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世界一の魔術師? ですが本業は料理人ですので 〜転生料理人の異世界魔法生活〜   作者: クリップキラー
一幕 青年期 ライコウ王国脱出
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出国

ついに出国!


カロンは、香る龍でカロンですね。



カロンが仲間に加わって、出国手続きを終えた。俺たちはもう国と国との境目の門を目の前にし、ドラノに別れを告げる。


「今までありがとう。何だかんだで、色々あったように思えるけど、この国に来てからまだ数日しかたっていないのが、正直信じられないけど、ここまで早く出国できるのも、ドラノのお陰だと思う。色々とありがとう」


「そんなのはどうってことはない。これも仕事の一つだ。これでもお前らは黒の情報をくれた大事な客なんだからな」


「今は大したお礼なんてできないけれど、いつかお礼がしたいね」


と、Jrが言う。


「そんなもん要らねぇよ。仕事は仕事だ。給料は国から出てるんだからな。それよりも...お前らのランクカードを作っといたぞ。今回は初発行だから金かからなかったが、落とすと再発行しなきゃいけないから、気をつけとけよ」


ランクカードとは、いわば身分証明書である。例の細すぎるランク分けをされたいくつかの等級などを示したライセンスや、自身の種族や職業、その他色々が、このカードに記されていく。魔法の込められたマジックアイテムで、その持ち主本人のみが所有することの出来るものだそうで、国を行き来する際に必ず必要になる。パスポート代わりだな。

国の行き来以外にも使い道があるのだが、それは今説明しなくてもいいな。


「ありがとう。これでこの先も安心だ」


基本的に俺達のような学生は、学校から出ることがないので、正直な所、必要ない為、発行はしていなかったのだ。実をいうと、密入国をすればこんなカード無くてもいいのだが、そういうわけにも行かないので、作ってもらった。


「それじゃ。気をつけろよ。お前達の腕ならそこら辺の魔物に殺られることはまず無いだろうが、いつ何処にまた黒やら毒の盗賊団がいるかも分からんからな」


「え?毒の盗賊団ってまだ居るの?」


「当たり前だろ?知らないのか?規模だけなら黒の数倍は居るからな?なんつったって、盗賊団の方には魔法が一切使えない奴らでも普通に入れるからな」


ちょっと聞きたくないことを聞いてしまったな。そんな巨大組織を二つも敵に回してしまった俺達はこれから大丈夫なんだろうか?


「ま、まあ、流石にまたお前らを襲ってきたら、もうそれは神様がそう操ってると思わざる負えないな。もしそんなことがあったら、お前らの悪運はピカイチだぜ。まあ、気張っていけば大丈夫だろ。悪ぃな。お金とか...その、持ってないから...」


「そんなのいいですよ。どっち道この国お金は使えないですからね」


「まあ、死ぬなよ。龍の軍団に襲われても、お前達なら大丈夫...なはずだから...」


笑えない。普通に有り得そうで笑えない。引きつった笑顔を浮かべて俺たちは、開かれた門を潜り始める。


「何はともわれ、忠告ありがとう。周りには気をつけておく。また今度はこの国に、観光で来れるようにしたいと思うから、また今度会おう!ドラノ!」


そう言うと、ドラノも嬉しそうに、「おう」と返事をする。

俺はその声を聞くと安心し、前を向いて歩き出した。


門をくぐり抜けると、そこには、あたり一面が緑色に染まっていた。そこには、見渡す限りの森があった。


「え?街は?」


俺は門を抜ければまた、貿易が盛んな街があるのだと、勝手に思っていた。が、見渡す限り森。


「何言ってるんだ?街まで行くには、歩きなら一日以上は余裕でかかるぞ」


と、門番が教えてくれた。

野宿がどうとか、料理がどうとかって言うのは、そういう事だったか...

一日分の食料も渡されて、おかしいとは思ったけど、普通国境に街の一つぐらいあると思ってたんだがなぁ。


「国境に街があること自体珍しいよ。普通は戦争で真っ先に潰されちゃうからね。まあ、ライコウ王国は貿易のためにあの街を作ったわけだし、ライコウ王国は戦争はしない主義だからね」


と、Jr。


「そんな事はどうでもいいんだけど、一先ずガリュー?日が暮れる前に進みましょ。少しでも早く街でお金を稼ぐべきだと思うし...」


と、カルエル。

そうして俺たちは、門番から貰った地図を頼りに、街を目指すことにした。


道のりは長く、何だか危険もありそう...

出国そうそう、俺は心が折れそうになった。


ドラノともお別れ、ライコウ王国編が遂に終わり、新たな国に移動するガリュー達。

無事に帰れるのだろうか…?


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