ドラノ復活
いつも有難うございます!
朝食を済ませた。ドラノのポケットマネーが気になるので、気持ち抑え気味の朝食だ。
まあそんな事はどうでもいいのだ。ドラノだ。ドラノが起きないと、国境超えられないのだ。国境超えるには、15歳以上の保護者の承認か、同伴が必要らしいのだ。残念なことに、俺たちは子供。いくら俺が精神年齢大人であったとしたって、俺達だけでは出国不可なのだ。
さっきドラノが来た訳だから、約半日は寝ていたと考えられる。あと半日か...。また日が暮れてしまうな...。最短でも夜7時に起きると考えた方がいいな。
「なあ。ガリュー」
「なんだうっさいなぁ。考えてる途中なんだから、あっち行ってくれよ」
そう言ってドラノの方を向いて、手を振って、あっちいけのジェスチャーをする。
そう言ってまた前を向いてこれからの事を考え....え?
俺はバッと振り向いて後ろを確認する。そこには、完全に目パッチりなドラノがいた。
「なんで?」
逆に俺が寝ていて、夢でも見てるんじゃないか?と、思うほどにびっくりし、自分を軽くビンタするも、痛みはあるので、目の前のハゲマッチョは、本物のドラノである事が分かった。
「いやぁ。これも強欲の効果でさ。こういう毒は、一回体験すればもう耐性がついちゃうのよ。だから俺はピンピンなわけだ」
「はあ...」
体験ってなんだよ...。と、突っ込みつつ、七つの大罪の力の凄さにビックリする。耐性付いちゃうって...。もしかして即死系の毒も吸収しちゃうのかな?魔法だけを吸収するわけじゃないのか?
「だから、もう今すぐにでも国境超えられるぞ。どうする?」
早い方が良い。運がいいことに、あれだけ色々あったのにも関わらず、今は朝の7時。すぐに出ても多分大丈夫だろう。
「すぐに行きましょう。荷物纏めちゃいます」
そう言って気づいた。荷物無いわ。ついでに金もないわ。
「すいませんドラノさん?」
「ドラノでいい」
「あ〜...。ドラノ?お金無いんですけど大丈夫ですかね?」
「冒険者なら一日で宿代くらい稼げるだろ。最悪今日は野宿...いや、今日は野宿確定だな。お前らの中で料理できる奴いるか?」
この俺にそれを聞きますかね?
「できますよ」
「そうか。じゃあ大丈夫だな」
大丈夫もクソも...。ていうか、野宿確定ってどういう事?今日中にお金貯めるわけには行かないのかな?
「荷物ないなら行こうぜ。他の奴にも声かけとけ。チョット金が減ってるけど、お前らを出国させるぐらいの金はあるからな」
少し言葉が突き刺さるが、まあほら、お金は仕方ないよ。そうだよね?
「じゃあほかの奴を呼んでこいよ。隣の部屋にいるんだろ?」
ドラノの言った通り、皆は疲れたようなので、隣の部屋で休んでいる。流石にここ数日は寝っぱなしなので、眠いなんてことは無いはずだが、やはり精神的な疲れ半端ないだろうな。
まあ、ドラノも起きたことだし、もうこの国に留まってると、攫われるイメージしかないし、早く出国するべきだろう。
俺は皆のいる部屋に行き、皆を呼んだ。
♢♢♢♢♢
「なんで起きているわけ?」
カルエルさん常人の反応。
普通はこうなるだろ。
「なんだ?まだこの国に居たかったなら、別に君だけ残ったっていいんだぞ」
ナスが皮肉っぽくそう言う。
「あ...。いやそういう事じゃなくて...。早くこんな不便な国から出て、学校に帰りたいよ。でもほら...。普通におかしいじゃない?私達は半日で起きたのに、この人数十分で起きたんだよ?」
「ふ、不便な国って...」
ちょっとカルエルの言葉に傷つくドラノ。まあ、腐っても母国だからな。別に腐って無いけど。
「まあとにかくだ。ドラノもこうして無事起きた。そして今は朝早い。ここ機会を逃すと(色々な意味で)、またトラブルが発生するかもしれない。せめて、出国だけでもしておきたい。だから今すぐ荷物まとめてくれ。早く行こう」
「じゃあ行くか」
アッシュの即答。確かに、まとめる荷物もないので、すぐに出られる。
俺は宿の人に、宿を出る事を伝えて、皆であの大きな門を目指した。
遂に王国脱出?まさかまた攫われたり...しないよね?
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