アルカナ公国1日目終了
今回は外伝の方を書いていて時間がかかってしまいました。
外伝もかなり物語に関わるので、よろしくお願い致します!
外伝はこちら→http://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/958615/
アザゼルの過去を振り返る物語です。同時進行で行きます。
「おっ。ガリュー君。速かったね。しかもキノコがたっぷりと...っていうか後ろの人たちは?」
「うーん。説明面倒だから、説明省いて荷物持ちってことで」
街の奥の方にあるチャリー商会の本社(でいいのだろうか?)にたどり着いた。最初に出会ったのはJr。という事はJr達は戻ってきたわけだ。一応集合場所はここだったので、ここに来たわけだが、結構早くついた。
「なあ。おめぇよ。なんでオラ達はかの有名なチャリー商会に来てるんだべか?」
「し、知るわけねえべよ」
チャリー商会は有名だったのか。いやこのサイズなら多少有名なのに関しては想定内ではあるけどもな。
そんな事を考えていると、今日入った部屋とは別の部屋に通された。
「やあ。やけに早かったじゃないか。もしかして剣は見つからなかった...訳では無いみたいだね」
部屋に入るとチャリーさんがいた。剣の入手に失敗したか心配だったようだが、後ろの男達の背負った籠を見て、ひと安心したようだ。
「この人たちのお陰で2時間ほど早く着きましたよ」
あ、ちなみに時計などという便利なものは存在しない。時間の定義があるにはあるわけなんだが、時計がないので正確に何時とまでは言えないのが不便なところだ。今は恐らく...9時くらいかな...?
「おお。そうなのか。丁度遅めの食事を取ろうとしていたところだよ。ガリュー君達も速く準備してくれ。早く食べて明日に備えよう。皆も帰ってきたしね。君たち2人もガリュー君を助けてくれたお礼にどうだい?今回は沢山作ってもらって余りそうなんだよ」
と、チャリーさんの食事会に俺達だけでなく男達も招待される。
ぐう。と、ナスのお腹が鳴る。そう言えば昼食って無かったな。
俺達は部屋の奥へと進む。大きな部屋だ。真ん中に大きめのダイニングテーブル(大きすぎてその類に数えられるかもわからない)があり、皆が座って待っていた。
適当に空いている席に座ったとほぼ同時に、多くの料理が出てくる。
基本的には丸焼きや塩焼きのものが多いが、中には俺の見たことのない料理もある。単純に食材を知らないだけかもしれないが。
「信じられるだか?あのチャリー商会の天才と同じ卓で飯を食おうとしてるだよ!」
「ほんとだべ」
ちょっとうるさいが、とても喜んでいる2人。後で奢ってあげようかと思ってたけど、その必要は無さそうだな。
「じゃあ食べようか」
チャリーさんの一言で皆が食べ始める。
いただきます。といった言葉はないので、一斉に静かに食べ始めるのがこの世界の普通。そもそも日本以外の国で、いただきますに該当する言葉もあまり無かったみたいだから、そこら辺は気にしてないんだが、まあやっぱり違和感はある訳で...。
まあ文化の違いは仕方ない。カルチャー・ショックバンザイ。バンザイではないか。
多くの料理を適当に口に運びつつ、今回の報告を皆がしていく。
最初にアッシュ、カルエル、カロン班から。
この3人は病院の治療の手伝いの依頼を受けていた。
治した怪我人の数で報酬が決まるものだったので、どれほどの成果が出るかは未知数。ランク関係無しなので、少しばかり単価が高い依頼ではあったが、どれだけポイント稼ぎができただろうか…?
「私達は病院で、けが人の治療をしに行ったんだけど、ここ数日は、冒険者がいないこともあって、すごい大怪我を負う人は少なくなったらしいんだけど、小さな怪我を治す人員がたり無かったらしくて、結構な人数の治療ができたよ。全部でえっと...50人くらいは治療できたかな?」
「カルエルはすごい。あんな人数を相手にしてもまだ回復魔法が使えるなんて、相当精霊に愛されているんだね」
カルエルの報告に、加え、カロンが今日のカルエルの凄さを語っている。
カルエルは確かにHSPの値が非常に高い...らしい。俺には皆無なHSPをそんなに持ってるなら分けて欲しい限りなんだがな。
戦闘能力が弱いのはちょっと問題かもしれないけど、HSPのことを頭に入れればプラスマイナス0ってことで。
しかし50か。まあまあな成果が出てる。ランクアップに期待できそうだ。なんか上から目線でごめん。
次にJr、チビッタ、ソニック班。
「僕達はまあ拾えるだけキノコ拾って、薬草拾って、適当にゴブリン倒したり、狼倒したり...そんなもんかな。一応早く終わったからギルドに拾った物は出しておいたよ」
と、まあ結果は悪くなさそうだ。チビッタもソニックも比較的無口(特にチビッタ)なので、特に他に何かを雑談と言ったものは無い。
そして俺達の報告。
剣を見つけ、決闘をし、勝って、荷物持ちをしてもらい、その間にかなりの量の剣が拾えたことをある程度要約して話す。
「...剣の数は数えてないけど、120は超えてると思う。かなり大漁だった。流石にゴブリンだけだと心許ないから、薬草やらキノコやらを拾いつつ、狼退治の方もやっておいたから、ランクが上がればその関係の依頼もすぐ解決出来るはず」
「すっごい量だね。ガリューよくこんだけ見つけたね」
カルエルがそう言った。
まあ数えてみないとわからないが、無茶苦茶多い。正直言うと、2人でこの量は運べなかったので、大男2人組に感謝だ。
まあ最悪俺が全力ダッシュで何度も往復すれば良かったんだけどね。それは面倒だし疲れる。まだ明日もあることを考えると助かった。
そんな感じで報告を済ませ、皆の腹が膨れたところで、食事会は終了した。
大男達はお礼を言って、帰って行った。
「疲れた〜...」
全身の力を抜いてクラゲのようにダラダラとするソニック。
「どこで寝る?宿をとるか?流石に空きはあるよな?」
Jrは真面目なので、テキパキと行動していく。
「いや。今日はここで寝るといい。客室がいくつか空いていてね。お金も時間ももったいないから、今日はここで泊まってくれ」
荷物をまとめかけていたJrを見て、チャリーさんが言った。
「ではお言葉に甘えて...」
実を言うと、昨日は森のど真ん中で野宿だったから、背中が痛い。安い宿とるよりも断然いいと判断し、お言葉に甘える形で、チャリー商会の客室で泊まることにした。
客室はとても綺麗だった。流石にライコウ王国の城よりは狭いけど、あんなのは例外中の例外だしね。
多分ロイヤルスイート超えてる...っていうか文字通りロイヤルだし。
そんなふうに頭で考えていたが、明日も早くから依頼を受けなくちゃいけないので、すぐに寝ようと消灯(光魔法魔法切った)。
こうしてアルカナ公国での1日目が終わった。
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「ハァハァハァ....み、皆...」
スタアは全力で城まで戻ってきた。冒険者仲間に魔獣の危険を知らせるために。
魔獣というのは恐ろしいもので、元々命そのもののない動く人形のようなものだ。一撃で急所を仕留めなければ、例え足が消えようが腕が千切れようが関係ない。目に見えるものを破壊し尽くすまでその力は絶えることがない。
「どうしたスタア?遂に敵も諦めたのか?まあしょうがないよな。スタアがいればどんな敵でも勝てるだろ?」
「違いない。悔しいけど、望みを叶えてもらうのはスタアで決まりだ」
「ち...違うんだ、そんな事じゃない。敵が...敵が魔獣を作り出しているところを見た。すごい量作ろうとしている。あと1週間もしない内に、魔獣の大軍が来る!」
「はっはっは。面白いやつだ。そういうドッキリは後でにしろよな」
「違うんだ!ほんとなんだ!たしかに俺は見た。革命軍の本隊がいたんだ!小さい動物の死骸を集めて魔獣を造っていた!」
「本当か?嘘じゃないんだな?だとしたら不味いぞ...。でもほら。小動物なら大したことないだろ?俺たちでも頑張りゃ倒せるぜ」
「何を悠長なことを!軍が来るんだぞ?単体じゃないんだぞ?魔獣は普通のモンスターとは違うんだぞ!」
「まあスタアがいれば大丈夫でしょ!小動物なら大丈夫だって!」
「本当にそうならいいんだが...」
スタアは表面上は安心したような表情を作るが、心の中は全く穏やかではなく、次の戦いが心配で仕方がなかった。
前書きでも書きましたが、外伝の方を作らせていただきました。
本編外伝共によろしくお願い致します!




