パーティー結成?
誤字脱字、及びいくつかの設定変更等を行いました。
いつも読んで頂きありがとうございます!
「何がどうなれば僕に当たるんだよぉ...」
いつも以上に弱ったアッシュ。やっとカルエルの治療が終わったところだ。
「ではすぐに手続きをしてしまいましょう」
と、ギルドの人が言った。ちなみにこの人、ギルドの人ギルドの人と言っていたので、流石に失礼だから名前を聞いてみたら、レミナスという名前だということが分かった。
「ではこちらに来てください」
レミナスさんについていく。するとまたギルドのロビーのような所に戻ってきた。
「ここで登録を始めます。皆さんのランクカードを出してください」
レミナスさんの指示に従い、俺たちはランクカードを提示する。
レミナスさんは慣れた手つきでそのカードを受け取り、その上に青く輝く平たい石を乗せる。
するとカードから、空中に文字が浮かび上がる。
そこで何やらその文字をいじったり色々して、石をどかして一人一人に返していく。
「これで完了。全員今からランク1の冒険者です。依頼を3年以上取りにこないと権利剥奪されるので注意してくださいね。あと、ランクカードを無くしてしまうと、冒険者としての特典が受けられなかったり、依頼が受けられなくなるので注意して下さいね」
「ありがとうございました。ちなみにチャリーさんは何処にいるか分かりませんか?」
「チャリーさんなら酒場のところに....」
レミナスさんは横の飲食スペースを指差す。そこには、チャリーさんが座って待っていた。
俺たちはチャリーさんの方へ歩いていく。
「すいません。遅くなりました」
「いやいいよ。気にしないで」
周りを見渡すが、酒場にはチャリーさん以外誰もいない。
「人がいないですね…」
「いつもは沢山いるんだけど…皆都に行っちゃったんだろうなぁ」
と、チャリーさんが悲しそうな顔でそういった。
「よし。じゃあ早速、依頼を受けに行こうか」
チャリーさんはスグに気を取り直し、カウンターの横にある掲示板のような所に歩いて行った。俺たちもそれに従い、付いて行く。
その掲示板のような所には、沢山の依頼が書かれた紙がぎっしりと貼られている。猫の捜索、薬草の採取、ゴブリン退治、護衛etc..。そして何よりも目に入る依頼がひとつ、ど真ん中にドンっと大きな紙で貼られている。
都の防衛という依頼。俺たちの目的となる依頼だ。チャリーさんはその紙を掲示板から剥がす。
「ん?」
剥がした紙を見たチャリーさんが、紙を見てなにかに気付いたようだ。
「どうかしたんですか?」
「いや....ちょっとこれを見てほしいんだけど...」
「...対象ランク...冒険者ランク30以上!?」
チャリーさんは急いでレミナスさんの元へ向かう。
「ちょっとレミナス君?こんなの昨日の依頼になかったよ?」
「ああ、今日急に通信石で連絡があったんですよ。弱すぎるやつは邪魔になるだけだから、せめて死なないやつだけを送り込んでくれと」
通信石って何?
(お前の前世で言う...電話ってやつか?)
なるほど理解理解。そんなものがあるのか。
(けっこう魔力使うやつだから、誰でも使えるわけじゃないし、数に限りがあるから、王族とか貴族しか買えないような代物だ)
ふーん。っていうか、まずいじゃん。ランク30ってそんなすぐに上がるような物じゃないと思うんだけど。
「うぬぬ...不味いことになったな。すまないね、ガリュー君達...最短ルートだと思ったんだけどなぁ...」
「ランク30あげるのって大変ですよね?」
「大変ってレベルじゃあない。人によっては一生かけて上げてくようなレベルだ。勿論君たちなら一生なんてかからないにせよ、一年は確実にかかるだろう。と言うか一年で上げられるかどうか…」
「うそだろ...」
アッシュが肩を落とす。
「その依頼を受けたかったんですか?」
レミナスさんがやってきた。
「そうなんだよ。この子達の運命がこの依頼にかかっていたと言っても過言じゃあ無い。しかし...30は流石になぁ...」
他のルートしかないか。そう考え、皆が諦めていたその時、レミナスさんがこう言った。
「ロールランクではなく、貢献度の方をあげる手を使えば、なんとか数日でそこまでのランクを上げられないこともないですよ。今ならちょうど他の冒険者さんたちがいないので、貢献度が大盤振る舞い中ですし、それに重なって放置されているモンスターが多いので、多くの貢献度を稼げます。皆さん相当強いので、ここ近辺のモンスターを狩っていけば、順調に行けば今日だけでもロールランク5の貢献度ランク5〜10位は上がるんじゃないですかね?」
「その手があったか! それならこの子達で頑張ればいけるな」
「さらにこの依頼、パーティー参加だと1人がランク30以上なだけでパーティー全員参加可能なので、誰か1人が30ランク行けばクリアですよ」
おお。単純計算で二日ちょいくらいで30いくかもしれない訳か。もうお昼時位だけど、午後の時間を一気に費やせば…
「どうだいみんな?これならなんとか間に合うかもしれない!」
少し興奮気味のチャリーさんが俺たちに聞いた。
「いいんじゃない?正直な話、長いこと馬車に揺られるのも嫌だしね」
カルエルがいうと、皆もそれに頷く。
「それじゃあパーティー組まないと、ですね!」
と、レミナスさんが目を輝かせてそう言った。
「なんでそんなに興奮してるの?」
「いやいやぁ。そう言うチャリーさんも興奮気味じゃないですかぁ。だって考えてくださいよ!こんな精鋭がパーティー組んだら、もう文字通りの精鋭軍団の誕生ですよ!」
「おお!違いない!私も良い冒険者と繋がりができてよかったよ」
「感じませんか?ここが伝説の始まり!的な何かを!」
「間違いないね。これからもよろしく頼むよ。ガリュー君達」
「...まだ何も始まってないですけどね...」
無駄にテンションの高い大人達は、俺たちを英雄の卵扱いだ。
「で...だ。パーティー名を決めよう。でないと何も始まらない」
いきなり真顔に戻ったチャリーさん。そのメリハリの良さは褒めるべきなのだろうか…?
「パーティー名か...」
「なんだ。結構本気で考えるんだな」
アッシュが深く考え込む所を見て、Jrが珍しそうな顔をする。
「ああ!なんたって勇者のパーティーだぞ!名前くらいちょっとこだわりたいじゃないか!」
「だから、お前勇者じゃないじゃん」
何度も聞いたような、そんなやり取りを交えながら、名前を考えていく。
「なんでもいいんじゃ....」
「「「だめだ!」」」
カルエルが言いかけた言葉は、アッシュ、チャリーさん、レミナスさん、そして意外なことにチビッタの4人によって遮られる。
「わかってないなぁ。カルエル、こういうのは名前が大切なんだよ」(アッシュ)
「そうだぞカルエル君。男のロマンってやつだよ」(チャリーさん)
「そうそう。男のロマンよ。名前は大切なんだよ...って私男じゃない!」(レミナスさん)
「....」(チビッタ)
「「「....」」」(その他)
こうして、名前を決めようと頑張った俺たち。正直俺はそんな名前なんでもいいんだが、4人の猛反発によって、名前決めするだけなのに30分ほどかけてしまうのだった。
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