七つの大罪
今回の話は難しい所もあるので、分からなかった場合は、ご指摘お願いします。
とてもいい宿に泊まったのに、お金がかからないというのが、少し罠っぽくて怖いガリューです。ベットフカフカで気持ちよかったので、仕方ないとも思うけど....。
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朝食を済ませた後。早速荷物をまとめて馬車へ乗り込む。
「行くぞ。思い残したこたぁ無いか?忘れもんすんなよ」
思い残しはメチャクチャある。ベッドとか風呂とかが良かった。
忘れ物はない。てか、持ち物がオリハルコンしかない。
売却しようと思ったが、こっちのお金になったらほかの国で使えないので、仕方なく持っていく事になった。
まあ、武器にしてもらうのもいいけど。
一応、国境の所まではドラノも来てくれるそうだ。
馬車で城から3時間位で着くらしい。
普通に時間かかるな。東京から大阪まで普通に行けるぞ。
「行くぞ。早く乗れ。なんとか昼までに国境に行けるようにするぞ」
ドラノの合図で全員が馬車に乗り込む。
馬車は大きいく、二つの部屋に分かれていた。馬が3匹で引いている。
部屋のひとつは操縦、もうひとつは客室のような感じだ。
城の馬車って無駄にお金かけてるな。
ドラノは、操縦室の方へ入っていった。
俺達は客室の方で、今後の話をした。
「一先ずお金ね」
と、カルエル。
「......。冒険者だ.....一番速いはずだ....」
何日ぶりだろうか。チビッタが口を開いた。
冒険者か....。まあ、日給制で貰うとすれば、それしか無いだろうな。
「そうだな。僕もそれが一番だと思う。この人数なら、ある程度の量の仕事を一気に出来るしね」
と、Jr。確かにそうだな。
「じゃあ、それで行くわ。最悪数日は野宿かもしれないけど、いいわね?」
と、カルエルが皆に聞く。
誰もそれに反対はない。皆が頷く。野宿なんてもんはしたくはないが、帰るためだ。....今更になって城のベッドが恋しくなってきた....クソゥ。煩悩め.....
「おい。あと1時間で着くぞ。あと、ガリュー。チョットこっちにこい。話がある」
ん?なんか俺したかな?いや....何もしてないだろ。被害妄想は良くないな。
そう考えつつ、操縦室へ移動する。勿論俺だけ。
操縦室は、まあ、普通に馬が目の前にいて、操縦者が馬を操縦してる。いや...何ていうの?操作?ああ、操るでいいか。で、その後ろにベンチサイズの椅子がある。
「まあ何だ。とりあえず座ってくれ」
ドラノに言われ、ベンチサイズの椅子に座る。
「単刀直入に聞くぞ。お前...魔王だろ?」
ごめん....なんて言った?
「は?」
思わず変な声が出る。なぜバレた?もしかして此処で殺されたりしないよな?何故か知らないけど、こいつに掴まれれば終わりなのは、昨日わかった。簡単に殺されてしまうかもしれない。
「お前、七つの大罪って知ってるか?」
「え?は、はい」
七つの大罪....全ての罪の元となるもの....罪源のことだったな....
「俺は、12歳の時...つまり精霊の儀式の時に、七つの大罪の力の1つ、強欲のマモンというをを手に入れたんだ。周囲の魔力を吸い取り、自分のモノにする力だ」
強欲....確か....金だったかな?金がめっちゃ欲しいです的な。
それをまさか魔力めっちゃ欲しいですに変化されるとは.....
だが。これであの疑問が解決した。なぜあの時逃げられなかったか?それは、筋肉強化をした魔力を全部吸い取られて、力が入んなかったんだ。
「最初はそんなに気にしてなかったんだが、その内、この強さが気になって、七つの大罪について調べたんだ」
急にやばい話になってきていないか?ちょっと難しい話は僕には分からないや。
「それで知ったんだ。ある本を読んでな。七つの大罪シリーズの能力は、精霊の力じゃないんだ」
は?意味不明ですけど。精霊の儀式の時にもらった力が精霊の力じゃないとかイミフですが。
「ある神話の話だから、信じなくてもいい。が、聞いてくれ。聞くだけ聞いて欲しい」
俺の手をドラノが握り、頭を下げる。
「は、はぁ。分かりました」
あまりに凄い迫力に、思わず圧倒される。
「ある女神の話だ。女神は、この世界を作った。が、ある時、女神はある不治の病にかかったそうだ。死を覚悟した女神は、自分の力を7つの力に分けた」
「それが....七つの大罪....?」
できすぎた話だが、なんとなく信憑性がある。まあそもそも、日本人はそんなに神を信じない人が多いからな。その話が本当か、御伽噺なのかは分かんないが。でも、転生ってのが既に神っぽいな。
「いや、違う」
違うんか〜い!
俺は思わず膝に置いていた手を滑らせて、アニメのようにズコッとなった。
「......。まあ聞け。そしてだ。それとは逆に、罪の元である七つの大罪を世界各地へ隠した。そしてだ。女神の7つの力の1つ、経験を積むほどに強くなり、後世に永遠に強さを受け継ぐ力、通称勇者の力を持った者が七つの大罪を守った。それとは別の7つの力がひとつ、精神無限輪廻の力である魔王は、その七つの大罪の力を狙った。こうして、世界全体で、勇者と魔王の戦いが始まったわけだ。戦う運命を背負った勇者と、永遠に生と死を繰り返す魔王。この後は分かるだろ?」
おいアザゼル。本当か?
(お前の記憶の中にある、RPGという物を例にするが、魔王がそんなに進軍して城から出てくる事があったか?)
無いな。多分。少なくとも俺は知らないな。
(俺は逆に、七つの大罪を守っていたんだ。勇者から。だがな、ある日気づいたんだ。攻められる前に攻め落とせばいいと。それで世界征服を始めたんだ。たった1人。勇者なんてバカみたいなやつかた大罪を守るためにだ)
それはお前も悪いとこあるだろ。まあさ、お前を信じないわけじゃないけどさ。それでもちょっとなぁ.....
「ここ50数年は魔王も勇者も居ない。俺はそこで考えた。その50年の間で、誰かが七つの大罪の封印を解いたのでは?と。故意でやったかは分からないが、封印が解かれたのは間違いないだろう」
そうなのか?
(俺は前に、勇者に嫉妬と暴食を開放されてしまった。それ以外は知らない)
と、いう事は、こいつの仮定は正しいわけだ。つうかお前。任務ミスってんじゃん。
「他の七つの大罪は誰が持っているのか全く分からない。だが、一先ずこの力は有り難く使わせてもらった。だが、去年ぐらいだ。急に俺の脳裏に、魔王という単語が浮かんだ。その日、城では魔王の復活の話で持ちっきりだった。そこで気づいたんだ。七つの大罪には、魔王を察知する力があるのでは?と。そしてそのセンサーが、昨日お前を担いだ時から反応しまくってるんだよ」
顔からして嘘はいっていない。ここは素直に認めるべきか?
(俺は構わないぞ。こいつは敵じゃない)
そうか。
「確かに、俺の中には魔王がいます。ですが俺は魔王ではありません。今となっては、俺が魔王の主人です」
「言ってる意味が少し分からないが、お前が魔王なんだな。安心しろ。魔王に恨みはないから、お前を殺そうなんて思ってない」
一応敵じゃ無いんだな。信じていいよね。こいつはたまにちょっとよく分かんないからな。つっても、コイツ昨日会ったばっかだけど...
「そうと分かれば一応忠告しておく。魔王が魔力を使えば、各国の魔道具が反応して、半年近くマーキングされる。お前が死ぬとは思わないが、一応注意しておけ。あと、俺で分かった通り、七つの大罪持ちなら、近づくだけで分かってしまうかもしれないから、気をつけてくれ」
「分かりました。忠告有難うございます」
色々と優しくしてくれるなぁ。ほんとに。こんな人が敵なわけない。絶対無いさ。
「まあ、そろそろ着くから、準備しとけ」
こうして俺は話を終え、客室の方へ戻った。
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しっかし昨日の雨は凄かったですね。あそこまで豪快に降るとは...
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