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第133話 王都ベンガル王国2


『んふふ 凄いわ、もう全然心配しなくても大丈夫ね』


『ふむ、皆見違えるほど強くなったな』


『ニャハハ 出番がなくて寂しいぐらいニャ』


『ありがとうございます。しかし、此処の盗賊達は弱すぎたのではないでしょうか?』


『そうです、動きが遅すぎます』


『ひょっとしたら御主人様達が何かしたのですか?』


『僕達は何にもやってませんよ』


『クフフ 私達としか模擬戦をしていないのだから当然ですわ』


『あはは それが今の実力なんだよ、たぶんギルドマスターぐらいなら良い勝負するんじゃないかな』


『そ そんなにですか?』


『たぶん、武術大会を見学したら自分達の実力も把握出来るかもね』


『さて、ベクターさん達も待たせてるし急ごうか』


『そうだね、さー 気絶している盗賊達を縛って馬車まで連れて行くよ、メイドさん達は盗賊の武器防具やアイテム類を回収して貰えるかな、人数多かったからお金もそこそこあるかも』


『分かりました行ってきますね』×11人



俺達は約100人ほどの盗賊を縛り上げてどうやって馬車まで運ぶか考えたけど引き摺って行くのも疲れるし簡易<ルーム>を作って連れて行く事にした、100人ほど入れる広さで良いので簡易<ルーム>は直ぐに作れた。


洞窟の中から帰って来たアーチカさん達に聞いた所、結構なお金も溜め込んでいたらしくアイテム類もあり、とりあえずアイテムポーチへ全て回収し後で確認することにした。


食べ物や飲み物もあったらしいが、とても食べる気にはなれないので置いていく事にした。


幸い囚われていた人は居なかったので馬車へ戻ろうとしたが念のために「価値のある物」で<サーチ>を掛けてみたところ、洞窟内にまだ何か隠している場所を見つけた。


全員で確認しに行くと隠し部屋を見つけたので入ってみると大量の金貨と装飾品があったので全部メイドさん達のアイテムポーチへ収納して貰った、これでメイドさん達の王都でのお小遣いも安泰だ。



『あの、全部私達のアイテムポーチへ収納して良いんでしょうか?』


『ああ、最初に言った通り全部アーチカさん達のお小遣いだよ、王都で換金して分けてね』


『金貨だけでも大量にあったのですが?』


『あはは 盗賊達も王都まで連れて行くから報奨金もあると思うよ、ひょっとしたら賞金を掛けられてる盗賊も居るかもだし』



思ったより盗賊のアジトも近かったので直ぐに馬車まで戻り簡易<ルーム>から盗賊達を出して一人一人ロープで縛り馬車の後ろへ繋いでおいた、総勢で136人にもなり目立つ事この上ないが簡易<ルーム>に入れて連れて行く訳にもいかないので引き摺って連れて行く事にする。


気絶から目が覚めたら勝手に走るだろうし、一応死なないように適度に<ヒール>するようにしよう。



『・・・ちょっとクオン本当にこのまま王都まで行くの?』


『ああ、ミュウ悪いけど死なないように適度に<ヒール>して貰って良いかな?』


『それは良いけど、凄く目立つわよ?』


『なに、人が増えてくれば歩かせれば良いだろう、それまでは引き摺ってでも連れて行こう自業自得だ』


『そうね行きましょうか』



盗賊達も掃討し再び王都へ向けて進みだすが馬車の後ろでは阿鼻叫喚って感じになっているが俺の心は痛まない。


メイドさん達は少し引いているが盗賊達がやってきた事を思えば皆同情なんてしなくなる。


ベクターさんとロアさんは苦笑しており、エイトールさんは少し笑顔が引き攣っていた。


色々と寄り道したが無事に王都が見えてきて人気も多くなってきたので馬車のスピードを落として盗賊達を<ヒール>で回復し歩くように指示をした、文句を言う者は殺して埋めると伝えると大人しく歩いている。


この馬車から20人近く出るところを見られると不思議がられるのでベクターさんロアさんエイトールさん以外は馬車から下りて歩いて向かう事にした、どうやって此処まで来たとかは適当に言い訳しよう。


茶太郎達は136人の盗賊を引き摺りながらでも結構なスピードで走っていたので盗賊も引き摺られて血だらけになり何度も<ヒール>で治しながら来たので全員衣服がボロボロで悲壮な表情で歩いている。


王都は外観から見ただけでも高くて立派な石塀で囲まれており<エンゲルラント>よりかなり広そうだった、なによりも門がでかい。


門兵さんも10人ほどおり通行人のチェックをしていた、俺達も何人か通行待ちの人達が居たので最後尾に並んで待っていると流石に盗賊達が目立つのか門兵さんが此方に来て話しかけてきた。



『・・・少し聞きたいのだが下りてきて貰って良いかね』



御者をしていた俺に門兵さんが話掛けてきたので御者を代わって貰い返答することにした、まあ聞かれる事は分かっているのだが、周りの人達の視線が痛い・・・



『はい、何でしょうか?』


『この馬車の後ろに繋がれている者は、盗賊のように見えるのだが?』


『はい、道中に襲われたので捕まえて連れて来ました引き取って貰えますよね?』


『こ こんなにも大勢の盗賊に襲われて返り討ちにしたのかね?』


『ええ、大変でした』


『ふざけているようにしか聞こえないのだが?』


『ああ、門兵さん私はベクターと言う者だがクオン君の言っている事は本当だよ、私の護衛として着いてきてくれたAランクの冒険者だよ』


『だ 大錬金術師のベクター様ですか、これは失礼しました直ぐに盗賊達の引取りの用意を致します』



俺の言う事は全然信じなかった門兵はベクターさんの一言で走って行った。



『助かりましたベクターさん、やっぱり知名度って大事ですね』


『あはは クオン君は若く見えるからね、私でも最初は信じられないと思うよ』


『クックックッ 』



必死に笑いを堪えているミュウにジト目を向ける。



『ミュウ~ 覚悟は出来てるよね?』


『ちょ ちょっと待って誤解よ誤解!』


『どこに誤解する要素があったの?』


『キャハハ ちょっと待って擽らないで、キャーどこ触ってるのよ』


『今日こそは笑い殺す!』


『キャハハ 待って脇腹はやめて、キャハハハ ごめんごめんってば~』


『・・・お待たせ致しましたベクター様どうぞこちらへお進み下さい』


『ああ、悪いね盗賊達の引取りも頼むよ』


『ハッ 責任を以って私が担当させて頂きます、しかし本当にあの少年達が?』


『あはは 今回の武術大会に出場するから見たら分かると思うよ』


『ベクター様がおっしゃるなら間違いないと思うのですが信じられませんな』



俺がミュウにお仕置きしている間にベクターさんが盗賊の引き渡しをしてくれ門へもスムーズに通してくれた。


やはりベクターさんは大物なのだと改めて思う。


流石にメイドさん達が盗賊達を倒した事は言えないので俺が代わりに報奨金の受取り証を預かる事にする、最も門兵さんはベクターさんに渡していたが・・・


報奨金の受け渡しは明日になるらしく、直ぐに分かった情報では人数も多い事もあり有名な盗賊団だったらしい結構な額の賞金も出る様だ。


とりあえず馬車を止めれる宿屋を門兵さんに聞いた所、王都でも高級な宿屋を紹介してくれたらしい。


ベクターさんは兎も角、俺達には分不相応なので違う宿屋に行こうとしたらベクターさんがいつものお礼をさしてくれと言ってくれて断り切れなかったので全員で高級宿屋に行く事になった。


メイドさん達やエイトールさんも、アワアワしていたがお互い諦める事にした。


宿屋に行く道中も流石に王都だけあり道幅が広く綺麗だ<エンゲルラント>との一番の違いは人の多さだ、<エンゲルラント>も人通りは多い方だけど王都は桁違いに人が多い。


王都の最奥には城も見えるが武術大会はどこで行われるかは、まだ分からない。


宿屋に着くと立派な馬車小屋があり茶太郎達も<ルーム>に戻せなかったので大人しくしてくれるように頼み部屋に行く事にする。



『これはこれはベクター様、当館をお選び頂きありがとうございます』


『しばらくお世話になろうと思う、よろしく頼むよ』


『光栄で御座います、やはり武術大会ですかな?』


『ああ、私の友達が出場するので応援に来たのだよ』


『そうでございましたかベクター様のご友人ですか、よければお名前をお聞きしても宜しいですかな?』


『あはは、目の前にいる彼だよパーティ「サークル」を率いるクオン君だ』


『ほほ~ 見た所お若いのに大した力量をお持ちなのですな、私共も応援させて頂きますのでご検討をお祈りいたします』


『私のような若輩に丁寧な挨拶をして頂きありがとうございます』


『ふはは 御謙遜を若輩者にあれだけの盗賊を倒す事は難しいかと』


『ふふふ 情報が早いですね支配人さん』


『ふはは 情報の鮮度は大事な事なので私共も力を入れておる次第で御座います』


『さあ、お部屋を選んで下さいませ、どうぞこちらへ』



ベクターさんは全員に個室を用意してくれようとしていたが必死に断り3~6人部屋にして貰う事にした。


振り分けはベクターさん個室、メイドさん11人で6人部屋を2部屋、ロアさんエイトールさんミュウ・ムーア・ライカで6人部屋を1部屋、クオン・ロック・オーラで3人部屋になった。


宿屋の外観はまるでホテルのようで大浴場どころか各部屋にもお風呂が設置されていた。


早速汗を流す為に全員で大浴場に行く事にした、全員と言っても男女別々だけどね。


男女に別れ大浴場の中へ入ると高級宿屋なだけあり豪華なお風呂が設置されていた。


軽く汗を流し湯舟を堪能することにする。



『ふ~ 気持ち良いね、だがサークル本部に比べればかなり見劣りするね』


『あはは ありがとうベクターさん、でも俺は他所でお風呂に入った事がなかったので新鮮な気分ですよ』


『えへへ こんなに豪華なお風呂より良いって言われたら嬉しいですねー』


『まあ、確かにクオンが設計したあの温泉以上となると難しいと思うぞ?』


『あはは そうだね比べるのは可哀そうだね、君達がどれだけ凄いか自覚出来るだろう?』


『褒めすぎですよベクターさん、それより宿代本当に甘えても良いんですか?』


『ああ、たまには恩返ししなくてはね』


『ありがとうございます、では遠慮なく甘えときます』



       ◇     ◇     ◇



『あ~ 気持ち良いわね、サークル本部以外でお風呂に入るの初めてかも』


『ニャハハ でもサークル本部の方が豪華ニャ』


『クフフ でも水着無しで入るのも良いですわ♪』


『うふふ とっても気持ち良いです♪』×10人


『でもミュウ様、私達までこんなに豪華な宿屋に泊らせて貰って良いのでしょうか?』


『うふふ ベクター様の厚意なんだから素直に受け取っておきなさい』


『はい、ありがとうございますロア様』


『そんなことより楽しみましょ♪しかし、皆胸が大きいわね私が見劣りするとはね』


『ニャハハ きっとリーダーの趣味ニャ』


『うふふ 皆巨乳で良かったわね』


『やはり、私達が買われたのは胸でしたか』


『ちょっと、そんな訳ないでしょ?』


『クフフ ミュウも巨乳なんだから否定出来ないわよ?』


『あら~ 一番胸が大きいライカちゃんが、それを言うの?』


『確かに大きいですね・・・今日は裸だからよく分かります』


『今度サークル本部でも水着無しで入っちゃう?』


『ちょっとロア姉さん、そんな事出来る訳ないでしょー』



       ◇     ◇     ◇



『コホン、どうやら隣が女風呂のようだね』


『ええ、良く聞こえます・・・』


『ぼ 僕そろそろ上がりますね』


『ワシも上がるかな』


『ふむ、では食事に行こうか』


『クオン君はまだ入ってるのかね?』


『え ええ、お風呂好きなのでもう少し浸かってから出ますよ』


『ふふふ、若いねクオン君』


『ちょ ちょっと何か変な誤解してませんかベクターさん』


『あはは お先に失礼するよ』


『ふーはーふーはー よし、俺も上がろう!』



全員お風呂を堪能して少し休憩してから食事に行く事にした、先に従業員の方へ全員同じ食卓で食事を出して欲しいと伝えていたので、1部屋貸し切りの食事処を用意してくれた。


既にある程度の食事がテーブルに並べられており、流石に高級宿屋なだけありどれも美味しそうだ。


料理はスープから始まり肉類が中心だった、と言うか野菜が殆どない・・・最初にだされたスープは温かかったが他の料理は既に冷めており鳥の丸焼き・オークのステーキ・牛のステーキなどが香辛料が多めに味付けされていた牛はマナバイソンと言うらしい。



『ふむ、美味しい事は美味しいんだがクオン君の料理に慣れすぎたようだね・・・』


『うふふ クオン君の料理と比べたら可哀そうですよ、此処もかなりのご馳走ですし』


『ワシ等の舌も贅沢になってしまったようだな』


『ニャー冷めてるのは仕方ないニャネ』


『良かった、私は高級料理なんて食べた事なかったから舌に合わないだけかと思ってました』


『でも、私達が作り料理よりずっと美味しいですよ』


『んふふ 一番残念そうな顔をしているのはクオンみたいよ』


『ん~ 味は兎も角、料理が冷めちゃうのは仕方ないよね、でもこのマナバイソンって初めて食べたけど良い肉だよね』


『私も、それが一番美味しかったですわ、でも確かこれの上位種狩りましたよね?スキヤキでしたっけ、あの飛んでもなく美味しい料理』


『あ~ クリスタルバイソンの下位種になるのか』


『あの、スキヤキのお肉美味しかったです~』×11人


『あはは ありがとう、また作るよ』


『さて、食事が済んだら部屋で戦利品見て見ようか、そこそこの稼ぎになったんじゃないかな?』


『んふふ 楽しみね』



楽しみにしていた食事の方は若干残念だったけど、盗賊達を討伐したときの戦利品をまだよく見てないので皆で確認することにした。


一番広い部屋である6人部屋で戦利品を確認することになった。



『じゃ、金貨と武器防具、装飾品を分けて出して貰えるかな』


『はい、では金貨から出して行きますね』



メイドさん達のアイテムポーチに入れて貰っていた物が次々と分けて出して貰うと、置き場所が困るぐらいの量があった収納して貰う前に<クリーン>を掛けているので汚れ等はなく綺麗な状態だった。



『うわ~ こうやってみると、かなりの量ね』


『人数多かったけど、かなり溜め込んでたみたいだね、一体どれほどの被害者がいたのやら』


『それを考えると討伐しておいて良かったニャ』


『白金貨もあるわね、数えてみるわね』


『えっと、全員で金貨を数えたところ白金貨が200枚、金貨が1600枚まだ貰ってないけど報奨金が盗賊1人金貨10枚で136人居たから金貨1360枚、後は盗賊のボスが賞金が掛かっており白金貨100枚、副ボスが金貨500枚らしいので合計金貨で6460枚!!!』


『アーチカさん達11人で分けたら1人金貨587枚って所だね、おめでとう』


『『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』』


『・・・・・・・えっ』×11人


『す すみません嘘ですよね?』


『んふふ アーチカさん、嘘だと思うの?』


『・・・いえ、クオン様がそんな冗談を言う訳がないのは承知しているんですが、いくらなんでも』


『報奨金と賞金の方は俺が明日取ってくるよ、白金貨は使いにくいから全員金貨で渡しておくね』



俺はミュウ達に手伝って貰い金貨587枚をそれぞれのメイドさんに渡していった。



『・・・・・・・・・・・』×11人


『・・・わーい、お金持ちになっちゃった!』


『キキル言っとくけど現実よこれ』


『うん、ソーマ分かってるけど現実感ある?』


『ないわよ・・・』


『あはは まだ現金だけじゃないか、でもこれで王都での遊び代も出来たね』


『ありがとうございます御主人様』×11人


『さて、次は武器防具の方がそこそこの剣とか槍が大量にあるな、どうだロック』


『僕が見た感じでも、そこそこの武器防具ばかりですね、鋳潰しても良いですけど売った方が早いですね』


『なるほど、じゃ王都の鍛冶屋に売っちゃおうか、一応聞くけど誰か欲しい武器防具あるかな?』


『いえ私達は素晴らしい武器防具を頂きましたので大丈夫です』


『了解、では次に装飾品だな、豪華な装飾が入った指輪、ネックレス、ブレスレット色々あるね鑑定してみよっか』



サークルメンバーとベクターさんにも手伝って貰い全ての装飾品を鑑定したが、俺達が欲しいような<付与術>が付いた物は無かったが換金したら高く売れそうな物は結構ある。



『う~ん、これは全部換金かな』


『クオン君、これらを売るならクロワ殿に任せた方が良いかもね』


『あ~ そうですね、それなら武器防具もクロワさんにお願いしましょうか換金が遅くなるけど皆良いかな?』


『はい、もちろん結構です』×11人


『そうだ、エイトールさんも色々手伝って貰ったから何か欲しいのあったら差し上げますよ』


『いえいえ、私なんて無料で連れてきて貰って、こんなに良い宿屋に泊めて貰ってるのに貰えませんよ』


『そうですか、まあ装飾品も盗賊の戦利品だし俺が何か代わりのお礼用意しますね』


『いえいえ、本当に私は結構ですよ、ありがとうございます』


『ああ、それとクオン君盗賊達を討伐したのがクオン君で申請しているので、ひょっとしたら戦利品の持ち主だった者が買い戻しに来るかもしれないよ』


『なるほど、それって売ってあげないといけないのですか?』


『いや、それは交渉次第だね盗賊の持ち物は討伐した者に所有権が移るからね』


『分かりました、それならなおの事、帰ってから換金した方が良さそうですね』


『後すみませんクオンさん』


『んっ どうしたのエイトールさん?』


『明日、冒険者ギルドへ報奨金を受取りに行かれるのでしたら私も連れて行って貰っても良いでしょうか?ギルドマスターと王都へ着いてからの所在地を冒険者ギルドで伝えると言ってあるのですよ』


『あ~ なるほどね、では明日の朝一緒に行きましょうか』


『っと言う訳で皆は、明日から大会までの3日間は十分に王都観光を堪能して欲しい』


『『『『『おお~ パチパチパチ!!!』』』』』


『ありがとうございます御主人様』×11人



それからサークル本部以外で久しぶりに寝泊まりしたが正直に言ってロックとムーアが作ってくれたベッドが素晴らしすぎて寝心地の悪い一夜になった。


朝目が覚めると若干眠気が残っていたが体を起こすことにする。



『ん~ あっ 起きていたのかオーラ』


『ああ、まさかワシがこんなに良いベッドで寝付けないとはな・・・』


『あはは 全く同感だ、内のベッドは反則級だからな』


『あふ おはようございます』


『ロックも今日は、寝起き良いな』


『フハハ 寝付けなかったんだろう?』


『あはは ちょっとあのベッドに慣れすぎましたね・・・』



朝食時に女性陣とも同じ会話になる、これで風呂・食事・寝具とサークル本部の圧勝になったが、それも困ったもんである。


皆で今日の予定を話あった結果サークルメンバーとエイトールさんは冒険者ギルドへメイドさん達とベクターさん達は王都をブラブラするそうだ。


なにかあれば<クラントーク>でいつでも連絡が取れるので俺達は離れていても安心だ。



『さて、じゃエイトールさん行きますか』


『はい、すみませんお願いします』



人通りの多い王都をシロ・アドちゃん・カー坊を連れて歩くのはどうかなと思って<クリア>を使うか話をしていると、3匹共意識的に気配を希薄に出来るようで他者には存在が分かりにくいようだ。


<言語解読>を取得してから何となく3匹と意思疎通が出来るようになってきたが、どおりで連れ回していても誰からも指摘を受けなかった訳だ、攫われるような心配もなさそうなので、いつものようにミュウ・ムーア・オーラの肩に乗ったまま出掛ける事にした。


とりあえず冒険者ギルドの場所を宿屋の従業員さんに聞いて向かう事にする、やはりどこの町でも門の近くに冒険者ギルドがあるみたいだ。


しばらく歩くと直ぐに冒険者ギルドが見えてきて中へ入ると外から見ても分かったが<エンゲルラント>に比べてもかなり広い。



『うわ~ 内のギルドよりもかなり広いですね、やはり王都は冒険者も多いのかな』


『やっぱり、場所が変わると色々面白いよね、只どこの受付嬢も可愛いのは変わらないね』


『うふふ クオンさんお口がお上手ですね♪』


『も~ クオンったら朝から何言ってるのよ、さー行くわよ』



先ほど冗談交じりに言ったが本当に受付嬢の女性は綺麗な人が並んでおり笑顔で仕事をしている。


俺達は空いている受付嬢の前に立ち用件を述べる事にした。


空いていると言っても女性が綺麗じゃないって訳ではなく寧ろ一番綺麗な女性かもしれない、長く艶のある緑の髪が印象的で額の所に角がある龍人かなと思ったけど、どうやら鬼人らしい。


整った顔立ちから凛とした佇まいがあり抜群のスタイルで戦闘力も高そうだ、内のメイドさんにも鬼人がいるが、また違うタイプの美人だな。


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