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第128話 各自の新装備


サークル本部に着き夕食の段取りに取り掛かる、今日は全員に料理を教えるために煮物・揚げ物・蒸し物・炒め物の基礎を教えるために色々と作った、その際に包丁の使い方から全ての調味料を伝えていったが、とても直ぐには覚えきれないので今日は大まかな基礎だけにした。



『あの夢のような美味しい料理は、この醤油と言う調味料でしたのね』


『ああ、俺の国の調味料で多くの料理で使われているんだよ、まあ数百種類あるんだけどね』


『・・・・調味料で数百種類ですか』×11人


『んふふ 安心して、とてもクオンのように料理出来ないから私も少しずつ覚えてるんだ』


『フハハ クオンの料理技術だけでも王族の料理人より上だと思うぞ』


『・・・クオン様は凄すぎです、いったいどれほどの技術をお持ちなのか』


『あはは 僕達は「無限のクオン」って言ってますけどね』


『まあ料理の方は俺が食いしん坊ってだけだよ、技術の方も皆も知ってる通り爺ちゃんのお陰だしね』


『それにしても教えられて全て身に着く訳ではあるまい、やはり才能だと思うぞ』


『そんな事ないさ俺は凡人だよ』


『・・・やれやれ、君達も大変だな超天才に付き合うのは』


『んふふ 慣れてきたわよベクターさん』


『それは貴方達も同じ天才だからよ、貴方達も好い加減自覚しなさい』


『んふふ 落ちこぼれだった私達が、そんな事言われるようになったんだね~』


『最初は落ちこぼれだったかも知れないけど、それは封印されていただけで天才だったのは間違いないわ』


『そうだとしても全部リーダーのお陰ですわ』


『あはは そんなことないよ、それより明日の予定を言っておくね』


『俺達は朝から知り合いと模擬戦をやりに行ってきます、皆さん用に武器の練習用としてロックが人形の的を作ってくれたので活用してください』


『今日やった鬼ゴッコも繰り返しやると、身体の動きがドンドン良くなりますよ、後は<気配感知>と<魔力感知>を意識してやると効果的です』


『明日の昼からなら新しい武器試しに参加出来ると思います』


『じゃー明日は適当に体を慣らしておくから、昼から武器見て貰って良いかな?』


『分かりました、ではそうしましょうか』



食事を終えた後も料理について色々と話をし休憩してから皆でお風呂へ行った、今日はサウナに入ってみるサウナと言っても魔法で熱した石に水を掛けるだけなのだが良い感じになっている。



『うわ~ 砂漠みたいね汗が止まらないわ、これもクオンの国のお風呂なの?』


『そーそー サウナ風呂って言って人気があるんだよ』


『ふむ、確かに熱いが汗が大量に出て気持ちが良いな』


『ニャー 熱いニャー マント着たいニャー』


『あはは ムーア汗を掻くために入ってるんだよ』



サウナも大き目に作ったので全員で入っても、まだ余裕があるぐらいだ10分ほど入ってると、そろそろ皆限界みたいだったので出ると皆大量に汗を掻いていた。



『本当なら、これから水風呂に入って体が冷えたら、たまサウナに入るんだよ』


『確かに今、水風呂に入ったら気持ち良いでしょうね、僕も汗だくですよ』


『ロックこうやってサウナで汗を掻いてから飲むエールは格別なんだよ』


『うわ~ それ良いですね僕もう一回入ってこよーかな』


『クフフ ロックじゃないですが美味しそうですね』


『アーチカさんもサウナどうだった?』


『はい、初めて入りましたが、とても気持ち良かったですクオン様の国には驚くほど色々な物があるんですね』


『今思えば本当に色々あったよ、でも魔法がなかったからねー』


『魔法のない国って、どんだけ田舎なのかと思ってたけど、それだけ色々あるんならちょっと想像出来ないわね不思議な所だわ』


『あはは じゃそろそろ風呂から上がって皆でエール飲もうか』



メイドさん達から喜びの声が上がる、すっかり皆エールの虜だ!


皆でエールを乾杯して会話を楽しむ、メイドさん達もようやく、すんなり会話してくれるようになってきた。


酔い潰れる前に各自部屋へ戻り眠る事にした。


翌朝、少し皆で体を動かし朝食を取ってから冒険者ギルドの訓練場に向かうことにした。



       ◇     ◇     ◇


<リッカ視点>


『さあ皆、先に冒険者ギルドへ行って訓練場の使用許可を貰いに行くわ』


『ねーリッカ本当に模擬戦やるの?』


『仕方ないでしょモランが誘っちゃったんだから』


『あはは 良いじゃねーか俺は楽しみだぞ』


『も~ モランは本当にお気楽なんだから』


『さっ 着いたわよ』


『おはようございますリッカさん』


『おはようエイトールさん、今日も訓練場の使用許可くださいますか?』


『はい、昨日も訓練していたのにリッカさんのパーティは皆熱心ですね』


『そういう訳じゃないんだけどね・・・』


『あはは 今日は噂のパーティと模擬戦の約束してんだよ』


『えっ 噂のってまさかサークルとか?』


『あら、やはり有名なんですね』


『えええっ サークルと模擬戦するんですかリッカさん?』


『えっ ええ、エイトールさんも良くご存知なんですか?』


『はい、サークルの皆さんは私がよく担当してるんですが、ちょっと待って下さいギルドマスターを呼んできますね』


『・・・どうしたのかしら?』


『そういえばサークルの皆さんがギルドマスターと模擬戦やったと言ってたような』



2階からエイトールさんがギルドマスターを連れてくる。



『おうリッカ本当にサークルと模擬戦するのか?』


『は はい、何故かそういう話になりまして』


『まさか、サークルを怒らしたんじゃねーだろーな?そうだったら俺では止めれねーぞ』



ギルドマスターとエイトールさんが額に汗を掻きながら不安そうに此方を見つめている。



『いえいえ、怒らしてなんかいませんよ、内のモランが模擬戦に誘っちゃったんですよ』


『本当だろうな?』


『どうしてそんなに焦るんだ?あの噂の事なら大丈夫だぞ、俺達は会って話をしたが皆気の良い連中だったぞ』


『普段は確かに気の良いやつらなんだよ、しかし怒らしたら飛んでもない事になるんだよ』


『良いか、俺から2つ忠告しといてやる、SSSランクのパーティに胸を貸して貰う気持ちで行け、負けても決して文句なんて言うなよ?後は絶対に怒らすな!サークルメンバーを侮辱するような発言は絶対に言うなよ、怒らしたらお前達のパーティは間違いなく今日解散する事になる・・・生きていればな』


『おいおいおい、ギルドマスターが脅かすなよ、俺達もAランクなんだし只の模擬戦だぞ?』


『お前達は、何も分かっちゃいない彼奴らの怖さが・・・良いか絶対に怒らすなよ俺が何百人居ても絶対に止められないからな』


『リッカさん私からもお願いします絶対に侮辱するような発言はしないで下さいね、ギルドマスターと私も一応見に行きますが・・・』


『エイトールさんまで・・・ねー リッカやっぱりやめとこうよ私怖くなってきたよ』


『今更断れる訳ないでしょ?』


『皆今の話聞いたわね?挑発するような発言は絶対にしないようにね』


『しっかし分かんねーな、確かにすげー魔法を使うみたいだけど』


『お前達まさかサークルの魔法しか見た事がないのか?』


『私達はレチクルのダンジョンで会ったのですが、魔法限定で攻略していたみたいで』


『・・・・・・・中級ダンジョンで魔法の練習か相変わらず化物だな』


『俺も見に行くが、お前達の問題だけでは済まなくなる可能性がある事を忘れるなよ』


『・・・私も帰りたくなってきたわマミ・・・』


『大丈夫だよ、さあ行こうぜ』



私達はギルドマスターの忠告を聞いて、不安感に包まれながら訓練場に向かうと既にサークルの皆さんが来ていた。



『皆さん、おはようございます』


『おはようございますサークルの皆さん』


『今日は無理を言って、すみませんリッカさん』


『あれ、アーチカさんにギルドマスターまで、どうしたの?』


『バカ野郎、お前達が模擬戦するって言うから見に来たんだろうが』


『ニャハハ ギルドマスターまた相手してくれるニャ?』


『そんな訳ないだろう、お前達なら大丈夫だろうが、ちゃんと手加減しろよ、それにちょっとした事で怒るなよ?』


『クフフ 心配性ですね』


『僕達って信用ないのかな?』


『あはは あれはギルドマスターの冗談だよ』


『じゃ早速やろうか、俺はモランだ武器はどうする?』


『う~ん実戦の練習だから普段使ってる武器で寸止めでどうかな?』


『ああ、分かった俺は大剣使いだ』


『では私から行きますわ、私の武器はこれですわ』



ライカはファントムデスサイズを取り出し、いつものように肩へ担いでいる。



『うはー すげー大物使ってるんだな、女なのに大したもんだ』


『クフフ 誉め言葉として受け取っておきますわ』


『初手は譲るよ、さあどこからでも掛かって来な』


『・・・モラン話を聞いてなかったの?バカなの?』


『女相手に先に攻撃出来るかよ、良いからお前達は良く見とけよ』


『クフフ ありがとう♪では行きますわ』



次の瞬間サークルのメンバー以外は誰も見えなかっただろう、ライカはモランの後ろに立っており大鎌の刃がモランの首に当てられている・・・



『『『『『『なっ き 消えた』』』』』』


『う ウソだろ?いつ動いたんだ見えなかったぞ』


『クフフ 動いたら危ないですわ、とっても良く斬れるんですよ?』


『り リッカ見えた?』


『・・・見えなかった、まさか私が姿事見失うなんて初めてよ』


『先手は私の1勝ですわ、次は貴方からどうぞ?』


『マジか、幾らなんでも早すぎるぞ?』


『クフフ モランさんでしたっけ?もう一度私から行きましょうか?』


『いや、こちらから行かせて貰うよ行くぞ』



モランは大剣を振りかざしライカに何度も斬りかかるが、まるで擦り抜けるようにモランの大剣が空を切る。



『なっ 何で当たらない?』


『クフフ ちゃんと武器を狙ってくれてるんですね本気で来てくれて良いですわ、出来れば技も使って下さいね』


『あはは 参ったな、でも本気で当たる気がしねーし、行くぞ』



モランは先ほどと違い狙いを武器だけじゃなく手足にも定め大剣を振り抜くが、先ほどと同様に全ての攻撃が空を切る、深い斬り込みからの連続技や単発の技を繰り出しているが徒労に終わっていた。



『はぁはぁ くそう全く当たる気がしねえ・・・どんな回避能力なんだ、武器に当てる事すら出来ねえなんて』


『私達の中に大剣使いが居ないので勉強になりますわ、多彩な技も使って頂きありがとうございます』


『あはは 参った、とても敵う気がしねえよ』


『悪いなリッカ、やっぱすげーわ攻撃が当たる様な気がしねえ』


『・・・仕方ないわ見ていた私でも、あんな動きされたら捉えきれないわ、同じAランクとは思えない、ここまで強いなんて』


『次は私が行くわ』


『フハハ では皆文句はないなワシが行くぞ』


『ニャー ジャンケンで負けたから仕方ないニャ』


『も~ オーラ運が良いんだから』


『あはは 順番に相手して貰ったら良いだろ?』


『ギルドマスターじゃあるまいし何度もお願いなんて迷惑でしょ?』


『おい、俺なら迷惑にならないのか?』


『んふふ ギルドマスター何だから冒険者のお願いを聞くのは当然でしょ?』


『俺を何だと思ってるんだ・・・しかし、お前達またえらく強くなってねーか?』


『流石ギルドマスターですね、分かりますか?僕達も毎日訓練を頑張ってるんですよ』


『さてリッカ殿、ワシは打ち合うが構わぬよな?』


『ええ、望むところよ私も全力で行かせて貰うわ』


『フハハ 有り難い、さあ始めようか』



リッカさんの武器は片手剣で中々の武器だと思う、洗練された動きでオーラに攻撃を繰り出すが双龍刀に阻まれていく、流石にAランクだけあり体の動かし方や間の取り方が上手い。


オーラも全ての攻撃を受け流しながら、しっかりと見ているようだ。



『その動き<縮地>ね、でも私が知っている物より格段に速いわ、どれだけランクが高いのか・・・』


『流石だなリッカ殿の攻撃も一振りで2回攻撃に見えるときがある、何らかの技なのだろう?』


『ええ、それを使っても攻撃が当たる気配すらないんだけど・・・まるで攻撃がどこにくるのか事前に分かってる様だわ』


『ほほ~ 良く見ているな、ワシ等は攻撃より先に魔力や気配を見ているのだクオンの指導でな』


『・・・ありがとう、まさかそんな秘伝のような事を簡単に教えてくれるなんて気前が良いのね?』


『フハハ ワシもリッカ殿には色々教えて貰ったからな、お返しの様な物だ』


『私から?何も教えた記憶は無いですけど』


『では、見せてやろう』



オーラはリッカさんが先ほどから攻撃で見せた体捌きから双龍刀での2回攻撃を繰り出した、<スキルハンター>で既に取得しているのだが<ダブル>と言うらしい。



『なっ こ これは私の動きそれに<ダブル>まで、まさか先ほどの攻防で取得したの?』


『フハハ まだ見様見真似だがな、さて続けていくぞ』



リッカさんもオーラの足捌きを見て気配を探っているようだ、あの調子で続けていけば何れ<気配感知>や<魔力感知>も取得出来るだろう、オーラの助言だけで大したものだ。



『し 信じられないわ、もう見様見真似ってレベルじゃないわよ、たったこれだけの時間で私の動きや技をコピーしちゃうなんて・・・』


『フハハ リッカ殿も、ワシが言った<気配感知>をやろうとしているではないか?』


『ガツッ キンッ キンッ カカッカン キキキンッ』



しばらくの間、武器どおしが撃ち合う音が鳴り響き、オーラの<双龍刀>がリッカさんの喉元に突き付けられ動きが止まる。



『ま 参ったわ降参よ』


『リッカ殿、勉強になったありがとう』


『うふふ こちらこそ、こんなに楽しかったの久しぶりよ今日模擬戦を受けて良かったわ、ありがとう』


『も~ オーラったら満足そうな顔しちゃって、ズルいわ』


『あの~ 私マミって言うんですが魔法使い何ですけどミュウさんに色々聞いても良いですか?』


『ええ、じゃ私と模擬戦しましょうか?』


『えええっ えと私なんかじゃ、とても』


『俺も色々聞きたかったんだ、ライカさんや他の人にお願いしたい』


『じゃ次は僕と模擬戦やりましょうか?』


『あたいもやるニャー』



それから意見交換と簡単な模擬戦を繰り返し俺達にも有意義な時間になった、どうやら観戦しにきたギルドマスターも安心しているようだ。



『そういえばクオン丁度用事があったんだが、領主様がまた会いたいそうなんだ都合の良い日にあってくれないか?』


『・・・厄介事じゃないでしょうね?』


『俺もどんな用事か聞いてないんだが、俺も行くから良いだろ?』


『まあ良いですが・・・今丁度、休憩期間なんで明日以降なら空いてることは空いてますよ?』


『分かった、また連絡する、ところで以前程お前達の能力を隠してないようだが、もうその必要もないぐらい強くなったのか?』


『あはは まだまだですよ、でも完全に隠ぺいするのにも限界があるんで少しずつ解放して行こうかとは思ってますよ』


『そうでもしないと、逆に絡まれる機会が増えそうなんですよ』


『ふはは 良い傾向だ、お前達の実力が知り渡れば、誰も絡もうなんて思わねーよ』


『後はエイトールさん、約束していた食事なんですが一度、内へ遊びに来ませんか?』


『えっ 私なんかが行って良いんですか?』


『あはは 勿論ですよ最近メイドさんを雇いまして、お客さんを迎えれる準備も出来たんですよ』


『おいクオン、俺は誘ってくれないのか?』


『えっ ギルドマスターも来たいんですか?』


『俺がどれだけサークルの事を気に掛けているか気付いてるか?』


『あはは 冗談ですよ、じゃエイトールさんと明日食事に招待しますよ』


『分かった仕事が終わったら、家に行けば良いんだな?』


『そうですね、エイトールさんも良いですか?』


『私の奢りで食事に行きたかったのですが、そこまで言ってくれるなら遊びに行かせて貰おうかしら』


『ありがとうございます、勝手な事を言いますが他言無用でお願いしますね』


『うふふ 分かりましたわ♪』


『いちいち言わなくても、お前達の事は分かってるよ』


『あっ そうだ妹さんも連れてきて下さい歓迎しますよ』


『うわー 良いんですか?きっと喜びますよ』


『それでは家で待ってますね』


『ねーねークオン、ローニアさんも招待しちゃおうか?』


『そういえば約束してるしね、帰りに寄ってみるよ』



しばらくリッカさん達と意見交換なり模擬戦を繰り返し、昼頃になったのでお開きにすることにした。



『クオンさん、今日はありがとうございました』


『いえいえ、こちらこそ付き合わせてしまって、すみませんでした』


『では約束があるので、これで失礼します』



俺達はロアさん達の武器訓練に付き合うためサークル本部に戻ろうとしたがローニアさんを明日食事に誘う事を思い出し帰りに寄ってみることにした。



『ねーねーリッカ、ミュウさんって凄いわ私なんか足元にも及ばないよ』


『しっかし、化物揃いだったな・・・おっそろしいパーティだ』


『本当ね・・・居るのね天才が率いるパーティってのが、たった数分の打ち合いだったのに私の全てを持っていかれたわ、なんて観察力と吸収力。戦えば戦うほど無限に強く成っていくみたいだったわ』


『それに、どれだけ手加減してくれているのか・・・あはは 私久しぶりに女の子扱いされちゃったわね』


『オーラさんに惚れちゃったかな?』


『まさか、私のような凡人とは次元が違うわ、でも仕えろって言われたら従っちゃうかもね』


『あはは 私もそうかも、クオンさん見た目では可愛い少年なんだけどね~』


『それを言うならサークルの女性も皆、若いし、可愛いし、胸でけーし、あれで化物クラスなんだから、罠みてーなパーティだな』


『俺が忠告したのが分かったか?実際にサークルのメンバーを侮辱したパーティが此処で解散に追い込まれてるんだよ、男も女もションベン漏らしながら土下座して謝っていたがクオンは許さなかったよ』


『解散に追い込まれたパーティは二度とこの町には入れねーし、追い掛けるとも言ってたな』


『そ そこまで怖いの?モラン次に会ったときは喋り方に気を付けなさいよね』


『おっとろしい、分かったよ敬語にするわ』


『あはは モランが素直に言う事聞くなんてね』


『俺にも今日で良く分かった、サークルは絶対に敵に回しちゃ駄目だ、どんな魔物よりこええよ』



リッカさん達との模擬戦が終わりローニアさんの所へ行くと執事のザルガさんが出迎えてくれたが時間がないので明日食事に招待する旨を伝え返事は、また聞きに来ると言っておいた。


さて、しばらく時間が空いてしまったが、いよいよ「魔銃ベクター」と「ロアの杖」あとはクロワさんやアーチカさん用にロックが作った武器の試し撃ちだ。


昼食を軽く食べてから皆でロックが作ってくれた試し撃ち用の人形が置いてあるところまで行くことにする。


そこは広大とも言える草原で的になる人形以外何もない所だった。



『じゃベクターさんから行きましょうか』


『ふむ、出来てからも色々と研究したが何度見ても恐ろしい程の完成度だよ、理論上間違いなく弾丸が射出される筈だが私も楽しみだよ』


『では通常弾から試してみるよ』


『はい、お願いします距離はそうですね最初だし20メートルほどで行きましょうか』


『ふむ、当たるかな・・・では』


『バンッ 』



ベクターさんが撃った弾丸は人形の胸の部分に命中したようだ。1センチにも満たない弾丸なのに人形の上半身が吹き飛んで無くなってしまった。



『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』×19人


『・・・・・・・初めてにしちゃー上手いですねベクターさん』


『・・・威力についての感想は無視したのかね』


『一応的になる人形は木と鉄で作ったんですが、的を変えながら試して下さい』


『ああ、流石ロック君だね、何故そこまで冷静なのか分からないが、私の想像より大幅に威力が高いんだが?』


『あはは、ちょっと微弱な電流も流れていて、それがベクターさんの大幅に上がった魔力に反応して威力が上がったんだと思います』


『・・・ちょっと予想外すぎるのだが・・・・・・・・・・・』


『あはは さあどんどん行きましょうか』



それから何発か試して貰い驚いた事に人形から外れる事なく全弾命中した、通常弾が問題ない事が分かり属性弾を次々に撃ち出していく。


木で作られて人形では原型を止めないほどの威力を見せている。連射についても1秒に2発は軽く撃てそうだった。



『むぅ、素晴らしい見事に全ての属性が撃てるね、これなら魔物の弱点に合わせて臨機応変に戦闘出来そうだよ』


『次は回復弾を俺に撃ってくれますか怪我していないので効果は分かりずらいですが』


『むぅ 良いのかね、まだ実験段階なのだが』


『衝撃がどれほどあるのか感じておきたいので、そうですね腕に撃って貰えますか』


『分かった、では行くよ』



ベクターさんが俺の腕に撃った回復弾は殆ど衝撃はなく、当たった事が分かる程度だった怪我をしていないので効果は分からないが魔力を見る限り大丈夫そうだ。



『良いですね、思った通りの効果が出てると思います』


『うむ、私も理論上は大丈夫だとは思ったが、ここまで上手く出来ると嬉しいね』


『では適正距離とか威力の方は、これからゆっくり試していくとして次はロアさん行って見ましょうか』


『うふふ 楽しみだわ♪』


『えっと今からロアさんが、魔法を撃ちますのでメイドさん達も勉強になると思いますので、よく見て置いて下さい』


『はい、分かりました』×11人


『よっし、じゃ威力を比較するために今までと同じぐらいの魔力で撃ってみるね』


『・・・う~ん、まっいっか、どうぞお願いします』



ロアさんはロアの杖を掲げ魔力を満たしていく、どうやら<ファイアボール>を撃つらしい、撃ち出す前の火球は見る見る内に大きくなり直径6メートル程に膨れ上がってから凄まじい速度で鉄の人形に命中し轟音と共に地面に大穴が開いている。


その余りの威力に見ていた者は皆茫然となっている・・・



『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』×19人


『・・・・・・・・・・やりすぎニャ』


『ちょ ちょっと何なのよ私は普通の<ファイアボール>を撃ったのよ?』


『どうして撃った私が引くほどの威力になってるのよ?』


『ええっと簡単に説明するとロアさんのレベルが今48になってるので魔力が430ほどになっていて、それにクランボーナスが300ほど上乗せされて、ロアの杖のスキル効果で<魔之極意>が付いているので<魔力増大>と<魔法強化>が数十倍になり、更に更に杖に使った神木と魔石の効果で威力が底上げされています』


『・・・・・・・・・あはは クオン君』


『は はい』


『ちょっとだけ強くなるって言ってたわよね?数十倍はちょっとじゃないわ・・・・・』


『あはは 誤解です!杖の効果は含んでいなかったのでロアさん自身は倍ぐらいになっただけですよ』


『そっ そうですよリーダーもウソをついた訳じゃないですよ』


『んふふ ロア姉さん諦めて、杖を使っても私達の1/10以下なのよ?』


『はぁ~ どんだけ化物なのよ貴方達は・・・も~良いわ、調整するのに時間が掛かりそうだけど努力するわ』


『あっ ついでになんですがロアさんが元々持っていた<消費魔力減少+10>も効果が激増しており杖自体にもロアさんを超えるほどのMPが蓄えられているのでドカドカ魔法撃てるようになってます』


『ちょっと私を兵器にしたいの?あっ 分かったわ貴方達自分に近づいて欲しいんでしょ?』


『ニャハハ 誤解ニャ、只の護身用ニャ』


『どんな護身なのよ!これなら軍隊に狙われても平気なぐらいじゃない』


『ちょっと、やりすぎたかもしれませんが本当に護身用ですよ、お礼の分が加算されちゃいましたが』


『はぁ~ 何か疲れたわ、分かったわよ訓練して普通に使えるようになっておくわ』


『じゃアーチカさん達の武器も試して行きましょうか』


『は はい!!!』×11人



ロックが用意してくれた的人形も数が減って来たので大幅に増やして皆にそれぞれの武器を試して貰った。



『ウソでしょ・・・・・鉄がバターみたいに斬れるんだけど?』


『こ これって本当に手加減出来るんですか?』


『ステータスが大幅に上がってるから難しいと思うけど、頑張ったら大丈夫だよ』



ロックも扱いの難しい魔物素材での武器製作が上手く出来た事に喜んでおり、メイドさん達も武器を扱った事など無い人もいるのに楽しそうに訓練していた。


メイドさん達も最初は武器に振り回されていたようだが、上達するのが早く見ていて面白いぐらいだった。



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