第129話 メイドさん達からのお礼
それぞれの武器を試して問題がない事を確認し、これから少しずつ訓練して貰う事になった。
メイドさん達にも明日お客さんを招いて食事をすることを伝え、訓練を終了した。
『ふ~ 本当に恐ろしいぐらいの武器ですね・・・いったいどれほどの価値があるのか』
『あはは アーチカさんの武器は龍素材で作ってあるから売ったら高いかもしれないね』
『えっ こ このクリスタルのような美しい双剣って龍素材なんですか?』
『うん、地下50階のボスだったんだけどヒュドラの爪からロックが作ってくれたんだよ』
『な 何てもの私に貸して下さったんですか!私のようなメイドにそんな高価な武器は要りませんよ』
『値段を言うなら他のメイドさん達の武器も、同じぐらいの値段になるかもよ?』
『えええええええええっ』×10人
『あはは 流石に龍素材の武器ほどの値段には成らないと思いますが、性能は全部同じぐらいだと思いますよ』
『わ 私達奴隷メイドなんですよ?どこまでお金掛けてくれるんですか?』
『んふふ 何言ってるのよ奴隷なんて、とっくに解除したじゃない?確かにメイドさんとして雇ってるけど、もう皆は身内なのよ、そうじゃなかったらサークルの世界に入れる訳ないでしょー』
『そ そうでしたが、それにしても待遇が破格すぎるんですが・・・』
『う~ん、流石に他の人に売ったり上げたりは出来ないでしょうから高価だったとしても同じでしょ?』
『も もちろん販売なんてしませんが』
『ニャハハ それなら良いニャ』
『そーだアーチカさん明日ローニアさんも誘ったから、明日の朝返事を聞いてきて貰っても良いかな?』
『分かりました、ひょっとしてお嬢様もレベルを上げるのでしょうか?』
『いや、ローニアさんには純粋に此処に招待して食事を楽しんで貰うだけだよ』
『分かりました明日の朝、聞いてまいります』
それからお風呂は食後に入る事にしたので<クリーン>で汗を流し、全員で食事作りをした。
明日はお客様を招待して御馳走を作るので今日は昨日に引き続き料理の基礎を皆に教えながら数種類の食事を作る事にした。
メニューは煮魚・豚汁・野菜炒め・蒸し焼売にご飯だ、結構質素なオカズなんだが皆喜んで食べてくれている。
『し 信じられない程美味しいわ・・・どーしてこんなに美味しくなるのか・・・』
『私は、もうご飯がやめれません、お米を食べながら料理を食べるのが、こんなにも美味しいなんて』
『フハハ ワシも箸の使い方に慣れてきたぞ、クオンが米を重視するのが分かる』
『そうなんだよ、めちゃくちゃ美味い料理でもご飯がないと始まらないよ』
『ニャハハ 不思議な食べ物ニャ』
『僕もオニギリ最高に美味しかったです、主食って言いましたが確かに米があると、どんな料理にも合いますね』
『私も奴隷になってから人生で一番美味しい物を食べてます、御主人様が作る料理はどれも驚くほど美味しいですが塩・醤油・味噌等の調味料を使った調理法も凄いです』
『あはは 分かってくれて嬉しいよ明日は俺の国でも大人気だった寿司って料理作るから楽しみにしといて』
『も~ クオンがそこまで言う料理なんて楽しみすぎるわ、いったいどれだけ美味しいのか・・・』
『魚料理の最高峰の1つだよ』
『ニャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア 楽しみすぎるニャアアアアアアアア!!!!!!』
『あはは ムーア落ち着いて』
『あっ そうだメイドさん達に言っておくよ、お給金の事なんだけど1日金貨1枚にしました、少し多めになるかもしれませんがサークルの世界は色々と特別なのでご了承ください』
『ほ 本当にお給金が貰えるなんて、しかも日当金貨1枚なんて・・・』
『支払いについては月初めに1ヶ月分渡しますね、休日については皆でローテーションして貰います、詳しくはアーチカさんに聞いて下さいね』
『あ ありがとうございます』×10人
メイドさん達は本当に信じられない事だったのか最初はポカンとしていたが次第に涙を流して喜んでくれていた。
俺達は買物をするにしても全部自給自足してしまうので、お金を余り必要としなかったからお給金を多めに渡すのは良い使い方だと思う。
皆奴隷として今まで苦しんできたから、これからは精一杯楽しんで貰おう。正直使いきれないほどのお金を稼いだしね。
それにメイドさん達が何にお金を使うか楽しみだ、今度ゆっくり聞いて見よう。
食事も終わり片付けてからお風呂で宴会になった、それぞれエールやワインを片手に騒いでいるがメイドさん達の機嫌は最高でメイドさん達の話に聞き耳を立ててしまう。
『あはは ねー私本当は死んで天国に来てるんじゃないかな?』
『それ冗談に聞こえないわ、私も少しそう思っちゃうし』
『天国って本当にあったのね~』
『でも現実なのよね?お休みの日に町を歩いたとしても、とても同じ世界には見えないでしょうけど』
『ねーねー 皆お給金貰ったら何を買うの?』
『それが難しいのよね、だって此処より美味しい物なんてある訳ないし、洋服や寝具も最高!お風呂でお酒なんて外では絶対無理よ!』
『・・・・・ひょっとして、お給金貰っても使い道がないような・・・』
『そーそー 私もそれを考えてたのよ、何を買うんだろって私は考え付かなくて』
『私の夢は、いつか美味しい物をお腹一杯食べることだったのよ・・・もう叶っちゃったのよね』
『私の夢は、絶対無理なんだけどエリクサーを買って、元の体に戻る事だったけど、一番最初に叶ったわ』
『私の夢は、冒険者だったから頑張って稼いで良い装備を揃えて面白可笑しく過ごす事だったけど、メイドをしながらAランク相当のレベルになって最高の武器を手に入れてるのよ、こんなことってある?』
『あはははは 』×10人
『まさに天国としか思えないわ、これも全て御主人様のお陰なんだけど』
『そーね、何か恩返ししたいけど私達に出来ることなんて・・・』
『ニャハハ クオンは巨乳好きニャ、見せて上げたら喜ぶニャ』
『そんなことで喜んでくれるなら』
『やろっか!!!』×10人
後から聞いた話だが原因はムーアが唆したらしいことが判明した、もちろんお仕置きは無しだ!
『ご主人様!!!』×10人
『んっ どうしたのかな全員集まって?』
『私が代表して言いますね、御主人様には感謝しても足りない程の恩を受けました。しかし、私達には何も返せるものがないので、せめてこれだけでも受け取ってください!』
『あはは 気にしなくても良いのに』
『では、せーの!!!!!!!!!!』
メイドさん達は、一斉にお風呂用の水着をたくし上げ豊満な胸を俺に見せてくれた。俺は何が起こったのか分からなかったが目は10人の巨乳に釘付けになりプルンプルンと揺れる胸に合わせて頭も上下に揺れていた。
しばらく堪能?した後、正気に戻り目を逸らした。
『あわわわわわわ ちょ ちょっと嬉しすぎるぞ!』
『なっ ちょっと何言ってるのよクオン!貴方達も早く隠しなさい!!!怒るわよ!!!!!!!!!』
『す すみませんミュウ様』×10人
ミュウの言葉に全員水着を元に戻し頭を下げていた。
『も~ 女の子がそんな事しちゃ駄目でしょーー 』
『すみません。しかし、私達には、こんなことぐらいしかお礼が出来ないので、少しでも喜んで貰えたらと』
『クオンが巨乳を見て喜ばない訳がないでしょ?でもそんな事しちゃ駄目よ、私が許さないわよ』
『クフフ ミュウ良いじゃない、ほんの感謝の印なんだから駄目なら貴女が見せるしかないわ?』
『なっ ライカ何言ってるのよ、そんな事出来る訳ないでしょーーーーーーーーーーー』
『ニャハハ リーダーあたいなら、いつでも見せても良いニャ?』
『あらっ 私も良いですわ♪』
『も~ 二人共、私を怒らせたいのね?』
『『冗談よ(ニャ)』』
『でも本当にメイドさん達の精一杯な感謝ってのはミュウも分かるでしょ?』
『分かってるわよ、クオン感謝しなさいよね』
『あはは しかし眼福だったな生きてて良かったよ皆ありがとう』
『喜んで貰えて良かったです』×10人
『フハハ ロックお零れで良い物見れたな?』
『はい、僕も初めて見ましたが嬉しかったです』
『実は俺も初めて見たんだよ、一緒だなロック』
『ワシも初めて見たんだぞ?』
『あはは 皆若いね?私は見れなかったのが残念だよ』
『も~ ベクター様まで何言っているんですか、怒りますよ私ので良かったら何時でも見れるんですよ?』
『ロア君、それは冗談にならないので言っては駄目なやつだよ』
『うふふ 冗談ですよ♪』
『本当に男性陣は喜びすぎよ!貴方達も、も~そんな事しちゃ駄目なんだからね』
『分かりましたミュウ様、ムーア様、ライカ様にはお礼にならなかったので、せめて体でも洗わせて下さい』
メイドさん達にそう言われミュウ達が湯舟から連れて行かれる。
『ちょ ちょっと待って、そんなに気を遣わなくても良いわよ~~』
『ニャハハ ミュウ諦めるニャー でも擽ったいニャー』
『クフフ 体を他人に洗って貰うなんて子供の頃依頼ですわ、皆さんありがとう』
『やっぱりライカ様の胸が一番大きいですね、御主人様が喜びそう』
『クフフ そーかしら?じゃ私も喜ばせちゃおうかしら』
『ライカまだ言ってるの?』
『ミュウも一緒に行く?』
『なっ こ こんなところで皆に見られるでしょー』
『ニャハハ リーダーだけなら良いニャ?』
『えっ も~そういう意味じゃないわよ、もー知らない!!!』
『あははははははは』×12人
今日は嬉しいハプニングもあり気分良く寝床に着いたが、少し思い出してしまい寝付きは悪かった・・・
少し眠気が残る朝を迎え、皆で朝食を取りアーチカさんは早速ローニアさんの所へ今日の返事を聞きに行ってくれた。
さてと、食事の用意をするには、まだ早いしな久しぶりにフラッ君達に会いに行くことにする、メンバーも一通りやることが終わったみたいなので全員で行くことにした。
久しぶりに会ったせいかフラッ君達は俺達に凄く甘えてきてくれる、せっかくなので馬具を付けて散歩に行くことにした、亜空間に作ったサークルの世界も、なんやかんやでかなりの大きさになったので、城と畑周辺にしか行ってないしね。
乗馬を楽しみながら新たに作った山・川・海を眺めながら軽快に走っていく、流石に馬車を引いてないのでフラッ君達のスピードもかなり速く、頬に当たる風が気持ち良い。果樹園に寄ってリンゴ等をフラッ君達に上げると喜んで食べてくれた。
全ての木に実っている果実も良く熟しており、しばらく収穫しなくても腐って落ちることもないダンジョンとはいえ都合よく出来ているものだ。
俺は以前に植えたカカオとコーヒーの実を収穫し今日のデザートにすることにした、皆には馴染みがないかもしれないが苦味の美味しさを堪能して貰おう。
もちろん他の果実も収穫し、寿司には欠かせないお茶やワサビも用意したが流石に海苔は用意出来なかったので軍艦巻きが出来ないが無い物は仕方がない。
そんなことをしながらフラッ君達と遊んでいると昼頃になってきたので、そろそろ寿司作りに入るためサークル本部に帰って来た。
既にアーチカさんも帰っておりローニアさんも来てくれるそうだ。
昼食は軽くフルーツを摘まむぐらいにしてメイドさん達に声を掛け段取りの説明をした。
まずは酢飯作りだ!大麦等で作った黒酢も中々良く出来たので固めに炊いたご飯で酢飯を作っていく、俺はほんのりと温かさが残っている酢飯が好きなので出来た酢飯から<アイテムBOX>へ収納していき冷めないようにした。
次に寿司ネタを次々と出していく、先ずはメインのブラックダイアを捌いていきマグロの赤身・中トロ・大トロとサクを作っていく魚の捌き方も皆に説明し覚えて貰う事にした。
『ふあ~ 本当にリーダー何でも出来ますね』
『あはは これは大事な事だからねブラックダイアは大きいけど小さい魚でも捌き方は大体同じなんだよ』
『ニャーーーー 美味しそうニャ待ち遠しいニャーーー』
『よし、じゃムーアの為に少し味見しようか』
『やったニャー リーダー大好きニャー』
俺はブラックダイアの赤身部分を切り出して刺身を作り全員に味見をして貰った。俺もまだ味見してなかったし丁度良い。
『よし、じゃ醤油を付けて食べてみて』
『いただきまーす!!!』×16人
『お 美味しいニャアアアアアアアアアー この大きい魚めちゃくちゃ美味しいニャーー』
ムーアは床を転げ回る様な勢いで絶賛してくれている俺も味見したが、油の少ない赤身部分なのに濃厚なマグロの味が口内を走り抜け醤油の味が一段とマグロの味を引き上げてくれている。
『参ったな予想以上の美味さだ、これなら最高の寿司が作れるぞ』
『えっ これで完成じゃないの?』
『さっき作った酢飯と合わせると寿司って料理になるんだよ、後で皆にも作って貰うね』
『私、お魚を生で食べるのは初めてですが、こんなにも美味しい物だったんですね』
『ああ、そういえば俺達は<鑑定>を使って生で食べても大丈夫か調べているけど、中には生では食べれない物があるから注意しないといけないんだよ』
『ご 御主人様は<鑑定>が使えるのですか?』
『あっ そうか皆には俺達のスキル説明してなかったね、今度ゆっくりと伝えるよ』
『・・・本当に御主人様達は凄まじいですね、まるで出来ない事がないんじゃないかと思うぐらいに』
『確かにワシ等は兎も角、クオンなら何でも出来るような気がするな』
『まー色々出来るのは認めるけど、何でもじゃないよ例えば死人を生き返らすような事は出来ないしね、だからこそ皆には死なない様に色々してる訳だけど』
『御主人様は、色々な事が出来るからこそ私達が死なない様に、過剰とも言える程の事をして下さっているのですね』
『そうだね俺も過剰かなとも思うけどメイドさん達は今まで苦労してきたから、これからは楽しく生きれる様にと思ってね』
『御主人様ありがとうございます』×10人
『あはは お礼なんて言わなくて良いよ、さあそれよりも、どんどん作っていこう』
俺は寿司用に考えていた食材を大量に出していき説明しながらネタ作りをしていった。分かりやすいように並べていくと。
タイ・ハマチ・サーモン・アジ・カツオ・マグロ・中トロ・大トロ・ホタテ・サバ・クリスタルシュリンプ・ミルク貝・スノークラブ・イクラ・シーチキン・タマゴ等を用意が終わりいよいよ握り寿司を作っていく。
『よし、大体用意が出来たので作っていくね今日は初めてだから俺がやるけど、皆見て覚えておいて』
『はい(ニャ)!』×16人
タイにハマチと言っても良く似ているだけで違う魚なんだけど、似ているのでそう呼ぶことにした特にサバっぽい魚は酢で〆てある。
俺は酢飯を握りワサビを付けて白身魚から作っていく料理スキルをカンストしたためか、イメージどおりにドンドン作っていった。
『しっかし器用に作るわね、食べ物じゃないみたいに綺麗だわ』
『ニャー寿司ってお米と魚を一緒に食べるニャ、美味しそうニャ早く食べたいニャーー』
『フハハ ムーア我慢すればするほど美味しくなるぞ』
『もちろん我慢するニャー、でも本当に綺麗ニャー』
『ありがとう、皆が満足出来るように、いっぱい作るよ』
俺は寿司以外にもマグロの兜焼きやクリスタルシュリンプのエビミソが入った味噌汁も作っていく、スノークラブは蒸してから大皿に盛り付け寿司ネタにもした、全て大量に作ったので時間も夕方になり、そろそろお客さんを迎えに行くことにする。
『さて大体料理も終わったしお客さんを迎えに行こうか、サークルの世界に初めて来るお客さんだからメンバー6人で迎えに行ってメイドさん達は準備と出迎えをお願いするよ』
『分かりました御主人様』×11人
俺達はまずローニアさんを迎えに行ってから冒険者ギルドに行くことにした、ローニアさんの家に着くと待ちきれなかったのかローニアさんが門に立っており、こちらに向かって手を振ってくれている。
『こんにちわローニアさんザルガさん』
『こんにちわクオン様、待ちかねましたわ』
『あはは すみません行きましょうか、そうだアーチカさんは本部に居ますが、護衛なしでも良いんですか?』
『クオン様は信用がありますので大丈夫ですよ』
『分かりました、今日中に帰るのは遅くなりますので明日の朝送ってきますね』
『分かりました、クオン様お嬢様を宜しくお願い致します』
俺はギルドマスターと受付嬢のエイトールさんも招待しているので迎えに行く事をローニアさんに伝え冒険者ギルドへと向かう。
『うふふ 楽しみですわ、サークル本部って結構近いんですよね?』
『そうですね近いと言えば近いですが、遠いと言えば遠いです』
『うふふ 不思議な所って事ですね』
『あはは その通りですね』
ローニアさんと話をしている内にギルドへ着いたので中へ入ると、いつもはカウンターに居るエイトールさんがギルドマスターと一緒にテーブルに座っていた。
『こんにちわ、お待たせしました』
『そんなに待ってないぞ、今日は遠慮しねーぞ』
『あはは いつもじゃないですか』
『こんにちわクオンさん今日は妹も招待して頂きありがとうございます』
『こんにちわ、私はエイトールお姉ちゃんの妹のタリリって言います』
『こんにちわ俺は冒険者のクオンと言います、タリリちゃんも今日は遠慮なく食べてね』
『は はい、ありがとうございます、それとオーラさん以前は助けて貰ってありがとうございました』
『フハハ たまたまだ気にせずとも良い』
『んふふ エイトールさんに良く似て可愛いわね~』
『姉妹だけあって良く似てるニャ』
『お お姉ちゃん私可愛いって言われちゃったよー』
『私達を褒めて貰っても、何にも出せませんよ?』
『ニャハハ それは残念ニャ』
『あっ そうだ紹介しておきますね、こちら友達のローニアさんです』
『ご紹介に預かりましたリーバイ・カタ・ローニアです、今日は御同席宜しくお願い致します』
『むっ リーバイと言えば侯爵家のか?クオンに貴族の知り合いが居たとは驚きだな』
『若干失礼な事を言われてるような気がしますが、リーバイ家の皆さんは本当に良い人ばかりでサークルがいつもお世話になってるんですよ』
『あはは そうだろうな横柄な貴族なら、とっくにクオンが潰してるだろうしな』
『ギルドマスターちょっと言いすぎですよ!でもクオンさんが、そこまで褒めるなんてローニア様の人柄が伺えますわ』
『いえいえ、私達の方がクオン様に良くして頂いてます、恩人でもありますし』
『さて、じゃ行きましょうか』
俺は皆をサークル本部に連れて行くために<エンゲルラント>の自宅に向かう。
『むっ サークル本部じゃないのか?』
『う~ん説明するより着いてきて貰ったほうが分かりやすいと思いますよ』
『相変わらず謎だらけだな・・・』
『あはは さっ着きましたよ、とりあえず中へ入ってください』
俺は皆に自宅へ入って貰い、そのまま<ルーム>を開いて入って貰おうとしたがミュウが目隠しで連れて行った方が驚くから面白いと言うので皆に目隠しをして貰う事にした。
『じゃ少しの間だけ目隠ししますね』
『ここから目隠しするのか?不思議すぎるぞ』
『タリリ何度も言うけど今日の事は誰にも言っちゃ駄目よ!』
『あはは 分かってるわ、何故か分からないけど私絶対誰にも言わないわよー』
『すみませんねエイトールさん、色々気を使わせちゃって』
『うふふ サークル本部に招待して貰ったんだもの信用には答えないとね』
俺達は招待した4人の手を引いて<ルーム>の中へ誘い、サークル本部から少し離れた景色の良いところで目隠しを取ることにした。
『さっ サークル本部に着きましたんで目隠しを取りますね』
『『『『えええっ 』』』』
『もっ もう着いたのですか?数歩しか歩いていないのですが』
4人の目隠しを同時に外して、反応を楽しもうと思う。
『なっ 空間転移か』
『えええええっ ど どこですの此処は?』
『うわ~ 大きいお城がある、でもどうやって此処へ?』
『どっ どうして?部屋の中に居たのに・・・』
『あはは ギルドマスターおしいけど違います、さっ 行きましょうか』
『ち 違うだと、全く飛んでもないことするな・・・それより、まさかと思うがサークル本部ってあれじゃないだろうな?』
『ニャハハ 此処には建物は1つしかないから分かりやすいニャ?』
『えええっ サークル本部って、あのお城なんですか?』
『正解!サークルのクランメンバー以外では初めて招待するお客さんなんですよ』
『『『『・・・・・・・・・・・』』』』
『なんて大きなお城・・・私でもこんなに素晴らしいお城は見たことがありませんわ』
『うふふ 近くて遠いってのが、ようやく分かりましたわ』
『クオンさんって、どこかの国の王様だったの?』
『まさか平民の新人冒険者ですよ』
歩を進め大きな城の門を潜る時には皆驚きの余り口が開いたままだ、予想通り驚いてくれたので俺達も何故か嬉しいタリリちゃんは無邪気に喜んでくれている。
『ふわ~ 凄いすっごいわ~おっきー それにとっても綺麗』
『しかし、何て物作るんだ・・・分かってるのか?この国の王様より遥かに立派な城だぞ?』
『そういえば俺達は見た事ないんですよ、でもサークルの知り合いしか此処には入れないからバレませんよ』
『まったく飛んでもない奴等だな、まさかここまで規格外な事をしてるとは頭が痛くなるわ』
ゆっくりと庭を進み城の入口にある大きな扉を開くと、キッチリと整列したメイドさん達がお客さん達を出迎えてくれる、今日食事するところはパーティ会場用に作ったステンドガラスを嵌め込んだ部屋だ。
『お屋敷以外でお嬢様を出迎えるのは変な気分ですね』
『うふふ アーチカありがとう、そうね私も変な気分だわ、でも私の屋敷とはレベルが違うわ、まさかお城に招待されるなんてね楽しくて仕方ないわよ』