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第11話 錬金術2


『んふふ 順調に強くなってきたわね』


『うんうん、でも今日は危なかったから過信は禁物だね』


『だよね、さてどうする?』


『うん、午後から錬金術を教えてほしいから帰ろうか』


『はーい、角とか月光草とか無かったけど、また今度にしましょうか』


『うん、でもキノコは、ありそうだから<サーチ>してみるよ』


『<マップオープン>キノコを<サーチ>!!!』


『近くにもあるわね、適当に採っていこうか』


『それと、このブラッククロウラー全部持って帰りたいね、価値のある素材が分からないし』


『俺は、ブラッククロウラーをロープで括って引き摺って持って帰れるようにしとくよ、ミュウさんは、さっき倒した普通のクロウラーの魔石と糸袋、念のため触覚も取ってきて貰って良いかな?』


『分かったわ』



俺達は、手際よく仕度をしてから、近場のキノコを採取し帰路へつく。


ちなみにブラッククロウラーは、薄いシートを持っていたので傷めないように簀巻きにしてロープで括りつけた。



『むむ、おーもーいー』


『あはは 頑張れ男の子!!』


『物を浮かすような魔法が、あれば良いのにねー』


『あるわよ!』


『えっ』


『も・ち・ろ・ん 私は、使えないわよ』


『ガクッ』



俺は、ジト目でミュウさんを睨む。



『も~ そんな目で見られても使えるなんて言ってないでしょ!確か風属性の魔法で<フライ>だったかな?』


『なるほど便利そうだ、いつか覚えようね』


『んふふ 私に<風属性>が、あればね』


『魔法も何とかしないとね、まあ焦らなくても良いか、今日は、とりあえず錬金術だ!』



今日は荷物が重かったのもあって、汗だくでエルドラの町まで辿り着く。



『『ガルドさん、こんちにわー』』


『おかえり、クオン君ミュウさん今日も大猟だね』


『あはは 頑張っちゃいました』


『今日の獲物は、ほんとに強かったんですよ、ね~ クオン君』


『うん、苦労したよね』


『ほほう、しかし危険と思ったら無茶しちゃいけないよ十分気を付けてね』


『『はい!』』


『えっと今日は、カリーナさん居ないみたいだ、他の職員の所へ行こっか』


『すみません、クロウラー討伐完了と素材買取お願いしたいです』


『お疲れ様でした、クオン君ミュウさん』


『名前覚えてくれてたんですね、ありがとうございます』


『うふふ たまに隣にいたので聞こえてたんですよ、私はリアムって言います』


『リアムさんですね、これからも宜しくお願いします』



俺達は、リアムさんに、笑顔でお辞儀をする。



『これは御丁寧に、ありがとうございます』


『ではカウンターへ置いていきますね』



俺達は、クロウラーの魔石と糸袋を並べていく。



『それと、ちょっと重いんですが下に置いてあるこれも鑑定して貰っていいですか?』


『では、こちらのカウンターの奥の部屋まで持ってきて貰っていいですか?』



俺達は、簀巻きにしてあるブラッククロウラーを引き摺りながら奥の部屋へいく。


結構広い端の方にテーブルとイスがある、休憩部屋かな?



『拝見いたしますね』



リアムさんが簀巻きにしてあるロープをほどいていく。



『こ これは異常種ですね、よく倒せましたねEランク相当ですよこれ』


『はい、かなり強かったですが二人でなんとか倒せました』


『買取も大丈夫ですよ、魔石・糸袋・触覚・皮・体液すべて買い取ります』


『ブラッククロウラーの糸袋は、綺麗な黒糸になるので人気があり高値で売れますし、触覚・体液は、錬金術で使用し、皮は柔軟性があり防具の素材になります』


『あっ 触覚と体液を少し、後は皮を半分貰うってこと出来ますか?』


『はい可能ですよ、少しお時間を頂きますが宜しいですか?』


『はい結構です』


『では先に討伐報酬と普通のクロウラー素材の買取を進めますね、後は異常種の討伐については特別報酬も付きますので』


『『おーー』』


『では討伐報酬8体分・特別報酬・魔石8つ・糸袋8・ゴブリンの魔石10で金貨30枚になります』


『『おおーーー パチパチパチ』』


『うふふ 楽しそうでなによりです、では、これをどうぞ。後は切り取った素材を宿屋の方に配達しますね、残りの買取金は後日ギルドへ来られたときにお渡ししますね』


『ありがとうございます』



俺達は麻袋に入った金貨を、それぞれ受け取り錬金術屋に向かった。



『そういえば、今日はお弁当忘れてたね、ミュウさん何か食べようか?』


『うん、お腹減ったよ~』


『丁度、屋台があるわ、あれで良いんじゃない?』



そこには屋台でホットドックのようなパンに何かを挟んだ物を売っていた。



『うん美味しそうだ、すみません2つ下さい』


『あいよー 銅貨3枚だよ』



俺達は、歩きながら食べることにする。パンに挟んであるものはソーセージじゃなかったが、挽肉とモヤシ・ニラを炒めたような物が入っており、濃いめの味付けでなかなかイケるものだった。



『うん美味しい』



俺達は歩きながらパクパク食べて、錬金術屋さんに着く。



『ベクターさん居ますかー』


『ん~ 居るよ~ 入って~』


『こんにちわベクターさん、お言葉に甘えて教えて貰いに来ました』


『うん~ 良いよ~ 今は店番してるだけだから~ 持ってきた材料そこのテーブルに置いて~』



次々と、採取した物をテーブルに置いていく。



『っと、これで全部です』


『頑張って取ってきたんだね~』


『じゃ、まず基本から説明するよ~ 結構錬金術って自由なんだよ~ 材料は一定の分量があれば良いし、そこに何かを足せば効果が上がったり下がったりするんだよ~ 後、大事なのは製造中に込める魔力量、魔力をよく通す棒で掻き混ぜながら魔力を込めるんだよ~』


『じゃ普通のポーション1本分作ってみるね~ まずどんな物でもいいから鍋に少量の水を入れて薬草2本を出来るだけ小さく千切って入れる。成分が水に溶けだすように魔力を流しながら掻き混ぜる』


『魔力を大量に込めても効果が上がる訳じゃないから少量で良いんだよ~』


『メモメモ、どうやったら効果が上がるんでしょうか?』


『一番は錬金術スキルを上げることだね~ 自然に加熱温度・時間・魔力量・追加する材料のタイミングを適切に出来るようになるよ~』


『後は、月光草、魔物の角の粉末、各種キノコを加えると効果が上がるよ~ キノコは種類が多くて上級者向けだね~』


『はい出来たよ~』



そこには綺麗な黄緑色のポーションが、ガラス瓶に入れられている。



『お~ 見ていたら簡単そうですね』


『アハハ そうだね~ 上級者になれば鍋も使わずに生活魔法だけで作っちゃうよ~ 大量に作るには向いてないけどね~』


『ま~ 習うより慣れろだよ~ どんどんやってみよ~』



どっかで聞いた言葉だな、どこの世界にもあるのかな、なんか楽しくなってきた頑張ってやってみよう。



『はい、やってみます』



俺達は、まずポーションからやってみる。しかし、なかなか難しい。魔力の込めすぎでの失敗は無いそうなので後はタイミングかな。



『ん゛~ また失敗だわ~ くやし~』



やり始めて約1時間、俺とミュウさんも、やっと何となくコツがわかってきたようだ。よーし次こそ!



『『よし、できた~』』


『どうでしょうか?ベクターさん』


『うん、おめでとう!』



【クオンが<錬金術>を習得しました。】


【ミュウが<錬金術>を習得しました。】



『『やったねー!!!』』



俺達はハイタッチして喜びを分かち合う。



『うんうん良く出来てるよ~ いや~才能あるかもよ~ 普通は、どんなに早くても2日は掛かるもんなんだけどね~』


『君達なら、直ぐにスキルも覚えるよ~』



もう既に<神の声>で錬金術を取得していると分かっているんだが、ミュウさんとの相談の結果【プラス】の能力の事は絶対、誰にも言わないようにしようと決めていた。


ユニークスキルホルダーなんてバレたら良いことなんて絶対ないとの結論だ!権力者に利用されるかギルドに変な事頼まれるか、じゃまくさいこと請け合いだ。


それから俺達は、MPポーション・毒消しポーション・メディカルポーション等の作り方、注意点を指導して貰った、メディカルポーションは、まだスキルが足りなくて出来ないらしい。


月光草と光苔は、満月の夜によく取れるらしい。ぼんやりと光ってるとか普段でも取れるんだけど、めったに見つからないって。どおりで<サーチ>でも見付からなかったわけだ。



『後は<鑑定>ってスキルを持っていると錬金術には最高なんだけどね~ めったに持っている人がいないレアスキルだよ~』


『へえ~ <鑑定>か、出来れば欲しいですね』


『膨大な情報を蓄えたら覚えるスキルらしいよ~ 別名「知識のスキル」って言うぐらいにね~』


『あっ そーだ、ベクターさんに聞こうと思って持ってきたんですが見てもらえませんか?』



俺はクロウラーの触覚を見せてみる。



『ん~ 触覚だね~ 防具の強化に使えるよ~ 後は接着剤かな~』


『ほほ~ なるほど』


『後は聞いてばかりで申し訳ないのですが、馬車の車輪とか作ってるところ御存知ですか?』


『ああ、それなら隣町には鍛冶屋があるから、そこで作ってると思うよ~』


『ふむふむ色々とお世話になり、ありがとうございました』



俺達はベクターさんに何度もお礼を言い、<陽だまり亭>へ帰る。





『コンッコンッ ベクター様!よろしいですか?』


『ああ入りたまえ』


『失礼します』


『ベクター様ほど多忙なかたが珍しいですね、あんな子供の相手をするなんて』


『フフフ あんなか・・・ふふふ あはははは』


『君ほどの眼を持ってしても、そう思うかね?』


『私は今日、非常に気分が良い。彼等とは是非友達になりたかったのだよ、何としてでもね』


『この世界で3本の指に入るほどの大錬金術師、ベクター様がですか?』


『ふふふ 私は凡人だよ、彼等に比べればね』


『うふふ 私も興味が湧いて来ましたわ』


『おいおい、彼らにちょっかいは掛けないでくれよ』


『うふふ 勿論ですわ』


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