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第10話 素材集めと異常種


『おっ あったあった、これが治癒花か』


『こっちには、毒消し草見つけたよー』


『うんうん、順調だねー』


『前にゴブリンがいるね』


『うん、危ないので先に狩っちゃおう、えーっと10匹ぐらいかな、そういえばゴブリンも初めてだ』



初めて見たけど背は、かなり低いな深緑の体、武器を持っている個体もいる。


俺達は、ミュウさんの先制攻撃で狩りを開始する、やはり中距離の攻撃手段があると便利だ、ミュウさんがバシバシ攻撃を当てて、俺が止めを指す!戦闘時間は5分ほどで、あっさり終わる。



『やっぱ中距離から攻撃できるって便利だよねー』


『んふふ でも、これぐらいの個体になると、なかなか止めが指せないのよね。スライムぐらいなら、ムチだけでも叩き潰すんだけど、ソロならムチで攻撃してから短剣で止めを刺さないといけないから時間かかるし接近戦は、慣れなくて危ないしね』


『なるほど、一応俺の役割も役に立ってたんだ安心したよ、でも音速を超えるぐらいスピードを上げたら止めも刺せるかも?』


『えっ また知らない言葉ね音速ってなーに?』


『ああ、ごめんごめん、えとねムチの先端がすごいスピードで動くと空気に当たるんだよ!音が鳴るぐらいに』


『えっ 空気に当たるって?よく分からないわ』


『うーん、そうだねやってみたほうが、分かりやすいかもね』


『じゃミュウさん、いつものようにムチを振るうとき敵に当たる前ぐらいで、いつもよりグッっと手前に引いてみて、何もないところに敵がいると仮想して』


『えっと、こーお?』



ミュウさんは、俺の言った通りムチを振るい、いつもよりグッと手前に引く。



『俺も詳しいことは分からないけど、ムチの先端がしなって当たる前に手元を引いて加速させるイメージで』



ミュウさんは、何度かムチを振るい練習するが、なかなかうまくいかないようだ。



『ごめんね、かなり難しそうだね、でもミュウさんなら、いつか出来ると思うよ』


『うん、練習しとくね』



ゴブリンは、魔石ぐらいしか取れる素材は無く、ナイフで魔石を取り出し俺の<ファイア>で焼き尽くす。


ミュウさんも<ファイア>を手伝ってくれて、あっと言う間に10匹もいたゴブリンが炭になった。人型の魔物は、こうやって処理しないとゾンビとか、病原菌の元になるらしい。



『魔法も、ちょくちょく使ってスキル上げないとね、以前はスキル上げ出来るほどMP無かったから、全然出来なかったけど、今は、これぐらいの魔法ならすぐにMPも満タンになるし、本当に助かるわ【プラス】最高!』


『うん、魔法を織り込んだ戦術も良いかもね、そのためにも新しい属性魔法覚えないと』


『うんうん、頑張ろう、これからやることが多くて、とっても楽しいわん♪』



そうこう話をしている内に、クロウラーがいる地点に近づく。



『そろそろクロウラーも、<マップ>表示しとくね』


『うん、あっ あれひょっとして岩苔じゃないかな?』



俺たちは、クロウラーを<マップ>表示し、木々の影になっている岩に、矢印が指されている地点へ向かう。



『あったあった、岩苔だ、いっぱいあるよ』


『うん、全部取っちゃおう』


『さっ 次は、本命のクロウラー行こうか、結構近いし』


『はーい、じゃ一番近くのやつ行くね、いつものように先制攻撃いくから』


『了解』



クロウラーを見つけ、ミュウさんの先制攻撃が始まる。黄色の体に黒の模様が入っている、子豚ぐらいのサイズがある、でかい。



『うーん、あまり効いてないみたい、結構皮が硬いわ』


『じゃ切ってみるよ』



俺は、クロウラーへ近づくと、敵もこちらを向いて威嚇してくる、ゾクッと背筋に寒気が走り俺は、横っ飛びに転がるとクロウラーが糸を広範囲に吐いており俺の片足に絡まる。



『<ファイア>!!!』



咄嗟にミュウさんが<ファイア>を掛けてくれて、俺の足に絡まっていた糸が焼き切れる。



『ふ~ 危なかったミュウさん、ありがとう助かったよ』


『んふふ 注意して糸で、ぐるぐる巻きにされちゃうわよ、ムチがあまり効かないみたいだから魔法で牽制するわ』


『了解、慎重に行くよ』



ミュウさんが<ファイア>で牽制してくれている内に、クロウラーの背後に回り胴体を切りつける、皮が結構硬かったが、無事クロウラーを倒せた。


クロウラーの素材は、魔石と糸袋らしい、ナイフで糸袋を取り出すと野球のボールぐらいの大きさだ、触覚のような物もあるので角じゃないけど採取しておく、なにか錬金術の素材になるかもだしね。



『その糸袋から繊維を取り出し、糸を作ってから洋服にするそーよ、高く売れるかも』


『へえ~ 服の材料だったのか魔物素材も色んな事に使えるんだね』



それから次々と、クロウラーを倒していき6匹目を倒したとき、<神の声>が鳴り響く。



【レベルアップしました。クオンがレベル3からレベル4に成りました。】


【レベルアップしました。ミュウがレベル3からレベル4に成りました。】


【クオンの<剣技+1>が<剣技+2>に成りました。】


【ミュウの<火属性>が<火属性+1>に成りました。】



『『やったね!!!』』



俺達は、ハイタッチし喜びを分かち合う。ようやく俺も<剣技+2>になった。



『よし、良い感じだ、続けて行こうか』


『はーい次は、こっちね、でも3体固まってるみたい』


『ほんとだねー 1体色違いがいるね、一回り大きいし、あれなんだろ?』


『あ あれは、異常種だわ、真っ黒な体に黄色の模様が入っているEランク相当だと思うわ』


『異常種って?』


『うん、私も詳しく知らないんだけど、稀に生まれる個体で普通より強いのよ、その分倒せれば素材の価値も高いんだけど』


『なるほど、幸いクロウラーは、足が遅いから戦闘して無理そうなら逃げようか?』


『OK、分かったわ』


『でっ 作戦なんだけど、異常種だけ釣れれば良いんだけど、あれだけ固まってると無理っぽいんでミュウさんが最初に<ファイア>で先制攻撃して貰って、リンクしたら俺が後ろから普通のクロウラーをサクッと倒すよ』


『逃げ道なんだけど、あそこの岩の周りをグルグル回るってのは、どお?』


『良いわ、先に周辺に魔物がいないか見てくるわ』


『OK、倒せそうになかったら、あっちの草原に向けて逃げよう、いつでも糸を切れるように俺も<ファイア>の用意しとくね』



俺達は、周辺に魔物や障害物がないか入念に調べた後、配置に付いた。



『よーし <ファイア>!!!』



ミュウさんの<ファイア>は火属性が+1になったこともあり、いつもより大きな火の塊になり、唸りをあげてブラッククロウラーへ着弾する。


やはりリンクしたか俺は、すかさず普通のクロウラーへ目掛けて切りかかる、いつもより威力のある<ファイア>が被弾したせいか、あっさりと普通のクロウラー2体を倒しミュウさんの元へ駆け寄る。



『ちょ ちょっと普通のクロウラーに比べて走るの早いわ』


『こっちは、終わった!岩を回ってくれたら、すれ違い様に攻撃するよ』


『分かったわ』



ミュウさんは、左回りで岩に向かう、俺は、右回りに岩に向かいブラッククロウラーを迎え撃った。俺は、迫ってくるミュウさんと軽くハイタッチをし、すれ違いざまに攻撃を仕掛ける。



『ハアアアアアアア!!!』



俺は、気合と共に、右手に持っている刀を普通に持ち替え、峰を左肘に当て、ブラッククロウラーの胴体を横一線に走りながら切り裂く。



『クッ か 硬い』



ミュウさんを追いかけるのをやめ攻撃対象を俺に移す。渾身の力を入れて切りつけたのに傷は浅く俺に襲い掛かってくる。


横っ飛びをし柔道の受け身のような体制で体当たりをかわす。



『援護するわ、<ファイア>!!!』



ミュウさんは、傷口目掛けて<ファイア>を放つ、さすがに効いたのか身をくねらせて暴れている、その隙に俺は、1本の刀を両手に持ち、傷口めがけて突き刺した。刃は半分ほど埋まりダメージを稼げたが、同時に体当たりを受けて、弾き飛ばされる。



『ぐはっ』



俺は、何回か地面にバウンドして、何とか体制を整える。



『く クオン君、すぐ<ヒール>するわ』


『だ 大丈夫だ、それよりミュウさん昨日、話していたあの火魔法試してみて、俺が引き付ける』


『分かったわ、無理しないでね』



昨日、話してた火魔法とは、<ファイア>のような塊ではなく、圧縮し矢のような形状で敵を穿つ魔法が出来ないかと試行錯誤していた。


魔法とは、イメージが大きく作用するため可能ではないかと話をしていた。もちろん試していない、ぶっつけ本番だ。


ミュウさんは、魔力を両手に練りこむ、やはり難しいのか汗を掻いている。


俺は、再び対峙し様子を伺うと、ブラッククロウラーは上半身を持ち上げる、ゾクッと寒気が走り抜ける。



『ブシュゥゥゥゥ!!!』



ブラッククロウラーは、黒い閃光のようなものを俺へ目掛けて吐き出す。糸か、それは範囲こそないが普通のクロウラーの糸よりも倍ぐらいの速さがあった。


俺は、嫌な予感を感じたため半身になって防御の姿勢を取っていたため、なんとかスウェーしてギリギリ避けたが掠った頬が切れている。



『チッ』


『出来たわ、離脱して!』


『<ファイアアロー>!!!』



ミュウさんの合図で俺は、後方へステップし距離を開ける。


放たれた魔法は、矢と言うより槍のような形状をしており、凄まじいスピードでブラッククロウラーの傷口へ突き刺さる。


ブラッククロウラーは、一瞬凄まじく震えたのち、力なく横ばいに倒れる。



『ふぅ~ やったね』


『はぁぁぁ 疲れたわ』



胡座をかいて座っている俺の背中合わせにミュウさんも座る。お互いにもたれ掛かり充実した達成感に満たされ笑顔がこぼれる。



『『んふふ あはは』』


『初めての強敵ってとこだったね』


『ええ、うまくいって良かったわ、も~ ぶっつけ本番で、やらすんだもん焦ったわよ』


『ごめん、もう一度突っ込む自信がなくてね、ミュウさんの魔法がダメなら逃げようかと思っていたんだよ』


『あっ そーだ <ハイヒール>!!!』



ああ、疲れ切った体に光が包み込み痛みが引いていく。



『ありがとうミュウさん、助かったよ』


『んふふ どーいたしまして』


『じゃ、俺もお返しに、<ハイヒー んごっ むぐぐ』



ミュウさんは、背後から俺の口を両手で抑え込む。



『ちょっと、ダメって言ったでしょ、も~ 』


『あはは 分かった分かったよ、じゃ<ヒール>!!!』


『ああ、気持ち良いわ、やっぱり<ヒール>って人にかけてもらった方が自分でやるより癒されるわね』


『確かにそうかも、ところで、かなりMP使ったでしょ?ポーション飲んどく?』


『いえ、まだちょっと余裕あるから大丈夫よ んふふ』


『ん、どしたの嬉しそうに』


『こないだまで、これだけ魔法バンバン撃つなんて、考えられなかったから嬉しくって』


『レベルも上がってきたしね、俺も少しだけ強くなったかな?』


『ええ、見違えるようよ』


『よし、休憩がてらステータスを見てみるよ<ステータスオープン>!!!』



ブンッ!!っと音を立て目の前にステータスウィンドウが出現する。


*********************************************


【ステータス】


名前:クオン

LV:4

種族:ヒューマン

HP:50/50(+25)

MP:60/60(+35)

攻撃:37(+18)

防御:37(+18)

敏捷:40(+19)

器用:46(+21)

魔力:45(+24)

精神:43(+24)


ユニークスキル:<+>


潜在能力:<直感>


ユニークパーティスキル:<能力開眼><ウィンドウ>


パーティスキル:<神の声><ステータス><マップ+1><サーチ+1>


戦闘スキル:<剣技+2><格闘+1>


回復魔法:<ヒール><ハイヒール>


攻撃魔法:<火属性+1>


装備:布のバンダナ・皮の軽鎧・皮の籠手


*********************************************


『私も、<ステータスオープン>』



ブンッ!!っと音を立て目の前にステータスウィンドウが出現する。


*********************************************


【ステータス】


名前:シャーリー・ミュウ

LV:4

種族:エルフ


潜在能力:<原理>


ユニークパーティスキル:<能力開眼><ウィンドウ>


パーティスキル:<神の声><ステータス><マップ+1><サーチ+1>


戦闘スキル:<ムチ技+2><弓技+1>


回復魔法:<ヒール><ハイヒール>


攻撃魔法:<火属性+1>


装備:布の帽子・皮の肩胸当て・皮の籠手・皮の靴


*********************************************


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