黒との戦い
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「ふう。やりがいがあるね」
「お前何もしてないだろ!」
ナスが疲れた顔でそう言うと、アッシュがツッコむ。勿論ナスだって多少は疲れているだろう。だが、ナスは文字通り何もやっていない。それが事実だ。
戦闘に関しては、基本的にアッシュと俺とソニックで無双状態だ。ソニックは強くないものの、能力を上手く使って無双状態を保っている。
ここは、監禁されていた部屋から更に階段を2度ほど上った所。黒の戦闘員は思ったよりも多く、ソニックなんかは魔力量がそう多くないので、特にやつれた感じだ。
外へ出たいのだが、次から次へと刺客がやってくる。まだ戦闘力がアッシュ程の奴ぐらいしか強い奴居ないので、大してキツイ訳でもない。
時たま戦闘員達を脅し担当カルエルが脅して、情報を集めていくうちに、ある程度この建物の詳細が分かった。
地下3階、地上2階建てのちょい小さめのビルのような建物。
俺達は地下3階に監禁されていたらしいので、現在地下1階。
次の階段で地上へ出られる筈だが...。
階段が見つからない。何処にもない。一体どこにあるっていうわけなのさ?
「ガリュー。お願い」
「オッケ」
という訳で現在尋問タイム。やや強引な尋問タイム。
カルエルの合図で、俺は氷柱を黒戦闘員のフードに向かって飛ばす。
氷柱はフードだけを引きちぎるように飛び、後ろの壁に突き刺さる。
もうこの動作を何回したのかさえも分からない。慣れてしまって、今ではフードの何処に、どう刺せば怖いかの研究中だ。
こうして尋問は進む。
ーーー1分後ーーー
「あっちだって」
カルエルが指さした方向には壁。階段などない。が、カルエルはその壁に指を立て、「開け」と言う。
何処のアラビアンナイトだよ!と突っ込んだ矢先、その壁は消え、階段がむき出しとなった。
「自動扉か」
キャビアンJrが呟く。やけに現代的な名前だな。どうせなら人感センサーで開けばいいのに。
「まさか隠されているとは思わなかったわ。さ。いきましょ」
カルエルは率先して皆の前を行く。彼女は回復役なので、基本的に後衛だと思うんだが......。まあいい。どうせ誰も怪我しちゃいないんだし。
ーーーーーーーー
階段を上った先では、日光という名のプレゼントが俺達を待っていた。
「シャバはいいねぇ」
中年オヤジのようなコメントをしつつも、眩しさに目を細める。何日ぶりなのかはよく分からない。
「シャバってなんだい?」
「シャバはシャバだよ」
俺もよく知らなかったので一先ずお茶を濁す。シャバの意味ってなんだっけな?自由だっけ?
「おかしいわ。敵が来ない....?」
カルエルが納得の行かない顔をしている。確かに、これまでの傾向を見ると、待ち伏せをしていたパターンが多かった。と、言うより、いつも待ち伏せしていた。何かの罠だろうか?
と、思ったら、またしても刺客登場。10人程の戦闘員がやって来た。
しっかし何処からこの量の人間を連れてきてるんだろうか。
どちらにせよ、無双状態に変わりないけどな。
(おい。親玉だ。真ん中の黒フード。あいつ1人だけ能力が高そうだ。これまでの奴とは違う)
全員黒フードですが.....。まあいい。アッシュ何人分?
(2人半ぐらいだ)
という事は、俺の出会った中で最強か。
(うにゃ。校長の方が若干上だなぁ。あいつはハゲの癖して強い)
ハゲは関係ねぇだろ。とにかく普通に勝てるな。
「アッシュ、ソニック。真ん中は俺がやる。ほかお願い」
「分かった〜よ〜」「OK!」
真ん中の奴は1人何かブツブツと言っている。まさか呪文か?
一先ず氷柱を飛ばして牽制。真ん中の奴(今はもう列が崩れているので、他の戦闘員よりやや後ろにいるが)は、あっせた様子でこちらを見る。
「1人は残して置いてよ!3人とも!」
カルエルが言った。尋問用の人を1人残せって事か。そしたらもう、明らかにリーダー格のこいつを尋問するしか無いな。
そうと決まれば、簡単だ。真ん中の奴をスルーし、ガトリングで周りの奴らを即殺。脅しによって極められた氷柱は、ひとりひとりの急所をしっかりと突く。結局、アッシュの分もソニックの分も俺がやってしまった。
「僕の分を取らないでくれよ」
「悪ぃ」
アッシュは不満そうだが、ソニックは良かった、という顔をしている。相当疲れていたんだろう。
最後の1人。真ん中の奴。こいつは強い。心してかからねば。
こうして、ガリューと真ん中の奴との激しい戦いが始まった。
とはならず、足に筋肉強化し、ダッシュ。首に手刀を1発。一瞬で気絶させて、戦いは終わった。
ポイントがなかなか入らない....
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