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チャリーさんの恩返し

更新が遅れました…申し訳ないです。

ギルドを出ても、すぐに都に向かうというわけにはいかない。

寄らなくてはいけない場所。そう、チャリー商会だ。


チャリーさんに報告、そしてこれまでの2日間のお礼を言わなくてはいけない。


そう思い、チャリー商会に向かう。



♢♢♢♢♢



チャリー商会の門の前まで来た。

そのまま奥の上へと進んでいく。

すると...名前は...メイさんだったかな?

メイド(?)の女の人がいたので、チャリーさんに会いたいと伝えると、急いでメイさんは奥の方の部屋へと言ってしまった。


少し待つと、メイさんが戻ってきて、


「商会長の元まで案内いたします。こちらにどうぞ」


と言って、俺たちを奥の部屋へ案内してくれた。


部屋に入ると、チャリーさんが書類の積んである机を前にして座っていた。


「ああ。ガリュー君達...よく無事で帰ってきたね...。とても心配だったよ。心配するなという方が無理だと思うくらいに君達は大変な仕事をしてきた。それは賞賛に値することなんだが…あとからレミナス君にはクレームつけておくよ...。君たちを危険な目に合わせたバツとしてね」


「ああ...いや別にいいですよ。レミナスさんにはそれでも、色々なサポートをしてもらいましたし、もう今はなんとも思っていませんよ」


嘘だ。だが、そのクレームのせいでレミナスさんの昇進が無くなるのもなんだかな。と、思う。

大したことなければ、昇進のチャンスは恨みを晴らすつもりで潰してやりたいが、どうも、これだけ頑張ったのに、昇進もないとなると、俺達がダンジョンに入った意味の一つが失われる感じがして、なんだか嫌だった。


「そうか。まあなんだ。どうだった?うまくいったかい?」


「ええ。思った以上の成果です。冒険者ランクが60になったので、もう都の依頼の方も受けてきました」


ギルドから出る間際にレミナスさんに依頼を受けさせてもらっていた。もういつ出発してもいいくらいだ。


「そうか...。もう行ってしまうのか。私は君たちの望みが叶うことを心から望んでいる。なぜなら君達は私の命の恩人だからだ。今更ながらもう一度感謝の言葉を言わせてくれ。有難う」


「いえいえ。そんな大したことじゃないですよ。チャリーさんこそ、屋敷に泊めてくれたり、食事の用意をしてくれたり、冒険者登録のサポートをしてくれたりと、様々なご恩がありますから。こちらこそ有難うございました」


俺は頭を下げてお礼を言う。


「ああ!顔を上げてくれ!そんな...それこそ大したことじゃあないよ。それより、もう今日中にこの街を出てしまうのかい?」


「ああっと...できれば早い方がいいですし、そのつもりでいましたが…」


「ならうちの馬車を使ってくれ。操縦もうちの人間がやる。いくつかの装備品もプレゼントするよ。近くにうちと提携してる武器屋が居るんだ。命に比べれば安いものさ」


馬車を出してくれるのか。それは有難い。

いつもなら「いいですよ」と断るとこだが、今回は本当に助かるので、話に乗らせてもらおう。


「本当ですか? では今回はお言葉に甘えて...何から何まで有難うございます」


「いやいや...いいんだよ。これくらい。むしろもっと何かしないと私の本能がそれを許さないよ。正直命を助けてもらうっていうのは、どんなものにも変えられない御恩だからね」


そう言ってチャリーさんは、そばにいたメイさんに何やら耳打ちをした。メイさんは急いで部屋から出て行った。

忙しない人だ。


「彼女は仕事が早い...が、多少急ぎすぎているような気もするね」


チャリーさんは俺の考えを読み取ったのか、そう言って微笑んだ。


「まあゆっくりしてくれ。数分もしたら、準備が整うよ。そこら辺の椅子に適当に座ってていいから」


「あ、有難うございます」


「やめてくれよ。そんなにお礼ばっか言われてたら、私の面子も何もなくなってしまう。お礼を言うのは私の方なのだから」


俺達はチャリーさんの言葉通りに、部屋の中にあった椅子に腰掛けて少し待つことにした。



♢♢♢♢♢



10分くらい待っただろうか。

椅子に座ってゆっくりしていたところで、バタバタと忙しない音が聞こえてきた。


「来たか」


チャリーさんが山積みの書類から手をどけて立ち上がる。

それとほぼ同時に、部屋のドアがバンという大きな音を立てて開く。


「つ、連れてきました」


ハアハアと息を切らしながらやってきたメイさんの横には、あごひげをたくわえたおっさんがいた。


「そんなに急がなくてもいいじゃねえか」


おっさんはそう言って背負っていた荷物を下ろす。


「ああ。よく来てくれた。紹介するよ。この人は武器商人のクーフーだ。君達のためにいくつかの武器を持ってきてもらったんだ」


「あ。そうなんですか。よろしくお願いします」


俺はクーフーと紹介された武器商人に手を出す。

クーフーは俺の手を握ると


「お前さんたちが子供のすっげえ冒険者なんだな。見た目はまだまだ華奢だが、人は見かけによらないってのはこの事なんだな」


そう言って後ろの方に置いていた荷物を自分側に手で引き寄せ、荷を解いた。


「全種類の武器の中から選りすぐりの武器を持って来た。好きなの取ってくれ。値段は気にするな」


俺達の前には、10を優に超える武器が並べられた。




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