先生、ゲーセンで大量にバブをゲットしたんであげます。
一目惚れってなんかプラトニックな感じの言葉というか、
ピュアピュアな感じで少女漫画とかで使われてたりするけど、
要は外見に惚れたってことだよなぁ 六月
――――――――――――――――――― third accident ――――――
無事、遅刻して学校に辿り着いた僕は、
無事という言葉の意味を何とかして湾曲させようとしていたんだ。
瑠衣「まーた、遅刻して、いくら欠席よりは良いにしても、
あんまり数重ねると卒業出来なくなるわよ」
後ろ側のドアからこっそり侵入する僕に、先に席についている優等生の
瑠衣様からお声が掛かる。
六月「一流の遅刻魔は回数をカウント管理している、心配するな」
瑠衣「心配なんてしてないし!勘違いしないでよね!大体あんたが留年しようと私になんの」
盛岡「おーい、六月ーばれてるぞー 遅刻1と」
六月「なっ!?」
43歳独身担任の盛岡から、前科を順調に重ねている報告を受ける。
勿論切り返す。
六月「先生、今回は失敗に終わりましたが。
完璧な隠密で、バレずに席につければ遅刻は回避されるというあの教え、
成功時にはしっかり守ってくださいね先生」
盛岡「そんな教えをお前に説いた覚えはないし、しっかり守るのは始業時間だろう」
瑠衣「ふふん」
プリティーな僕のボケを、正論で切り伏せてくる鬼畜教師めが
そして瑠衣、頷くんじゃない
僕と先生との茶番の後、
一通りの先生の挨拶やら、新学期の心意気やらを聞かされ、
生徒がぽつりぽつりと眠気に負け始めた。
勿論僕は演説開始3秒で爆睡していたが。
ん?なんで寝てるのに、内容や生徒たちの状況が分かるのかって
察しろ下さい。
盛岡「お前らほんと春の陽気にあてられて弛んでるな、
そんなお前らの目を覚ますビックニュースだ。」
互いに情報交換という名の探り合いをするクラスメイトたち
盛岡「入っておいで」
教室の前側の扉が開き、そこから一人の女の子が入って来る。
背は160前後といったところか、女子にしては少し高く見えるのは、
線が細いことも関係しているのだろう。
長い黒い髪は腰まで届きそうで、目は大きいが少し視線が強い感じで、
盛岡「こちら理事長のお孫さんで、帰国子女の東条要さんだ」
って、
六月「縞パ・・・」
キッ
鋭い視線に言葉が止まる。
盛岡「ん?六月、知り合いなのか?」
➡たたかう △選べ勇者よ
にげる
アイテム
縞パン
犬公に犬以下に見られる羽目になった恨み、ここで晴らさでおくべきか!
六月「ええ先生、ああ見えて身に付ける物の趣味が
可愛いやつなんですよ。」
僕と東条にしか分からない様に、陰湿なオブラートで覆った言葉を、
投げかける。
シ---------------------------ン
た
たたかいすぎたああああああああああああああああああ!
東条「・・・てい・・・」
六月「え?」
東条「ほんと!最ッ低ッ!」
その強気な言葉とは裏腹に、涙ぐむ彼女の整った顔に
悪いことをしたという気持ちと、
僕にはなくなったはずの感情が、揺れたのを感じた。