第134話 厄介事と料理人
『おはようございます、少しお聞きしたいのですが宜しいですか?』
『おはようございます「サークル」の皆様ですか?』
『えっ どこかでお会いしましたか?』
『フフフ まさか本当に「サークル」の皆様でしたか』
『これをお渡しすれば信じて貰えますか?』
俺は、昨日盗賊の報奨金の引換証を受付嬢さんの前に置いた。
『確かに間違いなさそうですね、しかし136人もの盗賊を殺さずに殲滅した強者が少年と聞いたときには他の者が強いのかと思いましたが・・・』
『どうやら貴方だけではなくパーティメンバーも全員若いみたいですね』
『フハハ どうやら今日は保護者と言われなくてすみそうだな』
『あはは オーラも気にしていたのか?』
『んふふ 二人共良かったわね♪』
『・・・まあ、若干若く見えるかもしれませんが俺達は全員15歳ですよ』
鬼人の受付嬢さんは俺の実力を測るかのようにジッと俺を見つめているので俺は照れ隠しもありニコニコと笑顔で対応することにした、俺から目を離しパーティメンバーも見て、ようやく話始める。
『どうやら本当に全員15歳みたいですね高価そうで傷1つない装備と良い、余り戦闘経験もないように見えるのに不思議なパーティですね』
『そうですか?普通の新人パーティですよ』
『今他の者が報奨金を取りに行っておりますので、しばらくお待ちくださいね』
『はい、お手数お掛けします』
『ところで昨日捉えられた盗賊達が震えながら鬼の様に強いメイドにやられたと口々に言っているのですが、どういう事でしょう?』
『さあ?確かに同行者にメイドさんも居ましたがね』
『・・・お待たせ致しました報奨金の金貨1360枚と賞金の金貨1500枚、併せて2860枚となりますお確かめ下さい』
『確かに昨日お聞きしたとおりの金額ですね、確認させて頂きます』
『おいおい、マジか?どうやったらこんなガキ共に、あんな凶悪な盗賊達が殲滅されるんだよ、どう考えてもおかしいだろが』
『おいガキ共、誰が盗賊達を倒したんだ?』
『すみません受付嬢さん、絡まれてしまったのですが助けて貰えませんか?』
鬼人の受付嬢は少しでも俺達の事を探りたかったのか静観していたので俺は業と助けを求めてみた。
『すみませんが「サークル」の御方達は正式な引換証をお持ち願いました。当ギルドについては何も問題は御座いません、それでも何か言いたいのでしたらギルドマスターへお伝え致しますが?』
『おそらくギルドマスターへ伝えた瞬間に貴方達のギルドカードは抹消になるかと存じますが?』
『チッ 分かったよ何でもねーよ』
『助けて頂いてありがとうございました』
『いえ仕事ですのでお気にせず』
『報奨金の確認は取れましたので、これで失礼致しますね』
『あっ すみません、もう1つ用件があるのですが宜しいですか?』
『う~ん、余り良い予感がしないのですが?』
『フフフ そうでもないかもしれませんよ?』
『一応聞きますよ』
『すみません実は盗賊の戦利品の中から買い取りたい品物があると言う方がおられまして』
『・・・相手は貴族だったりしますか?』
『感が良いですね、伯爵家の御方です』
『どこがそうでもないんですか?』
『お高く買い取って頂けるとか?』
『あはは 貴方のお名前聞いてませんでしたね?』
『失礼致しました私は「クレア」と申します以後お見知りおきを』
『俺はパーティ「サークル」のリーダーをしているクオンと言います、俺達への窓口は商業都市<エンゲルラント>の領主様でオルサ・グラン・ヘクター公爵になっているので、そちらに尋ねて貰えますか?』
『やはり貴族様でしたか』
『俺達は皆平民ですよ、では失礼します』
先ほど絡んできた冒険者が此方を睨んでいるが、俺はクレアさんにそれだけを言い残しギルドを後にする。
◇ ◇ ◇
<クレア視点>
パーティ「サークル」か・・・どう見ても強そうには見えなかったわね、素材が分からないような装備と良い、攻撃を受けた事がないと思われるほど傷もなかった、お金持ちの坊ちゃんってとこかな。
魔力を抑えてるようにも見えなかった、パーティ全員が並み程度の魔力を自然に出していたし、どう考えても貴族の冷やかしパーティみたいだわ。
となると、盗賊を殲滅したのはメイドの様な強者って事になるわねベクター様の護衛って事かしら?それなら納得出来るし「サークル」はオコボレに名声を貰っただけか、もしそうなら可愛い顔してるのにセコイ子達ね。
冒険者に絡めれた時も上手く躱されちゃったし、でも強くもないのに王都の武術大会に出て恥を掻くだけじゃないのかしら、まさか八百長しくんでるとか?
まっ いっか、会うまでは興味あったけど、弱いならどうでも良いか。
◇ ◇ ◇
『ねーねー クオンって絶対絡まれるわよね?』
『フハハ まあ一種の才能だな』
『要らない、そんな才能・・・』
『しかし、本当にめんどくさそうな話でしたね』
『ニャハハ 悪い予感しかしないニャー』
『まあ、良い事はなさそうですわね』
『ムーア俺が絡まれた時ヤバかっただろ?』
『ニャハハ 殺そうかと思ったニャ』
『おいおい、短気すぎるだろ?』
『逆の立場ならクオンが怒ってた筈ニャー』
『んふふ クオンの負けね私も怒るとこだったしね』
『まー 確かにね、しかしクレアさんだっけ?値踏みが激しかったな~』
『あはは どうせ僕達の事を金持ちのボンボンと思ってるんじゃないですか?』
『フハハ そんなところだろうな、帰り際には落胆してたしな』
『クフフ 今の私達の実力を測る事は出来ませんわ自然に見えるように訓練しましたもの』
『うん、そこら辺は皆<自然回帰>も魔力コントロールも上手くなったね』
『ところでエイトールさんはギルドマスターの所在は掴めたのかな?』
『はい、その事なんですが一度ギルドマスターと合流して貰っても良いですか?』
『うん良いよ、さっきの事も伝えておきたしね』
『ありがとうございます、では向かいますね』
ギルドマスターは領主様の護衛を兼ねて来ているので王族指定の宿屋に泊っているそうだ。
少し距離はあるが、大会当日まで会わない訳にもいかないので、ついでに大会の場所とかも聞いておこう。
辺りを見学しながらトコトコ歩いている内に着いたらしいので宿屋の受付に頼み呼び出して貰う筈が部屋まで行く事になる。
『来て貰って悪いな、早かったじゃねーか』
『はい、すんなり来れたので早かったですね』
『盗賊をあれだけ倒しても、すんなりなのか?』
『あれ、耳が早いですね』
『ベクター様の名前が出て、盗賊100人以上だぞ!お前達しかいねーじゃねーか』
『あはは 正解です!それでちょっと相談なんですが』
『・・・悪い予感しかしねーんだが?』
『あはは ギルドマスター今日はやけに感が冴えてますね』
『頭が痛くなってきた・・・でっ 何があったんだ?』
『実は盗賊の戦利品を買い取りたいという貴族がいるそうで領主様に丸投げしてきました』
『はぁ~ 早速厄介事か・・・』
『あはは 構わんよ』
『あっ 領主様おはようございます』
『うむ、無事に着いて安心したよ、もっとも大丈夫だとは思っていたがお土産付きで到着したそうだね』
『・・・すみませんでした』
『フハハ 構わんよ逆に道中に掃除してきたと言えば恩も売れる事になる』
『あはは 流石ですね』
『先ほど聞こえた戦利品の買い取りの件も私が聞いておくよ』
『ありがとうございます』
『只、話の流れで売る事になるかもしれんが構わんかね?』
『はい、特別欲しい物もなかったので結構です、貴族なんだし安く買い叩く事もないでしょうし』
『では、いつでも連絡が付けれる様にしておいてくれ大会までは好きにしてくれていて良い』
『ありがとうございます、それでは失礼します』
懸念していた厄介事も驚くほど簡単に終わり、必要な情報も全て聞いたので俺達が泊まっている宿屋を伝え失礼することにした。
用事も済んだので皆で王都観光をすることになりブラブラと歩き出すことにした。
流石に所が変われば品変わると言うか色々な店があり屋台で美味しそうな物を見つけ皆で味見になった。
屋台では焼き鳥・オーク肉の串焼き・クレープの様な生地に何かを挟んでいるような食べ物が売っており見た事がないクレープを食べて見る事にした。
『あっ 美味しいわこれ、甘辛いタレが食欲をそそるわ』
『うん、何の肉か分からないけど確かに良いね』
『ニャハハ 色々売っていて面白いニャ』
『モグモグ モググモグ!』
『ロック何言ってるか分からぬぞ』
『クフフ 美味しいですわ♪』
それからも色々な屋台で食べ歩き昼食が要らなくぐらいお腹一杯になった。
たまたま洋服店と武器防具店が近くにあったので女性陣が洋服店に男性陣が武器屋に見に行く事になった、ムーアとロックが嬉しそうだ。
俺達はロックが武器防具を作ってくれるので店には余り行かないのだが流石王都だけあり品揃えが多く見ていても面白かった。
『うわ~ いっぱいありますね~ 僕にはとても参考になります』
『あはは ロック嬉しそうだな』
『しかし、こうして武器屋を見るとロックの武器が最高だと改めて実感するな』
『確かに、正に俺達専用武器だしね』
『えへへ 僕を褒めても何も出ませんよ♪』
『でも久しぶりに武器屋に来ましたけど結構良い値段しますね』
『そうだね、やっぱり付与効果の付いている武器防具が特に高い』
『ふむ、ロックが作った物なら一体いくらになるのやら』
『そんなに褒められまくると照れますね、でも良い物もありますよ、とても参考になります』
『なるほど、それなら来て良かったな』
女性陣も洋服店から出てきて合流するとムーアも褒めちぎられていた。
『デザインは色々あるんだけど、やっぱりムーアの洋服が一番だわ』
『そうですね質感が全然違いますわ』
『ニャハハ 照れるニャー』
『あはは こっちはロックの武器防具が一番だって言ってたところだよ』
『んふふ 私達は良い仲間を以って幸せね』
『『も~ 照れますって(ニャ)』』
『『『『あはは!!』』』
『皆さんの洋服や武器防具って手作りだったんですね驚きですわ』
『そっかエイトールさんは知らないよね、そういえば俺達って手作りばかりだよな』
『うむ、馬車も本部もそうだしな』
『えっ 本部ってまさか、あのお城手作りなんですか?』
『んっ ああ皆で頑張って作ったんだよ』
『ニャハハ あれは楽しかったニャー』
『・・・・・・・・あ あれが手作り・・・やっぱりサークルって規格外すぎです』
『ある意味、貧乏性なのかも・・・』
『あっ あれってメイドさん達じゃないかしら?』
『本当だアーチカさんだわ』
『なんか誰かに絡まれてないか?』
『フハハ どうやらクオンだけではなかったようだな』
『冗談言ってないで行くわよ』
見かけたとおりアーチカさんとメイドさん達が<エンゲルラント>で買った洋服に身を包み、まるでどこかのお嬢様達かのように見える。
どうやら男性に絡まれているようだ、キチンと整えられた洋服から察するにどこかの貴族だろう年齢は30歳ぐらいか?全く強さは感じないなプライドだけは高そうな顔立ちだ、アーチカさんやメイドさん達はスタイルも良く皆美人なのでナンパされたのかな。
『アーチカさん、どうしたの?』
『あっ クオン様、私達は買物を楽しんでいたのですが、ここの貴族様にお誘いを受けまして・・・』
『なるほど・・・』
『おい、何だお前達は?』
『俺はこの方達の連れでパーティ「サークル」のリーダーをしているクオンと言います』
俺が貴族の男性に名乗ると執事のような男が出てきて吐き捨てるように喋り出す。
『冒険者風情が不敬ですぞ、このお方はメルダ・ゲランク伯爵です!この王都で上位の権力者に気軽に話しかける物では御座いません』
『・・・それはすみませんね、それで俺の連れに何か用事ですか?』
『なっ 無礼者が礼節も知らん田舎者か?私の主がこの女性達を気に入り食事に招待しておるのだ分かったら下がっておらんか』
『あ~ 待て待て、今確かパーティ「サークル」と言ったな、お前達が盗賊を倒した者達か?』
今度は横柄な執事の後ろに居た貴族が話しかけてくる。
『確かに王都に来る前に盗賊は倒しましたが、それが何か?』
『ふん本当に喋り方を知らん田舎者のようだな、お前達盗賊達の戦利品を持っているだろう?その中には私の所有物がある筈だ、盗賊達から盗って来た物を全て見せて見ろ』
『盗賊の所有物は倒したものに所有権があるのを御存知ないのですか?盗んできた見たいに言わないで下さい』
『ふん、少しは見れる容姿かと思えば中身は田舎者のじゃじゃ馬か』
『なっ 』
『ミュウ俺が話すよ』
『・・・分かったわ』
『それで盗賊の戦利品を売って欲しいって事ですか?』
『おい、お前耳がないのか?私の所有物だと言っているだろう早く全部出して消え失せろ』
『あはは なるほど、つまり貴方は俺達が盗賊達から盗んできた物を盗みたい訳ですね?そして嫌がる女性達も無理やり拉致したいと?』
『貴様!いい加減にしろ誰にモノを言って居る』
執事が怒声をあげると伯爵に着いていた護衛達が前に出てきて執事の横へ並び出した、どうやら戦闘になりそうだが少し騒いだため見物人も大勢いる、倒すのは造作もないが少し不味いかな。
『待て、どうやら田舎者の上まだ子供のようだ世の中が分かってないのであろう、ベクターの護衛か何かは知らんが武術大会に出るそうではないか、そこで少しは世の中が分かるだろう?』
『ははっ 流石に御主人様、御心の広さに感服致します』
『小僧、自分達がいかに矮小な者か理解出来たら私の所まで謝りに来い、流石に只では許さんが命は助けてやろう』
メルダ・ゲランク伯爵は言いたい事を言い終わったのか護衛達を引き連れて帰っていく。
『す すみませんクオン様』
『御主人様申し訳ありません』×10人
『んっ どうしたの?』
『えっ あの私達のせいで貴族に目を付けられてしまったので・・・』
『あはは そんな事か良い暇つぶしになると良いね』
『ねーねー クオン、次はじゃじゃ馬が相手するわ』
『ニャハハ ミュウが怒ってるニャー相手に同情するニャー』
『クフフ ミュウ手伝いますわ♪』
『あはは 早速今日来ますかね?僕も楽しみです♪』
『ワシはあの護衛達の相手をしようかの』
『今度のお仕置きは、どうしよっかな考えておくよ』
私はクオン様にご迷惑をお掛けした事に本当にどうしようかと心苦しく悲壮感に包まれていたら、クオン様達は非常に楽しそうにしている・・・この時はまだ私アーチカはクオン様達の海の様に広い優しさは十分に理解していたが数あるダンジョンを苦も無く踏破する圧倒的な実力と恐ろしさは理解していなかった。
『ところでアーチカさん達はどこへ行くとこだったのかな?』
『あっ 私達は洋服店に行くとこで絡まれたので』
『あ~ そこなら俺達も行って来たよ』
『ええ、種類がいっぱいあって面白かったわよ』
『うわ~ 良いですね、それじゃー少し見てきますね』
『あっ そーだ次からは誰かに絡まれたら直ぐに<クラントーク>で教えてね直ぐに向かうから』
『あっ そうでした次からは直ぐに連絡を入れさせて頂きます、すみませんでした』
俺達は洋服店と武器防具屋は先ほど言ったので次は雑貨店に行き珍しい物がないか皆で楽しく見ていた。
せっかく大人数で行動しているので美味しい料理店がないか皆で情報を集める事にした、まあ宿屋で食事したくなかっただけなのだが。
雑貨店には数々の属性魔石やマジックアイテムがあり非常に楽しめた、おそらく錬金術用と思われる魔物素材が多量にあり薬品関係も充実していた。
店員さんから素材の組み合わせで出来る薬品を少し教えて貰え俺にとっても有益な時間になった、お礼代わりに各種薬草を購入しておいた。
変わった物では虫除けポーションとかも出来るらしい、勿論使ったら便利そうな魔物除けポーションや魔物が好むポーションまで作れるらしい。
色んな事を教えてくれた雑貨店の定員さんに美味しい料理店も聞いて見る事にした。
『う~ん、そうだな最近出来たばかりなんだけど1人で経営している食堂があるんだけど味は保証するよ』
『面白そうですね、どんな料理なんですか?』
『種類の事なら決まってないんだよ日替わり定食って感じだね1人でやってるみたいだから仕方ないけど美味しいんだよこれが』
『良い情報ですね、ありがとうございます』
俺は日本で生活していた頃は殆ど山奥だったので料理店に行く事はなかったのだが、買い出しの為に町へ行った時には必ず小さなラーメン屋に行くのが楽しみだった事を思い出す、何故か小さい店の料理は美味しい物が多い。
俺はかなり興味が湧いて皆に相談してみると皆も同じ店を紹介して貰ってたみたいだ。
全員一致で今日の夕食は決まったようだ、小さい店だが人気店らしく混むそうなので俺達も早めに行く事にした。
雑貨店の定員さんに聞いた場所に来てみると話のとおり小さな飲食店がある、どうやらあそこのようだ。
まだ少し夕食には早いのか他の客は居ないようだ、チャンスとばかりに俺達は店に入るとテーブルとカウンターがあり10人ほど客が入るといっぱいに成りそうな店だった。
店の奥の方に料理人がいて見てみると驚いた事に若い女性だった年齢は25歳ぐらいかな髪は肩へ届かないほど短めで色はブラウンかな?顔が小さくタレ目系の美人さんだ、料理に邪魔になりそうな双丘に縊れた腰本当に異世界には美人しかいないのかなと思うな。
俺達が入って来たのに気付くと元気よく挨拶してくれる。
『いらっしゃーい、お客さん初めてだね何人かな?』
『えっと、俺達は6人です』
『はは~ん、お客さん若いけど武術大会に出場しに来たのかな?』
『あはは 良く分かりましたね見学かもしれないのに』
『でも本当に見学にした方が良いかもよ?今年の武術大会はかなりの強者が集まっているって評判なんだから』
『王都に来るときに盗賊を100人以上捕まえて来た冒険者もいるそうよ君達はまだ若そうだし強く成ってから出場した方が安全よ』
『んふふ、御忠告ありがとね、でも私達も結構強いのよ?』
『ふ~ん、自信あるんだ?分かったわ私も君達を応援しちゃおー』
『あはは ありがとうございます頑張っちゃいますよ』
『うわ~ 君も可愛いわねドワーフみたいだけど小さくても力が強そうね』
『んふふ 君もだってクオン』
『ニヒヒ そうね君も可愛い顔してるわ、ちょっとサービスしちゃおうかな』
『可愛いより恰好良いの方が嬉しいんだが』
『そこの背の高い子も可愛いわよ不器用そうだけど』
『むっ ワシもか?参ったな初めてそんな事言われたぞ』
『女の子も可愛いし巨乳だしきっとリーダーの趣味ね』
『ニャハハ 当たりニャ』
『こらこら、ムーア激しい誤解だ』
『あはは 仲が良いパーティね、ささ座って座って料理は1種類しかないんだけど自信作よ期待してね』
『クフフ 内のリーダーは美味しい物と巨乳が好きなので喜びますわ』
『やっぱりね♪』
『ラ・イ・カ覚悟は出来ているのか?』
『ウエルカム♪』
ライカは両手を広げてウインクをしてくる美人がこんな仕草をするのは反則だ・・・
『・・・・そう言われたら何も出来ないじゃないか狡いぞ』
『『『『『あはは(ニャハハ)!!!』』』』』
『ところでお姉さん、どうして1人でやってるのかな?』
『あはは お姉さんか良いわね♪私はマリンって言うのよ、私は色んな町で料理の修行をしてきたんだけど、そろそろ店を持ちたくなってね』
『どこに店を出すか考えたんだけど、やっぱり近くにダンジョンがある町が良い素材が入ってくるのよ、それで此処に店を構えたんだけど王都の近くにあるダンジョンは上級ダンジョンだからどうしても素材が高くなって高級料理店じゃないと捌けないのよ』
『だから近くの<エンゲルラント>って町で本格的に店を出そうと思ってるんだけど今はその資金稼ぎね』
『へええ~ 俺達は<エンゲルラント>に住んでるんですよ』
『あらっ そうなの?それならいつか行くと思うから宜しくね♪』
『さっ 出来たわ私の自信作よ♪大盛りにしといたわ』
『『『『『『おお~ ありがとう!!!』』』』』』
『御代わりもあるわ、いっぱい食べてね』
マリンさんが出してくれた料理は焼き魚・肉入り野菜炒め・オークの角煮のような料理だった、昨日食べた高級宿屋の料理とは違い熱々で食べれるのが嬉しい。
『さ 魚ニャー嬉しいニャーー』
『喜んでくれると思ったわ猫族はお魚大好きだもんね』
『『『『『『いただきまーす』』』』』』
『パクッ モグモグモグ・・・・』
『『『『『『う 美味い!!!!!』』』』』
『うわ~ 美味しい、まさかクオンの料理以外でこんなに美味しい料理が食べれるとは思わなかったわ』
『うむ、美味いな』
『ニャーーー 美味しい魚ニャー』
『あら、本当に美味しいわ、熱々なのが嬉しいわね』
『モグモグモグ、モググ』
『ああ、驚いたなこの魚、淡水魚なのに泥臭くない、ちゃんと泥抜きしてヌメリも綺麗に落としてから焼いてあるな』
『それにこの野菜炒めも下ごしらえで油通ししてあるから素材の甘さが良く出ている』
『オーク肉も丁寧に体毛を剃ってから皮ごと弱火で煮込んだのか、凄く柔らかくて味が染み込んでいる』
『・・・ちょっと貴方何者なの?どうして一度食べただけでそこまで分かるのよ?』
『んふふ クオンは美味しい物が好きって言ったでしょ』
『僕もリーダー以外で、こんな美味しい料理食べたの初めてかもモグモグ』
『いくら美味しい物が好きでもさっき言ってた油通りなんて、凄く遠くの町にある技術なのよ、ここら辺では誰も知らないわ』
『それに言ってた事は全部正解よ・・・その若さでどれだけ修行したの?』
『あはは マリンさんの料理もとても美味しいですよ』
『食べたい・・・私も貴方の料理が食べたいわ、いえお代は要りませんどうかクオン君の料理を私にも食べさせてくださいお願いします』
『ええ、良いですよ』
『ほ 本当?ありがとう、うわーワクワクしてきたわ♪』
『ん~~ マリンさん、逃げれなくなるかもですよ?』
『あ~ そっかロックの言う通りだわ、クオン中毒になりそうね』
『ブッ 何も中毒って言う事ないだろ?』
『・・・少なくても私達はクオンの料理が食べれなくなったら死にますわ!!!』
『あたいはお寿司のために生きてるニャ』
『・・・それは絶賛してくれてると思って良いんだよな?』
『そ そんなに美味しいの?』
『『『『『間違いない(ニャ)!!!』』』』』