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世界一の魔術師? ですが本業は料理人ですので 〜転生料理人の異世界魔法生活〜   作者: クリップキラー
一幕 青年期 ライコウ王国脱出
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アジト

早朝。ナスもドラノも寝ている。もうそろそろドラノが起きてきてもいいくらいだと思うんだが、まあそれはどうでもいい。現在朝3時ほど。まだ外は暗く、そろそろ日が出るかどうかというところ。

本当は深夜に夜襲を仕掛けたかったが、地図を見ると、アジトが森の中ということもあって、夜の侵入は超危険と判断した。特に虫。前にも言ったと思うが、虫は苦手だ。普通の地球の虫もダメダメだった俺。だが、この世界では更に、虫の魔物が生息している。普通に出会えば、俺は泡吹いて気絶しかねない。冗談なしでだ。

さらに夜には明かりが必要。その明かりは魔法でなんとかなるのだが、その明かりめがけて獣やら虫やら虫、特に虫が寄ってくる。更に、見張りにも見つかりやすくなるので、デメリットしかない。それこそ暗視ゴーグルと虫除けとかゆみ止めが無ければ。


俺は静かに宿から出て、地図を頼りにアジトがある方向へと向かった。

やはり朝ということで、あれだけ賑わっていた通りも、ガラッとしている。店によっては、空いている店もあるが、殆どは店を閉めている。(店員がいない)

静かなのも悪くは無いが、いつもうるさい所(昨日の昼の事しか知らないが)が静かだと、何だか不安になる。この世界に俺しかいないような錯覚が起こる。



ーーーーーーーーーー



地図が示す場所へたどり着いた。昨日襲われた所から西に1キロほどの所に、綺麗に自然と同化した人工物があった。恐らく、注意して見ないと発見できないだろう。

良くあんなお爺さんが知ってたな。

因みにサンドランはここから北に5キロ強進んだところにある。


やっと日が出てきたぐらいだが、まだまだあたりは暗い。

周囲を見回すが、特に見張りがいるわけでもないようで、無防備過ぎて逆に怖い。何かトラップでもあるんじゃないだろうか?

少し警戒しつつ、アジトの方へと向かっていく。


「来たか」


上の方から声がする。しまった!そう思って上を向いて氷の柱放つ。


「うほっ!何するんじゃ!」


そこには、地図をくれたお爺さんがいた。



♢♢♢♢♢



「危ないぞ。お主」


「いや...すいません。てっきり敵かと...」


と、言った時、は!と思った。

まさか...俺にあえて地図を渡して、おびき寄せてつぶすために待ち伏せしてた!?このジジイも敵か!?

俺は完全に警戒モードに入る。


「そんな怖い顔するな。儂は敵じゃないぞ。少し忠告しに来たんじゃよ」


お爺さんは少し困惑した表情を浮かべて、そう言った。


「敵は毒を使った戦闘集団じゃ。魔法使いは全くいないが、数と毒で敵を圧倒する。どんなに強くても、毒消しは必須じゃ」


「はあ...」


お爺さんはそう言って、着ていた青いローブのポケットから、緑色の瓶に入った液体を取り出した。


「万能毒消しじゃ。これがあれば、どんな毒も一瞬で消し去るぞ」


「あ、有難うございます」


「儂は仕事が溜まっとるんでな。これでおさらばさせてもらうぞ」


そう言ってお爺さんは、森の外へと歩いていった。



♢♢♢♢♢


「どうせなら手伝って欲しかったかな」


お爺さんの後ろ姿を見つつ、そう呟く。ただの老人に手伝ってもらうほどでは無いにせよ、敵の数が多いとなると、多少の戦力は欲しかった。更に言うと、気のせいかもしれないが、あのお爺さん、凄いただならぬオーラが出てた感じがあった。


まあいい。1人でできるもん(笑)。

お爺さんから貰った万能毒消しを服(因みに学校の制服の魔法使い使用ローブ)のポケットに入れて、早速アジトに向かって歩く。



近付くにつれて、アジトの形がクッキリと見えてきた。石造りのピラミッド型のアジトだ。普通にアジト感出ている。どっかの黒のアジトとは大違いだ。石の周りは、コケやら木やらで装飾(?)されていて、完全に自然に飲み込まれてる感じ。古い遺跡のようだ。お宝でも眠ってないかなぁ。


朝だからだろうか。やけに静かだ。さっきも言ったが、見張りは1人もいない。いくら遠目では見つけづらいとはいえ、不用心にも程がある。

そしてまた、一歩歩く。すると、地面ガペコッとへこんだ。


しまった!と、思った時には遅かった。百本近くの弓が、俺に向かって放たれた。


感想、評価お願いします!

もうすぐユニーク10000!

いつも有難うございます!

さあ、百本の弓で大ピンチ!?ガリューは無事で切り抜けられるのか(棒)?

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