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第114話 メイドさん初雇用


俺達は子部屋に入りミュウに<サイレント>を掛けて貰った、これはロアさんの指導の下<エアウォール>でやっていた魔法を改良したもので、完全に音を遮断する魔法になった。


まず最初に連れて来られたのは両足のない女性だったのでヘルマさんが抱きかかえて椅子に座らせた。



『こんにちわ俺は冒険者をしているクオンと言います』



連れて来られた女性は、何か驚いたように目を大きく見開いていたが、返答をしてくれる。



『私の様な奴隷に丁寧な言葉遣いありがとうございます、私はラスクと言います』


『失礼ですがラスクさんは、どうして両足を失われたのでしょう?』


『私は冒険者をしていたのですが魔物に足をやられ、なんとか命だけは助かりました。私は戦士だったのですが両足がなくては冒険者に復帰も出来ず、お金を稼ぐ方法もなかったので奴隷になりました』


『早く動く事は出来ませんが、どんなことでも頑張りますので、どうかお買い上げください』



ラスクさんは誠心誠意で俺達に懇願してくれているのが分かる、嘘をつけばベクターさんから貰った<真偽眼>で分かるのだが、ここの人達は奴隷印があるので元々嘘はつけないか。



『俺達はメイドさんを探しに来たのですが、それでも宜しいですか?』


『はい、私に出来る事なら何でもやります、どうかお願い致します』


『分かりました、これから宜しくお願いします』


『なっ ほ 本当に雇って頂けるのですか、あ ありがとうございます一生懸命頑張ります』



ラスクさんは、俺の差し出した握手に両手で答えてくれて、涙を流しながらお礼を言ってくれた。


今はまだ言えないが俺は両足も完全に治す事を心に誓い、ラスクさんにしばらく待ってくれる様に伝えた。


次に連れて来られたのはキツネの獣人だったが、右腕がなく、顔の半分が酷い火傷をおっており左目も見えないようだった。俺はラスクさんと同じように挨拶をする。



『こんにちわ俺は冒険者をしているクオンと言います』



ラスクさんと同じように、何か驚いているが俺の丁寧な喋り方が原因のようだ、いったい今までどの様な扱いをされていたのかが伺えるな。



『私はソーマと言います』


『失礼ですがソーマさんは何故怪我をされたのですか?』



ソーマさんは俺を睨みつけるようにし怒っているのか手がプルプルと振るえている。



『ソーマ、ちゃんと答えなさい、クオン様は興味本位で聞いている訳ではない』



俺の問いかけにヘルマさんがフォローしてくれた。ヘルマさんのフォローと奴隷印のためかソーマさんは渋々ながら返答してくれる。



『私は、貴方と同じ種族の山賊に襲われました・・・顔を焼かれ腕を切り落とされましたが何とか逃げ延びて気絶していたところを助けられ奴隷商にお世話になっております』



また山賊かと思い怒りが沸き上がった為か、少し<魔王の威圧>が発動してしまった。



『クオン落ち着いて、怯えてるわ』


『ああ、すまないね俺も山賊共は幾つか壊滅させたが、あいつらには反吐がでる・・・同じ種族として謝罪するよ』


『あ 貴方何者なんですか?』


『俺達は新人冒険者です、今日はメイドさんを探しに来たのですが、如何でしょう?』


『なっ こんな醜い獣人の私をメイドとして雇うって言うのかい?しかも片腕なのに?』


『ソーマ言葉遣いに気を付けなさい』



ヘルマさんの叱責に奴隷印が痛むのかソーマさんは即座に謝罪した。



『も 申し訳ありませんでした』


『俺達はソーマさんを雇うのに何の問題もありません、それにソーマさんはとても可愛いですよ』


『なっ なにを、馬鹿にしてるのか?』


『ソーマいい加減にしろ、もう良いから下がれ』


『ぐぅぅ も 申し訳ございませんでした』


『いやいや、ヘルマさん良いですよ今のは俺も失礼しました、可愛いじゃなくて綺麗ですと言うべきでしたね』


『なっ あ ありがとうございます』


『俺達は今回多くのメイドさんを雇いたいと思ってます、ソーマさん如何ですか?』



俺は笑顔で左手を差し出し握手を求め、ソーマさんの返答を待つ。



『・・・私は正直ヒューマンを恨んでいます、このまま死ぬのを待つだけでしたが、本当に私で良いのですか?』


『はい俺達は決して危害を加えないことを約束します、歓迎しますよソーマさん』


『分かりました、どうかよろしくお願い致します』



ソーマさんは、ようやく俺の左手に握手してくれて了承して貰えた、ラスクさんと同じ様にしばらく待って貰う事にする。


次に連れて来られた女性は欠損が酷く片足と片腕が無く、盲目で声も出しにくいみたいだった。いったい何があったのか酷い状態だ・・・声が出し難そうなので、詳しく聞くことは出来ないがそれでも話かけてみる。



『こんにちわ俺は冒険者をしているクオンと言います』


『た たす、けて』


『いた、い、の』


『分かりました俺達が助けます、着いてきてくれますか?』


『ありが、と、う、なんで、も、します』



俺は泣きそうになりながら、名前も分からないこの子の手を取り握手をした。



『これから宜しくお願いしますね』



ヘルマさんに聞いたところ、この子はキキラって名前らしい、盲目の目から涙を流しながら握手している手に力が入る。


俺は少しピッチを上げて、面会をすることにした。次に連れて来られたのは欠損はないが酷い火傷をおった色白のエルフだった。



『こんにちわ俺は冒険者をしているクオンと言います』


『ふふ 奴隷相手にそんな丁寧な言葉遣いはしなくて良いですよ、私はルルカと言います』


『あはは 癖みたいなもんですよ、俺達はメイドさんを雇いに来たのですがルルカさん、如何ですか?』


『えっ あの私の火傷は見えてますよね?服を脱いだらもっと酷いですよ?』


『ええ、熱かったでしょう、俺達が出来るだけ治療もしますね』


『あはは 面白いお方ですね、どうやら貴方には火傷なんて関係なさそうですね。分かりました是非、宜しくお願いします』


『ありがとう、ではこれから宜しくお願いします』



それからも次々と面接?して全員で10人を雇うことにした。



『ヘルマさん10人雇う事にします、手続きをして貰えますか』


『ふふふ まさか全員雇って貰えるとは思いませんでしたよ』


『ニャハハ 商売上手だニャー』


『これは手厳しい、あの者達を連れていくのは非常に目立つでしょうから馬車を用意してあります、偶然にも全員乗れそうですな』


『あはは 偶然ですか?でも良かったですよ、ところで料金なんですが如何ほどでしょうか?』


『借りがあるとはいえ、こちらも商売なので1人金貨1枚として金貨10枚で如何ですか?』


『今までの食事代にもならないのでは?』


『それは借りを返すと思って頂ければ幸いです』


『あはは ヘルマさん、もし同じような人が居たら連絡をくれますか?』


『ふふふ 分かりました、なにせクオン様はお得意様ですから』



俺は袋に黄金貨10枚を入れヘルマさんに渡す。ヘルマさんの様な、お人好しには儲けて貰わないとね。


仕度の終わった奴隷達は綺麗な衣装に身を包み馬車に乗っていく、両足のないラスクさんは腕で移動していたが俺が引き留め抱っこして馬車へ乗せた。ラスクさんは少し照れているようだった。


移動するのも困難な人達も、メンバーが補助してくれているようだ。流石に馬車も10人乗ればいっぱいになり俺達は馬車の後ろを着いて行くことにする。



『ヘルマさん、ありがとう』


『いえいえ、またのお越しをお待ちしております』



ヘルマさんが雇ってくれた馬車は俺達の家に向かい俺達も歩いてついていく。



『アーチカさん、付き合わせて、すみません』


『とんでもないです、私は改めてクオン様達を尊敬します』


『クオン様、私が全力であの人達を立派なメイドにすることを誓います』


『ちょっと人数が多くなっちゃったね、アーチカさんには苦労掛けるけど宜しくお願いします』


『私は感動して力が漲ってます、お任せください例え体が不自由でも、何とかしてみせます』


『んふふ あらっ アーチカさんは奇跡を見たことがなかったっけ?』


『あります、ミュウ様が・・・えっ そんなまさか』


『ニャハハ たまには奇跡もポンポン起こるニャ』



馬車は俺達の家に着いたので、雇ったメイドさん達を補助しながら家に入り椅子には座りずらそうだったので、大き目の部屋に入って貰い、絨毯の上に座って貰った。


アーチカさんを含め全員が集まっている。説明の前に治療に移ることにする。



『それでは皆さん、今から俺が言う事を良く聞いてください』


『とても大事な事なので聞き洩らさない様に』


『俺達といて知り得た全ての事は他言無用です、これだけは厳重に守ってください』


『言葉が喋りにくい人も居るので、先に治療したいと思いますが、治療方法についても他言無用です良いですか?』


『わ 分かりました』×10人


『すみません治療とは、どういう事ですか?』


『欠損とか火傷の治療ですよ、まあ見た方が早いですね』


『ミュウはキキラさんを頼む、それと皆にアドバイスを』


『分かったわ、皆大事なのはイメージよ人体の構造を思い出して、強く強くイメージして』


『『『『『了解ニャ!!!』』』』』


『ラスクさんは俺が治療しますね』


『い いったい何をするのですか?治療って私は怪我なんてしてないのですが』


『ラスクさん、動かないでね』



俺達は深く強くイメージし、<ラストヒール>を唱える。


俺達6人がそれぞれ唱えた<ラストヒール>により、メイドさん達の欠損していた腕が、足が、眼が、そして火傷も見る見る内に治っていく。



『そ そんな私の足が!』


『わ 私の腕が!』


『見える、見えるわ!』


『普通に喋れる?な なにが?』


『そうでした私はミュウ様に奇跡の魔法を見せて貰ってました。しかし、まさか体の欠損や失われた光まで治せるなんて・・・』



しばらく俺達は<ラストヒール>を繰り返し、メイドさん達全員の治療を終えた、特にミュウはキキラさんの治療のため<ラストヒール>を5回使っていた。


しかし、ロアさんからコピーした<消費魔力減少+10>のためか魔力切れを起こすことはなかった。


治療を終えたメイドさん達は、未だに信じられないのか失ったはずの手足や目を触り茫然としている。



『一応全員の治療が終わりました、まだ痛い所があれば俺達に伝えてください』



俺の言葉を皮切りに、ようやく治ったのが実感出来たのか皆感涙に浸っていた。俺は興奮が治まるまで待つことにしメンバー全員でメイドさん達の頭を撫でてあげた。



『ご主人様、ありがとうございます。私の足が治るなんて、もう完全に諦めていました』


『私の手足も』


『私の眼も』


『す 凄い私の火傷がどこにもない・・・なんて凄い魔法なの』


『では皆さん完全に治ったようなので話を続けますね』


『俺達には秘密が非常に多いのですが、この魔法1つでも分かって貰えると思います、何度も言いますが他言無用でお願いします』


『この後、皆さんには俺達の本部でメイドさんの教育を受けて貰います、此処までで何か質問はありますか?』


『すみません、この豪邸ではないのですか?』


『此処は、俺達の自宅なんですが皆さんには本部の方でメイドさんをやって貰おうと思います』


『それは何処にあるのか聞いても良いですか?』


『それは直ぐに分かると思います』


『私達を治してくれたエリクサーに匹敵する魔法なんて、冒険者とお聞きしていたのですが高位の神官なのではないのですか?』


『いえ俺達は只の冒険者です、それは間違いありません、ちなみにエリクサーもありますよ』


『えええっ 』×10人


『では説明を続けますねメイドの教育については、ここのアーチカさんが教えてくれます』


『皆さん、こんにちわメイド長をしておりますアーチカです、宜しくお願いします』


『皆さんはアーチカさんの指示にしたがってください、厳しい言い方をしますがアーチカさんに逆らうようなことがあれば即奴隷商に戻って貰います』


『ゴクッ』×10人


『アーチカさんは非常に優秀な方ですので、決して無茶な事は言いません、それだけに逆らうような人は看過出来ません』


『服装はメイド服を用意します、ムーア頼んで良いか?』


『任すニャ この話の後にサイズを測るニャ』


『アーチカさん、メイドさんの基本的な仕事はどんな感じですか?』


『はいまず、基本的な礼節、言葉使いは勿論として、掃除、洗濯、料理がメインになります』


『説明は大体こんなところですね、質問はありますか?』


『すみません混乱して遅れましたが、御主人様に生意気な口の叩いてすみませんでした』


『えーっと確かソーマさんだよね、そんな事気にしなくて良いよ片目のときも綺麗だったけど、もっと綺麗になったよ良かったね』



俺は笑顔でそう言うとソーマさんだけじゃなく全員が泣き出し俺達にお礼を言ってくれた。


今まで本当に辛かったことが伺えるな、これからは常識の範囲内で楽しみながら生活して貰おう。


しかし、改めて見ると皆可愛いしスタイルも良い、ローニアさんとこのメイドさん達に比べても遜色ないな。



『すみません私は目が見えなかったので分からなかったのですが、ここは<エンゲルラント>ですか?』


『キキラさんだったよね、君が一番損傷が酷かったから大変な苦労だっただろう?これからは今までの苦労を取り戻せるぐらい楽しんでね、あっ そうそう此処は<エンゲルラント>にある俺達の自宅だよ』


『ありがとうございます、ここも豪邸に見えるのですが貴族の冒険者なのですか?』


『いや俺達は皆平民だよ、侯爵家の友達は居るけどね』


『・・・・・・』×10人


『まあ、俺達の事はゆっくりと覚えてくれたら良いよ、じゃそろそろ移動しようか』


『クオンどうする?』


『ん~ クロワさんのときのように説明しながら行こうか』


『分かった、なら此処のドアに<ルーム>を繋ぐぞ』


『ああ、じゃ皆さん本部に移動するので徒歩で行こうか』



メイドさん達とアーチカさんに<ルーム>を潜って貰いサークルの世界に入って貰う。


案の定全員が大きく目を見開いて驚いている、最近はこれを見るのが楽しくなってきた、あはは。



『て 転移魔法・・・』


『おっ ラスクさん良く知ってますね、でも惜しい違うよ』


『ここは亜空間なんだよ、あそこに見えているのがサークル本部だ、皆に働いてもらう場所だよ』


『・・・・・・お城』×10人+アーチカさん



今まで屋内にいたのに、いきなり太陽の下、広大な大地に大きな城を見たら驚くのも分かるし、最近は確信犯だ。


全員を引き連れながら説明していき、庭と各階の説明を終わると掃除だけは全部しなくて良いと伝えておく。


この城をたった10人でやろうと思ったら大変だからだ。


掃除については俺達の部屋と食堂に限定するようアーチカさんには伝えておいた、何れ丸薬を飲んで貰って<クリーン>で一気に出来るようにしようとは思う。


メイドさん達の部屋は2階にある部屋を1人1部屋ずつ使って貰う事にした、どうせいっぱい余ってるしね。


お風呂以外の説明が終わり、今日はゆっくりして貰って明日からアーチカさんに指導して貰う事にする。


俺達は明日からダンジョンに籠ることも伝えておいた。


今日は明日からのダンジョンの事もあり料理を作り置きする事にした、全員に覚えて貰うために食堂に集まって貰い何を作るか考えたが、せっかく醤油があるんだから醤油ラーメンを作る事にした。


贅沢にもオークキング醤油豚骨ニンニクラーメンだ!!!美味くない筈がない。


オークキングはまだ<解体>してなかったのでオーラに任せてスープ用の野菜を段取りしていく、人数がいるので寸胴で作る。


さっそくオーラが<解体>を終えて戻って来たのでたっぶりの骨で出汁を取り野菜を丸ごと寸胴にいれて煮込む。


ロックに時間を進めながら灰汁を掬って貰い、俺は麺を作る一応皆に教えながら作ったが、これは直ぐには無理かな引き延ばすのが難しい。


あっと言う間に大量の麺を作り、チャーシューに豚バラ煮込みを作るスープと同じぐらい時間を掛けてトロトロになるまで煮込み完成だ。


スープは豚骨の濃厚な味とニンニク醤油が絶妙に絡まって美味く出来た。



『ちょっと何なのこの良い匂いは、もうタマンナイんだけど』


『あっ ロアさん丁度良かった、夕食を作ったんで食べてください』


『これが醤油の匂いなの?すっごく良い匂いね』


『あはは 俺も久しぶりだから楽しみだよ』



俺はメイドさん達とベクターさんロアさんアーチカさんの分を含めてメンバーとラーメンを作っていき<アイテムBOX>に入れていく、用意が出来たので大食堂に座って貰い食べる事にする。


メイドさん達は同じテーブルに着くのに抵抗があったみたいだが、気にせず座って貰うよう指示した。



『ところでクオン君メイドさんを雇ったのかな?』


『はい、明日から働いてもらう事になったメイドさん達10人です』


『ひょっとして、大錬金術師ベクター様?』


『ああ、私はクオン君の友達で今ここで研究してるんだよ』


『えええっ 』×11人


『もう駄目、奴隷から一転どうして王族が住むような城で大錬金術師ベクターさまと同じテーブルで食事になったの?』←ラスク


『んふふ 本当に驚くのは食事だったりして♪』


『ニャハハ 皆覚悟した方が良いニャ』


『ちょっとー どういう事?』


『ある意味これからの食事は爆弾だ』


『クフフ 素敵な爆弾ですわ♪』


『あはは さあ食べようか、俺も我慢できなくなってきたよ』



俺は<アイテムBOX>からラーメンを取り出し、箸の使い方を説明して食べて貰うことにした。


久しぶりに食べるラーメンに喜びを抑えられない。さー食うぞ。


・・・・こ これは想像以上だ!流石オークキングなんて濃厚さだ出汁だけでも、こんなに美味くなるのか。


久しぶりに食べる醤油もニンニクと出汁が麺によく絡まり箸が止まらない!


最大の期待をしつつオークキングのチャーシューにかぶりつく、くはっ 目がチカチカするような衝撃だ、濃厚な肉の旨味が口の中で爆弾のように弾ける。


くぅぅ 最高だ人生最高の美味かもしれない、俺は喜びを噛みしめながら最後のスープを啜り、感動に浸っていると他の皆はとっくに食べ終わり、幸せそうな顔をして動きが固まっていた。



『皆どうだった?これが醤油の味なんだけど』


『クオンが、夢にまで見たってのが良く分かったわ、私次にこれを食べれるなら何だってしてみせるわ』


『僕、記憶が飛びましたよ』


『ワシは、爆弾に例えたが、本当に味の爆弾だった・・・』


『あたいも予想を遥かに超えた味だったニャ』


『・・・まさに至高の味でした、まさか食べ物でこんなに感動するなんて素敵すぎますわ』


『クオン君、まったく君は恐ろしい食べ物まで作るんだね、生涯忘れる事が出来ない味だったよ』


『美味しすぎるわ、何て物作るのよ、箸って何なの、使いにくくても夢中で食べたわ、練習しなくちゃいけないじゃない?』



メイドさん達とアーチカさんは、まだ固まったまま動かない。ありゃ免疫がないところに、やりすぎたかな?



『アーチカさん?アーチカさん、アーチカさーーーーん』


『は はい、し 失礼しました』


『す すみませんでした、気絶してたのかもしれません』


『美味しかったです、いえ凄すぎです夢中で食べてしまいました、これは何の肉だったんですか?』


『ああ、以前ミュウが倒したオークキングの肉なんだ』


『ええええええええええええええっ!!!!!!』×13人


『ど どおりで美味しいと思ったら』


『私達、奴隷なんだけどオークキングの肉なんて、いったい幾らするのよ』


『あはは 私達なら1000人買えるかもね』


『ふむ、おそらくは金貨一万枚でも買えないだろうね』ベクター(談


『お母さん、もう私は普通の生活に戻れないかもしれません』アーチカ


『あはは 奴隷の私達に貴族でも体験出来ないような食事か、笑うしかないですね』


『私達は飛んでもない御主人様に買われたみたいですね』


『もう嬉し涙も、驚きも今日1日で枯れはてたよ、あはははは』


『神様っていたのね、今まで信じてなかったけど、御主人様ごめんなさい』


『あはは いつ死ぬのか不安だったけど、もういつ死んでも良いわ』


『夢にしか思えないけど、こんなに最高の気分になるなら夢でも良いわ』


『えっとメイドさん達、まだたった1食だよ、これから俺が作る美味しい物を、沢山食べて貰うよ覚悟して』



それから御代わりを募ったところ、全員から手が挙がりラーメンをたっぷり堪能してもらってからフルーツで止めをさした。


満腹で倒れている皆を休ませてから全員お風呂に誘って、今度は湯舟に使って疲れを癒して貰うとする。


勿論皆には水着を着用して貰った、女子だけで入って貰っても良かったんだけど俺も幸せそうな皆の顔が見たかったしね。決して皆の裸を見たかった訳ではない。決してない。



『なんて気持ちの良さ、なんて壮大な景色、これがお風呂なの私初めてだわ』


『お風呂なんて貴族が入る物だと思ってたけど、こんなに気持ちが良い物だったのね』


『ニャハハ 貴族でもこんなお風呂入れないニャー』


『クフフ 王様でも無理ですわ♪』


『そうね、クオンに関わらなかったら、不可能なことよね』


『生きてたら、いつか良い事があるって本当なのね、まさか奴隷になって幸せだと思うなんて』


『ここのお風呂って美肌効果と疲労回復に力を注いだから、疲れも取れる筈だよ』


『いったいどこまで、奴隷に贅を尽くすんですか!』×10人


『お母さん、今私は桃源郷に居ます、いえ天国かもしれません、天国って生きてても行けるんですね』アーチカ


『私、肌なんて火傷を負う前からカサカサだったんだけど、なにこれ?もう効果が出てるの?』


『あはは 今まで分からなかったけど皆綺麗な人だったんですね』


『何言ってるのよ、貴女もすっごく綺麗じゃない、胸も大きくてセクシーだし』


『んふふ 実はクオンって胸の大きい子が好きなのよ、貴女達みんな胸が大きいから選ばれたのかもね』


『ちょっと待て、確かに好きだが俺は全員雇ったぞ、誤解のないようにな』


『胸が大きいから幸せになったのか・・・』×10人


『ちょっと待て、ちゃんと聞いてたのか?』



それからも色々なお風呂やサウナを皆に楽しんで貰い、最後にはエールで乾杯をしてプチ歓迎会が終わり各部屋で休んで貰った。


さー俺達も明日からは久しぶりのダンジョン生活だ、頑張ろうかな。



       ◇     ◇     ◇


<同時刻ヘルマさん>



『なっ どうも袋に入っている金貨が大きいと思ったら黄金貨10枚とは、金貨なら1000枚分か』


『ふふふ あっははは どうやら、またデカい借りが出来たようだな、クオン様か・・・不思議な方だ』


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