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世界一の魔術師? ですが本業は料理人ですので 〜転生料理人の異世界魔法生活〜   作者: クリップキラー
前座 青年期 子分が増えていく
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魔道大会1日目

9月20日、句読点の修正を行いました。

大会1日目。

今回の大会は、2日間に渡って行われる。1日目は予選トーナメント。2日目が決勝トーナメントだ。予選は最大1日2試合。決勝は1日で3試合行う。もちろん最後まで勝ち進めばの話だ。最終的には、3日で7試合戦うことになる。

聞いたところによると、参加チーム全32チーム内、10チームがCクラス、また10チームがBクラス、そして残りの12チームがAクラスのチームとして、配分されている。基本的には出たい人が出るのだが、人が足りない時には、成績上位者から人数合わせとして選ばれていく。

まあ分かっているだろうとは思うが、いつもいつも決勝トーナメントに進むのは、ほぼ全チームAクラスの連中だ。たまにBクラスが交じることがあるそうだが、基本は決勝でぶちのめされるらしい。


「いやぁ。大会っていうのはテンションが上がるよね。僕も興奮し始めてるよ」


「主君。試合はいつからですか?」


フランもワクワクしているようだ。アッシュに関しては言葉に出ているな。こいつらは結構テンションアゲアゲだな。何っていうか、前までこいつらの事ウザイと思ってたけど、やっぱりいイイヤツだとも思うようになった。思ったよりも人の心っていうものがちゃんとあると思う。いつものメイドのように動く2人も、やっぱり自分の心もあったというわけだ。


「まだ時間があるなら僕がお菓子でも持ってこようか」


「アシュガノフさんが行く程じゃない。私が行く。君主。飲み物は?」


前言撤回。こいつらは人形のような奴らに変わりなかったわ。


「いや。どうせすぐ始まるし。あとお前らウザイし」


「な……うざい……」


明らかに2人が不服そうな顔をしている。俺を君主って呼ぶくらいなら、俺の前ではそんな顔するんじゃねーよ。


「おうおうおう。わざわざ俺達に倒されに来てくれたのか。ご苦労ご苦労」


後ろから声。振り向くとそこには、例の3人組がいた。相変わらず馬鹿面だ。なーにがご苦労だ。お前らこそご苦労さまだわ。俺に倒されるためにこの大会に参加したようなもんだろ。別にね、俺の力が強いとは言わないよ。それは完全に危険フラグたっちゃうし。でもね、こいつら倒すのは簡単なんだよ。そういえばハルバードは強かったのか?


(先生なだけあって強いっちゃ強い。でも、魔力だけ見ればヴァイアの方が強いと思うぞ)


そういえばお前さ。どうやって人の強さを見極めるの?


(それぞれの個体から出ている覇気を見るんだ。その覇気からは、魔力、筋力、思考力、知力とかをなんとなーく知ることが出来るんだよ)


ほぇー。俺には見えないからな。


(魔眼か邪眼か覇気感知がないとダメだからな)


なにそれ?魔眼ってあれ?俺の右目がぁ!うぁぁあああ!って奴?中二病要素満載じゃねーか。


(ほら。お前が興味津々な精霊の力って奴だ。俺は何度も転生してるからいろんな種類の精霊の力持ってるぞ)


お前魔王なのにもらえんの?魔王が精霊から力もらうとか想像するだけで吹きそうなんだけど。しかも転生した後も引き継がれるんだ。意外。


(あれは肉体じゃなくて、精神に能力が刻み込まれるからな)


そうなんだ。まあ、この世界で転生してるのなんてお前と勇者ぐらいなんだろうけど。


(たまぁにな、前世記憶がない癖して精霊の力持ってる奴がいるんだよ)


イレギュラーって奴か。まあ、あんま関係ないかな。俺だってまだ7歳くらいだし。精霊の力貰うにはちょっと幼いね。精神年齢二十代後半……三十代か?まあいい。心はいつも若者だ。


「そろそろ始まるか。まあせいぜい、Cクラスのやつにまでやられないように気をつけるんさな」


「ぼ~くたち~と当たったら~かわ~いがってあ~げるよ」


「誰がお前らに可愛がられなきゃいけないんだ!主君。こいつら気持ち悪いです!」


フランに比喩は通じないようだな。それにしても、俺とその他とで、話し方が全く違うのは面白いな。


「どうせ始まるし。こいつらは俺らが可愛がればいいさ」


「主君にそんな趣味が……」


どんな趣味だよ!そんな趣味ないわ。何が悲しくて、こんなウザイチビデブを可愛がらなきゃイケナイのだ。比喩が通じないのは不便だな。

怖いのは、本気でフランが軽蔑をいっぱい込めた冷たく鋭い目線が、俺に突き刺さる。もう少し愛情の篭った目線が欲しい。んま、冗談はさておき、そろそろほんとに始まっちゃうからな。


「はっ!面白い冗談を。せいぜい僕らと戦うまでに負けないでおけよ。僕も君達の事は少し気に入らないんでね。せめて僕の手で君たちを葬ってやる。行くぞ。チビッタ、ヒョロン!」


アイツらチビッタとヒョロンっていうの?まじか。超受ける。名前通りじゃん。


そうして、3人組は会場に向けて去っていった。


「俺達も行かないとな」


「ぶっ飛ばしてやろう。今日は僕に先陣を切らせてくれ。僕が負けたら、ガリュー君。頼むよ」


「あ、ああ」


こいつが負けるとは思えんが……何たってあの3人組のリーダー(っぽい奴)の5倍の力は持ってるんだから。



ーーーーー




開会式が終わった。


早速1試合目が始まる。相手はCクラスの子。正直アッシュに任せてよかった。丸腰であんまり強くない子に俺が攻撃するとなると、罪悪感が凄い。


結果は言うまでもない。アッシュの瞬殺。圧勝だった。


1人目。アッシュは光魔術で相手を目くらましさせ、火の玉をしっかり当ててフィニッシュ。

2人目も、土魔法で地面から土の柱を出して相手を吹き飛ばす。

3人目に関しては、逃げ出してしまって、勝負は不戦勝という扱いだった。


ちなみに負傷者は、医務室へ運ばれる。敵の2人は、負けた直後に、先生達に運ばれていった。


これでもうあと一試合しかない。


「アシュガノフさんばかりずるいです。主君。次は私に」


アッシュの戦いを見て、自分も戦いたくなったのだろうか?


「いいよ」


2試合目。今度はAクラスの奴だ。あの3人組の奴等ではないが、結構な馬鹿面だ。


「我々Aクラスの勝利は決まったな」


相手の強さも見極められないやつが勝てるわけあるか。


しかし、さっきは気づかなかったけど、観客が沢山いるな。前世でいう所の、体育祭のような感じだろうか?

何か騎士っぽい人とかもいるな。明らかに保護者ではないだろ。


(スカウトじゃねぇか?優秀な生徒にツバつけとこうって奴だろ)


どこぞの高校野球だ。あの人にアピールできれば、職業ゲットですかねぇ?


(ああ。お国の王様を守る親衛隊になれるかもな)


それは困る。俺は冒険者志望だ。あ、、、冒険者兼料理人か。

あっちにいる魔導師っぽいローブ着ている人たちも、その類の人たちかな?あれ?良く見ると結構沢山いるな。いい人材の取り合いになりそう。


あ。試合終わってる。見事に敵が伸びてるな。


「フラン。お疲れ」


「勝てた。全部君主のおかげだ」


そうじゃないと思う。俺何もしてないし、何より力の差がありすぎりから。


ん?観客席が凄いざわついてるな。


そりゃそうか。Aクラス相手に圧勝する美人な女の子の超新星が現れた!つってな。


「う……」


お。まだ敵が生きてた。いや。そもそもここで戦えば死にゃせんのだが。


「俺はAクラスの中でも弱いほうだ……我々に勝てたって……あの人たちには勝てやしない、、、」


そう言って彼は力尽きた。もちろん死んでないぞ。

しかし……どこぞの四天王だよ!と、心の中で突っ込んでしまった。


こうして、予選は、俺達の圧勝に終わった。


20000PV突破!


3連休ですね


Twitter @motokikira です!


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