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第100話 ギルドマスターからの呼び出し

ついに書き溜めていた話も100話に到達しましたので、4000文字程で書いてましたが8000~10000文字程に増量し、まったりと書いて行きたいと思います。

ここまで読んで頂いた方ありがとうございます。


<オーラ視点>



何事もなく平和に進んできた道のりだったが<感知之極>で魔物の反応を捉える。


反応からするとオークか、3体ほどいるな・・・回避する事も出来るが放置するわけにもいかんな。


しかし、同行して良かったな、いやリーダーの事だ、嫌な予感がしたのだろう、ふふふ 本当に不思議な方だ。



『お前達、少し良いか?』


『は はい、何でしょうか?』


『この先で魔物が居るようだ、直ぐに倒してくるので心配せず、此処を動くな』


『はい、あの大丈夫なのでしょうか?』


『ああ、問題ない』


『御者、この先に魔物が3体ほどいるようだ、見えたら止まってくれ』


『ははは、旦那、御冗談を普段ここは、魔物なんて出ませんぜ』


『冗談ではない、良いな、見えたら馬車から離れるなよ』


『へいへい、分かりましたよ』



御者は、軽く返事をして馬車を進める、どうやら信じていないようだが、まだ見えないので仕方ないか・・・



『ひっ ひぃぃ だ 旦那ほんとにいやがった、ありゃーオークだ』


『さっき言ったように、ここを動くなよ、すぐ戻る』


『旦那、3体ほどいますぜ、だ 大丈夫なんですか?』


『問題ない、良いか動くなよ』



ワシは、馬車を下りオークの下へ向かう、どうやら1体はハイオークのようだ、近くにオークの反応がないから群れから離れたやつが街道まで出て来たか。



ワシは、試し斬りを兼ねてロックが作ってくれた<双龍刀 青幻>を3体のオーク目掛けて振り抜く、やはり何も感触が伝わってこないが、3体のオークの首が落ちる、何とも凄い武器を作ってくれたものだ。


3体共<アイテムBOX>へ収納しようと思ったが、倒した証拠がいるかと思いハイオークだけ残し他の2体は収納した。


ワシは、ハイオークを抱えて馬車へ戻る事にした、今日の夕飯に丁度いいだろう。



『御者終わったぞ、解体したいので、少し待ってくれるか?』


『なっ 旦那こりゃハイオークじゃねーか、本当にこんな短時間で倒したのか、飛んでもない強さだな』


『す すみません、もう大丈夫なんですか?』


『もう大丈夫だ、ほらこの通り倒してきたぞ』


『なんて大きさ、こ こんな強そうな魔物を、苦も無く倒すなんてオーラさん凄く強いんですね』


『フハハ ワシなんて弱い方だぞ、少し解体するので待っていてくれ』



ワシは、オークを解体するために馬車の後ろへ持っていき作業を始めたがランクが上がった事とカットナイフがあるため驚くほど直ぐに解体出来た。


皮と肉だけ残し、後は、地面へ埋めた、作業が早すぎたのか御者がまた驚いていたが、手早く出発して貰った。


日が沈みだしたので、街道沿いの野営しやすいところで馬車を止め夕飯にすることになった。


ワシは、解体したハイオークの肉をステーキにして、皆に振る舞う事にした。



『あの本当に頂いても宜しいのですか?』


『旦那、あっしまで頂いて良いのかい?』


『ああ、せっかく解体したのだ、皆で食べよう、ハイオークの肉は美味いぞ』


『どんどん焼いていくので、いっぱい食べてくれ』


『うわ~ 美味しそう、すみません頂きます』


『オーラさん、ありがとう私も頂きます』


『こりゃ 美味そうだ、あっしも遠慮なく頂きますぜ』


『『『美味しい(美味い)』』』


『とっても美味しいです、塩どころか香辛料まで使ってあるなんて』


『フハハ ワシのパーティのリーダーが味に拘っていてな、調味料は常に持っているのだ』


『ミラお姉ちゃん、美味しいね、私こんなに美味しいステーキ、初めて食べたかも』


『ええ私もよ、良かったねミロ』



食事も終わり寝る時間になってもテントの用意がないのか、メイド達は、たき火の前で座っている。



『どうした?テントは持ってこなかったのか?』


『はい、1泊だけなので、購入するのも勿体ないので妹と我慢することにしました』


『少し待っていろ』



ワシは、パーティで使っている6人用のテントを出そうとするが、中を拡張している事に気付き口止めがメンドクサイので<アースメイク>で寝床を作ることにした。


二人が入れるぐらいのドーム型の土テントを作り布団を引いて小さい入口を作った。



『お前達、簡単な寝床を作ったから、ここで寝ておけ』


『えっ これを、こんな短時間で作ってくれたんですか?』


『遠慮はいらん、お前達二人なら十分入れるだろう』


『ありがとうございます、オーラさん優しいんですね』


『ふん、護衛対象に倒れられてもいかんのでな』


『うふふ オーラさんには、お世話になりっぱなしですね、何かお礼しないと』


『仕事でやっているだけだ、気にしなくて良い』


『もう少しだけ話をして貰って良いですか?』


『・・・構わんよ』


『オーラさんのパーティって、多いんですか?』


『ワシのパーティは6人だ』


『あんなに強いオーラさんがリーダーじゃないってことは、とっても強いパーティなんですね』


『何も強さだけでリーダーは、決まらぬが内のリーダーは、化物クラスだな』


『うわ~ とっても怖そうですね』


『フハハ 見た目は、子供のようだがな、恐ろしいほど強いのだ』


『うふふ オーラさんは、リーダーの事とっても気に入ってるんですね』


『んっ ああ、そうだな恩人でもあるのでな』


『そうなんだ、私と妹も助けて貰った恩人がいるんですよ』


『ふむ、そう世の中捨てたもんでもないな』


『そうですね、でも不思議な事があるんです、その恩人と貴方は、同じ匂いがします』


『フハハ そいつも男臭かったなんだな』


『あはは オーラさん面白い方ですね』


『さあ、もう寝ておけ、明日に響くぞ、久しぶりに両親に会うのだろう?』


『はい、オーラさん達のお陰です、本当にありがとう、おやすみなさい』



・・・ふふふ 感の良い子だな、「オーラさん達」か、フハハ 少し過保護すぎたかな、しかし来て良かった。


ワシは、<感知之極>を張り巡らし朝まで見張りをし、アラゴスへ向けて出発する。


アラゴスへ着いたのは、予定通り昼頃だった、久しぶりに乗る馬車は、やはり尻が痛くなるな。



『旦那、お陰さんで無事着けました、ありがとうよ』


『いや、こちらこそ助かった、本当に運賃を取らないのか?』


『旦那のお陰で護衛代が浮いたからな』


『オーラさん、本当にありがとうございました』


『オーラさん、ありがとう、お姉ちゃんが待ってるので、またアラゴスに遊びに来てくださいね』


『こ こらっ ミロ!』


『ああ、達者でな』



さて、着いたと言っても、やることもなし後は、ちゃんと両親に会えるか確認して帰るだけだな。


<自然回帰>を使い、ミラ姉妹の後を付けると、どうやらちゃんと再開出来たようだ、涙が見える、これで安心だ帰るとするか、クオンも待ってるだろうしな。



       ◇     ◇     ◇


<クオン視点>



オーラから<パーティトーク>で、メイド達が無事、家に着いた一報を受けて安堵する。


オーラは、走って帰ってくるそうだ、確かに俺達の足なら数時間で帰れるだろう、飛べばもっと早く着きそうだが、昼間はリスクが高そうだ。


念のため、他のメイド達も確認したが、全員トラブルには、なってなかった、おそらくこれで大丈夫だろう。


ロックと詰めていた馬車の立案も、大体決まり後は、作るだけになったが、とりあえず保留しておくことにする。


さて次は、何をするか考えていると、どうやら来客らしい内に客が来るなんて珍しい、ローニアさんかなと思い玄関へ向かう。



『こんにちわクオンさん』


『あっ 久しぶりですねエイトールさん、こんにちわ』


『どうぞ入ってください』



俺は、久しぶりに会う冒険者ギルドの受付嬢をしているエイトールさんに、とりあえず家の中へ入って貰い、話を聞くことにする。


女性陣にも、エイトールさんが来たことを伝えると、リビングへ集まって来た。



『お久しぶり、エイトールさん』


『お久しぶりです、ミュウさん』


『まあ、どうぞお茶でも飲んでください』


『ありがとうございます、いきなり来てすみません』


『良いですよ、今日は、何も予定がないので、ところでどうしたんですか?』


『はい、実は、ギルドマスターがクオンさんに会いたいそうで、それを伝えに来ました』


『ふむ、心当たりが無いけど、何かあったのかな?』


『すみません、内容までは、聞いてないので』


『俺だけで、良いのですか?』


『はい、ギルドマスターは、クオンさんしか言ってなかったので良いかと思います』


『なるほど、じゃエイトールさんと一緒にギルドに寄ってくるよ』


『何か、厄介事のような気がするわね~』


『ニャハハ あたいも行って模擬戦やって貰おうかニャ』


『ムーアは、駄目よ、まだ終わってないでしょ』


『あはは、まあとりあえず話だけ聞いて、皆に伝えるよ』



俺は、エイトールさんと皆で話をしてから、一緒にギルドまで付いていくことにする。


久しぶりにギルドへ来るな、最近ダンジョンばかりだったから、たまにはクエストもしないとな。


ギルドへ着くと、2階にあるギルドマスターの部屋まで案内される。



『よく来てくれたクオン君』


『模擬戦のとき以来ですね、今日は、いったいどうしたんですか?』


『いや、久しぶりに話がしたいと思ってね』


『あはは、まさかそれだけじゃないでしょ?』


『ああ、最近変わった事件があったのだがクオン君は、御存知かね?』


『事件ですか?いえ分かりませんね』


『つい最近、子爵家のガス・ゴーニュの私邸が全壊し当主が裸で縛り上げられていたらしいんだよ』



っと、不味い、まさかバレたのか?いやそんな筈はないな、おそらく鎌を掛けられているってとこか。


俺達が、誰かに見られるようなミスをする筈がないし・・・



『へええ~ また物騒な事件ですね』


『どうやら、何も知らないみたいだな』


『ええ、初めて聞きましたが、何故そんな事に?』


『ああ、どうやら子爵家の権威を利用して、色々とあくどいことをしていたようでな、ご丁寧に不正書類等が立札に張り付けてあったんだよ』


『大勢に目撃されたので、揉み消すことも出来なかったのだろう、直ぐに伯爵家の方から爵位剥奪の礼が下りたそうだ』


『なるほど、悪い事は、出来ませんね』


『只、不思議な事があってな、そこで働いていた使用人達の生死も消息も分からんのだよ、屋敷から出てなかったのか顔を知っている者も居なくてな』


『使用人が犯人だと思ってるんですか?』


『いや、それは無いな使用人達では、どうやっても家を全壊にするなど出来まい』


『護衛として雇われていた者も、当日負傷したらしく、その場に居なかったんだよ』


『なるほど、では犯人はまだ、分からないってことですか』


『貴族の事など冒険者ギルドには、あまり関係がないのでな悪事を働いていたなら潰れて逆に良いぐらいだよ、クオン君も、そう思うだろう?』


『ええ、そうですね平和になって良かったんじゃないですか』


『ふふふ それで話は、変わるが、そろそろ領主様に会って貰いたいのだ』


『それは、お断り出来ますか?』


『ふふふ それは、以前にも言っただろう?横柄な者を無視出来るなら、会わなくても良い』


『あはは、何か脅しの様に聞こえるのですが?』


『ふはは、気のせいだろう?それにクオン君、いやサークルにとっても領主様と顔を繋いでおくのは、悪くない話だと思うのだが』


『本当に、俺達を領主様に会わすんですか?ひょっとしたら大きな賭けになるかもしれませんよ?』


『ふはは、何やら脅されておるような気分だが?』


『ふふ、気のせいでしょう?』


『とにかく、俺の一存では、決めかねますね一度パーティと相談してみますよ』


『それと聞いておきたいのですが、領主様はどんな方ですか?』


『ふむ、領民からの支持も厚い立派な御方だぞ、私も尊敬している』


『分かりました検討してみますよ』


『ああ、宜しく頼むよ』


『あっ そうだ内のパーティ面子が、ギルドマスターと模擬戦したがっているので全員の相手をして頂けますか?』


『ふはは、それは、はっきりとした脅しだろう?』


『あはは、では失礼しますね』



う~ん、どうやら貴族の件は、目を瞑るから領主の駒になれってことかな?


しかし悪意は感じないなギルドマスターは今後、俺達を庇う為に気を回してくれてるのかな、いや良いように考えすぎか。


オーラも今日中に帰ってくるだろうから夜にでも皆と相談してみるか。



『ただいま~』


『おかえり~』


『どしたの?苦虫噛み潰したような顔して?』


『くふふ どうやら余り良くない話だったようですね』


『ああ、オーラが帰って来てから相談するよ』


『下着の方は、出来たのかな?』


『ニャハハ リーダー見たいみたいニャ』


『クフフ 見せましょうか?』


『も~ クオン~』


『ご 誤解です、猛烈な誤解です』


『ニャハハ とりあえず出来たニャ リーダーから聞いた通り作ったら、とっても動きやすくなったニャ』


『それは、良かったオーダーメイドだもんな』


『も~ 確かに助かるけど、なんで女性の下着の事なんて知ってるのよ』


『俺が居た所の下着が、そうだったから、只の知識だよ』


『クフフ とっても動きやすくなったし、大きく見えますわ♪』


『それニャー リーダーの意図が分かったニャ』


『誤解です、痛烈な誤解です!』



俺達は、無駄話を続けているとオーラが帰って来た、かなり<ステータス>も上がったから移動速度も速くなったようだ。



『おかえりオーラありがとう』


『ああ構わんよ、ちゃんと両親に会うまで見て来たから、もう安心して良いぞ』


『んふふ 良かったわ』


『オーラ帰って来たところで悪いんだが、少し相談があるんだが良いか?』


『むっ 厄介事か?』


『う~ん正解かな、まあリビングに集まろうか』



オーラが帰って来て、全員揃ったので俺は、ギルドマスターの話を皆へ伝える、そこには、俺の予想も付け加えて置いた。



『なるほど、大体分かった』


『ふ~ん、なるほどね』


『今の話を聞いた限り、貴族を潰した事は、バレてるって事ですよね?』


『いや、ギルドマスターも推測の域を出ないだろう』


『おそらくギルドマスターは、私達と領主を仲介して、お互い良い方向に落ち着くように動いてくれてると見て良いと思うわ』


『俺も、そう思うんだが俺達は、所詮冒険者だから喋り方等で気分を害するような領主なら最悪の結果になると思うんだが』


『ふむ、ギルドマスターもそれは、考えているだろう領主の性格を考慮しても大丈夫だと判断したのではないか?』


『念のため領主が、どんな人が聞いて見たけど、領民の支持も厚く立派な人らしい』


『ってことは、オーラが言ったとおりの可能性が高いって事ニャ』


『自分で作っておいて言うのもなんですが会う時の服装も、このままで良いのかな?』


『喋り方と同じで、これで気分を害するようなら俺達との付き合いは無理だな』


『とりあえず謁見は確定で、最終的には、会って話をしてからの判断になりそうですわね』


『そうだな、それがベストだな、明日返事をしてくるよ、皆それで良いかな?』


『『『『『了解!!!』』』』』


『でも、クオン最低限の礼儀は必要だよ、このメンバーだとライカ以外は、怪しいわ』



それからミュウ先生の礼節講義が始まった・・・せめて敬語だけにしときたいとこだな。


ミュウでも、そんなに詳しく知っている訳じゃないから最低限の礼節だけ教わり、これで気分を害するならあきらめることにする。


オーラは、昨日徹夜で護衛に行ってくれたため、早めに休んで貰った、翌朝俺は、ギルドマスターに領主と会う事を伝えたが、服装、喋り方、礼節等ある程度覚えていくが完全には無理だと先に言っておいた。


驚く事に、そんな事は、全然構わないらしい、杞憂だったかな・・・


領主の都合を聞いてから俺達に謁見の日時を伝えてくれるらしい。


今日は、何をしようかと皆と相談しながら午前中を、まったりしていると、またエイトールさんが来て用件を聞いて見ると、どうやら領主との謁見が出来たら本日にして欲しいとの事だった。



『えらく急ぐんだな』


『何かあると見た方が、良いでしょうね』


『まあ、幸い今日は、予定がないんだが行って見るしかないか』


『ねーねー エイトールさん、何処で待ってれば良いのかな?』


『はい、今日行けるようなら、ここに馬車が迎えに来るそうです』


『うはー 同じ町なのに馬車で来てくれるんだ』


『分かりました、此処でお待ちしますね』


『はい、その様に、お伝えいたします』



それだけ言い、エイトールさんは、急いで帰っていった。



『なあ、ミュウ手ぶらでも良いのかな?』


『ん~ 難しい所だけど、下手な物持っていけないわよ?』


『あっ お お酒は駄目ですよ!気に居られたら、また頼まれるかもしれないし』


『あはは、必死だなロック』


『まあ、向こうからの呼び出しなんだから、持ってかなくても良いんじゃないかしら』



しばらく待つと、本当に馬車が迎えに来てくれた、いや疑ってるわけじゃなかったんだが実際に来ると驚くな。



『オルサン公爵、グラン・ヘクター様の使いで参りました、クオン様で御座いますか?』


『はい、パーティ「サークル」のリーダーをしておりますクオンです』


『お迎えに上がりました、サークルの皆様どうぞ、お乗りください』



俺達は、とても豪華な馬車に驚き、少なからず緊張していた、迎えに来てくれた執事の礼儀正しさが、よけいに緊張を引き出しているようだ。



『なんか落ち着かないな・・・』


『オーラ、余計な事言わないの』


『でも、とっても乗り心地良いニャ』


『ああ、これを超えるような馬車を作りたいなロック』


『あはは、任せて下さい、でもこんなに豪華にはなりませんよ?』


『くふふ 私達らしく普通の馬車で良いと思いますわ』



領主の豪邸は、<エンゲルラント>の最奥にあるそうだ、此処からそんなに離れては、いないが優雅に走る馬車のため、到着するまでしばらくの時間が掛かった。


ようやく、到着し門を馬車ごと潜ると俺達の家の数倍はあろうかと思う豪邸というより、もはや城がそこにあった。


玄関前で下り、執事の案内の下、豪邸の中へ入ると何人いるのかさえ分からないメイド達が出迎えてくれた、ローニアさんの所で慣れていたつもりが、こりゃ桁が違いそうだ。


床にも豪華な絨毯が引いてあり、そのまま領主の部屋まで向かった、執事が丁寧な口調で領主の部屋に入る伺いを立て中へ入る。


部屋の中には、既にギルドマスターと領主が座って待っていた。


領主の後ろには、見ただけでも強いと分かるような騎士が2人並んでおり1人は、女性だった。



『本日は、お招きありがとうございます、パーティ「サークル」のリーダーをしているクオンと言います』



俺達は、いつもより丁寧な口調を心掛け挨拶をした、領主は以外にもソファーから立ち上がり俺達の前まで来てくれた、少なくとも不遜な人物ではなさそうだ。



『よく来てくれた私は、グラン・ヘクターだ、話はギルドマスターからよく聞いているよ、さあ座ってくれ、お茶でもいれよう』


『ありがとうございます』



ふ~ 緊張するな、異世界に来てから、偉い人に会うって言っても気にしたことなかったからな。


さて、どんな話が来るか分からないけど、それに備えるとするかな。



『君達は、若いのにかなり強いらしいね、ギルドランクも全員Cランクらしいじゃないか』


『ありがとうございます、しかし俺達なんて、まだまだ若輩者です』


『ふふ 随分と謙虚じゃないか、ザーランの奴が会う度に、面白い冒険者が居ると君達の話をしてな、一度会いたいと思っていたのだよ』


『ギルドマスターには、いつも目を掛けて貰っていますので、お世辞かと思います』


『確かに見た目では、とても強そうには見えん』


『今回私は、ザーランにある頼み事をしてな、それは、冒険者の中でも強者を紹介して貰いたいと言うものだ』


『ザーランは、何と言ったと思う?即答で「サークル」と言ったのだ、この町には、Bランクの冒険者が居るにもかかわらずだ』


『あはは、買い被りですよ』


『ふふふ、まあ聞いてくれ、実は今ある問題で困っておってな、此処から2時間ほど行った森に異変が起こっているらしく、何人かの冒険者に調査を依頼したのだが、帰ってこんのだ』


『そこで強者を欲したのだが、先ほどの話のように、君達は、とても若いザーランが進めるぐらいだから間違いはないのだろうが、みすみす危ない場所へ向かわし命を落とされては、気が引ける』


『少し考えたのだが、私の護衛と模擬戦をやって強さを確認させてはくれまいか?』


『もし、十分な強さがあれば、この件を依頼したいのだ、勿論この時点で断ってくれても構わぬ』


『・・・・・・・・・・・・』


『その森での被害者は、結構いるのですか?』


『んっ ああ、その森は、昔から食材が豊富でな、採集するため、かなりの人が入るのだが被害者が多くなり私の所まで話が来たのだよ』



俺は、皆の顔を1人ずつ見て行き確認をした、<パーティトーク>を使わなくても表情で大体分かる。


しかし、俺は、あえて言葉にすることにした。



『皆は、どうだ?』


『んふふ もう決まってるんでしょ?』


『ニャハハ 顔に書いてあるニャ』


『ほっとけば犠牲者が増えるだろうしな』


『リーダーが、どうするかなんて簡単に分かりますわ』


『模擬戦は、僕が行きますよ』


『なっ それは、ないだろうロック』


『そうニャ、あたいがやるニャ』


『あらっ そんなこと新人の私の仕事では?』



・・・領主をほっといて模擬戦、争奪戦が始まった、ギルドマスターとの模擬戦が出来なかった事が、余程悔しかったのか・・・


あっ よく見たら護衛の2人がプルプルしている、ヤバい怒らしたかな。



『・・・・・・・・ふ ふふふ あはは 実に、頼もしいではないか』


『す すみません、この依頼、お引き受け致します』


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