拉致そして脱出
9月20日、句読点の修正を行いました。
「ん……うう……」
目を覚ますとそこは、異世界だった。
冗談は置いといて、、、目が覚めると、そこは見知らぬ暗い部屋だった。
あたりを見回すと、ソニック、アッシュ、ナス、カルエル、チビッタ、例の3人組のリーダーの6人がいた。みんな気絶中だ。
一体何が?
(攫われたんだよ)
誰に?
(しるか)
使えねーな。
(んな!?)
なんか手がかりないのかよ。あれだろ。前に言ってた、強い奴さらって洗脳していくみたいなヤツだろ。厄介だな。
(そうと決まったわけじゃ無いが、大会上位者を攫って行く所見ても、その可能性大だな)
相手の戦力は?
(まあ、アッシュが少し強くなったと思えばいい。さほどアッシュと変わらん 。少なくとも、さらいに来た奴らはな)
少なくとも?どういう意味だ?
(お前が意識失っても、俺自身はピンピンしてるんだが、目を瞑ってると、というより、視界に入らないとあの能力使えないんだよ)
お前の能力中途半端だなぁ。まあいい。仕方ねぇ。
「んんん……ああ……ガリュー君。おはよ」
アッシュが起きた。しかしなぁ。おはよじゃねーよ。おはよじゃ。
「アッシュ。おはよじゃねーんだよ。今の状況を察しろ」
「ん……ここ何処?ガリュー君。いやあ……すごい夢見たよ。君が大会で優勝して、その後に僕が弓矢で貫かれて死ぬんだよ」
アッシュは、眠そうな目を擦りつつ、呑気に夢の話(現実だが)をしている。
「全部現実だわ!その後お前はここに拉致られてんだよ!」
「ほえ?え?何この手錠?」
アッシュが手を振ると、カチャカチャという音が鳴る。
「うう……うるさい。僕は眠いんだ。僕を起こすのは美女の美声だけにしてくれ」
ナス起床。相変わらず女好きは抜けない。
「いいから起きろ。拉致られてんだよ。手足の枷を見ろ」
もしかしてこの説明、残りの全員にやんないとダメだったりする?面倒くさすぎるんですけど。
「貴族の僕を捕まえて何をしようというのだ!」
ナスが怒る。それに対してアッシュが、
「ふん。もし相手が美女だったら、お前は迷わず貴族のことなど忘れて、奴隷として奉仕し続けりのだろ」
ありうる。絶対あるわ。もうそういうビジョンが浮かんでくるもの。
「そんな事は……あるかもしれない」
否定しろや。
まあいい。脱出方法を考えよう。アザゼル。どうすればいい?
(俺は探偵じゃねえ。そういうのは専門外だ)
お前に専門なんてあんのかよ。ひとまず枷が邪魔だな。引きちぎれるか?
(いくら魔力注いでも無理。オリハルコン製だ)
金属は熱に弱い。目からビームで焼ききれないか?
(ああ……その考えはなかったなぁ。行けるんじゃぁないか?最悪熱で溶かしつつ、筋力強化で引きちぎればいい。あのお前の目からビームは、おそらくそんじょそこらの魔法使いじゃ再現できんほどにアツアツだしな)
やるか。
ひとまず目からビームを出し、鎖を焼く。正確には溶かす。そのうち鎖はトロっと溶け始めた。
腕を開くと、簡単に千切れて、ぴちゃぴちゃっという音とともに、床に液体オリハルコンが落ちた。
しっかし子供相手にオリハルコンってやりすぎでしょ。それともこの世界じゃオリハルコンって、そんな強くなかったりする?
(お前の思っている通り、どんな事をしても、壊れない、最強の素材オリハルコンとはこれの事だ)
いや。壊れましたけど。じゃあこのオリハルコン。拾っとくかなぁ?
(最高級の装備が作れるはずだぜ)
良し。拾っとく事にしよう。
そんな事やってるうちに、オリハルコンは冷え固まり、他の人たちが目を覚ました。
「……」
相変わらず喋らんなチビッタ。そういやヒョロンは捕まんなかったのか?フランもいない。まあ、捕まんなかったんだろうなぁ。
「ガリュー。私はあなたに倒されてから記憶がないんだけど、ここはどこ?」
カルエルは状況をまだ理解していない。というか、こいつとソニックは気絶していて、襲撃自体を知らないのか?
「なんだここは!さてはガリュー君。僕を監禁して落とし前つけてやろうかっていう魂胆か?」
そんなことするわけないだろ。こいつも襲撃を知らないのか?
襲撃といえば何か校長が黒がどうのとか言ってたな。
黒って何?
(知らん)
あっそ。
「おい。全員聞け。黒ってなんだ?」
「くろ?」
カルエル、ソニック、チビッタ、は頭に?を浮かべた感じの顔になる。
しかし、アッシュ、ナス、3人組のリーダーは、ピンと来た顔をしている。
「知っているのか?」
「ああ。僕が王宮にいた時、よく侍女のサリーが言っていた。黒には捕まるなと」
ナスは真剣な顔でそういった。サリーって誰?まあいいか。
「ガリュー君。もしかして僕達は黒に捕まったというのか?」
「恐くな」
アッシュも真剣な顔だ。
「僕も王宮にいた時に侍女のサリーが言っていたのを思い出した。黒は魔王直属の最強部隊だと」
いやいや、、、サリーって有名すぎだろ。それよりおい。魔王の部隊ってどういうことだよ。アザゼルさん?
(知らん。もしそうなら、なんで俺を捕まえてんだよ。だいたい俺の部下は悪魔とか魔族だけだ。あんな人間を下に付けるわけないだろう)
そうか。アクセス数をなんているのか。会ってみたいな。っと、そうじゃなくて、
「お前はなんか知ってんのか?えーっと……お前名前何?」
3人組のリーダーに聞こうと思ったが、名前を知らないことに気づく。
「僕に正式な名前はまだ無い。今はキャビアン2世と呼ばれている」
なんか知ってる名前出てきた。あのキャビアンの息子だったりしちゃう?こいつも美食家なのか?
「15歳になるか、王位継承時に正式な名前が渡される」
なんか前世とシステム違うわ。普通王位継承時にうんチャラ2世になるんじゃないのか?
(この世界じゃあそうなんだよ)
そうなんですね。ちなみにあのキャビアンなのか聞いてみるか。
「キャビアンってあのキャビアン王?」
「そうだ。僕はかのキャビアン王の息子にして長男。次の王は僕で決まりだ!」
キャビアン息子は、大きく胸を張ってそういった。王になりたいなら、先にここから脱出しないとな。
とにかく、全員の枷を外す。目からビームだ。因みに何故目から?と、思った人もいたかも知れないが、それはなんとなくだ。手から出るより目から出た方がいい。ロマンって奴だと思ってくれていい。
勿論オリハルコンはちゃっかり拾っておく。袋のようなものを持っていなかったので、溶かして丸めて野球ボールサイズにぎゅっと凝縮させた。
(こんだけあれば、最強装備一式が作れるはずだ)
やったね。ありがとう黒の皆さん。って言っても、抜け出さないと宝の持ち腐れもいいとこだよね。
「そこのドアぶっ壊してよ。ガリュー」
カルエルが部屋で唯一の出口と思われる、鍵のかかったドアを指差し、女子とは思えない大胆発言をした。
「いいけどさ。開けたら警報がなって敵が集まってくるとかないよね?」
「けいほうって何?」
そっか。そんなものないか。ここは剣と魔法の世界だもんな。
よし。ドアぶっ壊そう。
腕を筋力強化。1発軽くドアをぶん殴る。軽くと言っても、ドアを壊せそうな最低限の力を込めている。
ドンっという音と共に、ドアが飛ぶ。ある程度原型は留めてる。
「いくか」
俺が一歩外に出たその時、黒いフードの男ふたりに、右左で挟まれた。
「なんで出てきているんだ!」
「あ、すいません。すぐ戻ります」
そう言って俺は、飛んだドアを持って、部屋に戻った。
なんで戻ったか?いきなりでびっくりしたしたから。
「すいません。もう一回やるんで、ドアの前でたっててください」
もう自分でも何言ってるのかわからない。さっき倒しちゃえば良かったのに、意味不明な事を言い始めた俺氏。
「「「「いいわけ無いだろ!!!!」」」」
ドアの中からも外からも、ツッコミが入ってきた。
ですよね〜。
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