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第113話 念願の調味料


クロワさんには客室に案内し泊って貰うとこにした、今日も色々な事があり俺達も疲れたので早めに休む事にする。


朝目覚めてからリビングへ行き<クラントーク>で皆も朝食に誘った。朝食なのでパンと目玉焼きジャムぐらいしかないのだが皆喜んでくれた。



『クオン様、あの布団いやベッドは何ですか?私は、こんなに安眠したのは初めてですぞ』


『そーそー あれは、ヤバいわ人が駄目になるわ』


『私も初めてだよ、ベッドの程よい弾力、布団は羽が入っているのかね?』


『ニャハハ そんなに喜んでくれると嬉しいニャ』


『そうですね照れちゃいますねー』


『やはり手作りなのかね、全く恐れ入るよ』


『あれはムーアとロックが作ってくれたスプリングマットと羽布団です、最高に気持ち良いでしょ』


『でも両方リーダーが考えたやつニャ』


『『『・・・・・・・・・』』』


『クオン君、発明家なの?冒険者なの?どっかの王様?』


『新人冒険者です!!!』


『あはは Aランクの新人冒険者かね』


『でもベクターさんに初めて会ったときぐらいに冒険者になって、まだ数ヶ月なんですよ?』


『間違いなく、新人冒険者ね・・・否定は出来ないわ・・・したいけど』


『あはは では俺達は畑に行ってきますね』


『ああ私達も研究してるよ』


『私は商売に行ってきます、また報告に来ますね』


『分かりました、宜しくお願いします』



ベクターさん達に予定を伝え俺達は昨日アドちゃんに作って貰った果樹園に向かう、といっても<ダンジョンワープ>で直ぐに着くのだが、果樹園に着いて見渡すと案の定、美味しそうな果実が実っていた。



『うわ~ どれも見た事ないけど美味しそうね』


『すっごく良い匂いがするニャー』


『ほほ~ これは収穫し甲斐があるな』


『高い所にも果実がなってますね、私達なら問題ないですが』


『トゲトゲの物は、木の実ですか?』


『ああ栗って言うんだよ、とっても美味しいんだ、トゲトゲに注意して中にある実だけを収穫して欲しい』


『分かりましたわ』


『じゃ手分けして収穫しようか』


『『『『『了解ニャ!!!』』』』』



俺達は<ウィング>を使いながら丁寧に果実を収穫していくが、その見事な出来栄えに驚くばかりだ流石にアドちゃんが育ててくれた果実だな。


熟している果実もムラがなく、全部収穫出来た。俺は味見がてら<アースメイク>でテーブルとイスを作り収穫したばかりの果実でフルーツ盛り合わせを作って皆に食べて貰った。



『うわ~ 綺麗に盛り付けするわねクオン、本当に器用なんだから』


『何か食べるのが勿体ないですね』


『綺麗ニャー 美味しそうニャー』


『ちゃんと覚えておいてデルタにも食わせてやろう』


『私実はフルーツ大好きなので密かに楽しみにしてましたわ♪』


『あはは さー食べてくれ全部俺の国のフルーツなんだよ』


『『『『『いただきまーす(ニャ)!!!』』』』』



あれ、1口食べて皆驚いているようだ美味しい物には慣れて来た筈だから、ひょっとしたら日本のフルーツは口に合わなかったかな?


心配になってきたので俺も食べて見る。


んおっ ま マジか美味い美味すぎる・・・なんだこれは俺が覚えている味より数段美味い、勿論味はそれぞれの果実の味がするんだが濃厚な甘さ、爽やかな酸味、どれも別次元の美味さだ・・・


アドちゃんが作ってくれたからなのか、魔力のせいか、ここの土壌なのか分からないが気候も無視して作ったのに全部美味い、こりゃ嬉しい誤算だな。


気が付けば皆、無我夢中で貪り食べている、良かった口に合わなかった訳じゃないみたいだ。


俺が一通り味見し終わると、既に全部食べつくされていた。結構な量があったのに皆凄いな。



『はっ 私夢中で食べちゃった、何よこれ美味しすぎるわ、ああもっと食べたいぐらいよ』


『流石にリーダーの国の果実ですね、僕言葉を忘れましたよ』


『美味しかったニャー ミカンの刺激がたまらないニャ』


『ワシも感動したデルタに上げるのが楽しみだ フハハ』


『私も最高でした、こんなに美味しいフルーツ食べたの初めてですわ』


『そういえばムーア、ミカン美味しかったのか?』


『あたいはミカンが一番美味しかったニャ』


『ふむふむ、不思議なもんだな俺の国でムーアに似てる生き物は、ミカンが苦手なんだよ』


『にゃるほど、リーダーがいつもあたいの頭や尻尾を撫でるのが、何故か分かったニャ』


『あはは そうなんだよ猫って言うんだけど、とっても可愛くて好きだったんだ』


『ニャー あたい照れるニャ 可愛いにゃんて』


『なーに喜んでるのよ、私もムーアの耳撫でるの好きよ♪』


『あはは 実は僕も』


『フハハ ワシもだ』


『私も撫でたいと思ってましたわ♪』


『ニャハハ モテモテニャ パーティメンバーは特別に撫でても良いニャー』


『ニャアアアアアア 優しく撫でてニャー』



ムーアの許可が出たので皆でムーアを撫でまくった。主に俺が!


次にいよいよ調味料を作る事を告げて皆に手伝って貰うことにする。


特に醤油や味噌は熟成に時間が掛かるため、ライカに<時空操作>のコツを聞きながらコツコツと作っていった最大の問題である醤油用麹と味噌用麹は爺ちゃんが持たせてくれてある。


俺は麹を増やすことから初めて、醤油から作る事にした。今日予定してるのは醤油・ポン酢・焼肉のタレ・味噌にした。


本当はソースも作りたかったんだが酢を作るための米か大麦を作ってないので、後日にすることにする。他の材料でも作れるとは思うが経験がないため保留した。


様々な工程を時間を進めながら行い、ようやく醤油が完成した。ようやくようやく、この異世界に来てから醤油が出来た長かった・・・俺は軽く感動していると皆が不思議そうにこちらを見ていた。



『どうしたのクオン?』


『ちょっと感動してね、ようやく俺の野望である醤油が出来たんだ』


『・・・これだけ数々の凄まじい事をやってきて、野望が調味料って言うのもクオンらしいけど』


『僕はリーダーがそこまで執着する調味料が怖いですね』


『きっと飛んでもないニャ』


『世界が震撼するほどかもな・・・』


『きっと歴史が動く調味料ですわ』


『ちょっと待て、いくらなんでもそこまでの事じゃない。俺が、いや俺の国に居た人なら必ず欲しがる調味料なんだよ、俺はこれが欲しくて夢にまで見たよ』


『皆が気に入ってくれるか心配だけどね、俺が作れるレシピの殆どが醤油を使った料理なんだよ』


『それを聞いちゃうと、すっごく楽しみだわ♪』


『は 早く続きを作りましょう』


『フハハ 気持ちは分かるぞロック』


『フルーツで感動したところなのに・・・』



続けてポン酢・焼肉のタレ・味噌等を作っていき今日予定していた調味料作りが終わる、特に焼肉のタレの調合に悩んだが俺が納得できる味が出来たので満足だ。


この勢いで思索料理を作ってみたい所だったが先にアーチカさんの所へ行って、ずっとお世話して貰っていた魔草の水やりのお礼を言う為にリーバイ家に行くことにした。


<ルーム>を出て自宅を探したところ、たまたまアーチカさんが掃除をしてくれていたので今までのお礼を伝えた。


『いつも、ありがとうございますアーチカさん』


『いえいえ、お帰りなさいませクオン様』



俺は魔草を別の場所へ移す事を伝えると、掃除だけでもしておくとアーチカさんが言ってくれている。


話を聞くとローニアさんから、俺達の家をメインに担当するよう言われているらしい。


本当にローニアさんには、お世話になりっぱなしだ。



『ねーねークオン、以前商業ギルド長のゲルマンさんに雇用問題の協力を頼まれたけど、結局まだ雇用してないじゃない?』


『ああ、あの時はライカの救出を優先したからね』


『この際、あっちも視野に入れてメイドさんを雇っちゃう?』


『あたいからも、お願いしたいニャ』


『そうだな、ずっとアーチカさんを、お借りするのも悪いしね』


『それでしたらメイドとしての教育を私がやりましょうか?』


『願ってもない話ですが、アーチカさんに頼りっぱなしと言うのも悪いですよ』


『いえいえ、お嬢様からクオン様のお役に立つように言付かっておりますし、現状では掃除ぐらいしか仕事がないので』


『確かに此処では仕事は少ないが、あっちなら数十人雇ってアーチカさんに教育して貰えれば俺達も助かるな』


『皆の意見も聞きたいけど、どう思う?』


『うむ、アーチカ殿を招待して説明する必要があるな』


『奴隷だけでメイドさんを雇ったら機密保持は確保出来るしね』


『あたいもリーダーが奴隷を養ってくれるなら、どこに行くよりも安心ニャ』


『そうするにしてもローニアさんに確認してからの方が良いですよね』


『なるほど、皆の意見を参考にしてローニアさんに確認を取ってからアーチカさんにあっちの世界の説明をして雇ったメイドさんを教育してもらう方向でってことにしようか』


『余り<ルーム>の<刻印>を増やすのも考え物だから、アーチカさんにだけ<刻印>をお願いすれば、問題ないかな?』


『そうね私も、それで良いと思うわ』


『あ あの、いったい「あっちの世界」とはどういう意味ですか?』


『ごめんねアーチカさん、それはまだ言えないんだ』


『ローニアさんに確認を取らないといけないんだけど、アーチカさんもし、しばらくの間ある所でメイドさんの教育を頼んでも問題ありませんか?』


『はい、以前なら母親の事があったので無理でしたが、今では大丈夫です』


『分かりました、まだどうなるか分かりませんが、そうなれば宜しくお願い致します』


『明日からダンジョンにも行きたいし、今からローニアさんに確認を取って奴隷商に行くってのはどうかな?』


『ローニアさんに確認が取れたら、あっちの説明をしとかないと混乱すると思うわ』


『確かに、あれは強烈だからな・・・』


『なるほど、とりあえずローニアさんの所へ行こうか』


『『『『『了解ニャ!!!』』』』』


『すみませんローニアさんも着いてきて貰っても良いですか?』


『はい、畏まりました』



俺達は自宅へメイドさんを派遣してくれていたお礼を兼ねて、ローニアさんに会いに行くことにした。


リーバイ家に辿り着くと、いつものように執事のザルガさんが出迎えてくれた。



『ようこそお越しくださいましたクオン様』


『お久しぶりですザルガさん、ローニアさんは御在宅ですか?』


『はい、お嬢様なら家に居ります故、どうぞお入りください』



俺達はいつものリビングに通して貰いソファーに腰掛けると同時にローニアさんが来てくれた、俺は立ち上がり挨拶をする。



『こんにちわローニアさん』


『うふふ お待ちしておりましたわクオン様』


『最近お越し下さらないので、心配しておりましたアーチカに聞いても自宅にも、あまりいないそうなので遠征されているのかと』


『あはは まあそんな感じですね』


『それで今日は、どんな用事ですの?』



ローニアさんは、何か期待の籠った表情で楽しそうにしている、う~んどうしてこうなった・・・



『いえ今日は、お礼と少しお願いに来たんですが』


『今まで俺達の家にメイドさんを派遣して頂き、ありがとうございました』


『えっ まさか引っ越しなさるの?』


『いえいえ、そういう訳ではないのですが、お世話して貰っていた魔草を移動することにしたので、あの家での仕事がなくなるんですよ』


『ふ~ 驚きましたわ、それでお願いと言うのは?』


『はい、実はあるところへサークルの本部を作ったのですが、そこでメイドさんを雇いたいのですが教育係としてアーチカさんに、しばらくの間お願い出来ないかと思いまして、お願いに参りました』


『そうでしたの、その本部は遠いのですか?』


『遠くもあり、近くでもあります』


『うふふ ナゾナゾみたいですわ♪』


『でも、大体分かりましたわ、サークルの深淵にアーチカが少し踏み込むんですね』


『流石ですね、説明が楽で助かりますよ、ひょっとしたらしばらく帰れないかもしれないのですが、如何でしょう?』


『アーチカ宜しくて?』


『はい、お嬢様いつでも用意は出来ます』


『ではアーチカ、貴女にはクオン様専属メイドを申し付けます、給金については今まで通りで、クオン様の指示に従うように、勿論こちらへ戻るのも自由とします』


『分かりました、お嬢様』


『・・・また大きな借りが出来ましたね』


『うふふ アーチカは高いですわよ?』


『落ち着いたらローニアさんにもサークル本部へご招待するのを約束しますよ』


『まあ、それはサークルにとっても最大のお礼じゃないのですか?』


『分かって貰えて嬉しいですよ、正にその通り、いくらお金を積まれても無理な事です』


『でもアーチカさんほどのメイドさんを奪おうとは思いません、教育が終わるまでで結構です』


『お嬢様、クオン様、私の様な者に過分なるお言葉、ありがとうございます』


『アーチカ貴女はリーバイ家にとっても大事なメイドよ、クオン様のお役に立つように、しっかりとお仕えしなさい、貴女以外にはとても頼めないのよ』


『分かりました、私の全身全霊を持ってクオン様へお仕え致します』


『いやいや、もっと気軽にで十分ですよ俺達に免疫のあるアーチカさんならきっと大丈夫』



次の瞬間パーティメンバーからのジト目が突き刺さる!



『脅す訳じゃないけど、少し覚悟がいると思うわ・・・』


『気をしっかりと持てば・・・』


『不動の精神だ!』


『気合ニャ』


『根性ですわ♪』


『・・・・・・・・』


『お嬢様、今まで長くお世話になった事お礼を言っておきますね、末永くご健康をお祈り致しております』


『アーチカ・・・貴女の事は忘れないわ』


『ちょっと待て!そんなに危険な場所じゃないぞ、皆も誤解を招く発言は慎むように』


『『『『『あはは!!!』』』』』


『うふふ 冗談ですわ♪』


『そうだ最近、果樹園を作ったんですが、そこで取れたフルーツを皆に試食して貰って良いですか?』


『クオン様が果樹園を?ひょっとして飛んでもなく美味しいんじゃ?』



ローニアさんが俺のパーティメンバーを見ると、全員が親指を立てている。



『た 大変だわザルガ急いでメイド達を集めなさい至福の時間よ!!!』


『分かりましたお嬢様』



何か大事になったような気がしたが、場所を食堂に移し俺は食べやすいように切ったフルーツ盛り合わせを綺麗に整え全員に配った。


ローニアさんとメイドさん達から感嘆の声が漏れる、ここまで喜んでくれると綺麗に盛り付けた甲斐があり、俺も嬉しくなる。



『なんて綺麗な、まるで宝石のようですわ』


『あはは さあ食べてください』


『ありがとうございます、さあ皆さんも、頂きましょう』


『いただきます』×16人


『っっっっっっ!!!!!!!』×17人



一口食べた皆は、それぞれがとても幸せそうな表情になり、静かに食べ進めていく見ているだけで俺も幸せな気分になりそうだ、これだけ綺麗な女の子が幸せそうな顔をしていたら眼福だ。


いつも落ち着いた好々爺って感じのザルガさんも、大きく目を見開いて食べてくれている。


おっと泣きながら食べている子もいるのを見て、ホッコリとした気分になる。俺は美味しい物を手に入れたら必ず此処へ持って来ようと心に誓った。



『ほわ~ 』×17人


『あっ 私としたことが、お恥ずかしい』


『しかし、至福の時間でしたわ』


『美味しい、私泣いちゃった・・・』×7人


『私生きてて良かったわ』×6人


『神様ありがとう』×2人


『一瞬言葉を忘れましたぞ』×ザルガ


『クオン様、私は見た事がないフルーツばかりだったのですが?』


『俺の国のフルーツなんですよ、此処では珍しいかもしれませんね』


『どおりで・・・販売って訳には行きませんよね?』


『すみません量産は難しいですね、でもこれを使ったケーキも考えているので、また持ってきますね』


『キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア』×15人


『皆さん、気持ちは分かりますが、はしたないですよ』


『も 申し訳ありませんでした』×15人


『うふふ でも当家のメイド達に礼儀を忘れさせるなんて、流石クオン様ですね、どんな女性でも逆らえないでしょう』


『あはは 冗談でしょ』



次の瞬間その場にいる全員から「本当です」って言うような視線が突き刺さる。俺はタジロギながら一粒の汗を流す。



『も~ クオンそろそろ自覚した方が良いわよ?』


『女性殺しニャ♪』


『クフフ とっても素敵ですわ♪』


『俺は甘い物が好きなだけなんだが・・・その証拠にロックやオーラ、ザルガさんも喜んでくれてるだろ?』


『あはは 確かに僕も完全に虜ですね』


『しかしクオンが甘い物だけって訳じゃない事は、ここに居る者達なら知ってるだろう?クオンの料理を一度でも食べたら、もう逃げれんよ』



この場に居る全員が「うんうん」と頷いている俺は喜んで良いんだよな?



『あっ そういえばクロワさん経由でガデラスさんに、またオークションのお世話になっているみたいなんで、お礼を伝えて貰って良いですか?』


『ああ、お父様から聞いておりますわ、何でも飛んでもない品々を出品して騒ぎになったとか?』


『そうなんですか?俺達は素材の価値に疎くて分からないのですが』


『うふふ 一度ギルドの口座を確認したほうが良いですわ、ハチミツキャンディーも売り上げ好調なんですよ』


『それは良かった、また確認しておきます。では今日は失礼しますね』


『はい、アーチカを宜しくお願い致します』



俺達はアーチカさんを連れてリーバイ家を後にする、全員で見送ってくれるので申し訳ないぐらいだ。


そのまま奴隷商に向けて歩いていくと、相変わらず黒服のヘルマさんが立って客待ちをしている、本当に良く働く人だ。


近づいていくと俺達に気が付いたのか挨拶をしてくれる。



『お久しぶりですね、いよいよ借りを返すときが来ましたか?』


『あはは 覚悟してくださいね』



ヘルマさんには以前小さな魔族の女の子を引き取った事で借りを作ったと言ってくれているが、ヘルマさんに頼まれなくても俺達は引き取っていたので、此方は貸しとは思っていないが話しをあわせておいた。



『ところで今日は、どんな奴隷をお探しですか?』


『今日は、メイドさんを探しに来ました、でも』


『あはは 分かってますよ全員お見せしますね』


『話が早いですね、ありがとう』


『では、しばらくお待ちください』



俺達は、いつもの待合室でお茶を飲みながら待っていると直ぐに用意が出来たのか、飲み終わる前に案内されることになった。


扉を潜ると大部屋になっており以前に見たような様々な奴隷達がいた。相変わらず待遇は良さそうだ。


メイドさんを希望したので、大部屋に居るメイドさんを見渡すと礼儀正しそうな方々が数十人整列して応対してくれている。


容姿も整っておりスタイルも実に良い、誰を選んでも良いぐらいだが、いつものように全員を見てから決める事にする。



『では次に説明は要りませんよね?』


『訳ありの人達の所ですね』


『ふふふ そう言えばクオン様は訳ありの奴隷しか購入されてませんね』


『たまたまですよ』


『どうぞお通り下さい』



ヘルマさんの案内に従い一番奥と思われる部屋に入り見て行くと、怪我をしている女性が多数いるのが分かる。


全員が女性で体の一部が欠損している者や、片目が潰れている者、中には酷い怪我をしている者までいた。


しかし、全員きちんと治療されており、清潔なことから待遇の良さが伺える。



『ヘルマさん、この女性達は?』


『はい、私が他の奴隷商から買い集めた者達です』


『何故、怪我人の女性ばかりを?』


『男性なら多少怪我をしていても買い手が着くのですよ労働目的とかでね、しかし欠損や顔に怪我をしている女性は、まず売れません』


『だから私がタダ同然で引取り、他の奴隷商に恩を売りつつ高値で販売するのですよ』


『ニャハハ ヘルマ相変わらずお人好しニャ』


『ムーア、いやムーア様、私は商売上手なんですよ』


『全員と話をさして貰っても良いかな?』


『一人ずつ会話が聞こえない様にして貰えれば』


『分かりました俺達はこちらの部屋に居ますので一人ずつ連れてきて貰えますか?』


『分かりました、ではそのように』


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