悪かったなムーアよく帰って来た、ゆっくり出来るのか?』
『今日は久しぶりに寄っただけニャ、これリーダーからお土産ニャ皆で食べてニャー』
『なんだ連れがいたのか狭い所だが入って貰いなさい』
『あたいの仲間ニャ、じゃ入って貰うニャ』
ムーアの誘いにより自宅の中にお邪魔する事にした。
『すみません行き成り押しかけちゃって俺はムーアとパーティを組んでいるクオンと言います』
『同じく私はミュウです、ムーアにはよく洋服を作って貰ってます』
『ワシはオーラだムーアには、色々とお世話になっている』
『私はライカです、私もムーアにはお世話になってます』
『僕はロックです、ムーアにはよく頬っぺた引っ張られてます』
『まあまあ、楽しそうな皆様ですねムーアは力も弱くて、ちゃんと生きて行けるか心配だったのですが良い仲間に巡り合えたのね良かったわ』
『ムーアはお世辞にも強いとは言えない子だったからな弱いムーアを仲間に入れてくれて、ありがとう感謝する』
『ニャー あれからあたいも頑張ったニャ、弱い弱い言い過ぎニャー 』
『フハハ 親御さん今のムーアは戦闘力で言ったら化物クラスだぞ』
『そうですよ、スピードだけならもうリーダーより速いんですよ』
『ムーア本当に良い仲間に巡り合えたんだな心配していたが安心したぞ』
『ニャー 少し過大評価だったけど信じてないニャー 』
『しかし、ここに来るとき森を抜けて来たんだろう、異常種に出会わなくて本当に良かった』
『異常種の魔物が出たニャ?』
『ああ、赤い大きなイノシシだ、あまりの大きさと強さの為討伐出来ずに今は森には入れないのだ』
『ニャハハ 置き土産に狩っといてあげるニャ』
『よせムーア、いくら強くなったとはいえ大きな異常種なんだぞお前ではとても勝てん』
『そーよムーア、村人が総出で向かったけど討伐出来ずに怪我人も出たのよ』
『丁度昼時だし焼肉にするニャ』
『じゃ僕はテーブルと焼肉用のコンロ用意しとくよ庭を借りても良いかな?』
『構わないニャ、ちょっと行ってくるニャー 』
『『『『『ガンバ~ 』』』』』
『さってとお昼だから果実水にしとくね、そういえばムーアの兄妹は居るのかな?』
『んっ ああ、2人居るが森の浅い所で採集に行ってくれている、それよりもムーアが突然消えたのだが?』
『ええ、その異常種ってのを倒しに行きましたよ』
『なっ なんですと!た 大変だ直ぐに助けに行かないと』
『フハハ 親御殿、心配は要らんよ今のムーアなら一撃だろう』
『あっ 倒したみたいです、もう直ぐ帰ってきますわ』
どうやら本当に異常種だったようだ<神の声>で<激運+8>が<激運+9>になった事を告げる。
『貴方達はあの魔物を見たことが無いから、そんなことが言えるのだ、あの魔物は・・・』
『ただいまニャー』
『『『『『おかえり~ 』』』』』
『本当に異常種だったニャ、レッドヒュージボアって名前だったニャー 通常種も10匹程いたのでついでに狩ってきたニャ』
『ニャ?どうしたんニャ?口がパクパクしてるニャ』
『ムーア心配したんだぞ異常種の魔物を倒しに行ったと聞いたが、どうやら間違いだったようだな』
『ムーア心配させないでね、貴女は弱いんだから無茶しちゃダメよ』
『何言ってるニャ?異常種ならもう狩ってきたニャ、ここは狭いからこっちに出すニャー』
ムーアは狩ってきてくれたレッドヒュージボアとヒュージボアを纏めて綺麗にした地面に並べていく、元々大きな種なのかヒュージボアでもカバぐらいのサイズがあり、レッドヒュージボアはゾウぐらいのサイズがある。
狭い村ならで大量の魔物を並べるとかなり目立つので村人もゾロゾロと集まって来た。
『お おい、あの魔物は討伐に失敗した異常種じゃないか?』
『ああ、あの恐ろしい大きさ間違いねえ、いったいどういう事だ?』
『な な なんだと?ムーアこの魔物をあの短時間で仕留めて来たと言うのか?』
『ニャハハ 今のあたいなら大した魔物でもないニャ』
『お お父さん、これ何の騒ぎニャ?』
『おお、無事帰ったか喜べムーアが帰って来たぞ』
『『えええっ ムーア姉ちゃんが』』
魔物を並べ終わったムーアにムーアとそっくりな猫耳の少年と少女が弾丸のように飛び込む。
『『ムーア姉ちゃ~~~~ん』』
『ニャハハ 久しぶりニャ元気だったかニャ?』
『ムーア姉ちゃん寂しかったニャーーーーー』
『勝手に居なくなるのは酷いニャ』
『ニャー ごめんニャー でも仕方なかったニャ』
『でも良いニャ、またこうして会えたニャ』
『ニャハハ 姉ちゃん魔物狩ってきたニャ、皆で食べるニャ』
『こ これってすっごく強そうニャ、ムーア姉ちゃん1人で狩ってきたニャ?』
『これぐらいの魔物なら余裕ニャ、姉ちゃん頑張って強くなったニャ』
『『ムーア姉ちゃん凄いニャー 強いニャー』』
ニャーニャー会話するムーアの兄妹に俺は癒されっぱなしだ!持って帰りたい!
『んふふ ムーアの兄妹可愛いわね』
『ああ、癒されっぱなしだよムーア俺達も紹介してくれよ』
『ごめんニャ、タタ、ノンこっちにいる5人が姉ちゃんの仲間ニャ、姉ちゃんよりずっと強いニャ』
『す 凄いニャー姉ちゃんより強いニャ、僕タタって言うニャ宜しくニャ』
『姉ちゃんがいつもお世話になってますニャ、私はノンって言いますニャ宜しくニャー』
『俺はクオンだ宜しく』
『ワシはオーラだ宜しくな』
『私はミュウよ宜しくね』
『僕はロックです宜しくです』
『私はライカですわ宜しくね』
『姉ちゃんの仲間って色んな種族が居るニャ凄いニャ』
『さて、お肉もいっぱいあるし良かったら村の皆も呼んで食べませんか?』
『しかし、未だに信じられん本当にムーアが狩ってきたのか』
『ニャハハ あたいも冒険者になって辛かったけどリーダーのお陰で強くなって今は最高に楽しいニャー』
『そうかクオンさんムーアの助け鍛えて頂き本当にありがとう村の皆にも声を掛けてくるよ』
『んっ クオンどうして血抜きした血を集めてるの?』
『ああ、ブラッドソーセージって奴を作ろうと思ってね皆も血と内臓を分けてこっちに持ってきて貰って良いかな』
『うむ、楽しみだな作る所が見れなくてマリンが悔しがるだろうな』
『クフフ でも血まで料理に使うなんて聞いたことがありませんわ』
『まあ、見ててよ一応異常種は美味しいから普通種のと分けて作るよ』
『血と内臓は<クリーン>を掛けて余計な物を落として内臓を細かく切りタマネギやニンニクと一緒に血に混ぜる繋ぎには小麦粉を入れて塩で味付けをして良く混ぜて腸の皮に入れていき、ある程度の長さで捩じって小分けにしてから低温で煮込む』
『腸が破裂しないように気を付けて煮込み終わったら干していく大量にあるから残った物は後で燻製にしよう』
『今食べるのは異常種の肉にして普通種の肉は干し肉にしようか油を丁寧に落として薄く切り塩と醤油後は香草も入れた調味液に漬けておいて後で風通しの良い所に干して置こう』
異常種の肉は綺麗に解体し皮も<クリーン>を掛けてから柔らかく鞣しておいた、もちろん俺特製の醤油を使った焼肉のタレを出して焼けた肉からタレで食べて貰う。
干してあったブラッドソーセージも一緒に焼いていき味見をしたところ、うん上手く出来た丁度良い塩加減で非常に美味しい肉も異常種の肉だけあってとても美味い、これなら自信を持って出せそうだ。
『よっし、出来たよ皆に食べて貰ってパンもこっちに出しておくよ昼だけどビールの木も出しちゃえ』
『ニャハハ 今日はお祝いニャー 皆いっぱい食べてニャー 』
『いただきます』×村人
『う 美味い、なんだこれは?このエールも氷で出来たジョッキのためか冷えているしめちゃくちゃ美味いぞ』
『ニャー このソーセージって言うの美味しいニャー 』
『このパンもめちゃくちゃ美味しいニャ、こんなの食べた事ないニャ』
『うはっ 肉も美味いが、このタレ何で出来てるんだめちゃくちゃ美味いぞ』
『しっかし、怪我人だらけね流石に獣人は逞しいわ皆食べ終わったら<ヒール>して上げるから集まってね』
『なっ <ヒール>まで使えるのか?それは非常に助かる、この異常種のために怪我人が続出してな』
『我々は獣人しか居ないので魔法が使えんのだよ』
『普通そうよねー ムーアが異常なだけで』
『ミュウ、誰が異常ニャ、あたいも魔法は苦手だったから頑張ったニャ』
『ムーアまさか魔法が使えるのか?』
『ニャハハ ミュウが魔法を教えてくれたニャ、あたいも<ヒール>が使えるようになったニャー』
『まあムーアったら冗談が過ぎますよ獣人は頑張っても魔法は使えないのよ』
『普通は使えないニャ、でもリーダーが使える用に鍛えてくれたニャ』
『あはは そうか良かったなムーア』
『ニャー 全然信じてないニャー分かったニャ怪我人並ぶニャー あたいが治すニャ』
怪我をしている村人達は温かい目をしながらムーアが言うように並んでいく、いくら強くなったとは言えまだ15歳のムーアを子供扱いするのは仕方ないだろう。
『見てるニャー <ハイヒール>!!!』
神癒魔法に進化した俺達の回復魔法は範囲効果があるので1回の<ハイヒール>でそこに居た怪我人達の傷が見る見るうちに治っていく、回復魔法が<ハイヒール>だったこともあり村人達は言葉も出ないほど驚いている、どうやら本当にムーアが魔法を使えるなんて信じていなかったようだ。
『どうニャ、もう痛くないニャ?』
『う 嘘だろ?痛くない・・・』
『お おい、本当に治ったぞ全く痛くねえ』
『ムーア貴女いったい・・・・・』
『だから言ったニャ、リーダーに鍛えられて今のあたいは魔法も使えるし強くなったニャ』
『いや俺から言わせて貰うとムーアは元々凄い才能があったんですよ、でも凄すぎたためか封印のような物が掛かっていて俺はそれを解除しただけですよ』
『あはは そうですよムーアは凄いんです王都でもムーアの名前を知らない人が居ないぐらいにね』
『内の娘がそんなに・・・ムーア弱かったお前が本当に頑張ったんだな』
『ニャハハ そうニャだからもう心配しなくても良いニャ、これからはたまに遊びにくるニャ』
『うわ、うわー それ本当ムーア姉ちゃん?』
『姉ちゃんは嘘付かないニャ、また来るニャー』
『ムーア余った肉は全部干し肉にしておいた、俺特製だから美味いぞ後はポーション類も大量に置いていくよ』
『ニャハハ 流石リーダーニャ、サービス満点ニャー 大好きニャ』
『も~ ムーアどさくさに紛れて何言ってるのよ、そろそろ行くわよ』
『父ちゃん、母ちゃん、タタ、ノンまた遊びにくるニャ、リーダーが色々なポーションくれたから役に立ててニャー』
『毒や病気のポーションまでムーアこんなに高価な物貰えんよ』
『ニャハハ あれから錬金術も頑張ってあたいも作れるようになったニャー いっぱい作ったから気にしなくて良いニャ』
『ムーアお前どれだけ頑張ったんだ!』
『いっぱいニャ、じゃまたニャー』
ムーアは皆に別れの挨拶をして村を後にした。
『あ~ ムーアの兄妹可愛かったな~~~ せめて撫でたかった・・・』
『ニャハハ あたいの耳で我慢するニャー リーダー色々とありがとニャ』
『あはは ムーアの故郷だからな、それに俺は獣人が好きだから高感度を上げて、いつかモフらせて貰うさ』
『確かにムーアの耳とか尻尾モフモフするの気持ち良いですよね』
『こらロック勝手に尻尾をモフるニャ』
『フハハ ワシにはカー坊が居るのでモフり放題だぞ』
『あたいもシロが居るニャー』
『んふふ 私もアドちゃんが居るもんね』
『あ~ 俺もテイム頑張ろうかな』
『僕も友達が欲しいです』
『確かに羨ましいわね・・・』
『ムームー!!!ミーミー!!!クークー♪』