山道に迂回
数日ぶりの投稿です。
「悪いな。着くとか言ったけど、まだだわ」
俺がドラノと話し終え、客室の方へ戻り、数分が経ったところだ。もう既に荷物をまとめ終え、到着を待つばかりだった。
「え?もう着くんじゃなかったの?」
カルエルが少し不服そうに言った。
「ルートの途中で工事があった。道路整備らしい。遠回りになるが、迂回ルートを通るように指示された。地図も渡されたから、道に迷うこともないだろうし。精精一時間くらいしか変わんないと思うぞ」
ドラノがそう言った。迂回するだけで一時間もかかるのか…
「まあ、山道になるから、少し揺れたりはするかも知れないけどな」
「.........酔う」
チビッタが口を開く。酔うって.....ちょっとは我慢しろや。
「我慢しろ」
Jrが言った。どうもチビッタはJrには従順らしく、どんな命令でも大体は逆らうことは無い。
「少し遅れるが、何も死ぬわけじゃないしな。少し寝とくといい。揺れてて寝てられないかも知れないけどな!」
ドラノが笑いながらそう言った。
ガハハハと大きい声で笑うハゲイケメンは、なんていうかオッサンっぽい。まだ20代くらいなんだろうけど。ビールと海とギャルが似合いそうなオッサンだ。
こうして俺達は、これまで通っていた街道から外れ、道とはお世辞にも言えない。いや、獣道と言えばいいか。とにかくちょっと馬車で通るには大変そうな道を通る事になった。
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「う......ぐ......」
何十分くらい経っただろうか。もしかするとまだ数分しかたっていないかもしれないが、とても時間が長く感じられる。チビッタは顔を青く染め、我慢しろとか言っていたJrも吐くか吐かないかという危険な状態だ。
そういう俺も、船旅で慣れていると、油断していた結果、想像以上の揺れで三半規管が悲鳴をあげそうだ。
「おい....大丈夫か?お前ら.....休むか?」
数分置きくらいにドラノが部屋を移動してやって来るが、彼はそれほ酔ってはいない様子。三半規管が無いんじゃないだろうか。こいつは。
「......休ませてくれ........!」
チビッタの心からの叫びにより、馬車は停止。一時休憩をすることになった。
しかし今日はよく喋るなチビッタ。乗り物に弱すぎだろ。
(お前だって吐きそうなくせに、何偉そうな事言ってんだよ)
すいません....
とにかく、この休憩は俺にとっても嬉しい休憩だ。三半規管と脳を存分に休ませたい。
「あとどれくらいで着くの?」
カルエルが聞いた。
「安心しろ。あと十数分でこの道を抜けられる」
ドラノが答えた。
まじか。まだそんなにあんのか。ちょっとこれまでの旅で一番辛いかもしれない。
ほら見ろよ。チビッタなんてあと十数分ってのを聞いただけで、ちょっと昇天しかけてるぞ。
「まあそう落ち込むなって。関所に着きさえすれば、目的は達成だ」
「僕達の目的は、無事帰ることだ」
「あ、そうだったな」
ドラノは励まそうと言ってくれたであろう言葉も、アッシュのツッコミで完全にかき消される。
「まあとにかくほら、落ち込んじゃだめだ。先は長いんだ...」
ドラノがその先を言うことなく、口を閉じる。
「誰だ!居るのは分かってるんだぞ!出てこい!」
いきなりドラノがすごい剣幕で叫び始める。
すると、風を切る音とともに、何かがカルエル目掛けて飛ぶ。
「クソが!」
そう言ってドラノはカルエルを庇うように立つ。
ドスッっという音とともに、その何かが、ドラノの背中に刺さる。
それは、弓矢だった。弓矢は、ドラノの背中にしっかりと刺さっていた。
敵襲か?黒の追手か?傷ならカルエルが治せる。一先ず敵を倒すのが先決か。
「ソニック、アッシュ、敵だ!戦闘準備をしろ!ソニックは弓の速度を何とかするように、アッシュは敵を探してくれ!」
「わかったよ〜」「了解」
2人は指示通りに戦闘準備を行う。敵が誰だろうと、容赦はしない。
国境近く、森の奥で、戦いが始まった。
黒か?そうなのか?どうなのか?どうなんでしょうか?(笑)
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