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第137話 王都武術大会!2


久しぶりに会うアマゾネスの人達とサファイアの皆さんに話し込んでいると、そろそろ受付が終わり予選の組み合わせが発表されるみたいだ。



『出来れば予選はバラバラになれば良いんだけどね』


『やめてくれよ予選でサークルとやりたくないぞ』


『あら、モラン弱気じゃない?』


『バカ野郎サークルに勝てるわけないだろうが』


『うふふ また胸を貸して貰えますよ』


『あっ 発表されたみたいね』



俺達は予選の組み合わせを確認するため張り出された紙を見るとどうやら運よく予選は分かれたようだ。



『は~ 助かったぜ』


『あたい達の組みにドラゴンランスが居るニャー』


『お~ 早速強豪と当たったか運が良いな』


『うふふ 流石にクオン様ですね普通は喜びませんわ』


『あはは クラスタさん俺よりも仲間の方が喜んでいるかもね、またきっと取り合いジャンケンだよ』


『・・・・・ドラゴンランスに同情しますわ』×クラスタ・リッカ


『直ぐに始まるみたいだね、じゃ皆頑張ってね』



それぞれが予選の組みに別れ戦闘準備に入る、どうやら予選は全員同時に始めるらしい知り合いの試合が見れないのが残念だ。


会場に入ると領主様の近くにメイドさん達やエイトールさんが手を振ってくれている。


負けじと俺達も手を振り返し応援に応える。



『ほほ~ あれがサークルか本当に若いな15歳には見えぬ、どうだルカ実際に見た感じは?』×王女


『はい、魔力も平凡、覇気も感じられません同じ組にいるドラゴンランスには勝てないでしょう』×ルカ


『そうか、サークルも運が悪かったな・・・』×王女



どうやら、そろそろ始まるらしい大きい大会なので司会者がいるらしいアナウンスが流れる。



【会場の皆様お待たせ致しました。それでは只今より王都武術大会を開催致します!】



『おおおおおおおおおおおおおおおおおおお~~~~~~~~~~~~~~~~~』×観客



これだけ大勢の観客がいたら流石に迫力があるな。



【今回の大会には強者が多く集まっております観客の皆様どうぞお見逃しなく楽しみ下さいませ】


【それでは今大会の主催者であるベンガル王国第1王女であるユマ王女から開催の挨拶があります】


【うむ、今日は大勢の者が我が王都へ集まってくれた事に嬉しく思う、今大会の趣旨は常日頃から都民を魔物から救ってくれている冒険者達のより一層の励みとなるよう、また強者同士でその強さに磨きを掛けるため頑張って欲しいと思う】


【我が国が誇る回復要員も多数揃えておるゆえ存分に雌雄を決してくれ、優勝者には魔導書を用意した励みにすると良い、簡単であるが私からの挨拶は以上だ】



『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお~~~~~~~~~~~~~~~』×観客


『おお~ すげー今年は魔導書だってよ』


『こりゃ 頑張らねえとな売れば大金持ちだ!』


『んふふ クオン勝つわよ!!!』


『ニャハハ ミュウが本気になったニャ』


『クフフ ミュウには最高の人参ね』


『あはは、当然勝つ!さあ皆、俺の我がままで今まで実力を隠してきたが封印を解除する!王都にサークルの名を刻もう』


『『『『『おお~~~~~~!!!』』』』』



今日は多くの人目があるので既に武器防具は装備している全員統一されたアダマンタイトの武器は凄く目立つ。



『おい、サークルの武器なにか分かるか?』


『いや分からねえ、あの青い色がやけに目立つな』



【皆様いよいよ開催の時刻となりました用意は良いですか?僭越ながら私が開催の合図を行います、それでは始め~~~~】



『おおおおおおおお~~~~』×出場者



いよいよ武術大会の予選が始まった俺達は様子見で迎撃態勢を取る事にした厳正なるジャイケンの結果、ライカがサークルの前に立つ!



『サークルは様子見か?俺は「ドラゴンランス」のリーダーであるライザーだ』


『クフフ 確かに様子見ですが私がお相手致しますよ』


『名を聞こうか』


『失礼しました私は「サークル」のライカ、バラ・ライカですわ』


『しかし長物だな女の力で扱えるのか?』


『クフフ お試し下さい閃光と言われている貴方の槍楽しみですわ』


『そこまで知っているなら一手参ろう』



ライカは強者と言われているライザーを相手にしてもまだ構えを取らない、最初は受ける気だろう。


おそらくまだ手加減しているであろうライザーの槍がライカに向けて放たれるが流麗とも言えるライカの対捌きにより空を切る。



『ほほ~ 口だけではないようだな』


『クフフ 手加減なんて要りませんわ、さあ全力でどうぞ』



見た事もないようなライカの妖艶な微笑みに俺でさえゾクッとした、本当に嬉しそうだ。



『ふふふ、あはははは面白い、行くぞ!』



先ほどとは比べ物にならない程の速いライザーの突きが、飛んでもなく遠い距離からライカへ降り注ぐ。


それでもまるで実体がないかのように空を切るライカの体捌きに焦りが起こったのか更にスピードが上がる。



『おおおおおおお~~~~~』


『ボッ!シシシシシシシシシシシシシシシシシシシシシシッ!!!』


『むぅぅ あ 当たらぬ、何と言う見切りだ。まさか是ほどとは・・・』


『フーフー その若さで大した技術だ、サークルでも上位の者か?』


『クフフ 私はサークルの先兵ですわ強さで言えば6番目ですね』


『な なんと』


『さあ私からも行きますわ』



凄まじいライザーの突きを体捌きのみで凌いだ後ライカが初めて構えをとる、長身であるライカより長いライカの武器ファントムデスサイズを片手で持ち高々と掲げるその構えは対峙すると武器の先端が視野に入りきらないほどだ。


いつもは抑えている魔力が解放されファントムデスサイズが透けるような青い輝きを放ちながら半透明になる。


その姿はまるで彫刻のように見る物を惹き付ける。



『う 美しい・・・そしてなんだ?この背中を走る恐怖は』



彫刻のように佇んだ構えから遂にライカが攻撃に移る!上段から振り下ろされるライカのファントムデスサイズは前方にいるにも拘わらずライザーの後頭部から首を狩りに行く。


ライザーもまさか前方からの攻撃が後ろから来るとは思わなかったのだろう一瞬の躊躇を見せるが死角から放たれたライカの攻撃に対し素晴らしい反射神経でしゃがみ込んで躱すが、ライカ相手には悪手だ!


間髪入れず繰り出されるライカの追撃は一瞬で鎌部分が返り、掬い上げる様な攻撃は、まるで首狩りアッパーだ、しゃがみこんだ体制のライザーの首へ吸い込まれるようにファントムデスサイズが迫りくる、この攻撃にも槍で防御したライザーだがあっさりと槍は切断され寸前の所で攻撃が止まる。


ボタボタと落ちるライザーの汗は死を覚悟したのを容易に想像させる。



『ま 参った。早く首からこの鎌を外してくれ』


『クフフ 楽しかったですわ、是非またお願いしたいです』


『冗談じゃない・・・死んだかと思ったぞ』



ついでとばかりに残った敵に微笑みながらスタスタと歩みを始めると全員が手を上げて降参の合図を送る。


それを見て、つまらなそうな表情で踵を返し俺達の元へ戻って来た。


俺達6人は、ハイタッチして喜びを分かち合う。



『お疲れ圧勝だったな』


『恰好良かったですよ』


『ふむ、ライザーかワシも手合わせ願いたい程だったな』


『んふふ どお、速かった?』


『ムーアが規格外って事が良く分かったわ、ムーアと比べたら止まって見えるわ』


『ニャハハ スピードなら負けないニャー』


『しかし、結局予選はライカ1人で終わったな・・・』


『わ 私も1人と戦っただけですわ』


『あ~ 周りがライカを怖がってたからね~ 周りを怯えさせずに倒さないと』


『そんな器用な事出来ませんわ』


『『『『『あはははは』』』』』



       ◇     ◇     ◇


<王女視点>


『ルカどうでした?私には圧勝に見えましたが』


『申し訳ありませんユマ王女様、私の眼が節穴で御座いました』


『えっ どうしたのですルカそんなに汗を掻いて』


『はい、あのライカと言う少女が怖くて堪りません』


『貴女がそこまで言う程ですか・・・』


『はい、ザーラン氏がサークルは目立つ事を嫌い実力を隠してきたと言うのは本当でしょう』


『あの者達は魔力が平凡なのではなく、平凡に見えるように抑え込んでいたのです、しかも極めて自然に見えるほど普段から抑えているのでしょう』


『あの不思議な武器に魔力を流し込んだ時、膨大な魔力を感じました魔王かとも思えるほどに』


『そしてあの重そうな両手鎌を手足のように扱う様は、まさに死神!私ではどうあっても勝てないでしょう』


『そしてパーティ全員が同程度の実力を持っていると』


『はい、まず間違いなく』


『ふふふ オルサ公爵め上位に食い込むなどと言って居ったが優勝を攫いに来ていたか・・・』


『まあ良い、私も楽しみが増えたわ今大会が終わればサークルと話しをしたくなりました場を設けてくれますか』


『・・・ユマ王女様、あの者達は危険です私では守り切る自信がありません』


『あの者達の目的が私の命であれば、私はとっくに死んでおるだろう?』


『・・・はい、畏まりました』



       ◇     ◇     ◇


<ザーラン視点>


『ふふふ、何とも凄まじいではないか、あのライザーに圧勝とはな』


『はい、領主様どうやら少し実力を解放すると言っていたのは本当だったかと』


『本選が楽しみになったな、しかし王女に少しばかり嫌味を言われるかもしれんな』


『それは仕方ありませんな』


『あわわ 本当に圧勝でしたね全額サークルに賭けたからお金が凄い事に』×エイトール


『私達も全額御主人様にお掛けしましたわ』×アーチカ


『勿論私達も全額掛けました』×10人メイド


『あはは ミュウさんが言ってたように儲けましょうか』


『こんにちわ皆さん』


『ローニアお嬢様』


『うふふ アーチカ元気そうでなりよりだわ』


『お嬢様もサークルの闘いをご覧になりましたか?』


『ええ、素人の私が見ても圧勝でしたね流石はクオン様のパーティですわ』


『ローニア様も宜しければ此処で一緒に観戦しませんか?』


『エイトールさん、ありがとうございますお言葉に甘えますわ、お父様も色々と忙しそうですので』



       ◇     ◇     ◇



予選も終わり「サファイア」や「アマゾネス」も勝ち抜いたみたいだな。


これから本選の組み合わせになるようだクジ引き等もなく決まるらしいので大人しく待つことにする。


ちなみにライザーが使っていた閃光のような突きは<フラッシュ>と言うらしい当然習得済みだ、この大会で相手の技をどれだけ盗めるかも楽しみの1つになっていた。


この技を習得して一番有効に使えそうなのがオーラである、オーラの武器は槍と言うより薙刀なのだが突き技として役に立つだろう。


控室で休憩しているとリッカさん達とクラスタさん達も帰ってきて合流する。



『皆さん、本選出場おめでとうございます』


『『ありがとうございますクオンさん』』


『ところで此処で待っていると予選のときのように本選の組み合わせが張り出されるんですか?』


『いいえ、本選出場者は会場に呼び出され、そこで組み合わせ発表があるみたいですよ』


『なるほど、ありがとうリッカさん』


『やはりライザー率いる「ドラゴンランス」を倒されましたか、どうでした?』


『ああクラスタさん噂通りの強者だったよ、でも予選はライカが1人でやっちゃったから俺達は見てただけなんだよ』


『ええええっ 』×12人


『ひ 1人ですか?』


『あはは ライカがライザーを倒したら他の人が棄権しちゃったんだよ』


『そ そうですかロック様・・・流石にサークルのメンバーですね』


『・・・皆さん注目しすぎですわ』


『あはは ライカさん戦闘してるとき嬉しそうだから相手がビビったんだろうな俺には分かるような気がするよ』


『モラン失礼ですよ』


『良いですわ、確かにライザーとの戦闘は楽しかったですし』



予選を勝ち抜いた喜びを皆で分かち合いながら話をしていると本選出場者は会場に集まるようアナウンスが流れる、いよいよ本選の組み合わせ発表が始まるようだ。


俺達は皆で会場に出ると16チームが同じ場所で顔を会わせる、これから雌雄を決する事になるのか。



【皆さまお待たせ致しました予選を勝ち抜いた出場者の皆様おめでとうございます、これより本選の組み合わせを発表致します、皆様上空をご覧ください】



上空を見ると魔法なのか魔道具の効果なのかは分からないが本選の組み合わせが映し出されていた。



『おおおおお~~~~~~~~~』×会場歓声


『おい、見ろよ強者がえらい固まっているぞ』


『本当だな、こりゃー強者達の潰し合いが面白そうだ、賭け屋が喜んでるんじゃねーか?』


『あはは 俺達も楽しめそうだ今年は誰が優勝するのか楽しみだ』


『圧倒的に有利なのは強者チームの中でもやはり「サジタリウス」だろう』


『ああ、なんてったってSランクだからな組み合わせも良い方だ』



観客がザワザワしている中、俺達もトーナメント表を確認する。


俺達は1試合目みたいだ相手はAランクパーティ「オーガハンド」か!



『フハハ どうやらワシ等の運は良かったみたいだな』


『クフフ 確かに良いですわね♪』


『も~ 喜びすぎよ、でも幾ら何でも固まりすぎじゃない?』


『ニャハハ 見るニャ大会運営本部の近くで、あのクズ貴族がニヤニヤしてるニャ』


『あ~ なるほど僕達への妨害だったんですね』


『あはは どうやらあのクズ貴族に感謝しないとだな』


『んふふ そうね順当に勝ち進めば初戦で「オーガハンド」2回戦で「巨人の盾」3回戦で「神獣の使途」決勝戦では「サジタリウス」「サファイア」「アマゾネス」の三つ巴を勝ち抜いた所かしら』


『あら、「サジタリウス」は私達「サファイア」が止めてみせますわ』


『ふふふ、どちらが勝ちあがっても決勝戦では私達「アマゾネス」が立ちますわ』


『私達は「アマゾネス」も退けて「サークル」と対戦してみせます』


『あはは 俺達が決勝戦に出るのを信じてくれるのは嬉しいよ、では先に決勝を決めて待っているので、どちらになるかは分からないけど存分にやろうか』


『『楽しみにしてますわ』』



俺達は第1試合なので、もうすぐ始まるらしい「サファイア」「アマゾネス」に一旦別れを告げお互いを励ます様にハイタッチをして別れる。


第1試合の場所へ移ると既にAランクパーティ「オーガハンド」を率いる千手撃の二つ名を持つ鬼人の「キカク」が此方を見ていた。


流石に強者との噂が高い者達で風格が感じられる、だがそれだけに皆は楽しそうだ。


基本戦闘はパーティ同士の戦闘になるのだがお互いの話し合いにより個人戦も出来るそうだ、俺達はまず戦いの挨拶をすることになる。


舞台には何本か黒い柱がありダマスカス鋼で出来ているらしい、魔導士と戦士戦もあるため如何に地形を生かして戦えるかもカギになるようだ。



『ほほ~ 本当に若いな盗賊を手土産に王都へ来たんだってな、生憎予選は見れなかったが本選まで来たのだ実力は本物だろう』


『俺はパーティ「オーガハンド」のリーダー「キカク」だ宜しくな』


『盗賊はたまたま襲われたのでね、何故か俺達はよく襲われるんですよ?』


『フハハ その容貌では仕方あるまい』


『俺はパーティ「サークル」のリーダー「クオン」と言います宜しくお願いします』


『提案なんだがパーティ戦なら勝負が早い、そこで個人戦を希望したいのだがどうだ?』


『ええ、俺達は構いませんよ』


『フハハ 即答かでは良い試合をしよう』


『はい、宜しくお願いします』



俺はキカクとの話し合いの結果、個人戦に決まった事を皆に告げ予め決めていた順番で試合に臨むことになる。


試合開始にあたり司会者から簡単な説明が入る。



【それでは是より王都武術大会の本選を開催させて頂きます、まず第1試合は何と優勝候補に名を綱れる「オーガハンド」が早速出てきました、圧倒的な攻撃力を持つリーダーキカク選手の爆撃が本日も炸裂するのか】


【対するは本選初出場の「サークル」です、此方が掴んだ情報によりますと、王都へ来る際盗賊達136人を倒し殺さずに連行したパーティです、この場をお借りして私からもお礼を言います、ありがとう】



『お おい、彼奴らだってよ』


『ひゃー しかし全員めちゃくちゃ若いぞ俺には子供に見えるのだが』



【おおっと、私とした事が大事な事を言い忘れました、何とこの「サークル」全員が15歳と言う今年冒険者になったばかりの新人パーティです、しかも現在はAランクに上り詰めている大型ルーキーです】



『マジか嘘だろ?どうやったら15歳でAランクになれるんだよ、普通Cランクになるにも何年か掛かるのによ』


『こりゃー不正か?大方腕の良い用心棒に手伝って貰ったんだろうよ』


『ぎゃはは、それで勘違いして武術大会に出てきたのか笑えるな』


『ああ、きっと「オーガハンド」に当たって半ベソかいてるぜ』


『各リーダーの話し合いにより個人戦に決まったそうです、それでは最初の出場者舞台へお進み下さい』


『・・・・ねー 何だかめちゃくちゃ言われてるわね』


『ニャハハ どうせ直ぐに分かるニャー』


『あはは じゃ行ってくるよ』



そう先鋒は俺だ!っと言ってもジャイケンで決まったんだが俺は皆とハイタッチを交わし舞台へ上がる。



【おおっと「サークル」の先鋒はリーダーのクオン選手が出て参りました、私が入手した情報では仲間内では「無限」の異名を持つ男です、一体どういう意味で付いたのか試合を見守りましょう】



舞台に出ると審判から簡単なルールの説明があり試合を開始する事になる。



『おい、お前内のリーダーから逃げたのか?』


『あはは まさか皆キカクさんと戦いたがったのでジャンケンと言っても分からないか、クジ引きの様なもので決めたのですよ、もちろん俺が負けたんで先鋒になりました』


『・・・本気で言ってるのか?』


『そうですよ?キカクさんには内のオーラが戦う事になりました』


『新人が舐めやがって、行くぞ』



程なく審判からの開始の合図が掛かり戦闘が始まる、俺の言葉に機嫌を損なったのか怒りの形相で斬りかかってくるが、どうやら大して強くはなさそうだ普段は失礼かなと思い<鑑定>は使わないのだが試合と言う事もありしっかりと<鑑定>することにした。


俺は体を少しずらし攻撃を躱してから相手の胸に手の平を当て<寸勁>を叩き込む。



【さあ、いよいよスタートしました、どういった戦いになるか・・・えっ ダウンダウンです、何があったのでしょう、ああっと審判がクオン選手の手を上げた、どうやら相手は気絶しているようです今担架が運ばれて来ました】


【何があったのでしょう早々と初戦が終わったようです】



俺は自陣に戻り皆とハイタッチをして席へ座る。



『も~ クオン手を抜きすぎじゃない?』


『う~ん、あの相手じゃねキカクさん以外は大した事なさそうだよ』


『それより、あの異名たぶんエイトールさんだな、どうやって聞いたのか・・・』


『ニャハハ まさか「無限」が料理レシピだとは誰も思わないニャ』


『『『『『あはははは』』』』』


『さてと私もさっさと終わらせて来るわ』



ジャイケンの順番なんだが次はライカが舞台へ上がる。



【早々に2回戦が始まる事になりました「サークル」からはライカ選手、何とこのライカ選手予選を1人で勝ち抜いた実力者!仲間内では「死神」の異名を持つそうです】


【対するはリーダーのキカク選手が目立ちますが、こちらもシッカリとした実力者です】



『チッ 俺は名前も呼んで貰えねーのかよ』


『クフフ 強くなれば皆覚えてくれますわ』


『内はカイトが強すぎるんで目立たないんだよな・・・しかし「死神」ってべっぴんさんなんだな』


『クフフ 褒めても手加減は出来ませんわ』


『見た所両刃のデスサイズか・・・そんな得物を持ってれば「死神」って名が付くのも分かるがな』


『しかし、女の細腕で扱えるのか?』


『・・・褒めて貰った事ですし少しサービスしますわ』



ライカは審判からの説明が終わり試合が始まった直後に長物であるファントムデスサイズで素振りをしだす。


大きな両手鎌がまるでヌンチャクでも見てるかのようにライカの体から離れないような素振りは、まるで手足の如く自由自在だ。



『うおおおお す すげえ、あの重そうな両手鎌を小枝のように振ってやがる、ありゃー見かけと違って強いぞ』


『・・・十分分かった、化物だな』


『クフフ べっぴんさんより嬉しいですわ♪』



素振りを終えたライカと対戦者が対峙し、お互いの隙を伺いながら動かない。



【さあ、2試合目も始まりましたライカ選手の素晴らしい素振りのパフォーマンスから一転、隙を伺っているのでしょう、どちらが先に動くか】


【えっ 一瞬、ほんの一瞬です!いつのまにかライカ選手の両手鎌の先端が対戦者の鼻先で止まっています】


『な なんだと!!!』


『クフフ まだやりますか?』


『いや、参った降参だ』



【おおっと、手を上げたどうやら降参したようです勝者はライカ選手、しかし素晴らしいスピードでした】



ライカの対戦者は流石に高ランクらしく実力の見極めが早い、ライカには勝てないと悟ったのだろう自陣へと帰っていく。



『皆すまん、ありゃー 俺では勝てねえわ』


『・・・気にするな。しかし、化物か?』


『ああ、化物だ・・・一瞬ほんの一瞬だけ実力を解放しやがった、全身の毛穴が開いたぜ未だに汗が止まらねえ』


『どうやら新人だの15歳だの忘れた方が良さそうだな』


『ああ、キカク勝てるか?』


『分からんが全力でやるさ』


『どうやったら、あんな化物が生まれるのか次は俺だな行ってくる』


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