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世界一の魔術師? ですが本業は料理人ですので 〜転生料理人の異世界魔法生活〜   作者: クリップキラー
一幕 青年期 ライコウ王国脱出
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新たな仲間

だいぶ更新が遅れました...


すいませんでした

「全く...。1滴飲ませれば全回復の魔法の薬をたかが数人で使い切るなんて、どういう神経しとるんじゃ」


老人はそう言うと、呆れた顔で更にこう言った。


「もうひと瓶だけやるから、大事にするんじゃぞ」


そう言ってまたあの万能解毒剤を渡してくれた。


あれって1滴で良かったのか...


「ちょっと待て!」


立ち去ろうとする老人を引き止めるドラノ。


「何故お前がここに居るんだ!?お前は王都に居るはずだろ?」


ドラノは老人に向かってそういった。2人は知り合いなのだろうか?


「馬鹿言うな。どれだけお前達は私を王都に置いておきたいんじゃ?儂じゃってな、他の場所にだって行くわい!最近の奴らの動きがどうも大きかったから、こっちに来とったのだ」


「そうか...。それよりも、その薬...」


ドラノは万能解毒剤を指差す。


「幻の薬だよな...?」


「そうじゃ。数が少ないんじゃから、そうバンバン使わないで欲しかったんじゃがな」


ドラノさん...。僕等を置いて話を進めないでください...。


それよりも、幻の薬って何?


「ひと瓶白金貨...下手すりゃ何枚もかかる位の超高級な万能薬だぞ...。そんなポンポンと人にあげていい様なもんじゃねぇぞ...?」


驚きと呆れが混じった顔で老人を見つめるドラノ。

それにしてもこの薬、そんなに高かったのか...。白金貨数枚って...え〜っと?150万円は下らねえじゃねえか!1枚150万円だからな?数枚って...。

そんな貴重な薬を、俺は皆にガボガボ飲ませてたのか!?ヤバイな...。


正直吹っ飛びそうな金額のビンを手に持っていると知ると、ちょっと手が震える。いやさ、生涯収入に比べりゃどうってことないけどさ、この1瓶に、それだけの金が詰まってると考えるとちょっとね...。


「まあいい。儂だって暇じゃないんじゃ。今日はもう仕事に戻らんとな」


「おい!ちょっと待て!」


瓶を見つめているうちに、老人は立ち去ろうとする。

ドラノの声にも反応せずに、老人は人混みの中に消えて行った。


「まあなんだ...。それは有難く頂いておけ。ついでに、その子に1滴飲ませて起こしてやれ。早くこの国を出るなら、この子の意見を聞くべきだ。この国にこの子が残るんなら、一先ず王都に俺たちだけで引き返しとくから」


「分かった」


ドラノは本当にいてくれて助かったと思う。この子をどうするかなんて全く考えてなかった...。

俺は謎の少女に薬を1滴(・・)口の中に入れる。


「....うう...」


数秒のタイムラグを経て、少女が目を開く。

特にいきなり蹴ってくることもなく、ゆっくり起き上がり、こちらを見ると一瞬警戒したものの、すぐに警戒を解いて、こう言った。


「助けてくれたの?」


嘘つく理由もないので、


「ん?ああ、そうだ」


と、答える。思ったよりも頭良いようだ。瞬時に状況を確認したようだ。


「私の家族...どこに行ったかわからない?」


「悪いけど、君が捕まっているのを助けただけで、何も知らないんだ」


「私は、家族のところに行きたい。ここが何処だか分かる?」


「ここはライコウ王国だ」


「らいこう...?聞いたことない...。私の家族は、第4大陸に向かっていたはず...?」


第4大陸?俺たちの学校と同じ所だ!


「第4大陸に行くなら、一緒に俺たちと行かないか?俺達も第4大陸を目指しているんだ」


「本当...?貴方達がいいなら、私を連れてって...。私を救ってくれた上に、そんな事までしてくれるなんて...。有難う...」


「大したことないさ。俺はガリューだ。改めて宜しくな」


「私はカロン。宜しく」


こうして俺たちには仲間が加わり、この国からおさらばすることになった。







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