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世界一の魔術師? ですが本業は料理人ですので 〜転生料理人の異世界魔法生活〜   作者: クリップキラー
一幕 青年期 ライコウ王国脱出
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森を抜けると

いつも読んでくださる方、ありがとうございます!

景色が変わるのが早い。正確に言うと、森しか見えないので、景色は全く変わっていない。

が、やはり歩きとは全然違う。

馬車の移動は、多少の揺れがあるものの、歩きに比べれば数倍快適だ。


途中途中魔物が来るのを除けば、座っていれば自動的に着いてしまう。

まあそれでも、2時間強はかかるので、チャリーさんと話をして暇を潰している。


「しっかし、なんで君たちみたいな子供が、こんな森にいるんだい?」


「あ〜...話せば長くなりますが...」


「そうかい。じゃあいいよ。そもそも君は魔法が使えるみたいだから、この森くらいなら難なく抜けられただろうしね」


「ははは。それより、反乱というのは、いつから起きているんですか?」


「ああ...私も良く知らないんだが、昨日の朝位らしい。聞いた話では、街は火に包まれ、城の方では爆発が連続して続いたとかなんとか...」


「まだ解決してないですよね...?」


「そんな速く終わらないだろうな。今は政府の人間が大金を払って魔法使いや冒険者を集めてるらしいんだ。私は傭兵が雇いたかったんだが、そのせいで雇えなかったんだ」


「そうなんですか...」


「もしも反乱が長続きすると不味いことになりそうなんだよな...」


「?」


「と、言うのも、都に近い街の冒険者達は、悪い言い方をすれば、金につられてみんな都に行っている。そうすると元いた街の治安が悪くなるだろうし、何よりも周りの土地の魔獣やら魔物やらなんやらが増えてしまう」


「ああ...」


「結果的に、戦いが長引けば長引くほど、周りの街も被害を受けるわけだ。さらに、今でこそ都だけでの戦いが続いているわけだが、いつ他の場所でも戦いが起きるかはわからない。しかも、ここまでの大規模な反乱なんて、そう何度も起きるものじゃないし、そうなると反乱軍側の人間の結束が重要になってくるわけだが、聞いた話だと、反乱を起こしたのは殆どがただの国民。ただの平民が、ここまでな大規模反乱を起こせるかどうか...」


「普通は無理ですよね」


「ああ...だから私は、裏で誰かが操っているのではないかと思うんだよ。最近は、大きな犯罪組織が出来てきているから、そういう奴らが裏から糸を引いて居るんじゃないかとね」


「大きな犯罪組織...」


黒、毒の盗賊団などなど...大きな犯罪組織と言えば因縁深い奴らが多いな。


「私的にはね、革命軍とかいう奴等が怪しいと思うんだ」


「革命軍?」


おいおい...勘弁してくれよ...。またやばそうな奴らの名前が出てきたぞおい...。


「正義の為に反乱を起こす集団らしい。過去にも国をひっくり返す寸前まで行った反乱があったとか無かったとか…。物騒な世の中だよ。まさか自分の住む国で反乱が起きるなんて思いもしなかったよ。だいたい私なんかは、別に今の国の政治に不満なんてないんだけどなぁ」


どんな組織かはわからないけど、一先ず危なそうな組織だ。正義のための反乱なのに、今の政治に不満はない...矛盾してる感じはあるな。どうせ国を乗っ取るつもりなのだろうと薄々気付くんだけど、その戦いのための駒として罪のない人たちを巻き込むのは正義でも何でもないとだけは言える。


「ところで君達は、なぜあんな...まあ悪い言い方すれば馬鹿高い魔法船に乗ろうとしてたんだい?」


「あ〜...それも話すと長くなりますね...」


「分かった。聞かないでおく。でも、あれに乗るだけのお金を持っているとは...いや、別に貧乏って言いたいわけじゃなくてだね、年齢的にちょっとね...」


「ああ、気にしなくていいですよ。まあ、お金のことは何とか出来るかとは...」


「そうかい。お」


「どうかしたんですか?」


「いや、ほら、前の方を目を凝らしてみると、街が見えてくると思うよ」


言われた通りに魔力で強化した目で前方を見ると、見たことあるような門が見える。

どこでも門は同じようなもんなのかな?


遂に俺達は、アルカナ公国の最初の街にたどり着いたのだ。



ついに森と...キノコとおさらばですね!

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