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第116話 レチクルのダンジョン攻略 お酒


『ご苦労様です、俺達6人でお願いします』


『えらく若いパーティだな、冒険者カードを提示して貰おうか』



俺達は、いつものように冒険者カードをそれぞれ衛兵さんに提示していった。



『なっ Aランク君達がサークルなのか?』


『何故、俺達を知っているんですか?』


『ああAランク最年少パーティとして噂になっていたからね、後は「サークルには近づくな」とかね』


『あはは そうですか』


『しかし、本当に若いな噂が本当だとしても、ここは中級クラスのダンジョンだから気を付けるように』


『ありがとうございます』



俺達はダンジョンの中へ入ると、他のダンジョンと同じように洞窟型だった。



『ではいつものように<マップ>&<サーチ>でボス部屋まで進もうか』


『『『『『了解ニャ!!!』』』』』



いくら中級ダンジョンと言っても地下10階までは大した魔物も出ないため、散開して進むことにした多方面から魔法の音が聞こえてくる。


俺も担当の雷属性を駆使して進んでいく、魔物についてはスライムが多いダンジョンみたいだ、見たこともないスライムもいたが残念ながらレアには会えなかった。


MPの維持についても心配していたが、俺達は自動回復力も高いため、まだ<マジックドレイン>を使わなくても良いぐらいだ、スキル上げの事もあるので使っているが。


地下10階までは、ほぼ全ての魔物を魔法で殲滅し、早々とボス部屋に辿り着く。



『ダンジョン攻略にも慣れて来たせいか、早く来れたわね』


『ここはスライムばかりニャ』


『僕も魔石とスライムゼリーが結構ドロップしましたね』


『じゃ ボスに挑戦しようか』


『盾がないと、何かシックリこんな』


『あはは、<ライトシールド>で頑張ろう』



いつものようにボス部屋の扉を潜りボスを確認すると、黒っぽい大きなスライムだった。


とりあえず<鑑定>し戦闘を開始することにする。


*********************************************


【ステータス】


名前:グラトニースライム

種族:スライム(希少種)

LV:33

HP:300/300

MP:200/200

攻撃:220

防御:250

敏捷:104

器用:126

魔力:190

精神:60


スキル:<経験値増大>


種族スキル:<収納>


*********************************************


『また、レアだな・・・』


『<激運>恐るべし』


『<経験値増大>ってすっごく良いじゃない』


『是非欲しいとこだな』


『<収納>って魔物版の<アイテムBOX>かな?』


『それっぽいニャ、シロとアドちゃんが喜ぶニャ』


『スキル取得に関しては<スキルハンター>のレベルも高いから、早く倒しても問題ないだろう、じゃやろうか』


『『『『『了解ニャ!!!』』』』』



<ライトシールド>から<ドレイン><スリープ>と光と闇魔法を撃ち終え、皆小手調べに弱めの魔法から、やろうとしたのか6人でボール系の魔法を繰り出し、その数は600を超える魔法が次々とグラトニースライムに降り注がれた。



『ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドン』



全員が小手調べと思っていたんだろう、凄まじいまでの全属性によるボール系の魔法にあっけに取られており、全てが着弾し終わる前に<神の声>が鳴り響く。


【レベルアップしました。サークルがレベル30からレベル32に成りました。】


【サークルが特殊スキル<経験値増大>を習得しました。】


【サークルの<激運>が<激運+1>に成りました。】


【サークルの<統率>が<統率+1>に成りました。】


【サークルが種族スキル<収納>を習得しました。】


【サークルの<火属性+8>が<火属性+9>に成りました。】


【サークルの<水属性+5>が<水属性+6>に成りました。】


【サークルの<土属性+2>が<土属性+3>に成りました。】


【サークルの<風属性+4>が<風属性+5>に成りました。】


【サークルの<氷属性+2>が<氷属性+3>に成りました。】


【サークルの<雷属性+2>が<雷属性+3>に成りました。】


【サークルの<光属性+6>が<光属性+7>に成りました。】


【サークルの<闇属性>が<闇属性+1>に成りました。】



『・・・・6人魔法使いって、ひょっとしたら飛んでもないんじゃない?』


『俺も少しそう思ったよ・・・』


『<激運>ってまだスキル上がるんだな?』


『ニャハハ 次のスキルもあるかもニャ』


『シロとアドちゃんも<収納>で色々持てるようになるかもですね』


『ポーション類持てるようになれば、良いかも知れませんわ』


『それはまた本人達と相談しようか』


『あっ ドロップ品も出てますよ』


『よく壊れなかったな・・・』


『魔石と装備品と黒箱ですね<鑑定>してみますね』



【アンサー グラトニーリング:スキル習得に恩恵を受ける。】


【アンサー 黒箱:麻痺の罠が仕掛けられた宝箱。】



『罠も解除するニャ<罠解除>!!!』


『指輪ニャ、10個ほど入ってるニャ<鑑定>してみるニャ』



【アンサー 付与の指輪:複数のスキルでも付与出来る指輪。付与したスキルによって名称が変わる効果。】



『おお~ 良いじゃない?』


『凄いです、僕達の持っているスキルでも、ミスリル装備じゃないと付与出来ないものもありますから、これ便利ですね』


『ああ、シロやアドちゃん用にも良いな、またどんな指輪にするか検討しよう』


『グラトニーリングも使えそうですわ』


『ワシ等には必要ないが、クランメンバーには良さそうな装備だな』


『確かに、これも検討して使おう』


『じゃ、そろそろ先に進もうか』


『『『『『了解ニャ!!!』』』』』



俺達は改めて魔法の威力に脅威を覚えながら次へ進むことにする、俺はこの時いつか6人で繰り出すシンクロ魔法に身震いするほどの脅威を感じていた。


階段を下りて地下11階に辿り着くと、草原エリアが広がっていた。



『ここからは草原みたいですね』


『ああ、見晴らしが良くて気持ちが良いな』


『んふふ 草原なら、そんなに食材はないかもね』


『ミュウ俺が食材を探しに来てるみたいじゃないか?今回は半分ぐらいなのに』


『『『『『・・・・・・・・・』』』』』


『・・・・・冗談に聞こえないわ』


『いつもは何割ぐらいでダンジョンに来てるんだろう・・・』


『ちょっと冗談だよ?誤解してないか?』


『でも、僕も新たなお酒があったら良いな~っと、あはは』


『ニャハハ あたいは美味しいお魚が良いニャ』


『私はフルーツが、良いですわ♪』


『フハハ 皆クオンに似て来たな』


『本当よ、でも私も楽しみだったりして、んふふ』


『なんだよ、皆俺の事言えないじゃないか』


『『『『『あははははは 』』』』』



ダンジョンに来ているのに何故か食材の話になり、俺達は新たな発見に期待しながら歩を進めていた、しばらく歩くと<マップ>に魔物の反応がある、もちろん<感知之極>で既に掴んでいたんだが、そこそこの数が居そうだ。


反応があった魔物が視認出来るまで近づくと大きな狼だった、ダイアウルフと言うらしい今まで見て来た狼の中では一番大きいライオンぐらいありそうだ、漆黒の毛並みは実に綺麗でこいつの毛皮はエイトールさんから教えて貰った高値で売れる素材でもあった。



『皆こいつの毛皮は高値で売れるらしいんで、頑張ろうか』


『確かに良い毛並みね~ やる気が出て来たわ』


『ニャハハ 頑張るニャー』


『どんどん増えていくな、腕が鳴る!』


『僕も範囲系の魔法頑張ってみます』


『よし各個撃破だ!!!』


『『『『『了解ニャ!!!』』』』』



ダイアウルフは群れで生活しているのか、一度戦闘が始まると周りからどんどん増えて行き俺達でも苦労するほどの数になってきたが、ロアさんから教えて貰った範囲系の魔法を駆使し殲滅していった。



『<ファイアメイク>ネット!!!』


『<アイスレイン>!!!』


『<エアストーム>!!!』


『<アースニードル>!!!』


『<ウォーターボール>散弾!!!』


『ナイス<サンダーレイン>!!!』



俺達は随所に<マジックドレイン>も使いMP管理しながら戦闘していった、<消費魔力減少+10>を覚えたためMP切れになることはなく、MPを確保したまま全てのダイアウルフを殲滅した。



『敵が多ければ多いほど魔法の威力が際立つわね』


『ああ、武器で攻撃するより楽だし殲滅速度も速いね』


『あたいも慣れて来たニャ』


『かなり数だったんで毛皮と大きな牙、後魔石もかなりドロップしましたね』


『<激運>になってから、ドロップもかなり増えましたわ』


『おっ レアドロップなのかな白い毛皮もドロップしてるね回収していこうか』



俺達には<アイテムBOX>があるのでドロップした素材の回収も楽々だ、やはり白い毛皮はレアドロップのようで白銀の毛皮と言う名前で複数落ちていた、一回り大きい牙のレアドロップもあり手分けして全て回収した。


ダンジョンの魔物は素材を傷つけないように倒す必要がないので、解体の手間も要らず人気があるのも頷ける。


<経験値増大>のスキルも上がり<経験値増大+2>になったせいか、レベルも32から34になったボス討伐並みの経験値が入った計算になる。


魔法スキルも火属性以外が1つずつ上がったようだ、今回のダンジョン攻略は魔法だけに制限したが、ここまでかなり順調にきている。



『この白銀の毛皮ツヤツヤで気持ち良いニャ』


『これ売るのが勿体ないぐらいですね』


『何かに使えるかもだし、少し取っておくよ』


『前回クロワさんに渡した素材も完売したらしいから、また渡して上げないとね』


『クハハ もうあんな値段では売れんだろうがな』


『分かりませんわよ?』


『あはは まあ頑張ろう』



それからも様々な魔物を魔法で殲滅していき、地下15階で素材回収に勤しんでいると前方に巨大な地面の裂け目があることに気が付く。


草原に突然現れた、それは底が見えないほど深く、どこまでも続いているようだった。



『ふあ~ 見てるだけで怖いぐらいだわ』


『あたいの目でも底が見えないニャ』


『何か吸い込まれそうな亀裂ね』


『とても渡れそうにないから、迂回するのが普通なんでしょうね』


『フハハ 普通ならな?』


『やっぱり底に何があるか気になるよね?』


『んふふ 絶対そう言うと思ったわ』


『<ウィング>がなかったら不可能なぐらいの深さですからね、ちょっと興味が湧きますね』


『<マップ>で確認しても下まで下りれるような所がないってことは前人未到なのでわ?』


『ニャハハ 行くしかないニャー』


『どうやら決まりのようだな』


『あはは じゃ行こうか!』



俺達は順番に<ウィング>を詠唱し、地面の裂け目に入っていく何があるか分からないので一応ゆっくりと降下していくことにした。


どんどん降下していくが、まだ底が見えない一体どれほど深いのか下へ向かうにつれ裂け目も狭まってきて湾曲していることから、もう空が見えなくなってきた。


真っすぐに下りて行き、30分ほど立っただろうか、ようやく底が見えてきて俺達は全員<ウィング>を解除し地面へ下りたつと、裂け目状に進める通路のようになっていたので奥まで進むことにした。


狭いと言っても6人が横一列になって歩けるほどの幅があり、付近には魔物の気配もなかったので落下物に注意しながら歩いて行く。



『何か見上げたら凄い光景ね、圧迫感があるわ』


『上から見たときは真っ黒だったけど、辺りが見える程の光はありますね』


『でも、もう空が完全に見えないニャ、地下通路みたいニャ』


『遠くの方に強い光が見えますね、何かありそうですわ』


『ふむ、ようやくだな』


『ああ、行って見よう』



前方に見える強い光を目指して進み、近くで確認してみると何か洞窟の出口のような場所になっており、俺達はとりあえず出てみると、驚いたことに地面の裂け目の底だとは思えないような黄金色の草原が広がっていた。


先ほどまでは薄暗かった道も一転し、太陽の光が燦燦と輝く広間になっていた。


近づいてよく見ると黄金色の草原に見えた物は、広大な大麦畑だ!腰の位置程まである大麦が見渡す限り続いている。


一応<鑑定>してみると向かって左側が小麦で右側が大麦のようだ、異世界でも名前が同じって事は転生者が持ち込んだのかな?しかしダンジョン内だし謎が深まるな・・・何度見返しても不思議な空間に俺達は唖然としていた。



『ダンジョンの中には不思議な事が沢山あるが、ちょっと面食らうな』


『ニャハハ パンが沢山作れるニャー』


『そっかパンって確か小麦から作ってるんだよね』


『ふむ、大麦からは何が出来るんだ?』


『あはは 僕達がいつも飲んでるエールですよ』


『ほほ~ しかし流石のクオンでもエールまでは作れないだろう』


『確かにエールは無理だけどビールなら作れるぞ』


『えっ リーダーそれってお酒ですか?お酒ですよね?美味しいんですか?』


『も~ ロック食い付きすぎよ♪』


『俺もあまり飲んだことがないけど、美味しいと思うよ』


『とっ 言うことで!』


『『『『『根こそぎだ(ニャ)!!!』』』』』



俺達は錬金術の精製→抽出を使い実だけを収穫していった、こういう事も有ろうかと大量の袋を<アイテムBOX>に入れて置いたので小麦と大麦の区別出来るように収納した、実を取った後の藁も何かに使えるかと思い少しだけ取っておく。


流石にこれだけの量を全て取る訳にもいかず、1時間ほど掛けて収穫を終えた。



『ロック何をそんなにキョロキョロしてるんだ?』


『えへへ そりゃー大麦があるんですから、探すでしょ普通は?』


『ロックそんなに上手くいくわけないでしょー』


『クハハ そう言いつつ探してしまうな』


『ニャハハ ロック意地汚いニャ』


『ところでリーダーどうですの?』


『ああ、行こうか』


『『『『『えええっ !!!』』』』』


『り リーダー言ってくれて良いじゃないですかーーーーー』


『あはは 俺はさっきから、あそこに見える木が気になって仕方なかったんだよ』


『えっ エールじゃなくて木なんですか?』


『あはは そうガッカリするなよロック、とりあえず行って見よう』



俺は此処に来たときから、ずっと気になっていた変な形をした大木が気になって仕方がなかった、皆と一緒に確認しにいくと幅1メートルはある立派な大木だった、只不思議な事に殆ど枝はなく、ネギ坊主のような形をした大木だった。


数えられないぐらいある、その大木の1本を見て下の方に短い枝が、やけに不自然に出ているのが目に付いた。


俺は本当に日本人がここのダンジョンを作ったんじゃないかと思いながら、<アイスメイク>でビールジョッキを作り短い枝を下へ下げる。


予想通りビールサーバーのように氷のジョッキにビールが注がれていきキメの細かい泡に覆われた美味しそうな生ビールが出来上がる。


<鑑定>結果にも生ビールと出ている、俺がそう認識したからかもしれないが・・・



『り リーダーそれって?』


『ああ、生ビールって言うんだよ、エールとは少し違うんだけど味見してみるよ』



この世界で飲んでいたエールは泡がなかったため、俺は生ビールを見ながらやはり泡がある方が美味しそうに見えるなーと思いながらグイッっと飲んでみる。


生ビールはキンキンに冷えていて喉越しで炭酸の刺激が抜けて行き、ほろ苦い後味が残り驚くほど美味しかった。


やはり俺が日本人のせいかエールとは比べ物にならないほどスッキリとキレがあり、プハーっと勝手に言ってしまう。


氷で作ったジョッキのせいで冷えていた訳じゃなく最初から冷えているみたいだ、色々突っ込みどころが多いのだが、もうロックが待てそうになさそうなので説明することにした。



『う 美味い最高だ!!!』


『『『『『リーダー狡い(ニャ)!!!』』』』』


『あはは 皆ダンジョン攻略中だから1杯だけだよ?』


『リーダー早く早く、僕もう我慢出来ません』


『分かった分かった、これ俺がさっき言ったビールそっくりなんだ、作る必要がなくなったよ入れ方見ててね』



俺は<アイスメイク>でビールジョッキを人数分作り、皆に配っていくロックは気持ちの良いぐらいの飲みっぷりであっと言う間に飲み干して満足そうに微笑んでいる。


皆も最初は少し含んで味見していたが、最後にはゴクゴクと一気に飲み干して「プハー」っと言っていた。


皆に泡で出来た髭が出来ていて見ていても楽しい♪



『『『『『最高だ(ニャ)!!!』』』』』


『リーダーこれエールとは比べ物にならない程美味しいです』


『フハハ これを風呂で飲んだら最高だろうな』


『これ喉が渇いてるとき飲んだら最高ですわ』


『ニャハハ ロックじゃないけどもっと欲しいニャ』


『んふふ これ美味しいわね、どうして木から出てくるのか分からないけど、ダンジョンだもんね』


『さって持って帰りたいけど、どうしたものか・・・』


『リーダー大木丸ごと持って帰りましょうか、ダンジョンだからきっと元に戻ると思いますよ』


『そうだな、詰め替えたら炭酸が抜けそうだし<アイテムBOX>ならいくらでも入るしね、それじゃー』


『『『『『根こそぎだ(ニャ)!!!』』』』』



俺達は1本でどれだけ入っているのか分からないぐらいのビールの木を、どんどん<アイテムBOX>へ入れていく驚いたことに、このビールの木には根がなかったので、まるで置いてある様だった。


いっぱい<アイテムBOX>に収納したので、そろそろ良いかなと思っているとロックが一生懸命にまだ収納していた、ロックに声を掛けると名残惜しそうに戻って来た。



『リーダーもう出発するんですか?まだまだ残ってるんですが』


『あはは もうかなりの数を収納しただろ?』


『えへへ どうせだから全部持って帰ろうかなって思ってました』


『も~ ロックあんなにいっぱい入ってそうなビールの木を、もう何百本も収納したじゃない欲張りなんだから』


『それにロック次に行かなくて良いのか?』



俺は笑顔でロックにそう語り掛けた、そう俺はもう1箇所気になる所があったので、皆に伝えることにした。



『ってことはクオンまだ何かあるのか?』


『リーダーまさか、ブランデーのようなお酒があるんですか?』


『それはまだ分からなけど、向こうに高台があるじゃないか、あそこが気になるんだよ』


『クフフ ロック嬉しそうですね』


『あらっ 珍しくライカ嬉しそうじゃない?』


『そういえばライカって、月を見ながら飲んでたのブランデーだったよね、ライカも強いお酒が好きなんだ~ 』


『クフフ バレちゃいましたか、もうやめれませんわ♪』


『さー 早く行きましょうリーダー』


『あはは ロック慌てなくても逃げないよ』



俺達はロックに急かされながら高台に向かう、高台と言っても歩いて登れるような緩やかな坂を進むと、そこにはビールの木の半分ぐらいの木が並んでおり、微かにお酒の匂いもするブランデーに勝るとも劣らない高貴な芳香だ。


俺はさっきと違って<アイスメイク>で普通のグラスのような形を作り、小さな木から注いでいく案の定鮮烈な香りが辺りを充満し期待が膨らむ。


<鑑定>したところ、やはりウイスキーだ俺はグラスを軽く回して香りを楽しみ少しだけ口に含み味をみる。


ブランデーを初めて飲んだ時の様な鮮烈な香りが口腔内に充満し、喉を刺激しながら鼻へ抜けていく、美味い。


個人的に例えるならブランデーを女性だとしたら、ウイスキーは男性に感じる、どちらも凄く美味しいのだが好みで判定は別れるだろう。


強いお酒なのは間違いないが、刺すような刺激ではなく丸みを帯びたような刺激に香りロックが気に居るのが目に見える様だ。



『り リーダーどうなんですか?』


『ああ、これは俺の国にあったウイスキーってお酒だ、<鑑定>でもウイスキーって出てるが美味い、最高だよ』


『リーダー早く早く』


『あはは これは間違いなくロック好みだよ、味見だけだよ?』



俺は強いお酒なので俺が味見したウイスキーを、そのままロックへ渡し味見をして貰う事にする。


同じグラスで全員味見をし、全員驚いた表情から満足した表情に変わっていく。



『これは驚いたな、ブランデーに勝るとも劣らない美味さだ』


『ああ~ 美味しいブランデーも美味しいですが、ウイスキーも最高ですね』


『クフフ これは甲乙つけがたいですわ♪』


『ニャハハ 酔っぱらうニャー』


『んふふ ってことは?』


『『『『『根こそぎだ(ニャ)!!!』』』』』



俺達はビールの木と同じように大木ごと<アイテムBOX>へ収納していくビールの木ほど数がなかったため全てのウイスキーの木を収納しロックが満足気に微笑んでいる。



『あはは 嬉しそうだなロック』


『えへへ ビールの木と違って本数は少なかったですが、それでも百本ぐらい収納したので大事に飲んだらしばらく持ちますね』


『ちょっと、ロックどれだけ飲む気なの?これだけでも一生分ぐらいあるわよ』


『もちろん一人で飲んでも美味しくないので、皆で飲みますよ』


『ニャハハ 皆で飲んでも一生分ぐらいあるニャ』


『フハハ 流石にドワーフだな実に豪快だ』


『私も飲むの手伝いますわ♪』


『ライカも飲みたいだけだろ?』


『クフフ リーダーも誘いますわ』


『帰るのが楽しみになったな』


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